[マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

イベントも収録もできない! コロナ禍によって変化するコンテンツ発信のスタンダード

マーケターコラム、今回はテレビ東京・明坂真太郎氏。コロナ禍によって、デジタルコンテンツはどのように変化していくのか?
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テレビ東京 明坂真太郎氏

こんにちは、テレビ東京の明坂です。

前回記事を書いてから2か月ほどたち、その間に緊急事態宣言などにより世間が大きく変化しました。

私が働いているテレビを始めとしたエンタメ業界もまた、リアルイベントの中止や番組収録の中止、スタジオ収録でもソーシャルディスタンスを保つため出演者にZOOMで参加していただくといった、今まででは思いもよらないような大きな変化が起こっています。

おそらくこれは長い時間軸の中では起こるべき変化が急激に起こったにすぎません。このような変化によって、テレビ局やタレントといった業界のプレイヤーおよびデジタルコンテンツはどのように変化していくでしょうか。私なりに考察してみます。

急速に増えた個人主動動画コンテンツの今後

音楽やお笑いを始めとした多くのリアルイベントが延期もしくは中止になり、多くのタレントさんやアイドルの方が自らYouTubeチャンネルを始めました。

イベントやテレビ番組の収録ができずファンとのコミュニケーション機会がない今、スマホ1つあればコンテンツを発信することができるのがYouTubeの強み。STAY HOMEによって参入が加速されたという背景がありますが、本来YouTubeなどのデジタル上のリッチコンテンツはテレビともリアルイベントとも役割の違うもので、マーケティング上有効活用するべきものだと思います。

そう思う要素は大きく2つあります。1つはテレビなどでは演出や尺の都合でできないような話や、出演者の意向をダイレクトに反映させた企画などが発信できること。このダイレクトさは言い換えると近い距離感=親近感とも言えます。

もう1つは消費のしやすさです。時間や場所の制約があるリアルイベントや、配信枠の制約があるテレビを含む外部のメディアと違い、毎日でもコンテンツを配信できますし、そして視聴者はいつでもどこでも好きなタイミングでそれを消費することができます。

今は一時的にできることにリソースが注がれている状態だとは思いますが、“テレビの代替”でも“あまたあるチャネルの1つ”でもなく、YouTubeでこそ実現できる体験を提供するチャネルとして捉え活用できるかが、今後継続的なアクションになれるかの分かれ目だと思います。

テレビ局の今

冒頭に申し上げたとおり、テレビ局が収録をリモートで実施するといった感染対策を行っているのをご覧になった方も多いと思います。

テレビの収録は出演者の方を始め、ディレクターや技術スタッフなど多くの人々の緻密な連携によって成り立っているため、それをリモートに置き換えるのは簡単ではありません。そんな中でも放送を休まず継続させるどころか、リモートだからこそできる新しい面白さを見出す企画を考えて実行しているクリエイティビティには驚かされるばかりです。

昔であればこの危機を乗り越えるだけで良かったのかもしれません。しかし、昔と違うのは、前述のとおりタレントやアイドルを含むあらゆる個人が動画コンテンツを作り配信できるようになったこと、さらにはその動きが加速しているという事実がありテレビ局などマスを対象にコンテンツを作っている側としては、今後の脅威として受け止めざるを得ません。

まだまだこれからもコンテンツの提供者は増えるでしょうし、それに合わせて視聴者が消費するコンテンツの種類も増え続けるでしょう。

テレビにしか作れないテレビならではのコンテンツと、今まで以上に視聴者に身近で、より消費しやすい形のコンテンツ。

テレビ業界は外部環境の変化を理解した上で、この2つの種類のコンテンツを両輪として備えられるよう変化していくことが必要になると考えています。

先日、テレビ東京公式LINEアカウント上にて、収録がストップしたことによって放送が継続できなくなった「ドラマ24 浦安鉄筋家族」の休止期間に再放送するドラマを何にするか、過去の作品から投票で決めるという企画を行いました。

今の放送の仕組みをすぐに変えることはできませんが、こういった新たな取り組みを通じて、視聴者との距離を縮めていくことに引き続きチャレンジしていきたいところです。

今後の企業マーケターのコンテンツ作り

さて、テレビ業界の話が長くなりましたが、どのような業界の企業においてもマス広告やデジタル広告、TwitterやLINEなどのSNS、はたまたオウンドメディアなどを通じて、消費者にコンテンツを提供していくということついては同じです。

冒頭に書いたとおり、あらゆる個人や企業が自らコンテンツを作り発信するというアクションは結果として急激に促進されただけです。制作や配信をするインフラが整い、テレビを始めとした最大公約数メディアの影響力が弱まりゆく中では、起こるべくして起こる変化だと思います。また、それゆえに日常が元に戻っても起こった変化が完全に元の状態に戻ることはないでしょう。

テレビからデジタルへ、マスから個人へ。より分散していくメディアに対して、どのように露出のコントロールを行うか。どのようなコンテンツをどのような距離感で提供していくべきか。自社と顧客のカスタマージャーが今後どのように変化していくのか。

デジタルにおけるコンテンツの役割や戦略を改めて考える必要があるタイミングだと思います。

次回予告

今回は時事を捉えたテーマとなりましたが、次回はマーケターのスキル獲得やキャリアについてお話ししたいと考えています。

これについて聞きたい!などあれば、お気軽にTwitterへリプライください。

それでは。

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