【漫画】デジマはつらいよ

PDCAのスピードがアップする魔法のツール!? 右目・左目分析を使えば良いんだよ/【漫画】デジマはつらいよ・第4話

「顧客が何を考えているのか。わからなければ、実際に見ればいいってことだ」

前回のあらすじ

カートに入れられた商品が、なぜか全く注文されない。虎はその謎を解き明かすヒントをなぞなぞで与えたが、その真意とは?

ここから始まります

8階に住む少年がなぜ毎回エレベーターを5階で降りて8階まで歩いて登るか?正解は…その少年の身長では5階のボタンまでしか手が届かないからでした!そんなことかぁ真実は意外と単純な理由だったりするもんですねけどそれが今回の購入まで至らない問題とどう関係してるんですか?わからない?つまり
わからなければ実際に見ればいいってことだよ実際に見てみる?どうやってサイトで購入するお客様の行動を見るって言うんですか?魔法のツールを使えばいい見ててねこのURLをクリックしてID、パスワードでログインしてっと
ほら見てみなあうちのサイト…え?あれ?あれれれ勝手に動いてるまさか…不正にログインして覗いてるんじゃ…なんでやねんこれはサイトに訪れたお客様の実際の行動が見れる「FullStory」っていうツールなんだ「FullStory」?お客様の動きを動画で記録できちゃうんだもちろん個人情報に関する事やカード情報なんかは見れないように処理してあるしパーミッションも必要だけど
さぁそのツールを使ってカートに入れた商品が購入に至らない謎を解くんだえぇっ教えてくれないんですかっ1日見続ければきっと答えがわかるからほんまかいな…翌日トラさん言われた通り一日中お客さんの行動を見てたらあまりにもあっけなく理由がわかりました
じゃあ報告してくれる?今回の特集ページ…新規向けの商品一覧ページでは全商品に商品詳細ボタンをつけてその左横にカートボタンも付けたんですカートボタン商品詳細リンクボタンけどそれが失敗でしたスクロールするときにうっかりカートボタンを押してしまうユーザーが続出…つまり原因はただの誤タップでした正解!電車でつり革につかまって操作してるとついさわっちゃう場所だもんな個人の行動を観察すればわかるあっけない理由でしたPDCAにとってそれが大切なんだよ
グーグルアナリティクスなどの定量分析と合わせて個のユーザーの動きにフォーカスして実際に行動観察調査するえ俺はこれを『右目・左目分析』って呼んでるんだ右目?左目?左目では解析ツールなどで定量的に事象を把握し右目では行動観察等により個の行動を把握するするとデータ解析では見えない事実が浮かびあがる
人間の目は非常に高度なセンサーであり意識・無意識問わずたくさんの情報を受け取って膨大な処理を行っているんだ人間の目による行動観察より優れたモノはまだないだから実際に目で観察するとたくさんのアイデアや仮説を生み出せるんだよなるほどこの方法を使えば店頭にいるのと同じくらいいろいろなことを発見できるそして毎日1時間ほど右目・左目交互にモニタリングすればPDCAのスピードが段違いに早くなる!こんな方法知らなかった
……さっきからジッとモニターばかり見てるけどなにしてるの?『右目・左目分析』左目右目ちなみに両目でモニタリングしていいんだけどそうなんですかっ

次回に続く 

3話と4話のまとめコラム:PDCAの最大の課題は「P」の枯渇

こんにちは、「デジマはつらいよ」原案者の中澤です。

前回までのシナリオでPDCAにおいては、質よりも量が重要であるということをお伝えしました。ではPDCAの実践において「量」を回して行く際に、実際には何が課題になるのか? その最大の課題は「P(打ち手)」の枯渇です。

打ち手を生み出すためには、その前提として「課題」の発見や「気づき」が必要となり、それらを栄養として「打ち手(仮説)」がアイディアとして導出されます。よっていかに多くの「課題」や「気づき」を高速に得ることができるかが、「P」の量産に直結し、ひいてはPDCAの量と速度を決定づけます。

売り場と同じスピード感を求めて

私のビジネス人生は家電量販店の売り場から始まり、売り場で店員、店長として約7年間の経験を積みました。のちにWebマーケティングに携わった際、売り場と比べてもっとも大きな違いとして感じたのが「P」の量とPDCAのスピードでした。

売り場においては、商品POPの内容から商品の陳列まで、それこそ毎日、ものによっては1時間ごとに変更を加え、顧客の反応を見て改善を行っていたのですが、Webマーケティングにおいては、同じぐらいのスピード感でのグロースハックができない。もちろん、ランディングページの改修や文言の変更などにも、リアルの売り場よりは時間がかかるというのはあるのですが、何よりも難しかったのが「P」つまり打ち手の量産でした。

ログ解析では顧客理解は難しい

リアルの売り場と異なり、ログ解析ツールなどで行動データを定量的に把握できるWebの方が、打ち手の前提となる、課題や気づきをたくさん得られるはずなのに、なぜなのか?

それはつまるところ、ログ解析で得られるデータなどからは「顧客の理解」が難しいからに他なりません。データは「効果測定」には非常に有効なのですが、施策導出の元となる「顧客からの気づき」が得られにくいのです。

打ち手のヒントは個客にあり

「打ち手(仮説)」導出に直結する課題や気づきは、群としての「顧客」よりも、個としての「個客」から得られることが多い。実際にリアルの売り場においては、1人1人の個客の「導線・動作・目線・表情」といったものを観察することで、大量の課題や気づきを得ていました。

人間のセンサーというものは大変優れています。とくに目的をもって観察していなくても、ボーッと個客を眺め続けているだけで、潜在意識には大量の情報が流れ込んできています。それらの大量の情報から、ふとした瞬間にさまざまな気づきが浮かび上がってくるのです。

Web動画行動観察

Webマーケティングにおいて、大量の「P」を高速に生み出して行くためには、「群としての顧客の把握」から「個としての個客の観察」にその分析手法を拡げていく必要があると考えており、その最たる方法が「Web動画行動観察」だと思います。

Web動画行動観察に実際に取り組んで行く際には、パーミッションの取得や個人情報への配慮など、ログ解析に比べクリアすべき条件は多くなりますが、効果検証が主目的ではないため、全顧客を対象にする必要もありません。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょう?

群としての顧客を把握する「定量分析」、個としての個客を把握する「行動観察」、この2つを交互に組み合わせた新しい分析手法、「右目・左目分析」。

ぜひチャレンジしてみてください。

次回に続く

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