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AIが画像の足りない部分を補完・修正する加工ツール4選(無料あり)

周辺の背景や見切れなど欠損した画像を補完・修正・変換するAIを活用した加工ツール(サイト)を紹介します。AIは画像・写真の着色、生成、スタイル変換などを行い、質を高めることができます。これにより、人力では出来ない水準の編集・加工が可能となり、労力の削減と表現の幅の拡大が期待できます。

ユーザーが受ける印象を左右するうえで非常に重要な要素であるのが、画像。

Photoshopなど使うことで目的に合わせた画像編集・加工ができますが、今後はAIがその作業を支援してくれるかもしれません。

今回は、画像編集・加工が可能なAPIを使い、

  • どのように写真の質を高められるのか
  • どのように「映える」写真にできるか

人物写真や風景写真、画像のいち部分が欠けている画像などで、試してみました。

API(アプリケーションインターフェース)
ソフトウェアの一部をweb上に公開することで機能を共有する、ソフトウェアとプログラムをつなぐもの。

AIで欠陥のある画像素材を「使える」画像に変換する

画像を扱う上で、必ずしも使いたい画像素材がすぐに使える状態にあるとは限りません。

そんな画像素材でもAIを使うことで、簡単に修復することができます。

まずは、数多くあるAPIの中から写真の質を高める

の精度を検証してみます。

Image Colorization ── モノクロ画像を着色する

モノクロの画像をディーププラーニングを用いてカラー画像化するImage Colorization

ひまわり畑のモノクロ画像を用いて、実際に試してみましょう。

返ってきたのは、こちらの画像。

もともとモノクロの画像だったとは思えないほど自然に着色できています。

元の写真と比べても、服の色が黄色なのと全体的な彩度が少し低いくらいで、着色の精度は高いと言えるでしょう。

モノクロ画像の着色については、多くの研究があります。日本でも早稲田大学で研究されており、自動色付けについては、web上でデモすることが可能です。

こちらが早稲田大学が研究した自動彩色の画像。

こちらも高い精度で色付けできています。

Image Inpainting ── 画像の欠けている部分を生成

Image Inpaintingは、NVIDIAの研究チームが画像内の一部を削除し修復するDeep learningを用いた画像修復法として発表しています。

さっそくチューリップ、犬、そしてりんごの画像で試してみます。


チューリップ




りんご

少し違和感があるかもしれませんが、欠けていた部分も写真に溶け込み、パッと見ただけでは境界線も分かりません。

写真の一部分を違和感なく補正したいときに使えそうです。

Instagramを筆頭に欠かせなくなった「映え」をAIが実現する

企業、個人いずれにおいても、いかに写真が映えるかを意識する時代です。

この「映え」に関してもAIを用いることでおしゃれな画像へと加工が可能です。

中でも特に「映える」写真に加工できそうな

を実際に試してみます。

Deep Dream ── 特徴を強調し、幻想的な写真へ仕上げる

Deep DreamはGoogleが開発した人工知能による画像解析ソフトウェアで、ニューラルネットワークを利用した画像認識が特徴です。

画像中の特徴を抽出し、特徴を強調するDeep Dream。

名前の通り加工後の写真は、夢のように幻想的な写真になっています。

先ほどと同じひまわり畑の写真で実際に試してみました。

写真とも絵画ともない不思議な感じに仕上がりました。

もともとの画像も美しい写真でしたが、また一味違った「映える」写真になりました。

続いて、スクランブル交差点の画像で試してみます。たくさんの横断者や車が写っており、ごちゃごちゃした雰囲気の画像ですが、果たしてどのように変化するのでしょうか。

元の画像

加工後

美しい写真とは言えないかもしれませんが、まるで夢の世界のように仕上がっており、ユニークな一枚になりました。

一方で、もとの画像とかけ離れることなく仕上がっています。

CNNMRF ── スタイル変換をおこなう

おしゃれに画像を加工するのはDeep Dreamだけではありません。同じく画像の表現の幅を広げるCNNMRFも試してみました。

CNNMRFは、スタイル変換をおこなう1つの手法。

スタイル変換
スタイル変換は、データの外見的特徴の変換を行います。

例を挙げると、一枚の写真をゴッホの「星月夜」の画風にすることもできます。

実際に、親子が散歩している写真を「星月夜」風にしてみます。

いかがでしょうか?元画像の要素を残しつつ、ゴッホ作品のような画像に仕上がっています。

次は、2人の子供の写真を絵画ではなく英字新聞の雰囲気に仕上げてみましょう。

人によって受ける印象は異なるかもしれませんが、広告などにも使えそうな1枚になりました。

画風を別の画像へと反映させる技術、Ledge.ai編集部でも話題になりましたが、APIを用いれば手軽に実装できます。

AIが画像加工に与える影響

今回は4つのAPIを試してみましたが、画像加工に関するAPIはほかにもまだまだ存在します。

実際に「Adobe Sensei」など、製品に取り込まれて提供されているものもあります。

AIが画像を編集・加工するメリットは、

  • 人力では出来ない水準の編集・加工ができる
  • 労力の削減する
  • 表現の幅を広げる

など、クリエイティブ × AIの領域で非常に注目されています。

日々見かける写真の多くがAIにより加工されている、そんな時代も近いのかもしれません。


秋山 直登
Ruby on Railsを駆使するライター/エンジニア。システム設計からデザインまでを一気通貫で行う。

「AI:人工知能特化型メディア「Ledge.ai」」掲載のオリジナル版はこちらAIが表現する“インスタ映え”。着色・生成・〇〇風変換するAPIを使い倒す

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