ネット広告の成果が落ちた。そんな時はTableauで原因を探ろう
書籍『ネット“打ち手”大全 成果にこだわるマーケ&販促 最強の戦略102』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開。
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見えにくい原因は
Tableauで探し出す
広告データを深掘りする「Tableauのアドホックな活用」
Chapter 5 評価と改善 成長のためのCheack & Action
ネット広告運用では、データが物を言います。近年ニーズが高まっている「Tableau」などのBIツール&ビジネスアナリティクスの活用が、原因の特定や改善のための知見を得るうえで大いに役立ちます。
データの「探索」で見えにくい事実や傾向をつかむ
ネット広告の成果が急激に落ちているとき、何をすべきでしょうか。
短期的には、多大な費用が失われないように出稿を止めるなどの手を打つでしょう。同時に、原因を特定して根本的に解決するためのアクションを起こすことが求められます。
原因を特定するには、頭の中でひたすら考えるだけでなく、対象となるデータを「探索」し、手がかりとなる事実や傾向を発見するプロセスが必要です。このとき、BIツール〈※1〉の「Tableau」(タブロー)があると重宝します。
※1 BIツール
BIは「Business Intelligence」の略。データ分析によって企業の意思決定に役立つ知見を得る手法のこと。
管理画面からダウンロードしたデータを活用
Tableau Desktop〈※2〉はレポーティングにも使えますが、広告運用の現場ではデータ探索の用途でよく使われます。筆者はこれを「Tableauのアドホック〈※3〉な活用」と呼んでいます。
※2 Tableau Desktop
Windows/Mac向けのソフトウェア。年間51,000円(税抜)から利用できる。企業向けのサブスクリプションプランや14日間の無料トライアルも用意されている。
※3 アドホック
「特定の目的のための」という意味。ほかにも、無線LANの子機同士による通信をアドホックモードと呼ぶ。
運用者自身が原因の手がかりを見つけるのが目的なので、複雑で美しいビジュアライズは必要ありません。管理画面から得たデータの切り口を変える、グラフの表現を変える、フィルタで絞り込むなどして、ひたすら探索に集中します。
例えば、特定の興味・関心カテゴリやプレースメントの露出が増えているなど、管理画面では見つけにくい変化も、Tableauであれば発見できる可能性が高まります。チームでの導入をぜひ検討してみてください。(寳)
- AdWordsの管理画面からレポートをExcel形式などでダウンロードする。CSV(カンマ区切り)やTSV(タブ区切り)でも可。
- AdWordsのレポートは1行目がレポート名、2行目が項目名になっている。Tableauでは1行目を項目名として認識するため、Excelなどで1行目を削除しておく。
- TableauのデータソースとしてAdWordsのレポートを取り込み、ビジュアライズする〔図表93-1〕。
AdWordsやFacebook広告のデータは構造的に整っており、その点でも「Tableauのアドホックな活用」に向いています。より早く原因にたどり着けるでしょう。
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