ウチのサイトのコンバージョンって何? 正しく理解して成果に結びつける #1
この記事は、書籍『いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
一言でコンバージョンと言っても、運営しているサイトや運営者によって定義はさまざま。本書で取り組む「コンバージョン最適化」は、適切なコンバージョンを設定することからはじまります。このレッスンではコンバージョンの定義から見ていきましょう。
Chapter 1 間違いだらけのコンバージョンを正しく理解しよう
Lesson 01 [現状の認識]
そのコンバージョン、成果に結びついていますか?
○コンバージョンとは「購入」か?
コンバージョンというと、たいていは「購入」がすぐ頭に思い浮かぶでしょう。そのほかにも会員やメールマガジンなどの「登録」、予約や来店あるいは資料請求といった「申し込み」、キャンペーンやなどの「応募」、場合によってはソーシャルメディア上での「シェア」といった行動もサイトによってはコンバージョンとされています。
英単語のConversionとは「転換、変換、換算」といった意味ですが、サイトに訪れた「顧客になっていない状態の訪問者」が「顧客」に転換するという意味でこの単語が使われています。そのため、本来は「訪問者にこの行動をとってもらえば顧客に転換したとする」ということがはっきりと定義づけられている必要があります。
しかし、マーケティングの本来の取り組みとして顧客への転換がゴールなのでしょうか? そもそも購入行動をとってもらうことで「顧客へ転換した」と言っていいのでしょうか? あるいはいったん顧客へ転換したとして、その後はどう考えることになるのでしょうか? その顧客はずっと顧客であり続けてくれるのでしょうか?
○「ウチのサイトにはコンバージョンがない」と思っていませんか?
また逆に「ウチのサイトにはコンバージョンがないんだよ」という声を聞くこともあります。たしかに購入行動のような明確なコンバージョンの基準がすべてのサイトであるわけではありません。
例えばオンラインコミュニティ構築を目的とするサイト、コーポレートブランディングを目的とするサイト、あるいはすでに会員になってもらっている訪問者向けにサービスを提供するサイトなどです。こうしたサイトを運営していると、「ウチのサイトにはコンバージョンなんてないよ」とつい考えてしまっていても不思議ではありません。
このようなサイトには一見するとコンバージョンに相当する行動はないように見えます。コミュニティへの投稿行動をコンバージョンと定めても、どこか違和感を覚えるかもしれません。ただ、だからといって「訪問者にこの行動をとってもらえればOK」という具体的な基準を定めていないとしたら、いったいそのサイトの成功や失敗はどのように測ればいいのでしょうか?
○コンバージョンは何のために見る?
では、成果を出すためにはコンバージョンをどうやって見るべきでしょうか? コンバージョンしたとみなす行動(以後、「コンバージョン行動」)が定められていたとしましょう。定義が定まっているとコンバージョン行動を数値化できるという利点があります
購入行動であれば、コンバージョン率、つまり「サイト訪問者のうち購入に至った人の割合」を出すことが多いでしょう。同時に注文単価、つまり「1回の購入行動あたりの平均購入金額」を見ることもあると思います。登録や申し込みでもやはりコンバージョンの率を見ることになります。
こうした率や額といったコンバージョン行動に関する数値は、サイト運営の活動の結果を表す指標です。しかし、これらの指標は「結果に至るまでのプロセス」については何も教えてくれません。そして、プロセスがわからなければ、具体的な改善のための施策を生み出せません。
結果をどう生み出すのか、より良くするかが皆さんの仕事です。結果の指標だけ見ていてもこの仕事をやり遂げることはできません。ほかにどのようなことを見て、理解して、考えれば成果に結びつくのでしょうか?
では、本来コンバージョンはどのように考えるべきでしょうか。このあとのレッスンで考えていきましょう。
いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本
人気講師が教える実践デジタルマーケティング
どんなサイトでも必ず改善します!
大好評「いちばんやさしい教本」シリーズから、全デジタルマーケターの悩み「コンバージョン最適化」の実践書が登場です。コンセプトは「どんなサイトも必ず改善します」!
ECサイトだけでなく、コーポレートサイトやコミュニティサイトなど、どんな種類のサイトでも必ずコンバージョンを改善するためのPDCAの考え方などを丁寧に解説しています。
KPI/KGIの適切な定め方、課題の抽出方法、施策の優先順位の付け方なども実践的に紹介しているので、本書を読めば自社サイトを改善する具体的な道筋がハッキリ見えるはずです。
ソーシャルもやってます!