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仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

すべてのビジネスメールには「目的」がある! 「目的」を伝えるために必要な6W+3H(全6回の1)

「メールを送ること」が目的になっていませんか? 本来の目的を達成するために必要な6W+3Hとは
仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

この記事は、書籍 『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』 の内容の一部を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

今回の記事は、第2章 「目的を意識しながら書く」 より抜粋

すべてのビジネスメールには「目的」がある

ビジネスメールは、どんなものでも「目的(=何のために送るのか)」があります。もし目的が不明確だと、相手にこちらの意図や要望を正しく伝えることができません。

仕事が速い人は、これが業務の停滞につながることをよく知っているので、常に〝何のために送るのか〟を意識しています。

当然ですが、メールを送る目的は、仕事の内容によってさまざまでしょう。

営業職であれば、会ったことのない人や一度顔を会わせたことがある程度の人に、面会の約束をするためにメールを送ることがあります。

依頼なら、最終的な目的はその仕事を引き受けてもらうことですし、謝罪なら、お詫びの気持ちを受け入れてもらい、今後も取引を継続できる状態にすることが目的になります。

また、クレームなら、問題が発生した理由や今後の対応を説明してもらうことが目的であり、上司への相談なら、事実関係を理解してもらった上で、次のアクションを指示してもらうことが目的のはず。

ところが「メールが苦手だ」と感じている人の多くは、この目的を見失っているように思えます。

メールを送ることにばかり意識が向いていて、自分は何のためにこのメールを送るのかという意識が、スッポリ抜け落ちているのです。

例えるなら、「会議をすることが目的になっている会議」のようなもの。

会議を成功させるコツは、議題(テーマ)をあらかじめ設定しておくことです。

「売上アップ」というテーマが設定されていれば、数字が伸びない要因を分析し、具体的にどうすれば達成できるかを話し合いながら、「結論」が導き出されるでしょう。

しかし、「会議をすることが目的の会議」は、〝とりあえず集まること〟が目的になっているため、どれだけ話し合っても結論が出ません。

メールもまた然り。

送ることが目的になってしまうと、受け取る側もどうすればいいのか、何を求められているのか、よくわからないという状況が生まれます。

例えば、不動産業界の営業をしている人が、「モデルルームの見学会のご案内」というメールを見込み客に送ることがよくあります。

このような場合、目的は「見学会に来場してもらうこと」ですから、そのための案内を送ることになるでしょう。

ところが、メールを作成しているうちに、「見学会の開催を通知すること」が目的にすり変わってしまう人が少なからずいるのです。

この場合、メールには、日時や場所、予約が必要なのかどうか、必要なら、どのような手段をとればよいのか(電話なのかメールなのか)という、一般的な情報が盛り込まれます。

ただし、これで終わってしまうと、やや物足りないメールです。

ただの「通知」になっていて、相手に来場してもらうための動機付けや仕掛けがすっぽり抜け落ちているからです。これでは読んだ人に「行きたい」とは思ってもらえません。

「行きたい」と思ってもらえるメールにするには、「通知すること」ではなく、「見学会に来てもらうこと」が〝最終ゴール〟だと意識することが大事なのです。

その点を意識して書かれたメールには、なぜ、今のタイミングで声をかけたのか、なぜ、その見学会を薦めるのか、といった情報がきちんと盛り込まれています。

送る側は「興味があるなら返信してくれるだろう」程度に考えているのかもしれません。しかし、その期待は甘すぎます。残念ですが、「返信する必要ナシ」と思われて、削除されてしまうのがオチでしょう。

そうならないためには、送信前に自分のメールを読み返して、目的を達成できるメールになっているかどうか、確認してみることです。

ちなみに、言うまでもないことですが、「来場してもらう」という目的が実現したら、その先には「物件に興味を持ってもらう」という目的があり、さらにその先には「成約につなげる」という最終目的があります。来場してもらうことは、最終目的までのステップにすぎないのです。

企業から依頼される研修の場でも、目的が忘れられていることを強く実感します。参考までに、過去のメールを見せてもらうと、何をどうしたいのかがよくわからないものがほとんどです。

そこで、「このメールであなたの目的は叶えられると思いますか?」と聞くと、たいていの人が「ダメだと思います……」と答えるのです。

自分で書いたメールを客観的な視点で読むと、目的が達成できないことに気づくのでしょう。

「目的」を伝えるために必要な6W+3H

では、どうすれば目的を達成するメールが書けるのでしょうか。

先ほどの「モデルルームの見学会に来てほしい」という例なら、場所や日時、予約方法といった基本情報が必須であることは言うまでもありません。

しかし、こうした情報が入っていたからといって、その物件に最初から興味がある人以外、「行ってみたいな」という気持ちにはならないでしょう。

そこで必要となるのが「3W」です。

  • Who……誰が
  • What…何を
  • Why……なぜ

最初の「Who(誰が)」は、メールを送る相手を意味します。

このとき、「相手と自分との関係」や「面識があるか否か」「年齢」「家族構成」など知り得ている情報を見直します。

「田中さんは、前に一度だけ別のモデルルームの見学に来ている。確かそのとき、『家族3人が住める新築マンションを探している』と言っていたなあ」

「そう言えば、予算を見直してでも納得できる物件を探したいと言ってたっけ」

こんな情報をピックアップします(細かいことまで思い出せるように、顧客情報を整理し、メモを残しておきたいものです)。

この場合、次の「What(何を)」は、「田中さんが求めている条件に合致しそうなモデルルームの見学会」が当てはまります。

そして、最後の「Why(なぜ)」は、「田中さんが探していたから(ご案内する)」となるでしょう。

この「3W」が網羅されていることで、田中さんは「覚えていてくれたんだ!」とうれしくなるはずです。

そのことで、このメールに好感を覚えるでしょうし、まだ希望の物件が見つかっていなければ、「見学会に行ってみようかな」と思うのではないでしょうか。

この「3W」にさらに情報を加えると、より効果的な伝達ができます。

それが、「6W+3H」です。

「3W」に、「3つのW」が加わり、

  • When……いつ
  • Where…どこで
  • Whom……誰に

これに、次の「3つのH」が追加されます。

  • How to……どうやって
  • How many…いくつ
  • How much……いくらで

これを活用して伝えたい情報を整理しましょう。

メールの目的によって盛り込む情報は変わりますが、必要な6W+3Hが入っていれば、メッセージは確実に届きます。

情報に過不足がないので、相手もすんなりと理解でき、「わかりやすいメールだ」という印象を与えられるようになるのです。

情報が確実に伝わる6つのWと3つのH
情報が確実に伝わる6つのWと3つのH

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

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  • 判型/ページ数:四六判/192ページ
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