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仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

メールを箇条書きするメリットとは? 構成要素7つと書き方

ビジネスメールは箇条書きにすることで、見やすくなります。各項目のアタマに「・」といった記号を付けましょう。またメールの構成要素は「宛名、あいさつ、名乗り、要旨、詳細、結び、署名」の7つ。このうち「要旨、詳細」は内容に応じて都度変化しますが、残りの5つは定型をアレンジするだけでOK! 書き方に唯一の正解はなく、大事なのは、相手に失礼でないかどうかです。
仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

この記事は、書籍 『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』 の内容の一部を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

今回の記事は、第3章 「ビジュアルを工夫して読ませる」 より抜粋

箇条書きで相手の理解度をアップさせる

メールの本文中に日時や場所、住所や連絡先といった情報が出てくる場合は、それらを項目ごとに箇条書きにします。各項目のアタマに「・」「■」「●」などの記号を使うと、さらに目にとまりやすくなり、見落としを防ぐことができます。

箇条書きにする最大の理由は、スッキリ見せられるから。

重要な点がコンパクトにまとまるので、どこに注意して読めばいいのか、よくわかります。また、要点がつかみやすくなるので、誤解も生じません。

文章にすると長くなる記述も、箇条書きにすれば情報が絞り込まれるため、理解するまでの時間が短くなります。時間をかけずに理解できるというメリットは、すぐに返事をもらえることにもつながるのです。

また、箇条書きには、入力が少なくて済むというメリットもあります。これはメールの作成スピードを上げることにもつながるでしょう。

ちなみに、「アイトラッカー」という、人間の視線の動きを追跡できる装置を使うと、箇条書きのない読みづらいメールでは、視線が上から下まで移動して、再び上に戻ったり、同じ部分を何度も注視したりと視線が定まりません。

箇条書きでないと、どこが重要な点なのかがわからず、全体をじっくり読みながら要点を探ることになるからです。

それに対し、箇条書きで書かれた読みやすいメールでは、箇条書きの部分に視線が固定されることがわかります。要点をつかみ、集中して理解していることが読み取れるのです。箇条書きは、それだけメールを読む側の負担が少ないということでしょう。

箇条書きにするのは、情報を相手の記憶に残りやすくするためでもあります。

箇条書きは、短く簡潔に要点が整理されているので、重要な部分だけを記憶してもらえます。さらに、箇条書きなら、要点を特定しやすいので早く確認できるという利点もあります。

もっとも、このあたりは基本的なスキルなので、「そんなの、普通にやってるよ」という人も多いかもしれません。

しかし、仕事の速い人は、箇条書きを駆使する中で、何を箇条書きにしたら効果的なのかという点も考えています。

  • 交渉時に相手に提示する条件(できること/できないこと)
  • (クレームをつけられたときに)自社が対応可能な事柄
  • 社内調整が必要な案件で他部署に協力してほしいこと

といった、文章で伝えると情報が増えてかえってわかりにくくなることや、誤解を招きそうなことをあえて箇条書きにしています。

こうすることで、伝えたい内容を受け手に負担をかけずに伝え、トラブルを回避しているのでしょう。

相手に意図しない解釈をされるときは、実は書き方に問題があるということが少なからずあります。その点、解釈のズレを防ぐのに、箇条書きは大いに役に立つのです。

このように、見た目に配慮して情報を整理すれば、相手の理解度も自然と高くなるでしょう。とにかく、メールは見た目が重要なのです。

7つの要素を意識してメールを書く

レイアウトを整えるには、メールの構成要素を頭の中で組み立てることが大切です。

メールの構成要素は全部で7つ。

宛名、あいさつ、名乗り、要旨、詳細、結び、署名です。

この7つのうち、要旨、詳細は、メールの内容に応じてそのつど変化しますが、残りの5つは定型をアレンジするだけで用が足ります。いわば「型」のようなものですから、書き方さえマスターすれば、それをなぞるだけ。考える必要はありません。

仕事が速い人は、メールを書くときに、このように時間をかける箇所を決めています。メール全体に集中するのではなく、考えずに反射的に書けるような部分をつくっておくと、文章の作成は非常に楽になります。

考えるべき部分と考えなくてもいい部分を、きちんと分ける。

これが、仕事を速く回していくコツなのです。

そもそもメールを書くときに、宛名やあいさつで悩む必要はない、とこれまでにも述べてきました。

ところがメールに苦手意識を持っている人の多くが、考える必要のない「型」の部分で悩んでしまい、メールの作成に多くの時間を費やしています。

これは、非常にもったいないことです。

「定型をアレンジするだけ」と言うと、「本当にそれでいいんですか?」と聞かれることがありますが、問題ありません。

なぜなら、「宛名」「あいさつ」「名乗り」「結び」「署名」は、何か不都合があっても本題の伝達には大きな支障はないからです。重要でないところに長い時間をかけるのは、非効率です。

それでは、定型+アレンジでつくれる5つの要素について詳しく見ていきましょう。

メールを構成する7つの要素
メールを構成する7つの要素

まず、「宛名」です。

これは「名字+様」で構いません。

もちろん、「フルネーム+様」でも間違いではないのですが、毎回フルネームで書くと、丁寧な印象を与える一方で、仰々しい印象を与えます。

宛先が複数の場合は悩むところですが、結論から言えば、「役職の高い順」に宛名を書きます。

また、社内と社外の人が混じっている場合は、社外の人を先に書くという一般的なルールがあります。

しかし、それさえ間違えなければ難しく考える必要はありません。迷うようなら、「関係者各位」でくくればいいのです。

よく、「手紙の書き方にならえば、◯◯◯とするのが正解では?」と主張する人がいますが、手紙とメールのルールは完全に一致するわけではありません。

メールは、もともとビジネス文書の電子版として使われ始めたという経緯があります。そのため、どちらかというと、手紙よりもビジネス文書の定型に則ってつくられてきました。

今、メールは電話に近いコミュニケーションになりました。その証拠に、メールでは、過度な敬語ではなく、丁寧語や話し言葉が使われています。

このように、他のコミュニケーション手段の影響を受けたり、送る相手や状況に応じて判断したりすることが多いので、メールの書き方に唯一の〝正解〟はない、というのが実態です。

こうなると、正しさを厳密に追求する意味はあまりありません。

大事なのは、相手に失礼でないかどうか。

この点がクリアであれば、自分の中でルールを設定して、それを毎回守ればいいのです。

「あいさつ」は、社外の人には「いつもお世話になっております」が基本です。相手との関係性によっては「おはようございます」や「お疲れさまです」も使えます。

アレンジを加えてもいいのですが、ここで悩むよりも、本題に時間をかけるべきでしょう。

「名乗り」は対外的なメールなら「社名+名字」が一般的。社内メールなら「名字のみ」、または「部署名+名字」で構いません。

ただし、佐藤、鈴木、田中のように多い名字であれば、同姓の人がいる場合もあるのでフルネームで名乗るほうが親切です。

「名乗り」は、誰からのメールなのか、相手が一目でわかるようにするためのものですから、その目的を果たすことが第一です。

「結び」のあいさつの定番は、「よろしくお願いいたします」。

進行中の業務でのやりとりであれば「引き続きよろしくお願いいたします」。相手に依頼事項などがある場合は「ご検討よろしくお願いいたします」、内容を確認してほしいときは「ご確認よろしくお願いいたします」とすればよいでしょう。

最後は「署名」ですが、これは一度設定すれば自動的に付与されるので、そのつど考える必要はありません。

ただし、過不足のない情報を入れることが重要です。

社名、部署名と本人のフルネーム、会社の住所と郵便番号、電話番号、さらにホームページのURLや自身のメールアドレスは最低限入れておきましょう。社外へ送るメールの場合、基本的に名刺に書かれている情報が署名にも入っていれば十分です。

最近では、会社から携帯電話を支給されるケースが多いので、その番号を署名に入れるべきかどうか悩む人が多いようです。業務の内容について、携帯電話で連絡をとり合う可能性があるなら、携帯電話の番号は必要な情報です。

ただ、基本的なやりとりはメールでしたい、主に会社の固定電話を使っている、携帯電話への問い合わせは避けたいというケースもありますから、その場合は入れなくても構いません。

署名に個人や会社の最新ニュースを入れている人も見かけますが、何をどこまで入れるかは、職種や目的によっても判断が分かれるところです。

大事なのは、「署名の情報=相手の役に立つ情報」であるということ。

この基本だけは、押さえておいてください。

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

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