国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
海外&国内SEO情報ウォッチ

「クロールバジェット」なんて概念、グーグルには存在しないけど?

ページ

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

「クロールバジェット」なんて概念、グーグルには存在しないけど?
近いうちに公式解説があるかも (Common questions & Myths Google Webmaster Central office-hours)

SEO業界でよく言われる「クロールバジェット」について、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように説明した。

世間で言われているようなクロールバジェットという概念は、グーグルのなかには実は存在しない。

近いうちに、できれば今年の終わりくらいには、私たちがクロールをどのように処理しているかについて、もう少し詳しくブログで説明したいと思う。

ただ、知っておいてほしいのは、一般的な規模のサイトであれば、ほとんどの場合はこうしたことを気にかける必要はないということだ。

だから、内部リンクを隠す必要もない。「このページがクロールバジェットを使い切ってしまいそうだ」といってnoindexに手を出す必要もないし、canonicalに手を出す必要もない。

通常規模のサイズなら普通はそういったことは不要だ。

数千ページのサイトだったり、ページが動的に無限にできあがるようなサイトだったりしたら、サーバーが負荷を処理できるようにしておけばいい。

「クロールバジェットというものに気を払う必要はない」という説明を、ミューラー氏は個別には何度か指摘しているのだが、決して周知されてはいない。ぜひともブログできちんと説明してほしいものだ。

「クロールバジェット」と我々が呼ぶものを意識してサイト側で何かする必要があるのは、ごくごく一部のサイトだ。そして、そうしたサイトの管理者ならば、なぜクロールバジェットを意識する必要があるのか、どうすればいいかを、ちゃんと心得ているはずだ。

「クロールバジェットを節約した方がいいですか?」「◯◯はクロールバジェットの節約に役立ちますか?」といった疑問が浮かぶとしたら、その人にはクロールバジェットは無縁だと筆者は考える。

★★★★☆
  • 「クロールバジェット」を気にしたことがある人だけ
  • ふつうの人は言葉ごと気にしなくていい

グーグル社員もびっくり? それって完全に誘導ページなんですけど
公式ブログ記事とヘルプ記事を必ず理解しておくこと (John Mueller on Twitter)

グーグルのジョン・ミューラー氏に、ツイッターでフォロワーがこんな質問を送った。

いろいろな地域を対象にして数百ページを新規に同時に公開するのは、いいアイディアでしょうか? ただし、キーワードを入れ替えるだけです。

ミューラー氏は次のように答えた。

数百ページを一度に公開するのは問題ない。だけど、それは誘導ページを作ろうしているような気がする。私ならやめておくね。

フォロワーは続けて質問した。

それぞれの地域を対象にしたページは似たようなコンテンツなんですが、その地域に応じてキーワードと構造化データだけを変えています。これは誘導ページなんですか?

ミューラー氏はこう返した。

それは、まごう事なき誘導ページだね。

筆者のコラムの読者ならば、こんな古典的な誘導ページを今さら作ろうとは考えないはずだ。古典的なだけならばまだしも、完全にガイドライン違反で手動対策の対象になる手法だからだ。

もしあなたが、ウェブ担当者になって日が浅かったり、SEOに取り組み始めたばかりだったりするなら、誘導ページを解説する公式ブログ記事とヘルプ記事を読んでおいてほしい(どちらも日本語だ)。

ちなみに補足しておくと、構造化データに関しては、地域ごとに必要な部分だけを入れ替えるのはまったく問題ない。むしろ住所や電話番号などのデータを入れ替えなければならないのは、当たり前だ。

ここでミューラー氏が問題視しているのは、ページ上でユーザーに見せるテキストのコンテンツである点に注意してほしい。

★★★★☆
  • 新米Web担当者 必見!

AMP成功事例がまたも。ワシントン・ポストやワイアードに続いてCNBCも
ニュースサイトとAMPは相性バッチリ! (CNBC.com Product)

ワシントン・ポストやワイアードといった大手ニュースサイトがAMP対応で成功した事例を紹介したことがある。今回、これにCNBCを加えたい。

モバイルからのアクセスがほぼ半数に到達しているCNBCは、2016年6月後半から段階的にAMP化を進めてきた。

最初のステージから数か月以内には、モバイルトラフィックの2桁パーセントがAMPページになったそうだ。

現在の状況は次のとおり。

  • AMPページの表示にかかる時間は平均1.23秒
  • 7日以内に検索から再訪問するモバイルユーザーが22%増加

AMP対応したことにCNBCは非常に満足しているようで、コンテンツ&デザイン ディテレクターのヴィクター・チャー氏は次のようにコメントしている。

提供するすべてのページのパフォーマンスを向上させることは私たちの最優先事項だ。

モバイルデバイスからのトラフィックが増加しているなか、可能な限りの最速の体験をユーザーに提供することが最も重要になってきた。

手っ取り早く簡単にこれを成し遂げる方法の1つが、記事の配信にAMPを使うことなのだ。

日々多くの記事を公開するニュース系のサイトで、訪問者が快適にコンテンツを閲覧できるようにしたいと考えているならば、AMPは本当に相性が良さそうだ。

★★★☆☆
  • ニュースサイトのWeb担当者
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

AMPページは別ドメイン名のサイトでも公開できるのか?
関係性を示すタグを設置すれば大丈夫 (Webmaster Central Help Forum)

通常ページとは異なるドメイン名でAMPページを公開しても大丈夫ですか?

このような質問が英語版のグーグル公式ヘルプフォーラムに投稿された。

グーグル社員は次のように回答した。

サブドメインでも完全に別のドメイン名でも公開できる。

ただし、通常ページをAMPページの対応を示すタグを確実に設定しておくことが重要だ。

具体的には、次のようにする。

  • PC向けページでは、rel="amphtml" linkタグを設置し、対応するAMPページのURLをドメイン名も含めて指定する
  • AMPページでは、rel="canonical" linkタグを設置し、対応するPC向けページのURLをドメイン名も含めて指定する

AMPページは、サブディテクトリや別パスで展開するパターンが多いようだ。しかしグーグル社員が言うように、関係性を示すlinkタグをきちんと設置してさえいれば、サブドメインでもまったく異なるドメイン名でも展開可能だ。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

メンテナンス中ページがインデックスされてしまったのはなぜ?
200でも301でも404でもなく、必ず503を返すこと (Webmaster Central Help Forum)

ヘルプフォーラムに次のような質問が書き込まれた。

管理サイトをメンテナンスしていたら、検索結果のスニペットにメンテナンス中のお知らせのテキストが出てきてしまっています。どうしたら直せますか?

予期せぬトラブルが起きた理由は単純だ。HTTPステータスコードだ。

コンテンツページの表示内容を「メンテナンス中」に置き換えただけで、Webサーバーが返すHTTPステータスコードは普段と同じ200番(成功を示す)だったからだ。

Googlebotは、ページが更新されたものとして通常どおりにクロール、インデックスし、検索結果に「メンテナンス中」を表示したというわけだ。

サイトのメンテナンスページは、200番を返して通常どおりに表示させてはいけない。この事例のようにインデックスが置き換わってしまう。

ほかにありがちなのは、次の2つだ。

  • メンテナンスページへ301/302リダイレクトする
  • 404を返す

リダイレクトした場合は、リダイレクト先ページで結局は200番を返すので、同じようにメンテナンスページが結果に出てくることがある。404は、長く続くと検索結果から消えてしまうことがある。

メンテナンスなどでサイトを一時的に停止する際には、503のステータスコードを返すことが鉄則だ。Googlebotは、503を返してきたページに関しては、インデックスには手を加えず、しばらくした後に再びクロールしに来る。

メンテナンス中を示す503の具体的な設定に関しては、安田編集長によるこちらの解説記事を参照してほしい。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!
  • 技術がわかる人に伝えましょう

SEO JapanSEO Japanの
掲載記事からピックアップ

更新がなかったので今週もお休み。再開はあるのか? それとも、この枠がどんどん薄くなっていって消えてしまうのか?

ページ

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

robots.txt
ロボット型の検索エンジンが自分のページを登録しないようにするためにサイト管理者が ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]