「中小企業こそCRMに積極的に取り組むべき」小さな力で大きな成長につなげる中小企業のCRM戦略とは

中小企業はCRMにどう取り組めばいいのか? 中小企業のCRMに詳しいラジ・サブロク氏とディリップ・ナガラジャン氏に話を聞いた。
Zoho Corporation社長のラジ・サブロク氏(右)とZoho CRMプロダクトマネージャーのディリップ・ナガラジャン氏(左)
Zoho Corporation社長のラジ・サブロク氏(右)とZoho CRMプロダクトマネージャーのディリップ・ナガラジャン氏(左)

「CRM(顧客管理)といってもコストはかけられないし、どう役に立つのかわからない」と、顧客情報をエクセルの表で管理している企業も少なくない。中小企業は、CRMにどう向き合えばいいのだろうか

2016年9月9日に東京で開催されたイベント「ZOHOLICS Japan! 2016」で来日したZoho Corporation 社長のラジ・サブロク氏とZoho CRMプロダクトマネージャーのディリップ・ナガラジャン氏に、「中小企業のCRMへの取り組み」について詳しく話を聞いた。

企業の規模は関係なく、お客様を知れば知るほどチャンスは広がる

ラジ・サブロク氏
ラジ・サブロク氏

――まずは、CRMの基本的な考え方について教えてください。

ラジ氏まず、CRMは企業とお客様との関係構築を支援するものです。CRMの仕組みを利用すると、たとえばお客様がどんなページにアクセスして何に興味をもっているか、SNSで何を発信しているか、自社にどんなコンタクトをとっているかなど、360度の情報を全部まとめておけます。お客さまのことを知れば知るほどビジネスのチャンスは広がります。

今はマルチチャネルの世界で、お客様ともいろいろなコミュニケーション方法があります。メールや電話、Webサイト、チャットなど、あらゆる情報をクラウドに入れて、全部まとめて扱うことができます。

――CRMというと「大企業がお金をかけて取り組むもの」というイメージをもっている方も多そうです。中小企業と大企業で、CRMへの取り組みに違いはあるんでしょうか?

ディリップ氏基本的には変わりません。「商談を管理する」という基本的なことはどの企業も同じだからです。ただし、あえていうなら大企業は扱うデータが巨大だったり、細かいユーザー管理機能が必要だったりということはあるかもしれません。しかし、CRMへの取り組みという観点では、どの企業も変わりはありません。

ラジ氏その質問は、実は本質的なところにつながっています。われわれはZoho CRMという製品を提供していますが、これまでは中小企業のお客様が中心でした。昔のCRMは非常に高額で手が出るものではなく、そこに手軽な価格で提供していたからです。だから、中小企業がCRMに取り組むケースをこれまでたくさん見てきました。中小企業の成長にこそ、CRMは欠かせないものだと思います。

中小企業のニーズにどんどん対応していくと、それが口コミで広がって、今は大企業が「これは使える」という話になることもあります。そうすると、大企業と中小企業が同じプラットフォームを使って、同じ土俵で勝負する時代になってきます。これが、クラウドとソフトウェアの面白いところだと思っています。

CRMに取り組むときの考え方に企業の規模は関係ない

最初にCRMの仕組みを作れば、効果はずっと続く

ディリップ・ナガラジャン氏
ディリップ・ナガラジャン氏

――専用の部署がないような企業が新たにCRMに取り組む場合、何から始めることになるのでしょうか?

ラジ氏まず、大きな目的は「売り上げを上げる」「商談機会を増やす」ことです。これが前提です。そのために、見込み客に効率的にリーチできるようCRMを使います。CRMツールで、最初は自社に合わせた準備と設定をします。スタートするときにやることは2つ、「カスタマイズ」と「自動化」です。

ディリップ氏どんな企業でも、システムを新しく使うときには自社用にカスタマイズが必要です。Zoho CRMはとてもカスタマイズがしやすいことも特徴です。自社向けにカスタマイズできたら、次は処理の自動化。Zoho CRMだと「ワークフロー」という機能が相当します。

――自動化とは、たとえばどのようなことでしょうか。

ディリップ氏たとえば、次のような繰り返しやルーチンの作業を自動化します。これは、CRMを使う人が1人や2人の場合でも非常に有効です。

  • Webサイトで問い合わせや登録を行ってくれた人にメールでアプローチする
  • 問い合わせから数日後にフォローメールを送信する
  • 顧客情報が登録されたら営業マンのタスクに「提案書を作る」と追加する

これらが全部自動で行われるので、抜けや漏れが発生する心配もありません。また、顧客のステータスを共有することは、社内のコミュニケーション促進にも効果があります。たとえば、失注してしまったとき。スピーディーに事態を把握すれば、もしかしたらまだ取り返せるかもしれません。情報がすぐに共有されれば、進行中のほかの案件に失敗を生かすこともできます。

こうした「お客様の状態」ごとの処理を人の手ではなく自動化することで、あらゆることのスピードと正確性が上がります。「カスタマイズ」と「自動化」は最初に1回設定すれば終わりですが、その後、営業マンが毎日行う顧客へのアプローチにいい影響をずっと与え続けます。

顧客への段階別のアプローチを自動化する

小さな企業でも「ジャイアント・キリング」を狙えるのが今の世界

ラジ・サブロク氏
ラジ・サブロク氏

――これからCRMに取り組もうとする場合、コストが障害になる企業もありそうです。コストについてはどう考えればいいのでしょうか?

ラジ氏費用対効果という意味では、たとえばZoho CRMは同種のツールのなかでもかなり安く、価格が問題になることはほとんどありません。無料版も提供しているので、基本的なものであればタダで利用できます。無料で試してみて「これは使える」と思えば、本格的にスタートしていだけたらいい。CRMに一切コストをかけられないというのは、そもそも社内で認識のずれがあるのではないかと思います。

少しわれわれのことを紹介させてもらうと、ZohoではZoho CRMをはじめとしたクラウドサービス群を提供しています。日本では名刺管理サービスの「Sansan」やビジネスアプリ作成の「kintone」、請求業務ツールの「経理のミカタ」などと連携しており、多様な顧客接点を一元化して束ねられます。ユーザーは世界で2,000万人を超え、日本でも1,000社以上に利用いただいています。

CRMはどの部門にとっても非常に重要です。営業ツールと考えている人も多いかもしれませんが、営業だけでなく総務や経理系の部署がお客様の情報にアクセスできることにはメリットがあります。ですから、どの部門がコストを負担するべきという話ではないと思います。

CRMは、中小企業の成長を支援します。「人がやっていたことを自動化する」という意味では、たくさんの人を雇わなくても大企業と同じ土俵で戦えるともいえます。小さな企業でも、これまでよりもっと多くのことができるようになる。弱者が戦略で強者を倒す「ジャイアント・キリング」を狙えるのが、今のクラウドの世界です。

大企業と同じ土俵で戦える、それがクラウドの時代

――最後に、記事を読んでいる方にひと言あれば、お願いします。

ラジ氏CRMは、規模の大小にかかわらず、すべての企業に共通のものです。中小企業では「高いんじゃないか」「難しいんじゃないか」と思い込んでいるケースが多いかもしれません。まずは無料でもお試しをしてみて、それから合うか合わないか考えてみてください。CRMに対する認識自体を変えて、そこから成長への感覚をつかんでもらえればと思います。

――本日はありがとうございました。

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