いちばんやさしいリスティング広告の教本

リスティング広告で自分でできること、できないことを確認する

社内外に味方になってくれる人がいないか、周囲を見渡してみましょう
阿部圭司、岡田吉弘、寳 洋平 2014/9/22 8:00 |
いちばんやさしいリスティング広告の教本

この記事は、書籍『いちばんやさしいリスティング広告の教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

リスティング広告がおおよそどういうものなのか、イメージはつかめたでしょうか? Web担当者の人ならご存知かと思いますが、Webサイトはいろいろな人たちによって作られ、支えられています。1人の力でできることには限界があります。リスティング広告に取り組んでいくにあたって、社内外に味方になってくれる人がいないか、ちょっと周囲を見渡してみましょう。

Chapter 1 リスティング広告の目的と考え方を知りましょう
Lessen 09 仲間の必要性

一緒に取り組んでくれる協力者を探す

第1章を読んできて「リスティング広告って大変そうだな」と思われましたか? 大丈夫です。本書をとおして、一緒に一歩ずつ学んでいきましょう。とはいえ、もしWebの知識に不安があれば、広告から誘導するページを作ってくれる人、コンバージョンタグをページに追加してくれる人など、Webの専門家の力が必要です。

また、広告の予算の折衝、在庫状況の把握、営業活動との連携などもあって、リスティング広告の効果は発揮されます。個人商店から大規模な企業までいろいろなケースがあると思いますが、リスティング広告に取り組んでいくにあたり、自分でできること、できそうなことを把握して、それ以外を相談・依頼できる社内外の仲間を見つけておくようにしましょう。

自分でできそそうなこと/できないことを把握して社内外の協力者を見つける

見つけた協力者とのコミュニケーションを大事にする

社内外で見つけた各分野のプロフェッショナルに、あなたはリスティング広告(マーケティング)の担当者として明確な指示や、見つけた課題の相談をしていく必要があります。

伝える際のコツは、「Why視点」です。「なぜ、それが必要なのか?」「なぜ、それを行うべきなのか?」など、目的を明確に伝えることで、デザイナーやエンジニアなどからさらに良い解決策が生まれることがあります。また、その意図を理解して作業してもらえれば、「仕上がりが思い描いていたものと違う」という事態を避けやすく、作業の効率化にもなりますね。

協力者には意図を込めて依頼・相談する

ワンポイント
リスティング広告でビジネスが加速する!

「リスティング広告を使うことで、事業の売り上げは上がるのか?」と問われれば、答えは「Yes」です。

筆者がリスティング広告運用の駆け出しだったころに、とある都内のダンボールなどを扱う資材屋を担当させていただいたことがありました。

運用開始当初は、リスティング広告はおろか広告自体に懐疑的な方々ばかりで、広告費の予算はGoogleアドワーズとYahoo!プロモーション広告(当時はオーバーチュアという名前でした)を合わせて月に10万円ほどでした。それがわずか3カ月の間で広告費の予算は100万円を超え、その数カ月後にはその数倍にと膨れ上がっていきました。もちろん、それに伴いその資材屋の月商は数カ月後には数十倍に膨れ上がっていたのです。

当時、寝る間も惜しんでキーワードを洗い出し、広告のグルーピングを行い、脳みその中の限られた引き出しから一所懸命に広告文を絞り出したのを今でも鮮明に覚えています。その甲斐があってかどうかはわかりませんが、リスティング広告はそれほど明確にこの資材屋の売り上げを引き上げたのです。会いに行くたびに担当の方が「新しい機能は何かないか」「もっと良い方法はないか」と毎回真剣な面持ちで質問されたのをいまだに忘れることはできません。こうして勉強と経験を重ねたこの資材屋は、その後もさまざまなWeb施策に挑戦し、それに合わせて会社の売り上げもさらに伸びていきました。これは1つの成功事例に過ぎませんが、駆け出しのころの筆者に勇気と自信を与え、この世界に引き込まれるには十分過ぎるほど大きな出来事でした。

もし、本書を読んでいるあなたがまだリスティング広告を利用していないのであれば、この資材屋のように成長できる可能性があるのです。リスティング広告で確実にビジネスは加速します。大事なことは、この章で説明したように、リスティング広告は「出して終わり」ではないということです。自分で広告を運用するための、最低限の知識を身につける必要があります。これから一緒にリスティング広告について学んでいきましょう!

質疑応答
検索連動型広告でいちばん大事なことは何ですか?

「検索連動型広告でいちばん大事なことは何か?」と問われれば、私は「ユーザーの検索意図を理解すること」だと回答しています。

検索連動型広告の仕組みをまだはっきりと理解していない新入社員でも、なぜか成果を出してしまうような人の管理画面を見てみると、明らかにユーザーの検索意図を理解したような施索(キーワード選びなど)になっていることが多いのです。実際になぜこうしたのか尋ねると、「こういうキーワードで検索するユーザーのモチベーションは●●だから……」という答えが返ってきて驚きます。もちろん初めのうちは多少の粗はあるのですが、その視点だけでも成果を得られることのほうが多いのです。

それとは反対に、結構な経験を積んでいるにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人の管理画面を見てみると、やはりユーザーの検索意図を理解できていないなと思います。どちらかと言うと、検索連動型広告という枠(固定概念)にはめられた発想がジャマをしていることが多いような気がします。

検索連動型広告で成果を出すためには、

  • どんな人が?
  • どんなことを考えて?

“検索”という行動をしているのか、この2つをひたすら考え続ける必要があります。その検索キーワードの裏側を想像する能力こそが、検索連動型広告を成功させる秘訣と言っても過言ではないでしょう。

仮に今うまくいっていないアカウントがあるのであれば、まずはユーザーの検索意図を理解することを徹底的に心掛ける。それだけで、少し変わってくるはずです。

  • 著者:阿部圭司、岡田吉弘、寳 洋平
  • 発行:株式会社インプレス
  • ISBN:978-4-8443-3611-2
  • 価格:1,680円+税

いちばんやさしいリスティング広告の教本
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成果を上げるネット広告のいちばんやさしい始め方

「広告費が高額になるのが恐くて登録すらしていない」「わからないことだらけで広告を作る途中でやめた」「数千円分だけやってみて効果がなくて放置した」、そんなあなたでも挫折しない、リスティング広告で成果を上げるための1冊です。

クリック単価やコンバージョンなど、初めての人がつまずきやすい専門用語やその仕組みを、図を交えてわかりやすく解説。どんなキーワードを選んで、どんな広告文を作って、いくら予算を用意して、いくらで入札すればいいのか? そして結果をどう読み解いて、どう改善すればいいのか?

リスティング広告で必ず直面する問題に、セミナー経験も豊富な現役コンサルタントが、単なる手順ではなく「考え方」を示すことで、応用が利く解決力を身につけられます。

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