「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」とは?
「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」とは?
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、国際的な非営利組織「クリエイティブ・コモンズ」という団体が提供しているライセンスよ。このライセンスは、著作権を作者のもとに残しつつ、一定のルール下で著作物の利用を許諾するためのものなの。ライセンス条件を守れば、著作権者から個別に許諾を取らなくても利用できるわ。
なるほどですね。ライセンス条件は、どのようなものですか?
おおまかにいうと、4種類の条件「表示」「非営利」「継承」「改変禁止」の組み合わせにより、6種類のライセンスが設定されているの。ちなみに、英語版は2014年4月1日時点で「4.0」までバージョンアップされているわね。日本語訳版は「2.1」までね。
そうなんだ~。
ウィキペディアを二次利用するには
で、ウィキペディア日本語版の記事には、ふつう、ページの下部に、テキストはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスの下で利用可能と書いてあるでしょ?
(検索して)どれどれ…本当だ、そのように書いてますね。
ウィキペディア日本語版の記事内の文章(テキスト)は、2014年4月1日現在、「表示」と「継承」の2つの条件が課される「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承3.0(CC-BY-SA 3.0)」によって提供されているわ。
そうだったんだ…(←無料だから自由に使っていいと思っていた)。
「表示」と「継承」ですか。どういう意味ですか?
「表示」とは、
①適切なクレジット(著作者へ著作権が帰属する旨表示すること)
②ライセンスの表示(ライセンスの利用許諾条項の全文写しの添付、またはリンクの提供)
③改変内容の明示(※改変した場合のみ必要)
「継承」とは、
④ライセンスの継承(その作品を利用して自分が制作した二次著作物も、同等のライセンスの下に提供すること)
という意味よ。
なるほど。では、「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンス」とは、「表示」「継承」の条件を守れば、営利目的利用や、改変・翻案をしてもいい、というライセンスなのですね。
そのとおりよ!
他にも制約(条件を加重してはいけない等)はあるけど、とりあえず押さえておくべきポイントは上記①②③④よ。
「①適切なクレジット(著作権帰属表示)」は、どのようにすればいいですか?
ウィキペディアの記事を利用する場合について教えてください。
ウィキペディアの利用規約を参考にすると、以下いずれかのような方法で行えると考えられるわ。
a) 利用元のページヘのハイパーリンクかURLを表示する方法
(各ページには執筆者・編集者を一覧する履歴ページがあるため)
b) 利用元のページのオンライン上の複製
(安定し、自由にアクセス可能であるもの)へのハイパーリンクかURLを表示する方法
(ただし、執筆者・履歴者のクレジットが、元のページと同等の方法で表示されていること)。
c) 著作者のリスト添付
(寄与の微少な投稿者は除外しうる)
「②ライセンスの表示」は、どうすればいいですか?
「このライセンスの下に、この著作物の利用を許諾します」と示す必要があるの。そのために、ライセンスの利用許諾条項全文の写しを添付するか、ライセンスのありか(URI)を示す必要があるわ。採用できるライセンスは元記事が採用していたのと同じCC-BY-SA3.0よ。ただし、自分の創作的寄与が加わった二次著作物を配布する場合なら、CC-BY-SA3.0のほか、それと互換性のあるライセンス(同種ライセンスの後継バージョンなど。制約を増やすのはNG)も選べるわ。
では、①②③④の条件を満たすための具体例を示してもらえますか?
たとえば、ウィキペディアの記事「アサイー」から流用した場合、①②④については、こういう風に表示することが考えられるわね。
「この文章は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0の下で公表されたウィキペディア日本語版の項目『アサイー』内の文章を利用して記述しています。 この文章は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0の下、二次利用できます。」
なるほど。「③改変内容の明示」についてはどうですか?
改変箇所を「明確に示す」必要があるわ。ケースバイケースだけど、わかればいいと思う。内容を改変しなければ③は不要よ。
わかりました。
そのほか、注意すべきなのは、もとの記事中に、(CC-BY-SAの下で提供されているのではない)別のコンテンツから「引用」されている箇所がある場合。これは、ページ内の注釈などの記載やノートなどを見て確認してね。
「引用」部分を自分の著作物に使うには、著作権法上のルールに沿って使わなければならないから(※「第3話」参照)。
「引用」に慣れていないと、ハードル高いかもしれませんね。
最後に、ウィキペディア日本語版の記事内のテキストは、「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンス(CC-BY-SA)」の他、もう1つ、「GNU フリー文書利用許諾 (GFDL)」というライセンスによっても、だいたい利用できるわ。だけど、前者 (CC-BY-SA)がメインで通用しているとイメージしておけばいいわ。
利用可能なライセンスが2つ…デュアルライセンスというやつですね。
あら、よく知ってるわね。
ちなみに、「CC-BY-SAがメイン」と言ったのは、ウィキペディアの記事に外部から取り込まれたコンテンツが使われている場合、その部分は、「CC BY-SAで再利用可でも、GFDLでは再利用可でない」ことが(利用規約上)ありうるからよ。まあ、特にGFDLによる必要がない限りCC BY-SA一本勝負でいいんじゃないかしらね。
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