サイト画面などの著作物を正しく引用する方法とは?/【漫画】僕と彼女と著作権・第3話
著作物を「引用」する際のルールとは?
他の人が著作権を持っているWebサイト画面のキャプチャを、無断で、雑誌の記事に載せていいんですか?
「適法」に「引用」するための決まりを守れば、著作権者から許可を取らずに使っていいのよ。ただ、言いにくいんだけど、きちんと条件を満たすのは意外と大変なの。
えっ!そうなんですか!?
裁判例が示す引用の要件(1、2、3)や、その他の注意事項(4、5)をまとめると、
- 公表された著作物であること
- 引用する側の著作物と、引用される側の著作物とが明確に区別されて認識できること
- 前者が主、後者が従の関係があること
- 出所の明示をすること
- 著作者の意思に反する改変をしないこと
この5つよ。
確かに、条件厳しそうΣ( ̄ロ ̄lll)
「公表された著作物」って?
Webサイトは、ネット上で全世界に向けて発信されているから、その画面は「公表された著作物」ですよね?
うん、今回のWebサイト画面は「公表された著作物」にあたるでしょうね。ちなみに、「公表」っていうのは、著作物が、その権利者とか権利者から許諾を受けた者によって、発行され、又は上演、演奏、上映、公衆送信、口述若しくは展示の方法で公衆に提示されることをいうの。つまり、権利者等の了承なく世間に出回ってしまった著作物(たとえば権利者に無断で出版されたもの)は、著作権法的には「公表された著作物」とはいえないのよ! 気を付けてね。
なんとー!! 勉強になります。
「明確区別性」って?
それから、「引用部分」と、「その他の部分」とを明確に区別できればいいのよ。
今回は、事例紹介の記事の中で、Webサイトの画面をキャプチャして貼り付けています。これはどうでしょう?
さっき、原稿を見た感じでは、画面キャプチャは画面キャプチャとして、その他の解説部分と、明確に区別できてるわね。この要件は問題ないわ。
「主従関係」って?
利用する側とされる側、それぞれの「量」と「質」を比べて、「主」と「従」の関係があることが必要よ。
たとえば、今回のケースだと、どのように考えればいいのですか?
そのWebサイトの画面を「見せること」が主目的だと見えるなら、ダメ。デカデカとWebサイトの画面を載せて、説明ほとんどなし、とかね。
そうではなくて、「このサイトを作りました」「こういうところを工夫したんです、画期的でしょ」など、サイトを作ったこと自体の紹介や、アイデアの説明、その他分析が主目的で、そのために、対象を明示したり、参考資料としたりする目的の範囲内で最小限度引用する程度ならOKと思う。
なるほど。「Webサイトの画面を見せることが主目的だ」って見られるようでは、だめなんですね。それと、「主目的のための必要最小限度の利用か?」という視点も必要なんですね。
そうよ。さらに言うと、事例紹介なんだから、Webサイトを肯定的に紹介・アピールしてるわけじゃない? 「このWebサイトを見せること」自体が目的だろうと言われやすいわけよ。意外に思うかもしれないけど、「悪い例」として挙げて、批判的に取り扱う方が、引用の趣旨に適いやすいという意見もあるの。
確かにそれは意外ですね!!
だから、サイト画像自体をデカデカと使いたいなら、著作権を持っているクライアントから許可を取ってね。
わかりました。で、今回の八瀬さんの原稿はどうですか?
サイト画像ばっかりでほとんど説明ないじゃない!アウトね(キッパリ)。
ですよね……。
コメント
内容はよくてもタイトルがひどいね 最悪
内容はよくてもタイトルがひどいね
最悪
古い記事にすみません。 たとえば、デザインの参考としてキャ
古い記事にすみません。
たとえば、デザインの参考としてキャプチャを集めてギャラリーのように並べているサイトも、「3 主従の関係」にならないからアウトなのでしょうか。
フェイスブックには、URLを入れると自動でリンク先の文章や画像を取ってきてくれる機能がついています。
そういうもので、自分のコメントを加えずに、リンク(と文章と画像)だけ投稿するのも、主従の関係にならない=アウト、なのでしょうか。
素朴な疑問です。連載の続き楽しみにしています。