企業ホームページ運営の心得

エゴサーチで痛感するライバルとの格差、傷を広げる娘検索。活用すれば癒しが増加

ネットとリアルは地続き。ネットでの褒め言葉は間接的なお世辞となりえます
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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の286

炎上を引き起こす構造

10月15日発売「週刊ポスト」の「エゴサーチはこんなに危険だ」という企画にコメントを寄せました。エゴサーチとは、ネット上で自分の名前を検索する行為で、私の結論は「やらない方がよい」です。

同記事のなかでフリーライターの中川淳一郎さんも同じ結論を述べており、さらに「失うものもない匿名の相手に実名で突っ込む」と「燃料投下(ネタを提供するという意味のネットスラング)」による炎上を引き起こしかねないと危惧します。また、こうしたやり取りは「魚拓(Webのアーカイブサービス)」され被害をより拡大していきます。Twitterにおいては気楽に悪口が拡散され、Facebookではあなたの評判を傷つける「友達」のコメントが転がっています。エゴサーチして良いことなどありません。

とはいえ、わずかながら活用する方法もあります。そしてこれは嫌らしいようですが、IT社会の処世術として極めて効果的な方法です。

人間不信につながるエゴサーチ

経済評論家でダイエッターの勝間和代さんは、Twitterを喧伝していた当時、エゴサーチの効能を高らかと歌い上げていました。しかし、悪評を聞き流し、良い評判にはしっかり反応し、計算しながら相手に噛みつきつつエゴサーチを繰り返せるのは、尋常ならざる自己肯定能力と、自己顕示欲によるもので、常人のそれではありません。自分に関する発言や評価を「気にしない」でいられるのは特殊能力なのです。

特に一般人は批判に耐える訓練をしていません。自分の名前で検索し、そこに悪口を見つけて平静でいるのは困難。ブログを書いていればさらに落ち込む確率が高まります。ブログへの批判は仕方ないとはいえ、それがマイミク(ミクシィ上での友達や親しい人)など、親しいと思い込んでいた人からであることも珍しくないからです。もちろん、友達とはいえ別の意見をもつのは健全な姿ですが、わざわざ名指しで批判(別の意見)していることを見つけたときに、心に刺さるナイフの痛みはロキソニンではとまりません。

オジサン雑誌の舞台裏

エゴサーチにも「世代間格差」があるという私の指摘を受け、「ポスト」の記者は想定読者を40代以上と語ります。その世代におけるエゴサーチには「疎外感」というリスクがともないます。

2012年現在で40才なら社会人になってから「Windows 95」が登場したことでしょう。ブームも手伝い、早々に取り組んだ可能性が高いとはi

え、ネットが生活に溶け込んでいたとはいえません。ご存じのようにネットのなかの情報は、だれかが書き込まない限り存在しません。自分も友達も書き込んでいないとしたら、エゴサーチから得られる検索結果は存在しません。

ところが、組織において40代とは中間管理職から上のステップが見え始めるころで、業界内にも人脈をもち、会社員生活において一番輝いている時代とも考えられます。ところが「エゴサーチ」でのゼロ回答は「あなたはだれ?」という響きにもとれ、不要な疎外感に包まれるリスクがあるのです。

娘検索の否定

さらに傷口を広げるのが「ライバル」の名前で検索し、情報を見つけたときの敗北感です。ネット情報は、書き込む人が周囲にいるかの差に過ぎず、ポテンシャルを裏打ちするものではありませんが、コンピュータのスクリーンに映しだされる「検索結果格差」に打ちのめされることは必至です。

さらにやってはならないのは「妻(彼女)」の検索。元彼との交際、過去の恋愛遍歴など、男女の間に秘密はあるもので、それを白日の下にさらして良いことなどありません。そして絶対にやってはならないのが「娘検索」です。40代のWeb担当者の娘ともなれば、すでに中学生や高校生になっていてもおかしくないでしょう。すると彼女たちの「実名プロフ」が見つかることもあります。Web担当者の能力を持ってすれば「学校裏サイト」を割り出すことも可能。お小遣いをあげたその後に、彼氏とデートに出かけ、カラオケボックスで「盛り上がった」などの現実に耐えられる父親がどれほどいるでしょうか。

時限爆弾としてのエゴサーチ

エゴサーチに百害あって一利なしです。しかし、それは「検索する」側においてです。エゴサーチをする人は自分の評判を気にしてのこと。それを逆手に取ります。「誉める」のです。取引先の従業員教育のすばらしさを監督者の名前とともに称賛します。商品開発に感銘を受ければ、技術者とともに紹介します。ブログでもFacebookでもTwitterでも結構です。そして時が過ぎ、いずれ彼らやその知人、あるいは部下が「エゴサーチ」をしたときに、称賛の言葉をあなたの名前とともに見つけます。

平たく言えば「間接的お世辞」をネット上にばらまいておくのです。IT社会における、あらたな処世術といってもよいでしょう。

リアルで喜ばれる方法

ネットに悪評を書けるのは、そこを別世界と思っているからです。見慣れたワイドショーから、批判的な視点こそが知的なのだと錯覚する日本人も少なくありません。そこに「匿名性」が加わり、攻撃の刃は鋭くなります。あるいは発言の説明責任を問われることがないと高を括る、「当て逃げ」のような批判も少なくありません。

しかし、ネットとリアルは地続きです。そしてリアルにおいて悪口ばかりいう人と、敬意を持って褒め称えることのできる人のどちらに人望があるかといえば、圧倒的に後者です。私は仕事以外でお世辞を書くことはありませんが、メルマガやブログを始めてから意識的に人を褒めるようにしています。もちろん、批判もしますが、良いところを見つければ実名を挙げて褒めるようにしており、それがプラスに働いた事例は枚挙に暇がありません。一例あげれば、褒め称えた書評を介して、人気小説家と交流が生まれたこともあります。

エゴサーチにメリットはありません。しかし、他人の評価を気にする日本人はエゴサーチの誘惑に負けてしまいます。そのとき、そこで見つけた「褒め言葉」の意味を考えれば、それは「お世辞」を越えた「救い」です。

今回のポイント

エゴサーチにメリットは少ない

しかし、エゴサーチは仕掛けることができる

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