企業ホームページ運営の心得

Web担当者を輝かせる珠玉の言葉(いいわけ)。年末に寄せて

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の伍十

暇になると文句を言い出す人たち

師走に入り、1か月以上続く「クリスマスソング」に辟易としてくると忙しさも本番となります。道路は混み、人の様子は慌ただしくなり、街ではサンタクロースまでもがピザの配達に駆り出されます。

ところが、そこそこ歴史がある大きな組織には忙しくなると暇になる人がいます。閑職に追われたオジサンたちです。

彼らには創業メンバーなどが多く、過去の功績は大きいのですが、時代から取り残されて現場から遠ざけられており、繁忙期には相手にする人がいなくなるため暇を持て余すのです。しかし、発言力があったり、株主だったりするので厄介です。

以前は営業部を相手に「気合い」や「根性」を振りかざして暇つぶしの道具にしていたのですが、最近のおもちゃは自社の「Web担当者」で、聞きかじりの知識を振りかざし「どうなっているんだ」と息巻きます。

はっきりいってウザイ……のですが、そこは人生の先輩であり社内の実力者です。敬意を払って煙に巻きましょう。今回は、Web担当者自身の為の「珠玉の言い訳」を紹介します。

CASE 1 ちみちみ、我が社のページはヤフーみたいにならないのかい?

実話です。

ITバブルまでは当たり前にいわれた話ですが、今でも「ヤフーまでとは行かなくてもそれなりに……」という厚かましい話は掃いて捨てるほどあります。デビッド・ファイロとジェリー・ヤン(共にヤフーの創業者)を連れてきて、孫正義氏に金をださせろといいたい衝動を抑えてこう切り出します。

「ネットの鈍化を叫ぶ声もありますし、ヤフー創業期とはプレイヤーの数が違いすぎます。また、我が社のように本業が“しっかり”している企業では、上司を上司とも思わない風土はそぐわないかと。それより、本業を補完する“しっかり”としたウェブへの取り組みが大切です」

詭弁ですよ、念のため。

ただ、オジサンたちは「ネットの終焉」をどこかで願っており「鈍化」という単語に心を躍らせます。そして「プレイヤー」もレコードプレイヤーやプロ野球選手的なイメージの「何となく知っている英語」でわかった気にさせます。さらに本業を「しっかり」と褒め称え、「上司を上司とも思わない」とホリエモンを連想させる脅しを付け加えておきます。最後に「本業を補完」と、ウェブは従属でいう「属」だとしながらも、取り組みは必要だと忘れてはなりません。

面倒くさいと思うでしょうが、言葉を尽くしても「要するになんだ」と逆ギレされるリスクと、時間的損失を考えれば年末の繁忙期に有効な「急がば回れ」です。

CASE 2 ちみちみ、我が社のサイトも動画を載せてみてはどうだい?

実話です(その2)。

オジサンたちの提案から各部署の代表者の動画を公開しようとなり、コメントをムービーで撮り貯めるところまで話が進みました。当時はナローバンドの時代でしたので、回線の遅さを理由に説得を重ねたのですが、オジサンたちの「動画」好きは1つの信仰です。

揃ったムービーを見て社長が一言「つまらない」と。そこで間髪を入れずにとどめを刺したのが

「他人の子供の運動会のビデオはつまらないじゃないですか」

他人の子供の運動会にお遊戯会のビデオ上映会が苦痛なのは、本当に「つまらない」からです。そう頻繁に「からくりTV」に投稿できるレベルのハプニングはありませんし、子供がずっと画面の中央にいるカメラワークはかけっこでも玉入れでも同じように映ります。

「かけっこ」ならアングルを固定して画面の右から左と「子供を走らせる」といったことは基本です。動画を掲載するにはそれなりに技術を習得するか、プロに発注するコストがいると添えることをお忘れなく。

CASE 3 ちみちみ、アクセス数が増えないのはどうしてだい?

SEOにコンテンツの切り出し方、公開の仕方など複合的な理由がありひと言で片付けられないのですが、オジサンの意図するところを汲んでみましょう。ときに「ヤフーのようなアクセス数」を引き合いにしていることがあります。しつこいようですが実話です。

ヤフー級を望む場合にはURLが映しだされた漫画・雑誌やテレビCMを用意します。今なら「続きはウェブで」という広告もOKです。

「大企業はホームページを宣伝するための広告費を使っているんです」

オジサンたちでも「媒体広告」が高いのは知っていますので無謀な要求と理解します。そして宣伝広告の一環としてウェブが組み込まれており、全体の広告費は莫大なものになると説明します。ちょっと物知りな方には「メディアミックス」と加えてもいいでしょう。

素朴な疑問として「しかし、それで割に合うのかね」などと訊かれたらしめたものです。

「体裁……ですね」

大企業のウェブサイトのアクセスが閑散としていれば「広告代理店」は青くなります。効果測定の難しい従来の媒体広告と違い、アクセス数やベネフィットといった数字で見ることのできる世界なので、使える手段は全部使って「せめてアクセス数を」と。広告は大人の事情の「ミクスチャア」の世界ですからすべてではありませんがよく耳にする話です。

これでオジサンの溜飲は下がります。

愛すべきオジサンたちへ

お盆に特集した「不思議な話」もそうでしたが、実例を挙げると字数が足りません。

オジサンたちの会社を背負ってきたという自負と、今でも身を粉にして働こうという気概は厄介です。ジェネレーションギャップというより、「パソコン=遊び」という価値観を捨てきれず、仕事とは「わかりやすい苦痛をともなうもの」と信じこんでいるのです。

そこで私はこんな話をよくします。

「パソコンの前に12時間ぐらい座っていることはざらですよ。仕事ですから」

Mac(マッキントッシュ)の付属品となる副作用の肩こり、頭痛、眼精疲労、腱鞘炎を笑顔と共に語ります。

愛すべきオジサンたちは仕事をする人が好きです。それがウェブであっても肉体労働であっても。ただその大変さを知らないだけだったりします。

年末のクソ忙しいときこそ、言葉1つの気遣いを。

♪今回のポイント

思考硬直していても上司には敬意を。

プライドをくすぐりつつ納得させる技術を身につける。

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