運営体制勤務時間をもとに、運用者向けマニュアルを作成
運営体制
勤務時間をもとに、運用者向けマニュアルを作成
運営開始時に作成したという運営ガイドラインについて伺った。
「運営時間や用語の使用方法、リアクションをする投稿の定義などをまとめた運営者向けのマニュアルをA4用紙4枚ぐらいにまとめています。もともと、NEWDAYS用に作成したものですが、今後ほかの業態がTwitterを開設するときに利用できるよう、現在ガイドラインの作成を進めています
」(須藤氏)
勤務時間外や土日の投稿はどのようにしているのだろうか。
「マニュアルでは、勤務時間内のみの投稿と定めていて、勤務時間外は予約投稿で対応しています。予約投稿をする場合も、基本時間は21時までとしています。このルールは、いろいろな企業事例から、過去の炎上事例のほとんどが自分たち(企業)の発する言葉が原因で生じることが多いため、何かあった場合でも対応できるように、炎上対策の一環として設定しました
」(須藤氏)
利用しているツールについて伺った。
「投稿の管理ツールとして『つぶやきデスク』を、その他に分析ツールも使っています。つぶやきデスクは、投稿の承認体制や予約投稿ツールなどの運用フロー作りに、分析ツールはフォロワー数の伸び率やブランドネームのツイート数を、他の企業アカウントと比較するときに使っています
」(綱島氏)
ブランドワードを監視し、対応方法はポジネガでルール化
普段の運営業務について伺った。
「Twitterの運営では、投稿原案の文章や画像加工などをしています。他の業務としてはホームページの管理を担当しているので、各部署から集まってくる店舗の最新情報を日々アップデートしています
」(綱島氏)
「内輪ネタですが、プロフィールアイコンの作成も実は綱島が担当しているんです。七夕やひまわりなど四季折々に変えています
」(須藤氏)
普段はどんなことをつぶやいているのだろうか。
「商品やサービス、キャンペーンの紹介が多いですね。あとは時事ネタやJR東日本の子会社ということで、鉄道ネタやSuicaグッズの話題は結構反響があります。電車のネタはものすごく鉄板でリツイートの桁が違います。普段のツイートも同じぐらい広まってくれたらありがたいんですけどね(笑)
」(綱島氏)
@newdays_jpのタイムラインを見ると、ユーザーへのリプライ(返信)も行っている。基準はどこにあるのだろうか。
「業務時間中にブランドワード(NEWDAYSなど)のツイート状況をモニタリングしていまして、リプライするかどうかは運用マニュアルに沿って対応しています。たとえば、間違った情報やネガティブな投稿を発見したときにはリプライを返します。
『北海道のものを使っていると言っているけど実際は中国産らしいよ』といった事実と異なる発言には、リプライで説明するようにしていますし、『○○店の店員の対応が悪かった』といった具体的な情報が含まれたネガティブな発言には、詳細をお聞きするため問い合わせ窓口を案内し、お客様対応の専任スタッフが対応しています。Twitterの140文字では正確な情報を伝えることが難しい場合もありますからね
」(綱島氏)
ポジティブなツイートにはどのように対応しているのだろうか
「タイミングが合えばリプライをしています。新商品に好感を持っていただけたような場合など、我々が話しかけるのが自然なときには、お礼のリプライをするようにしています。現状は、投稿内容を確認して、私が承認する体制で運営しているので、どうしてもタイムラグが発生してしまうんです。ですから、ネガティブな投稿に対しては時間が経っても対応する。ポジティブな投稿はリアルタイムに対応できればリプライするというのが実情です
」(須藤氏)
フォロワー増加施策としてTwitterキャンペーンを積極展開
フォロワーを増やすための施策などは、何か行っているのだろうか。
「NEWDAYSとKIOSKでしか売ってない扇形のバウムクーヘンを応募商品としたTwitterキャンペーンを2012年6月に実施しました。応募方法はオーソドックスに、NEWDAYSのアカウントをフォローしていただいて、『#扇型バウムクーヘンといえばSweetLife』というハッシュタグをツイートする形です
」
キャンペーンの目標はどのように設定したのだろうか。
「目標値は以前実施したキャンペーンの期間と成果をもとに、それを上回るように設定しました。Twitterとメルマガだけで告知しましたが、約1,400件の応募がありました。また、キャンペーンを通じて商品の認知度向上にもつながったと思っています。成果については、まずまずの結果と捉えていますが、日頃からNEWDAYSを使っている方にもっと直接的にアプローチできるような店舗連動の企画をしたいと思いました
」
7月のTwitterキャンペーンでは、実際に店舗連動を取り入れているとのことだ。
「前回の結果をもとに、7月3日から『ナツキタRT選手権』(現在は終了)という店舗連動型のTwitterキャンペーンを実施しています。店頭で展開しているキャンペーンの商品を@newdays_jpでツイートをしていき、ユーザーが「いいな」と思ったらリツイートをしていただくんです。そして、期間中に一番RTされた商品に投票してくれた方に、抽選で商品券をプレゼントするという企画にしたんです。まだキャンペーンの途中ですが、前回よりも多くのRT数を獲得できているので結果がたのしみです
」(綱島氏)
効果測定
競合他社のフォロワー数×店舗数のシェアをベンチマークに
Twitterを立ち上げたときに目標値などは設定していたのだろうか。
「フォロワー数については、べンチマークするアカウント(A社)を設定し、フォロワー数や店舗数などの規模感を考慮した目標値を設定しました。当社の店舗数がA社の6~7%なので、フォロワー数も6~7%を目標に設定しました
」(須藤氏)
設定された目標は順調に達成されているのだろうか。
「まだまだです。まずは、一週間あたりのフォロワー増加数やエンゲージメント率をA社と比較して目標値に近づけたいと思っています
」(須藤氏)
キャンペーン以外にフォローを増やす施策は行っているのだろうか。
「今はしていません。フォロワー数は目標ではありますが、無理に増やそうとするとフォロワーの質が落ちてしまいますので、地道に活動しています。Twitterキャンペーンについても、指標としてはフォロワーを増やすという目標を捉えつつも、キャンペーンを盛り上げることや、商品をお客様に認知してもらうといった考え方も大切にしています。キャンペーン終了後に、すぐにリムーブされたり、懸賞目的の非アクティブなアカウントばかりが集まったりすると、分析も難しくなりますからね
」(綱島氏)
最後に今後の抱負を伺った。
「これからもソーシャルメディアを通じてNEWDAYSのブランド向上につながるような取り組みをできたらなと思っています。LINEなど他のソーシャルメディアを使っている方にもアプローチできるように、新しい企画を考えていきたいですね
」(綱島氏)
NEWDAYSのTwitter活用はコンビニ業界としては後発となったが、他社の成功事例をもとに順調に成長を続けているようだ。また、店舗連動型Twitterキャンペーンの実施や、現場を知り尽くしたコンビニ店長をTwitter担当に任命するなど、店舗を直営で運営する同社だからこそできる新しい試みも続けている。今後も同社のTwitter活用を見守って行きたい。
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