企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場

企業×ユーザーではなく、Twitterユーザー同士の感覚でコミュニケーション/カーコンビニ倶楽部

ユーザーの生の声を聞き、双方向の深いコミュニケーションを目指してTwitterを開始

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企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用
平田幸大氏

リスクばかり考えていたら何も始まらない。実際に始めてみたら、手軽に情報提供ができてすごいじゃないかと、社内での見方がすごく変わり、関心も得られるようになりました。

企業色が強くなると、ユーザーの気持ちが離れてしまう。ソーシャルメディア上の対ユーザー同士という距離感で、コミュニケーションを行っていきたいですね。

カーコンビニ倶楽部
カーコンビニ倶楽部
http://www.carcon.co.jp/

カーコンビニ倶楽部は、自動車向けトータルアフターサービスを提供する「カーコンビニ倶楽部」および「カーコン車検」を全国約800店舗のフランチャイズ事業で展開している。彼らのお客様は、フランチャイズ店舗に来店するため、直接本部との接点はほとんどない。そのなかでお客様のニーズを知り、次なるサービス戦略を練るための方法について、本部広報部でTwitter、Facebook運用を担当する平田氏に話を伺った。

@carcon_jpのプロフィール(データは2013年3月4日時点)
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Twitter活用の目的
マス広告だけではできない、双方向コミュニケーションのために

――ソーシャルメディアとしてはTwitterとFacebookを活用されていますが、きっかけはどのようなものだったのでしょうか。

平田幸大氏
カーコンビニ倶楽部株式会社
広報部
平田 幸大氏

Twitterを開始したのは2011年9月からです。Facebookは、Twitter運用が軌道に乗ってからということで、翌年の1月に開始しました。それまでWebについては、PC、モバイル向けのサイト運営で新規店舗情報や、キャンペーンなどの情報提供は行っていましたが、ここ数年で、TwitterやFacebookというソーシャルメディアが盛んになってきました。当社でもそういったものを活用して、ユーザーとコミュニケーションを取りながら、より多くの方にカーコンビニ倶楽部を認知していただきたいという思いで始めました。

――認知という点で、御社ではすでにテレビCMなどマス広告を実施されていますが、ソーシャルメディアではコミュニケーションを重視したということでしょうか。

そうですね。これまで、マスメディアを使った情報提供に加えて、月2回のメルマガを発信していますが、ユーザーとのコミュニケーションというものはなかったですね。ソーシャルメディア上のコミュニケーションを通じて、より安心感を感じてもらいたいという思いもあります。

――企業の公式アカウントを開設するには、社内の理解が必要になります。社内調整ではどのようなことを検討しましたか。

最初にTwitterを始めることを社内で検討した際に、まず上がったのは、「炎上してしまうことはないか」といったリスクの部分ですね。実際に何かを書き込んだり、コミュニケーションをとったりするなかで、ちょっとした誤解からでも、そういったリスクは発生する可能性があります。その場合にどう対応していくか、対処方法を十分に準備したうえで導入していこうと、リスク対策にはとにかく時間をかけました。

――社内では具体的にどのような対応を検討しましたか。

公式アカウントとして、どのような運用をするのか明確にするためにもポリシーは必要と考え、しっかりと明記し社内のリスク管理部門に都度確認を行いながら、ポリシー・ガイドラインを作成していきました。また、ガイドラインを公開することで、ユーザーに私たちの考え方について理解を得たうえで、情報を提供できるという安心感もありました。ユーザーも、カーコンビニ倶楽部とTwitterなり、Facebookなりでつながるうえで、安心してご利用いただけるのではないかと思います。

――運用をしていきながらガイドライン作成をすすめる企業もありますが、事前に準備されていた。

ソーシャルメディアを運用するにあたり、リスクという点で上層部が少なからず難色を示していたこともありましたし、本当にそれだけ(炎上などのリスク)は避けたいという思いもありましたので、事前にしっかり時間をかけて作りました。

――ガイドラインで、特にポイントとなる部分はありますか。

気をつけているところは、Twitter、Facebookに限らず、ソーシャルメディアすべてに言えることだと思うのですが、運用の時間帯を明記することです。ソーシャルメディアには手軽にできるというメリットもありますが、企業の公式アカウントである以上、24時間運用できるかというと、そうはいかない部分もあります。明確にこの時間帯に運営しています、この時間をはずれた場合は、書き込みなど返答が遅れる場合がありますと、運用時間の表記を確実に入れるようにしました。

――社内を説得できたポイントとしては、こうした事前準備が大きかったのでしょうか。

準備もしっかりできた点もありますが、一番は「お客様」とコミュニケーションできる、ということだと思います。当社の場合、お客様というのは、各加盟店様に来店されるので、本部と直接コンタクトがない方がほとんどです。なので、お客様はどういった方でどういったご要望があるのかといった情報を汲み取ることが、なかなか難しい状態でした。

ご来店いただいたお客様が、カーコンビニ倶楽部に対してどう思われているかなどの意見を汲み取るためにも、ソーシャルメディアは使い勝手がよいですし、そうした情報を得られるというのは大きかったですね。

――平田さんは、カーコンビニ倶楽部のアカウント開設前から、Twitterを使われていたそうですね。TwitterやFacebookの魅力というのは何でしょうか。

手軽にいろいろなものを書き込めたり、自分がフォローしている人、知りたいと思う人の情報をタイムリーに取得できたりするところでしょうか。今こんなことをしている、というように、実際に自分の近いところで、こんなことが起きているということがリアルタイムでわかるところから、相手に親近感を持ったり、身近に感じられたりするようになるところが、TwitterやFacebookのいいところではないでしょうか。

――個人の利用経験から、カーコンビニ倶楽部でもTwitterを通じてユーザーとコミュニケーションできるという実感を持っていたことが、説得力になったのでしょうか。

それはあると思います。実際、運用する前に自分で使ってみて、理解したうえでないと話もできないですからね。自分で利用し、予習をして、実感を得て、どんな質問をされても答えられるような準備をして、申請したという感じですね。

運用体制
Twitterだけでなく、Facebookの活用を視野に広報部で運用

カーコンビニ倶楽部のFacebookページ
https://www.facebook.com/carcon.jp

――現在、御社ではどのような体制で運用されているのでしょうか。

広報部で全般的に運用をしていますが、Facebookについては、外部の専門家の方に協力を得てやっています。投稿する文章や、ユーザーからの書き込みに対する返信文章といったものを考案していただいていますが、最終的な投稿はすべてこちらで行っています。

――作成された原稿を平田さんが修正、承認して投稿するということでしょうか。

そうですね。今委託しているアクティブサポートの方が作成される文章を、ゆるすぎず、かたすぎずというところでバランスをとりながら微調整した内容を投稿するようにしています。

通常の企業体としてのリリースはかっちりした文章で作りますが、ソーシャルメディアでのコミュニケーションは、少しゆるめの文章で行いたいと思っています。一方で、あまりゆるすぎても、そこまで「フレンドリー」を求めていないというユーザーに対して失礼のないようにバランスというのはきっちりとらないといけない、と思っています。

――TwitterとFacebookの管理ツールとしては、つぶやきデスクを使っていますよね。ツールを使うことは始めから考えられていたのでしょうか。

一番の懸念事項であった炎上などのリスクを回避するためにも、複数名で見て、承認するという形の投稿がよいということで、管理機能を持ったツールを導入することを事前に決めていました。

また、ツールを探すときには、ソーシャルメディアの種類が増えてきていることから、拡張性の部分を考慮しました。後は、手軽さですね。投稿を承認するスキームもそうですが、Facebookであれば、画像投稿がやりやすいといったように、どんなスキルの人でも、手軽に操作できるようなツールを選択したいと思っていました。実際、自分で投稿するときには、難しい作業がないですね。

――Twitterを開設したのが2011年9月、その4か月後にはFacebookを始めていますが、TwitterとFacebookの一括管理を想定していたのでしょうか。

そうですね。始めた時期はTwitterの方が早かったのですが、その運用状況を見て、後々Facebookも始めていくということは決まっていたので、最初から両方管理できるものが望ましいと思っていました。

――外部の専門家にも協力してもらっているようですが、こちらも事前に考えられていたのでしょうか。

いえ、開始当初はすべて社内で行っていました。外部の方にお願いしたのは、2012年の秋口頃からですね。同じ年の年末に開催した「年末は愛車も大掃除キャンペーン!」で、ある程度のコミュニケーションがとれるのではないかと考えました。そこで、的確な文章を作ってスムーズに実施できるようにしようと、専門の方に入ってもらったのです。

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