企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場

Twitter活用の目的顧客満足度増大を目的に積極的なユーザーサポートを展開

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Twitter活用の目的
顧客満足度増大を目的に積極的なユーザーサポートを展開

ユーザーサポートに徹するという、楽天レシピのTwitter活用目的について詳しく伺った。

僕らが主眼としているのはユーザーサポートです。

運営開始当初は、フォロワー数を増やすためにこちらからフォローを仕掛けたりもしてきましたが、楽天レシピのアカウントに関しては、情報発信がメインというよりは、ユーザーサポートに徹しようと判断してから徐々にやらなくなりました。ただ、情報発信も続けていて“今日のピックアップレシピ”という編集部が選んだおすすめのレシピについては毎日つぶやいています」(辻氏)

Twitterを使う以前はどのようにユーザーサポートをしていたのだろうか。

元々は、サイト内にあるお問い合わせフォームを使っていました。ユーザーの方から匿名でサイトのどこが使い難いのかといった意見を集めて、スタッフブログで“こういう質問がたくさんあったので対応します”といった形で対応をしていたんです。ただ、Twitterと比べるとユーザーの生の声は少なかったですね。やはりTwitterのほうが生の声を聴きやすいですし、そのユーザーに対してすぐにコミュニケーションを取れるので我々の使い方に合っているなと思います」(辻氏)

お問い合わせフォームはよくありますけど、投稿する方ってなかなかいらっしゃらないですよね。Twitterだと、わざわざ楽天レシピに向かって不満を言っていなくても“楽天レシピって重いんだよね”と、友達同士で話している会話を検索で拾えます。“すみません、どこが重かったですか”といったように積極的なユーザーサポートというか、こちらがどんどんプッシュするような形で入って行くと、原因もどんどん究明できるんですよね」(辻氏)

ユーザーサポート以外にTwitterを活用している目的はあるのだろうか。

あとクチコミが広がりやすいという点ですね。Twitter上でのサポートをしていると、サポート内容をフォロワーさんに共有してくれる方もいらっしゃるんです。1人の悩みを解決することで、そのフォロワーさんに楽天レシピのお褒めの言葉を添えた形で広がって行くこともあるんですよ。

逆にいうと、悪いことの方が広がりやすい世界でもあると思うので、ユーザーの方とコミュニケーションには真摯に取り組むようにしています。そうして、コツコツ続けていけば良いことは必ずあるんですよね。そこを信じながら今日もサポートをしています」(濱野氏)

運営体制
専任のスタッフを2名配置、投稿内容は責任者が事前チェック

現在のTwitterの運営体制について伺った。

現在専属の担当者は2名いて、ソーシャルメディア上のユーザーサポート担当として1名、レシピの編集と発信をする者が1名で、僕はその2名の投稿内容のチェックをしています」(辻氏)

1日にどのぐらいの時間をTwitter運営に費やしているのだろうか。

ユーザーサポートは専任ですが、Twitter経由以外の問い合わせにも対応していますので、毎日2~3時間ぐらいの利用だと思います。あと業務時間外や土日に関しては、ダイレクトメッセージやリプライを送っていただくと僕の携帯にも通知が来るようにしています。実際に、緊急度が高い不具合である場合は土日休日関係なく対応しますので、携帯電話から返事をしています」(辻氏)

ユーザーサポートの業務内容はどのようなものなのだろうか。

主に、“楽天レシピ”を話題にしている人をリアルタイムでモニタリングをしていまして、何かコメントがあったら瞬時に担当部署にサポートが内容を通知し、担当部署の回答を受け取った後にユーザーサポート担当から返信をするようにしています。また、それと並行して、ソーシャルメディア上で楽天レシピや競合サイトに対してどういうコメントがあったかということを毎日レポートしてもらうことで、メンバー全員がクレームもお褒めの言葉も含めてユーザーの声に毎日触れられる仕組みになっています」(辻氏)

サポートをする際に内容の書き方などで社内的なルールはあるのだろうか。

特にありませんね。それは社会人としてとか人としてという話になります(笑)。そこがずれていなければ自分たちのなかで自由に回答をしてよい、という形でやっています。それよりもスピードですね。問い合わせや何か問題があったときには、返事をいかに早く返すかがすごく大事だと思っているんです。待たされているのが一番嫌じゃないですか」(濱野氏)

あと、投稿内容については私の方で最終チェックをしているので、サポートとしてユーザーさんが何に困っているのかを把握して明確に答えられているかは見ています。また、同じことで悩まれているユーザーさんもいるので、情報を集約していくことで早く精度の良い回答ができるように心がけています」(辻氏)

運営開始当初はTwitterにメディアとしてのパワーがあるのではないかと考えていた辻氏。しかし、楽天の三木谷社長のような40万人のフォロワーをテクニックで集めることは不可能であるという判断のもと、ユーザーサポートに方針転換をしたそうだ。専任のスタッフを配置するなどしっかりとした運営体制を取る楽天レシピ。続いて、その運営ノウハウと今後の展開について話を伺った。

運営目標
Twitterクライアントを使い、複数人で1つのアカウントを運用

Twitterの運営目的の達成度を図るための指標は持っているのだろうか。また、効果測定についても伺った。

明確な指標はないですね。立ち上げ当初は、Twitterからサイトへの流入数をSiteCatalyst(楽天グループで導入しているアクセス解析)を使ってチェックしていましたが、最近はユーザーサポートを目的としているので、いかに早くきちんともれなく返事しているか、1日あたりのコミュニケーション量として、投稿数といった観点で目標を設定してもいいかなとは思っています」(辻氏)

Twitter運営に利用しているツールについて伺った。

当初から複数人で運用する計画でしたので、通常のWeb版や普通のアプリでは運用が大変だと思っていて、ツールを探しているなかで“つぶやきデスク”を見つけて採用することにしました。他にもTwitterクライアントはあると思うんですが、上長による承認機能がついていたり、モニタリングしている検索ワードを自動的に記録し続けてくれるなど、企業として複数人で1つのTwitterアカウントを運用するには、よく最適化されたツールだと思っています。その他に、“Klout Score”のような指標を確認するためのツールについては、国内海外問わず無料でいろいろなツールがあるので、知りたい情報にあわせて使っています」(辻氏)

その他のソーシャルメディア活用について伺った。

楽天レシピのピンタレスト「Rakuten Recipe」
http://pinterest.com/rakutenrecipe/

最近はピンタレストにすごく力を入れていて、ピンをどんどんつけていますね。あとはFacebookページも開設しています。ピンタレストは、うちが発信するというよりはコンテンツホルダーとして良質なレシピ画像を提供できればいいと思っています。そうしていくことで、ユーザーさんに“ピンづけ”してもらったり、“いいね”や“シェア”をしてもらっったりして、どんどん拡散してもらえれば嬉しいですね。僕等は戦略上、ソーシャルメディアを使ってユーザーが楽天レシピの外に出て行くことをまったく拒んでいないんです。今後、僕等のコンテンツをもとにソーシャルメディアの世界へどんどん広がっていけばいいと思っています」(濱野氏・辻氏)

これからもTwitterでユーザーの本音を探って行きたい

今年はFacebookが台頭してきているが、企業活用の観点でFacebookと比較したTwitterの魅力についてはどのように考えているのだろうか。

Twitterの方がユーザーの本音の部分がすけてくるのかな、と思います。匿名で投稿している方がほとんどですし、企業からの返信なんてまだまだ広がっていませんから、楽天レシピのスタッフが見ているかどうか考えながらツイートはしていないでしょう。

これがFacebookのファンページになってしまうと雰囲気がまったく変わってきますよね。楽天レシピのファンが集う場所で、本名を出して、友達もいるなかでサービスの悪口をストレートに言う人はなかなかいないですしね」(辻氏)

最近では楽天がピンタレストへの出資をしたことも注目を集めている。

そうですね。楽天レシピとしても、日本のレシピを海外に広げるためにうまくピンタレストを活用していきたいと思っています。豆腐やスキヤキ、天ぷら、キャラ弁など海外でもウケそうな日本のレシピはたくさんあります。特に、キャラ弁なんかはアメリカでは例がないでしょうから、驚かれるでしょう。健康というジャンルに関してももっと深くやっていきたいと思っています」(濱野氏)

最後に今後の抱負を伺った。

今や世の中では、ソーシャルメディアは流行ではなくユーザーの生活に定着していて、楽天レシピとしても、それを使わない手はないと思っています。ただ、ソーシャルメディアはやり方が重要で、それは対象となるソーシャルメディアや自社が取り扱うサービスによってまったく異なるものだと思っているので、それぞれのやり方に合うツールを使って提供していくということが大事だと思うんですよね。

発信したい人は発信するツールが必要となり、逆にコミュニケーションしたい人はコミュニケーションするためのツールが必要になりますから、今後もつぶやきデスクのような我々の運営スタイルにあったツールは積極的に活用して行きたいです」(濱野氏)

ありがとうございました。

◇◇◇

楽天レシピのTwitter戦略は“アクティブサポート”と言い換えられるはずだ。しかし、インタビュー全体を通じて、そのキーワードを聞くことを一度もなかった。それは、同社がネット上のユーザーとのコミュニケーションをソーシャルメディアが登場する以前から当たり前のように取り組んできたからなのかもしれない。もしそうであるならば、楽天グループは今後ソーシャルメディアを活用することで、さらに大きな存在となるのではないだろうか。ピンタレストの活用も含めて今後も同社のソーシャルメディア運営に注目していきたい。

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