もしも、「ザ・ペニンシュラ東京」を解析するなら(下)[第47回]
3回分のまとめ&アクセス解析の視点からのチェックポイント
最後にアクセス解析的な視点で見るべきポイントをまとめておこう。
集客面で検索連動型広告などを行っているのであれば、集客面での効果測定などとともに最適化をしていく必要があると思われるが、今回その部分についてはやっていないという前提で話をしよう。
- トップページについて
おそらくサイト訪問者の主な入口ページはサイトのトップページだろう。リピーターの予約客の訪問が多いような気がするが、実際どのようなユーザーが訪問しているのか、入口ページは果たしてトップページなのかという点を確認しておきたい。その上で、全体の人気ページを見ることで、現在のグローバルナビゲーションで表示しているテキストリンクの配置が本当にこれでよいのかを確認したい。
もちろん世界各国にあるすべてのホテルで共通にしなければならないというルールがあるのだとは思う。しかし、「ご予約」の位置は右から2番目でいいのだろうか。もし、ニーズが高ければメインビジュアルの一角を削ってでも、他のサイトと同様に予約の機能をトップページに直接配置するということも検討に値するのではないだろうか。
トップページ下のナビゲーションはクリックしてもURLの変化はないので、クリックイベントなどを計測して、どれだけクリックされたかを計測しておくことが重要になるだろう。グローバルナビゲーションも、マウスオーバーやクリックイベントを計測して、グローバルナビからの直接のアクセス状況を取得しておくとよいだろう。
- 予約機能全般
他のホテルサイトと比較すると、他のサイトではとにかく予約機能を前面に出しているのに対して、「ザ・ペニンシュラ東京」では、ブランド重視のせいなのか、予約機能が目立っていない。ここではユーザビリティテストとA/Bテストの両面からサイトの改善を考えてみたい。
ユーザビリティテストなら、他のサイトと並列に予約を実際にやってもらうというのも手だろう。どこがよくて、どこが分かりにくいのかといった点は明らかにした方がいい。「部屋のグレード選択→プラン選択」が自然だと思うが、「プラン選択→部屋のグレード選択」というプロセスはユーザーにとって使いやすい流れなのかは、例えば、前回3ページ目の図17でパッケージを改めて確認する人が多いのであれば、私の仮説が裏付けられるのではないか。
A/Bテストは、トップページなどで予約機能を直接配置した場合とそうでない場合とで、どの程度の予約率の違いがあるのか、予約までのページビュー数や滞在時間などが比較できれば、そのような評価軸でテストしてみたい。
- その他コンテンツ部分
コンテンツ部分でも、「プルアップメニューしかないために、一覧性が悪い」という指摘をしたが、これもユーザビリティテストを実施してみたい。言葉使いの分かりやすさなども検証したい。図27のマップや印刷機能などもユーザビリティテストでチェックしておきたい項目だ。
- 予約プロセスの検証
前回の4ページ目で取り上げた、お名前とクレジットカード詳細を入力するページでのエラー率は高いのではないか。姓名のローマ字、携帯電話番号のハイフンなど。これはA/Bテストするまでもないように思えるが、入力例の記述を追加して、エラー比率の前後比較などをすぐに確認してみたい。
また、宿泊日数の最大14日というところも、実際クリックする人がいるのだろうか。スキップもできるこだわりのオプション機能(図21から図24)は、けっこう使われているのであれば、こういったキメ細かい指定は重要だということが言えるだろう。
そして、図25のご予約内容の確認画面で、最後のステップでの修正というのはあるのか、あるのであればどのパート部分なのか、その場合に何を修正しているのかということで、予約ステップの改善に結び付けられる可能性がないかを検証したい。
さて、この連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
コメント
予約したいのなら、
予約したいのなら、電話するのが一番早いのでは?
ネットで気軽で予約できるような安ホテルじゃないでしょ。