Facebookページ活用 実践ガイド

企業がFacebookページを始める時に押さえておきたい28個の手順 【準備&プランニング編】

うちの会社でもFacebookを使いたいけど、どこから手を付けたらいいんだろう……

第2部 プランニングフェーズ

7対象サービスの定義をする

御社はいくつもサイトを運営したりブランドや製品をもっていたりすることでしょう。そのなかで、どれを対象としてFacebookを活用しますか?

エッジランク

エッジランクとは、あるユーザーに対して発信されたたくさんの情報のなかで、どの情報が優先して表示されるかを決定する要素。

Facebookページを活用する場合、基本は「コーポレート用」「ブランドA用」「ブランドB用」などのように、ターゲットユーザーごとに作成する必要があります。というのも、ブランドAのファンだからと言って、その会社のファンだとは限らないからです。自分にとって興味のない情報が多く流れてくると、ファンを辞められてしまいます。さらには、エッジランクが上がりにくくなる可能性もあります。

エッジランクの詳細については以下の記事を参照してください。

8目的を決める

皆さんはなぜFacebookを使うのですか? ただFacebookページを作るだけでなく、目的を整理することにより、的確な企画や運用が可能になります。

Facebookの活用目的分類シート
用途目的
マーケティング利用
  1. 傾聴
  2. 調査
  3. 商品理解
  4. ブランディング・認知促進
  5. ニーズ喚起
  6. ファン化・ファン育成
  7. 商品開発
  8. 囲い込み・定着化
  9. UGC(ユーザー生成コンテンツ)
  10. 店舗誘導
  11. 集客
サポート利用
  1. 採用
  2. 顧客サポート
  3. 顧客間サポート
  4. 社内コミュニケーション

9全体プランを組み立てる

Facebookをマーケティングに利用するといっても、方法は「Facebookページ」だけではありません。Facebook活用の4つのスタイルを把握したうえで、認知から購買までの消費者行動に好影響を与えられるよう、うまく導線を設計しましょう。

全体のプランニングで気を付ける5つのポイント
  1. 4つの活用形態のうち、「Facebookページ」「ソーシャルプラグイン」「Facebook広告」の3つは、とても重要です。最初から利用が必須です。

  2. 「Facebookページ」と「本体サイト」で誘導し合う導線を意識しましょう。

  3. 自社サイトにソーシャルプラグインを設置する場合は、必ずOGPも設定しましょう。
    ガイアックス ソーシャルメディアラボでのOGPの解説記事

  4. トリプルメディアの中でのFacebookの位置付けを意識し、自社メディアや広告メディアとの役割を設計しましょう。

  5. マーケティングファネルの中でのFacebookの位置付けを意識しましょう。

10Facebookページを運用するスタンスを決める

Facebookページでコミュニケーションをするのか、情報発信をするのか、ユーザー同士でコミュニケーションしてもらうのかなど、運用のスタンスを決めておきましょう。

Facebookページを開設することのメリットの1つは「コミュニケーションを取れる場を持てる」ことですが、必ずしもそうしなければいけないというわけではありません。

もちろん、コミュニケーションをとるほうがFacebookを効果的に使えますが、その分の運用コスト(人件費)がかかるので、求める効果と社内工数とのバランスで判断しましょう。

私が知っている限りでも、「コミュニケーション」ではなく「情報の発信場所」としてのためにFacebookページを活用している企業が何社もあります。

11ターゲットを定義する

あなたがターゲットとするユーザーを、できるだけ明確に定義しましょう。もちろん、すべての年代の男女に受け入れられればベストですが、そうすると逆に非効率になってしまいます。

ターゲット設定後に注意すべきこと
  1. ウォールでの投稿時間
    ターゲットが「ビジネスマン」「主婦」「学生」では、ネットにアクセスする行動パターンが違ってきます。

  2. デバイス対応
    「ガラケー」「スマートフォン」からは、オリジナルで作成したタブ(アプリ)が見えません※注4。モバイルメインの場合は本体サイトにより多くの予算をかけましょう。

    ※注4 不可能ではないのですが、かなり特殊な例なので、ほぼ見られないと思っておくべきです。

12ユーザーニーズを調査する

ターゲットが明確になれば、Facebook、Twitter、ブログ上でのユーザーの発言などから、どういったニーズが響くのかが見えてきます。ニーズ調査を行ったうえで、企画や運用の設計をしていきましょう。

ユーザーニーズの調査には下記のようなサービスも有効です。

13競合調査をする

御社の競合はどんなコンテンツを提供していて、どれくらいのファンを抱えているのでしょうか? 状況によって差別化ポイントを作ったり、参考になる取り組みを見つけたりして、自社の企画にも活かして行きましょう。

競合のFacebookでの取り組みを調査する時に見たいポイント
  • どういう内容の投稿をしているか?
  • どれくらいの頻度で投稿しているか?
  • どの投稿に対してどれくらいの「いいね!」や「コメント」が集まっているか?
  • どういうオリジナルタブを用意しているか?
  • ファン数はどれくらいか?
  • ファンのどんなニーズに答えるページになっているか?

14目標を決める

Facebook利用の目的は、すでに「8目的を決める」で決めていることでしょう。今度は具体的な目標へと、定量的に落とし込みましょう。

もちろん立ち上げる段階では見えないことも多くあります。ただし、目標があるかないかでは運用の効率が変わってきますので、1年後・半年後・1か月後の目標は必ず決めましょう。

目標値をどのように定めるべきかは、求める費用対効果や目的によっても変わってきます。たとえば、(自社サイトはさておき)Facebookページだけで商品のブランディングや認知促進をしたい場合は、「ファン数」「(投稿ごとの)インプレッション数」をKPIとし、以下のような数字を1つの目安として考えるといいでしょう(最適な数値目標は製品やブランドによって異なります)。

  • ファン数目標: 1万人
  • (投稿ごとの)インプレッション数目標: 2万インプレッション

※KPIについては、次の「KPIを設定する」を参照してください。

15KPIを設定する

目標の実現にあたって、企画・運用上追うべき指標を決めましょう。例として以下のような指標が考えられますが、2~3個に絞るのがいいでしょう。

Facebookを活用する時のKPI例
  • ファン数
  • コアファンの数
  • ウォール投稿のインプレッション数合計
  • (ウォール投稿に対する)コメント数
  • (ウォール投稿に対する)いいね!数
  • Facebookページの各コンテンツ(タブ)の閲覧数
  • Facebookページからの問い合わせ数
  • Facebookページに掲載したslideshareの閲覧数
  • FacebookページからのPDFのダウンロード数
  • リーチユーザー数(ファンになってくれた人とその友達数)
    ※たとえば「ファン数×130人」など(Facebookの統計データによると平均友人数が130人
  • ターゲットユーザーのファン数
  • ユーザーによるコンテンツ生成数(体験談・レビュー・アンケート結果など)
  • クーポン画面表示数
  • アクティブユーザー数
  • フィードバック率(=反応率)
  • (ソーシャルプラグインでの)いいね!数
  • (ソーシャルプラグインでの)シェア数
  • (ソーシャルプラグインでの)コメント数
  • 自社サイトへの誘導数
  • 成約数
  • アンケート回答数
  • 問い合わせ数
  • 自社サイトの検索回数(Facebookを使い始める前と比較する)
  • 自社サイトのSEO順位(Facebookを使い始める前と比較する)
  • 自社関連のツイート数(Facebookを使い始める前と比較する)
  • ネットプロモータースコア(NPS)
  • コスト削減額(メールサポート、コールセンター)

16費用対効果を説明するための数字を用意する

14目標を決める」で決めた目標数値を達成するとどれだけの価値があるのかを定量的に算出しましょう。

KPIはその瞬間の状態を数字で区切っているだけですが、費用対効果は中長期的な視点で見ることも必要です。ライフタイムバリューを考慮して計算します。

※参考情報

レゴ社は10億ドル単位の売上がある企業ですが、売上の5%~10%程度をコアファンが占め、そのコアファンの育成やつなぎとめにソーシャルメディアが効果を発揮しています。

書籍『実践ソーシャルメディア・マーケティング』(朝日新聞出版)より

  1. ストーリーボードを作成する
  2. 企画を決める
  3. 反響設計をする
  4. リスクと対策について考える
  5. 体制を確保する
  6. 運用計画を立てる
  7. 雰囲気をつかむ
  8. どういう投稿が反応が良いかを知る
  9. 編集計画を立てる
  10. 効果測定の方法を考える
  11. ファン獲得・育成計画を立てる
  12. 個人情報の取り扱いや規約を法務と調整する
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