IBMの企業Twitterアカウントは30以上、全社員が自由に活動するためのガイドライン/日本IBM
プレスリリースに合わせたツイートで社員をイントラネットへ誘導
会社としてではなく、栗原氏個人で始めたという@IBM_JAPANだが、現在の運営体制はどのようになっているのだろうか。
「基本は私1人で担当していますが、部門のメンバーで他に3人ぐらい担当者がいます。私が休んだ時に代わりにツイートしてもらうようにお願いしていますが、社外でもツイートできるので休みの日も私がつぶやいていることが多いですね。会社のイントラネットに日々ニュースを掲載する作業をしているのですが、Twitterの運営はその業務の合間にやっています。午前中につぶやくことが多いのですが、IBM関連のニュースを入手した際は、iPadのEchofonなどを利用して、柔軟に対応しています
」
イントラネットの管理業務とTwitter運営に関連する部分はあるのだろうか。
「社内向けであるイントラネットの情報をそのままつぶやくことはありませんが、新製品やサービスのプレスリリースに合わせた詳しい記事をイントラネットでも用意しているので、記事が公開された段階で社員向けにイントラネットを見るようにTwitterでうながすことはあります
」
Twitterの効果測定指標は持っているのだろうか。
「ソーシャルメディアの効果測定は、なかなか難しいですね。B2Cの企業ではないので、Twitterによってモノが売れることもないでしょう。他のソーシャルメディアもそうですが、数字としてとらえるのに良い指標をこれから作っていこうと思います。まだまだ試行錯誤をする段階だと思っていますが、逆に指標がないからこそ自由に運営できている側面はありますね
」
フォロワーのなかにいる社員が自然とリツイートで広めてくれる
マーケティング視点での効果測定は行っていないというが、@IBM_JAPANのフォロワーを増やすための工夫はしているのだろうか。
「広めたいと思うツイートは、自然とフォロワーのなかにいる社員がRTして広めてくれるので無理にフォロワーは増やさなくてもよいと思っています。RTをしてくれた社員のフォロワーを見ると1000人ぐらいのアカウントを持つ人も多いので、多くの人々へ情報が伝わっていますね。フォロー返しについては、単純にRTしてくれただけの人ではなく、コメント付きのRTやリプライをしてくれた人をフォローするようにしています
」
フォロワーのなかにいる社員にRTを依頼することはあるのだろうか。
「それはありませんね。RTしてくれた社員が実名アカウントで顔と名前がわかる場合、社内ですれちがったときに『実は@IBM_JAPANは私が運営しています。いつもコメントつけてRTしてくれてありがとう』といった会話をすることはあります。社員のフォロワーが協力的なので、フォロワーを増やそうと思ったことはないですね
」
ツイートの内容で工夫している点はあるのだろうか。
「社外で取り上げられたニュースを網羅的に集めるようウェブ上に掲載されたものはすべてツイートしています。フォローしている社員も、お客様にウェブに掲載された記事を紹介できますね。また、社会貢献関連のネタは積極的にツイートしようと考えています。IBM社員のビジネス以外での活躍は結構あるんですよ。良き企業市民でありたいと思う気持ちが多くの社員にあると思います。あまりビジネス色が出すぎるのも硬くなりますしね、たまにほのぼのとしたネタをつぶやくようにしています
」
リプライやダイレクトメッセージを受け取ったときの対応方針はあるのだろうか。
「確実に質問を投げかけられている場合はなるべく返すようにしています。ただし、米IBMのソーシャルメディアを担当しているメンバーの何人かに聞いたところ、『メンション(リプライ、ダイレクトメッセージ)全部に返す必要はない、それがソーシャルだ』という回答だったので、すべてに返信するといったルールは設けていません。また、わからない質問は他の部署のTwitterアカウントに返答を依頼するようにしています
」
勤務時間外の対応状況はどうだろうか
「土日でもiPhoneやiPadから見ることができるので返信することもありますね。自分の仕事のミッションとされているわけではないので、運営ルールを作っているわけでもなく、自分のペースで運営しています
」
@IBM_JAPANは公式の窓口として明確な体制やルールを設けて運営するのではなく、あくまでも個人アカウントとして栗原氏が対応できる範囲で運営されているようだ。また、フォロワーが自然と増える理由の1つとして、IBM社員という濃いフォロワーの影響力も大きい。
さらに、東日本大震災の対応で@IBM_JAPANはフォロワー数を2,250人からおよそ2倍に伸ばしていくことになる。
コメント
あまりビジネス色が
あまりビジネス色が出すぎるのも硬く…⇒堅く ですね