今回のまとめ&アクセス解析の視点からどこに着目するか?
今回のまとめ&アクセス解析の視点からどこに着目するか?
それでは最後に、アクセス解析的にはどういうところに着目して数字を見たらよいかについて述べる。
基本的にはWebサイトでの集客にどれだけ貢献するかというのが最終目標になるだろう。一言で言えば、集客のボリュームとコンバージョンの効率の2つのポイントに尽きる。
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全体の集客ボリューム増に向けて
「英会話学校」などのビッグワードでも検索結果の上位にランクされているので、多くのユーザーを誘導していると思われるが、周辺ワードでの表示順位やキーワード別の流入数も把握しておきたい。これを基本情報として、検索連動型広告による集客も大いに期待できるので、こちらは検索連動型広告のプロフェッショナルの力を借りて、可能な限りの集客を心掛けたい。
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コンテンツへの誘導力
それほど複雑なコンテンツや誘導経路がある訳ではないが、「近くの教室」や「各コースの選択」に移動するような優良ユーザーをしっかりつかめているかどうかをウォッチしておきたい。具体的には「トップページ」で、「近くの教室」や「各コースの選択」など各コンテンツのクリック率を見ておく。
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コンバージョンしそうな関心の高い人のシェア
「近くの教室」から「各拠点ページ」まで進む人、「各コースの選択」から「コースの詳細」まで進む人がどれだけの割合いるのかを確認しておきたい。
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コンバージョン
全体でのコンバージョン数やコンバージョン率、コンバージョンプロセスでの離脱率と、これらに対して主要な集客施策別の成果を把握しておきたい。
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今回の「ベルリッツ」はいかがだっただろうか? 正直、かなりよくできたWebサイトだったと思う。
本連載をお読みいただいている方からは、よく「もっとキビシク、遠慮なくガンガン突っ込んでくださいよ!」というご感想をいただくことがあるが、誤解のないように改めて言っておきたい。本連載の目的は、有名サイトをやり玉に挙げて、欠点をあげつらったり、批判したりすることではない。有名サイトを他山の石として、自身のアクセス解析力を高め、自社サイトの改善に生かすことを目指している。よくできたサイトであれば、見習う点や学ぶべき点は素直に受け入れるという謙虚さも重要ではないかと考えている。
さてこの連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
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この記事の筆者
衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)
1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。2023年活動停止。
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