初代編集長ブログ―安田英久

グーグルがコンテンツ・ファーム対策の大規模アルゴリズム変更、どうなるSEO?

グーグルが2月24日に大規模なアルゴリズム変更を行い、順位が大幅に変わった
Web担のなかの人

グーグルが2月24日に大規模なアルゴリズム変更を行い、順位が大幅に変わったというニュースが流れています。

結論からいうと、現時点で日本のWeb担当者がこのアップデートについて意識したり騒いだりする必要はありません。ほとんどの「サイトを普通に運営」しているWeb担当者には関係のないアップデート内容ですし、そもそも日本はまだ対象ではないからです。

とはいえ、大きな変更ですし、対象でなくても注意すべき点などもありますので、ざっと解説しましょう。

対象はコンテンツ・ファームですから

今回のアップデートは、クエリ全体の11.8%に影響する大規模なものだとグーグルが発表したことから話題になり、日本でもヤフートピックスにこの情報が掲載されたとかで、SEO業界以外の人も気にする人が多かったようです。

しかし、アップデートの内容は、低品質なサイトの順位を下げるアルゴリズム変更です。ここでいう品質の低いサイトとは、

  • 訪問者に低い価値しか提供しないサイト
  • 他サイトのコンテンツをコピーしているサイト
  • 単に役に立たないサイト

であるとされていますが、これは、グーグルが以前から敵視しているコンテンツ・ファームの類が中心だと思われます。

この「コンテンツ・ファーム」というのは、日本にそのものズバり該当する強力なサイトがないのでわかりづらいのですが、検索ニーズの高いキーワードに関する素人情報をつぎはぎして作った、SEOは効いているけど中身がゴミのサイトのこと。まっとうなオリジナルの内容をもたずに、ほとんど情報として役に立たない文章を掲載したり、ソーシャルメディアやQ&Aサイトの断片的な書き込みや動画、他のサイトのコンテンツなどを寄せ集めてページを作ったりしているサイトで、Wikipediaのスーパー劣化版といったイメージで考えるといいかもしれません。特徴は、「人間が読むと低品質のページだとわかるけど、SEO的にはよくできている」という点。

ですから、御社がコンテンツ・ファームを作っているのでない限り、もっと言うと、低品質なページを量産するのではなく、価値のあるコンテンツを作っているのであれば、今回のアップデートを気にする必要はありません。

そもそも米国向けのアップデートですから

検索エンジンの話題でありがちなのですが、このアップデートは米国向けだけであると明言されています。もちろん、他のエリアに順次適用していくとしていますが、その予定は明確にはされていません。

アップデート後の調整がまだ

米国では、コンテンツ・ファーム以外のサイト運営者からの「検索エンジンからのトラフィックが激減した」という声があるようです。しかし、たまたまなのか、コンテンツ・ファームでなくても低品質だと判断されたのか、そもそも質の悪いサイトの悪質なオーナーが騒いでいるだけなのかは、現時点ではまだわかりません。

このあと同様のアップデートが日本向けにも導入されるでしょうけれども、その際にコンテンツ・ファームでないのに影響を受けるサイトが出る可能性はあるでしょう。ですから自サイトへのトラフィックの確認はしておいたほうがいいと思われます。

とはいえ、低品質コンテンツサイトの順位を下げるアップデートといっても、どんなアルゴリズムが適用されたかは明らかにされていません。既存のアルゴリズムを強化したのかもしれませんし、まったく新しい指標(要因)を取り入れたのかもしれません。その組み合わせかもしれません。

アルゴリズムの具体的な要因が不明だということは、変化への対応策をすぐには打ち出せないということを意味します。ということは、下がったとしても「下がった」と騒ぐしかできず、騒ぐだけ無駄です。ましてや、それを日本から見て「大変なことが起きているらしい」と騒ぐのは、もっと意味がありません。

グーグルの検索全体の10%以上に影響するような変更ですから、このあとも引き続き調整が入っていくはずです。順位が下がっても、まずは慌てず様子を見るようにしましょう。

中途半端な情報に踊らされてサイトに変更を加えるぐらいなら、気にせず着実に、役に立つコンテンツを増やすほうがマシです。

目先のSEO情報ではなく、グーグルの目指す方向へ

すでにSEOというものは、小手先のテクニックの話ではなくなっています。「検索エンジン最適化とは何か」を強いて説明するとすると、「検索エンジンが実現しようとしている検索アルゴリズムで良いと判断されるサイトを作る」ということ(ニーズとか成果を省略すると)になりますが、検索エンジンが目指しているのは「検索ユーザーが良いコンテンツにたどり着ける」ことです。

ですから、今回のアルゴリズムアップデートでも、詳細がわかったとしても、細かい点を気にして対応する意味はないはずです。「他のサイトのコンテンツをコピーしていない」「低品質なコンテンツでページを作っていない」ことを確認して、そうでなくてもそうだと思われないようにする、という対応になるでしょう。

あとですね、Web担の読者さんには説明不要だと思いますが、以下に示す3つの原則は、昔から言われていますし、今でも変わっていません。

  • アドセンスを掲載しているページでも、アドワーズを出稿しているサイトでも、必要があればグーグルは断固として対応する
  • アドセンスを掲載していても順位は上がらない
  • アドワーズを出稿していても順位は上がらない

最後に、今回のアップデートに関して言及した日本語のブログ記事もいくつか紹介しておきましょう。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

Python
「Python」(パイソン)は、プログラミング言語の1つ。プログラマのグイド・ヴ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]