アドワーズ広告の「拡張CPC」は、グーグル公式の慎重で柔軟な自動入札の仕組みだ

アドワーズ拡張CPC(クリック単価)の解説をしつつ、筆者の考察も提供したい

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最近のグーグルは、アドワーズ広告を中心とした広告関連の機能追加を、以前にも増して早いスピードで行っている。実際のところ、追加される機能それぞれが強いインパクトをもつものだから、なおさらそう思うのかもしれない。

そのなかでも、筆者が大きく衝撃を受けたアドワーズ広告の機能強化の1つが、2010年8月に追加された「拡張CPC(クリック単価)」である。

検索エンジンマーケティングに特化した世界最大級のイベント「SESサンフランシスコ2010」カンファレンス(2010年夏)でも、拡張CPC(クリック単価)の機能や有効な使い方について、グーグル自らのセッションで取り上げていた。そこで今回は、アドワーズ拡張CPC(クリック単価)の解説をしつつ、筆者の考察も提供したい。

そもそも拡張CPC(クリック単価)とはどんな機能なのか?

拡張CPCとは、簡単に言うと、グーグルが提供する自動入札機能の1つである。拡張CPCを利用すると、キャンペーンや、その中に含まれるキーワードが多い場合でも、煩雑な入札管理に人手をかけることなく、全体的な獲得単価を調整しつつ、コンバージョンの数を増やせるようになるのだ。

実際にシステムがどのように動いているかというと、広告が表示されるたびに推定コンバージョン率が算出され、上限クリック単価が調整されるのだ。その際には、キャンペーンの過去のコンバージョン計測データなど、さまざまなデータを計算に利用している。

拡張CPC推定のコンバージョン率の算出には、多くの要因が考慮される
検索連動型広告の場合
  • マッチタイプ(部分一致か完全一致か)
  • ユーザーの検索クエリに含まれる特定のワード
  • 過去の広告のパフォーマンス
コンテンツ連動型広告の場合
  • 過去の広告のパフォーマンス
  • 広告とウェブサイトのコンテンツとのマッチングの精度
  • ウェブサイトの現行のコンテンツ
ユーザー属性
  • 地域
  • ブラウザ
  • OS
  • ユーザーの言語設定
  • 時間帯

コンバージョンの確率が高いと判断された場合は、上限クリック単価が自動的に引き上げられる(最大30%増まで)。つまり、積極的に上位に表示される。

逆に、コンバージョンが見込めないと判断された場合には、上限クリック単価が自動的に下げられる(下限は特になし)。つまり、上位には表示されず、広告費を節約できる。

拡張CPCを使うには管理画面からチェックするだけ

拡張CPCを有効にするには、まずコンバージョントラッキングを有効にする必要がある。コンバージョントラッキングを設定したら、次のようにして拡張CPCを有効にする。

  1. アドワーズ広告の管理画面にアクセスする
  2. 対象のキャンペーンを選ぶ。
  3. キャンペーン画面の[設定]タブを選ぶ。
  4. [単価設定と予算]セクションの[単価設定オプション]の右側にある[編集]をクリックする。
  5. 編集画面で[拡張 CPC]の下にあるチェックボックスをオンにする。
アドワーズ広告の拡張CPC設定

また、拡張CPCを利用する場合でも、さらに、次の2つの設定がある。

  • クリック単価を個別に設定する ―― 基準となる上限CPCを自分で決めて設定したい場合に選ぶ。

  • 自動入札により、設定した予算内でクリック数を最大にする ―― 自動入札機能に上限クリック単価を決めてもらいたい場合に選ぶ。

いずれの場合でも、その後、拡張CPCがさまざまな情報に基づいて入札金額を自動的に上下させることには変わらない。設定すべき上限クリック単価に自信がない場合は、自動入札機能に任せてもいいだろう。

拡張CPCを有効にしたら、まずはキャンペーンを数週間走らせることをおすすめする。パフォーマンス結果について判断するのは、そのあとだ。

用語集
CPA / CPC / アドワーズ / キャンペーン / コンテンツ連動型広告 / コンバージョン / コンバージョン率 / セッション / チェックボックス / 検索エンジン / 検索連動型広告

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