衣袋宏美のデータハックス

広告効果測定用リダイレクトページで、広告掲載ページを参照元として取得するには?[アクセス解析Q&A]

広告効果測定にリダイレクトページを使う場合の、参照元の取得方法
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質問:広告効果測定ツールを利用しているため、広告掲載媒体ページとランディングページの間に、リダイレクトページを挟んでいます。アクセス解析ツールで、広告掲載媒体ページを参照元として取ることは可能でしょうか?

答えリダイレクトの方法によっては、アクセス解析ツール側でも参照元情報を取得できる場合があります。

解説「リダイレクト」とは、あるWebページから自動的に他のWebページに転送されることを指します。たとえば、ページXをページBへのリダイレクトページとして設定しておくと、ページAからページXに訪れたユーザーは、すべて自動的にページBへ移動させられることになります。多くの場合にブラウザはページXを表示しないため、ユーザーはページXを経由したという自覚はなく、ページAからページBに直接移動したと思い込んでいるはずです。

広告効果測定用リダイレクトページで、広告掲載ページを参照元として取得するには?
図1 リダイレクトする場合の動作

このようなリダイレクトを行っている場合にページBの参照元としてページAを取得したければ、ページXにはサーバーサイドのリダイレクトを採用します。そうすると、参照元の情報が引き継がれて、ページBの参照元としてページAが記録されます。

※具体的には、HTTPレスポンスコード301または302を返し、リダイレクト先URLをLocation:ヘッダーで返します

一方、クライアント(ブラウザ)サイドでリダイレクトさせる「refresh方式」では、参照元情報は引き継がれません。クライアントサイドでのリダイレクトとは、たとえば、リダイレクトページXのHTMLの<head>部分に、次のようなHTMLを記述する方法です。

<meta http-equiv="refresh" content="3; URL=http://(ページBのURL)">

こう書くと、ページXに訪れたユーザーを3秒後にページBに自動的に移動させることができますが、参照元情報が引き継がれないため、ページBの参照元は「なし」ということになります。

この動作はブラウザによって異なります。編集部で調査したところ、最近のブラウザは次のように動作していました。

テスト内容
ページAからリダイレクトページXへ移動し、そこからランディングページBにリダイレクトされた状況(図1)で、ページBへのリクエストにどういった参照元情報が含まれるかを調査。

結果

リダイレクトの方法
HTTPレスポンスコードHTTPヘッダーで
refresh
HTML内に
meta refresh
301302
ブラウザIE(6/7/8)ページAページA参照元なし参照元なし
Firefox(3.6)ページAページA参照元なし参照元なし
Chrome(6.0)ページAページAページXページX
Safari(5.0)ページAページAページXページX
Opera(10.61)ページAページAページXページX
※表内の記述はページBへのリクエストに含まれる参照元(リファラー)を示す

実際には、これらを組み合わせたり、何ページもリダイレクトページを挟んで何回もリダイレクトさせたりする場合もあります。またリダイレクトファイルに、JavaScriptを記述してリダイレクトさせるという方法もあります。

リダイレクトページを使うのは、ページAに出稿した広告が、どれぐらいクリックされたか、すなわち広告効果があったかを把握するための方法の1つです。

もちろん、リダイレクトページを使わずに、広告媒体サイトでページAのクリック数を計測してもらったり、広告主サイトでページBへの流入を計測したりすることも可能です。しかし、今回のように広告媒体サイトごとにリダイレクトページを用意すると、広告効果測定を一元的に管理できるというメリットがあります。

効果測定にリダイレクトページを使う場合は、実際にリダイレクトページを設置してみて、リダイレクトの実際の動作や、アクセス解析ではどこが計測されるのか、参照元情報はどうなるのか、リダイレクト先のページから[戻る]ボタンを押した場合にどこに戻るのか、といった点を事前にチェックし、欲しいアクセス情報がきちんと得られるかどうかを確かめておくといいでしょう。

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