企業ホームページ運営の心得

リスティング広告0.2から学ぶ4つの実戦的攻略法

リスティング広告の成功ポイントを失敗例をもとに紹介
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百七十八

出版と企画の関係

人(客)とつながった
声(意見)が聞けた
ネットの可能性を知った

これらはある雑誌企画でさまざまな職種の方に「ツイッター」を使わせて、成功事例として紹介されたものです。読後、「それがネットじゃん」と静かにつっこむ私がいました。ツイッターに限らず、メルマガやブログでもできていたことを、ネットの使い方を知らない人に使わせて記事にしただけのことです。それが「企画だ」という開き直りに返す言葉を持ちませんが、ホームページを「商売」に結びつけるなら「リスティング広告」の方が近道です。

ところが、いざ「リスティング広告」に取り組もうとする素人の前に「KPI」や「LPO」といった呪文が登場し、行く手を遮ります。ページビュー(PV)、クリック率(CTR)、顧客獲得単価(CPA)といった、数字を使って説得力を高めようとする切り口も「企画」の1つなのですが、素人に数字の羅列は強力な睡眠薬となります。

そこで久しぶりの勝手に企画。マイコミジャーナルで私が連載しているダメ社長の実例から学ぶコラム「エンタープライズ0.2」から遠征して「リスティング広告0.2」。ダメ事例からリスティング広告のポイントを紹介します。

独自開発だから出稿で守る

架空のWeb屋、M社長はリスティング広告にチャレンジすることにしました。クライアントからの依頼でリスティング広告に代理出稿したところ、爆発的に売り上げが増加し、その威力を知ったからです。ちなみに、リスティング広告に自社の広告を出していないWeb屋は少なくありません。

出稿キーワードは「コンビニ LPO」。コンビニエンス=便利なLPO(到着ページ最適化)という意味で、クライアントは数種類のLPOノウハウを選択するだけで完成するという手軽なサービスです。すでに「商標登録」を取得しているオリジナルサービスだと胸を張りますが見事な「0.2」です。0.2とは「1.0」にも満たない「ダメ」な事例という意味です。

ダメ事例1:オリジナルキーワード

オリジナルのキーワードは認知度が低く、誰も「検索」しない可能性が高いのです。リスティング広告は情報を求めて入力された「検索キーワード」に対して広告が表示されます。誰も知らない言葉が検索されることはなく、永遠に広告は表示されません。

素人がほしくないのか

次に、M社長が目を付けたのは自社が得意とする「Ajax」での出稿です。「Ajax」とはサッカーファンにとってはオランダの名門チーム「アヤックス(=アムステルダム)」ですが、IT業界においては「ウェブブラウザ内で非同期通信とインターフェイスの構築などを行う技術の総称(ウィキペディアより)」となります。前者は「ヨハン・クライフ」を世に出し、後者は「Gmail」や「ツイッター」などを生み出しました。M社長は後者を用いたホームページ制作が得意で出稿したのですが、売り上げに結びつくことはありませんでした。

ダメ事例2:専門用語

Ajaxの技術提供や、ノウハウを売る会社ならば「専門用語」で出稿することは悪くありません。しかし、M社長が客として獲得したいホームページ素人の「一般人」が「専門用語」で検索することはないのです。

田舎の農道の看板

どちらも反応がありません。そこで「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる作戦」に切り替えます。「LPO」に「ネットショップ」を加えて「LPO ネットショップ」や「LPO 方法」「LPO 効果」と主キーワードに副キーワードを組み合わせて大量出向したのですが……めぼしい効果はありません。銀座の真ん中と田舎の農道に看板を出したときに、圧倒的に見られるのは前者です。多くの人の目にとまれば、それだけビジネスチャンスが広がり、反対は広告効果を期待できません。

ダメ事例3:流通量の少ないキーワード

グーグルアドワーズの「キーワードツール」では、月間の検索ボリューム(おおまかな値)を見ることができます。たとえば、「LPO ネットショップ」は73(2010年7月20日現在、以下同じ)、「LPO 方法」「LPO 効果」はどちらも91です。

毎日2~3回しか検索されないキーワードに出稿しても、効果はほとんどありません。ニッチな、いわゆるロングテールのキーワードは安価な広告費で客を獲得できる可能性もありますが、また別の話です。

2位ではダメです蓮舫大臣

打つ手打つ手が失敗します。そこで大きく勝負にでることにしました。月間の検索ボリューム数が20万1,000の「LPO」で勝負にでたのです。しかし、1位入札は高騰しており広告予算が持たないと見積もり、2位以下で表示されるように少し低めの金額で入札をしたところ、訪問者は増えず、当然、売り上げにもつながりません。

ダメ事例4:入札価格が低い

政府の事業仕分けではありませんが、2位ではダメです。ヤフーリスティング広告の場合、2~4位ぐらいまでの広告が通常の検索結果の上部に表示され、ここにはいらないと広告効果は激減します。1円単位で入札価格が調整されることから、1位を狙った入札が結果的に2位になることはあっても、2位を狙い2位であり続けることは至難の業です。入札ゲームをやっているのではなく、広告を出稿して客を獲得するのが目的です。

リスティング広告は成果報酬です。少しでも安くという気持ちもわかりますが、売り上げにつながる広告をわざわざ目立たないところに載せる必要はありません。初心者は迷わず1位入札を狙いましょう。もちろん、広告から売り上げにつなげるためのコンテンツが重要だということは言うまでもありません。

実例だったりする

M社長は架空の存在です。モデルにした社長は存在しますが、別の業種の「実戦例」をWeb業界に置き換えたモノであることをあらためて明記しておきます。

成功例は役に立ちません。それは「成功」には偶然や時代背景が大きく影響し再現性が乏しいからです。一例を挙げれば、今「メルマガ」を発行しても読者を集めるのに苦労し、伸び悩んでいるグラビアアイドルが「ブログ」を書いても誰も注目しないでしょう。一方の「失敗」には学ぶべきモノが溢れています。今回、シチエーションを変えても事例を紹介できたのは「失敗の普遍性」によります。平易な言葉で述べればこうです。

みんな同じところで間違える

この他にも「キーワードとコンテンツのミスマッチ」「時間帯」「広告文の使い方、作り方」など、ダメ事例はまだまだありますが、今回はここまで。

今回のポイント

多くが同じミスをする。

失敗の大半は「客の視点」が不足している。

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