ビジネス社会で働いていれば、プレゼンの機会があり、そしてそこに挫折はつきもの。このコーナーでは『読むだけでプレゼンがうまくなる本』から抜粋した、“失敗しがちだったプレゼンにちょっとしたことで強くなれるヒント”を紹介していく。
簡単な診断チェックにトライしよう!
ハーマンモデルでは、「ハーマン脳優勢度調査」という正式な調査方法をおすすめしています。しかし、その場合、特徴を示す「基本的描写語」や現在従事している「仕事の要素」「得意科目、教育、職業、趣味」「利き手や言語中枢」、さらに「内向的・外向的な」など多岐にわたる特性を120項目からなる設問で調査しなくてはなりません。
そこで、本書では、簡単に「利き脳」を推測するための簡易診断を紹介します。診断シートを活用して、その人の行動や思考の特徴を示す描写語をチェックするだけです。個人のデータが入手できない場合でも、前節で紹介した描写語を用いて、思考優先度プロフィールとして推定・定量化することができます。
では、下の診断シートのA、B、C、Dの各項目の該当する描写語であなた自身をチェックしてください。次に職場の上司や同僚をチェックしてみましょう。
「利き脳タイプ」カンタン診断シート
©ハーマン・インターナショナル・ジャパン2008
A
B
C
D
チェックが終わったら、どのタイプに属するか確認しよう!
診断シートで項目をチェックしたら、A、B、C、Dのそれぞれが何ポイントか合計してみましょう。
もし、あなたがD象限優先タイプ(以下Dタイプ。他も同じ)で、相手がAタイプだった場合、おおむねあなたのプレゼンテーションは、アピールしません。Aタイプにとっては、あなたの資料は概念的過ぎて具体性や現実性に欠けており、とくに数字やデータの裏付けが弱いといった印象を持たれている可能性が高いのです。また、あなたがBタイプで、上司がDタイプだった場合は、あなたの資料は詳細すぎて、全体の目的や最終ゴールが見えないものと受け取られている可能性があります。
普段から、みなさんは人を説得する際、大体の感覚に基づいて、漠然とした対策を行っていたはずです。しかし、このように相手のプロフィールがある程度明確になっている場合は、その思考特性や「利き脳」に直接アピールできる効果的な手段を準備することができます。
コラム
行動をチェックしよう!
あまり親しくないクライアントなどで、上の診断シートのような特性をよく知らない場合は、なるべく服装や持ち物など見た目にも注意してその人の行動をチェックしてみましょう。だいたいのタイプ別の特徴がわかることがあります。
例えば、「いつも計算できるように電卓を持参している人」は、Aタイプの可能性が高いと考えられます。また、「ゴルフ好きな人」にも他のスポーツに比べてAタイプの傾向が強い場合があります。
「制服や作業服、社章など会社から支給された服装をきちんと身につけている人」は、Bタイプの可能性が高いでしょう。それから、「会議には必ず時間より前に会議室に来て、会議の終了時間などにも気をつける人」もまたBタイプの傾向があります。
「初めて会って話をした場合でも、よくうなずいたり、あいづちをうったりする人」や「音楽をよく聞いている人」などはCタイプによくある特徴です。
また、「最新の携帯電話などの最新ツールやめずらしいグッズを持っている」とか「周りの人と違った印象の服装や凝った服装をしている」場合は、Dタイプの可能性が高いと考えられます。
このように、外見などからもある程度その人のタイプを推測することができるので、ぜひお役立てください。
この記事は、書籍『読むだけでプレゼンがうまくなる本』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
プレゼンにおいて大事なこと、それは相手をいかにつかむか。本書はマンガを織り交ぜながら、相手の心をわしづかみにする方法を学べるプレゼン本です。筆者が経験した失敗談から、プレゼンにおける「つかみ方」を徹底レクチャー。さらに、相手のタイプに合わせた実践的な攻略法や、企画書などプレゼンツールの使いこなし術を指南。最後にプレゼンをきれいに締めくくり、相手にYesと言わせるクロージング術を紹介する。なぜか、プレゼンに負ける人、必読の一冊。
- 『読むだけでプレゼンがうまくなる本』
- ISBN: 978-4844326038
- 1,449円(税込)
- 藤木俊明・今津美樹(著)
- 株式会社インプレス
コメント
特に優先される部位はなかったけど?
オール6でした。
こういう場合は利き脳タイプはないってことなのかな?
ハーマンモデルって当たるのかなぁ?ちょっと疑問です。
正式な調査もやってます。
コメントありがとうございます。編集部の鈴木です。
以前ハーマンモデルの研修を受講した経験があり、そのときはもっとたくさんの項目があった気がしたのでちょっと調べてみました。実際には、「ハーマン脳優勢度調査」という120問のチェック項目を用いた診断を行って”利き脳タイプ”を判断するようです。今回はその簡易版としての提供となりますので、その点ご理解いただければ幸いです。ご興味あればもとの診断(有料)を受講されてみてはいかがでしょうか。
ハーマン・インターナショナル・ジャパン
http://www.herrmann.co.jp/p_hbdi.html