Web動画には構造も文脈も要らない
Web動画には構造も文脈も要らない
いしたに その後、動画がメインのコンテンツになり、PodcastingからYoutubeとなっていくわけですね。動画と言うとどうしてもテレビを意識してしまいがちですが、Webの動画とテレビとの違いって、何だろう?
ジェット☆ダイスケ 仕事でもアドバイスすることが多いんですが、やはりテレビを目指してしまう人は多い。そういう制作ノウハウしかまだ世の中的にはないんですよね。テレビや映画に代表される映像って、大から小まで、アウトラインプロセッサで脚本書くとすごくピッタリはまるんですよ。少なくとも僕は。
いしたに 構造が先ということですね。
ジェット☆ダイスケ たとえば京都を一望する景色があって、京都駅なんかに寄って、それから舞子さんが歩いてる姿にクローズアップみたいな。
いしたに なるほど。
ジェット☆ダイスケ でもYouTubeで衝撃だったのは、いきなりクライマックスなんですよね。
いしたに たしかに(笑)
ジェット☆ダイスケ 文脈(コンテキスト)なし、そこだけでいいんだ!って(笑)
いしたに コンテキストは他にあるんだよね、そこにはなくていい。
ジェット☆ダイスケ そうなんです。仮に他にあるはずのコンテキストから切り離されても、人間の想像力って無限なので、前後関係よく分からなくても面白いものは面白い。
いしたに 構造はあとから補完されたりするわけですか。
ジェット☆ダイスケ ですね。誰かが補完してくれるか、見てる側がググって補完するか。ブロガー同士で集まった後でそれに関することを書いたりすると、引用とリンクの嵐になったりするじゃないですか。もう誰も1コンテンツとしてまとめないですよね。「まとめ」と言われるものはリンク集ですし(笑)
ジェット☆ダイスケ そういえば、ちょっと嬉しいレビューがありました。
ジェット☆ダイスケさんは、Webネットワークを使って個人で情報発信を続けるアーティスト。商品紹介という形をとりながら、その紹介ビデオが作品とも言える、人を引きつける魅力的な映像で次々と商品紹介をしています。この活動は、ある種のパフォーマンスとも言えると思います。(Hello Interactive Media「DTM、電子楽器 その2」)
ジェット☆ダイスケ これを分かってくれてる人がいて良かったです。結局、ログのアーカイブということは、個々の作品とかコンテンツ単位じゃないんですよね。
いしたに うんうん。
ジェット☆ダイスケ ライフロガーになる必要はないけど、こういうふうに総体で感じてもらうという事はこれからもっと重要なのかもしれません。
いしたに 一歩間違うとパーソナルブランディングみたいになるかもしれないけど、ちょっと違うよね。
ジェット☆ダイスケ 「俺」ですよね。ただセルフブランディングの要素は外せない一面ではありますね。でも不幸なのは、アーカイブと個々のコンテントが、フラクタルではないから、ひとつだけつまみ食いすると激しく勘違いされたりするんですよね。
いしたに まあ、そこは腰を据えて続けるしかないですよね。
ジェット☆ダイスケ 「スター・トレック」が続編でなくて、正当な続編とリメイクの中間で、リ・イマジネーションという形をとっています。長く続けて行くシリーズという点ではあれは参考になりました。マニア好みのネタ仕込みとか、まさに続けて観てないと分からない。
いしたに なるほど。企業的に見ると、最近でも古い商品の再生みたいのありますね、古いブランドといってもいいのかもしれないけど、そういうのに付き合ってくれる客が大事な客だよね。
ジェット☆ダイスケ あ、そうそう。動画とかビデオブログとか言ってますけど、「顔出し」はかなり重要なポイントだと実感してきました。
いしたに 「そこに人がいると感じさせるかどうか」ってことですか?
ジェット☆ダイスケ それもあります。そのせいで友達みたいにSkypeやTwitterしてくる人が多くて困ることもあるんですが(笑)
いしたに おもしろいね、それ。
ジェット☆ダイスケ 顔出しはセルフブランデイングの下のレイヤーになるのかもしれません。
いしたに それも出し続けることが大事なんですね。
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