ビジネス社会で働いていれば、プレゼンの機会があり、そしてそこに挫折はつきもの。このコーナーでは『読むだけでプレゼンがうまくなる本』から抜粋した、“失敗しがちだったプレゼンにちょっとしたことで強くなれるヒント”を紹介していく。
プレゼンは要点を手際よくまとめる
オーナー社長が取り仕切る会社の場合、社長に直接理解してもらい、その場で決裁してもらえなければ、新しいプロジェクトはなかなか成立しません。ただ、オーナー社長のような決裁権のある人は、忙しく時間を大切にする上、性格的にせっかちなことも多いのです。「分厚い企画書」を見ただけでモチベーションが下がる可能性も否定できません。ここでは2つのことに注意すべきです。
- オーナー社長の時間は「流動的」
- オーナー社長は「せっかち」
1.オーナー社長の時間は「流動的」
アポを取っていても、電話や連絡が入ってくることがあります。筆者の経験でもプレゼンの合間によく、先方の部下がメモを手渡しにやってきました。そのメモを見て社長が指示するとき、必ず「プレゼンの流れ」がとぎれたものです。しかし、それはまだよいほうです。急に予定が切り上げられることもあるのです。ですから「悠長なプレゼン」をしてはいられません。早い段階でポイントを述べて「大筋でOK」をとっておくほうが望ましいのです。「予算は取っておく、詳細は現場と詰めてくれ」などと予算にかかわるOKが出たときはもう成功です。
その後ゆっくり細部を説明すれば、仮に部下に任せて退出したとしても「社長はOK」という共有概念ができているので、その後を引き継いだ人も社長の決定をひっくり返したりはしません。
2.オーナー社長は「せっかち」
仮にプレゼンの時間がたっぷりあったとしても、オーナー社長は「せっかち」なことが多いので、簡潔にポイントを述べて社長の気持ちをつかんでしまうにこしたことはありません。いきなり最初から手の内をすべて明かしてしまい、ダメだったらどうするのか。さっさと失礼して出直すだけです。ダラダラと説明を続けて悪い印象を残すより、次の機会を残したほうが得策です。
ここではオーナー社長を例に挙げましたが、現代の仕事のスピード感は、以前にも増して速くなっています。つまり、クライアントはすべからく「せっかち化」しているのです。提案を求められたら、予定より早くプレゼンに行き、コンパクトに説明するという、タイミングを逃さない姿勢が大事になってきています。「スピード感のあるプレゼン」が求められているのです。
クライアントの時間は、いつも流動的だと意識しましょう。プレゼンの早い段階でポイントを説明し、「大筋でOK」をもらってしまうように組み立てましょう!
コラム
アメリカなどでは、ホテルのロビーや酒席などに居合わせた投資家や著名人にプレゼンする際、名刺の裏にビジネスモデルを書き、それが面白ければ考えるという「名刺裏プレゼン」があります。同様に、エレベーターに乗り合わせた際に、エレベーターが上に着くまでにビジネスモデルを説明するという「エレベーター・プレゼン」もあるそうです。短い時間に明解にわかるようなビジネスモデルでなくては成功する見込みがないということですね。
この記事は、書籍『読むだけでプレゼンがうまくなる本』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
プレゼンにおいて大事なこと、それは相手をいかにつかむか。本書はマンガを織り交ぜながら、相手の心をわしづかみにする方法を学べるプレゼン本です。筆者が経験した失敗談から、プレゼンにおける「つかみ方」を徹底レクチャー。さらに、相手のタイプに合わせた実践的な攻略法や、企画書などプレゼンツールの使いこなし術を指南。最後にプレゼンをきれいに締めくくり、相手にYesと言わせるクロージング術を紹介する。なぜか、プレゼンに負ける人、必読の一冊。
- 『読むだけでプレゼンがうまくなる本』
- ISBN: 978-4844326038
- 1,449円(税込)
- 藤木俊明・今津美樹(著)
- 株式会社インプレス
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