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グーグルのAjax移行でアクセス解析ツールが使えなくなる?!

グーグルが検索をAjax化すると、アクセス解析で検索キーワードを判別できないようになるかもしれない。

Twitterでいつも、ブログに何を書いたらいいかと聞きまくっていた私のところに、マイケル・ヴァンデマー氏から、グーグルによるウェブ検索のAjax移行に関する自分の投稿を読んでみてほしいと連絡が来た。

最近、グーグルの検索結果表示ページのURLで検索クエリの前にハッシュマーク(#)がついているのに気づいたSEO担当者は、ヴァンデマー氏以外にも何人かいる。私はAjaxの専門家ではないが、SEOmozの開発担当者たちは、一般にAjaxはより良いユーザー体験を提供してくれることや、初めからページ全体を読み込むのでなく、1つのページの一部分を選び出して読み込めるということを教えてくれた。つまりグーグルは、使用する帯域幅を減らすためにAjaxベースの検索結果に切り替えた、ということのようだ。絞り込んでいくときに検索結果の置き換えに必要なHTMLだけを読み込めばよく、必ずしもページ全体を読み込まなくてもいいからだ。

だが、ヴァンデマー氏やそのほかの人たちが指摘しているように、このやり方には欠点がある。URLでハッシュマーク以降に並ぶ文字列がリファラーのURLとしてサーバーに送られず、検索エンジンにも認識されないのだ(私たちが、重複コンテンツの問題を回避するために、ハッシュマークを使ってIDを追跡することを勧めた理由もここにある)。

これはすなわち、アクセス解析ツールが参照キーワードや検索語を読んだり記録したりできなくなるということを意味する。アクセス解析ツールは検索クエリの文字列から検索キーワードやキーフレーズを読み取れず、グーグル検索経由のトラフィックを、すべて「google.com」という単一のページから来たものとしてカウントするようになる。

これは一大事だ! どんなキーワードやキーフレーズが自分のサイトのページにトラフィックをもたらしているかを知ることは、非常に重要なことだ。この情報が奪われてしまうとしたら、生まれたばかりのわが子を病院から家へ連れて帰ろうとしたとき、新生児室には他にも赤ん坊が50人もいるのに、どの子も身元を示すブレスレットをつけていないというのと似たような状況になるだろう。

ヴァンデマー氏は、Ajaxへの移行でどんな不都合が生じそうかについて書き、無料アクセス解析ツール『Clicky』のブログも同じ話題を取り上げている。ブライアン・クラーク氏も、自分の使っているアクセス解析ツールが奇妙な解析結果を示すようになったことに気づいている。

私はまだ、「search/?」に検索キーワードの文字列が続くという形式から「ハッシュマーク」に変わったURLを目にしていない。グーグル検索を実行すると、今まで通りの形式のURLが見える。しかし、「ハッシュマーク+検索文字列の形」でURLを入力してみると、ハッシュマークのない形式に変換されるので、いずれ近いうちにこれが普及するのだろうかという気もする。

※Web担編注 この記事の編集時点では、日本語版でも英語版でも、この記事で述べられているようなハッシュマークのURLや、ハッシュマーク付きのURLを入力すると通常のURLに変換される動作は確認できていない。

みんなの中に、このハッシュマークへの切り替えに気づいた人や、そのことがアクセス解析ツールの解析データに与えた影響に気づいた人はいるだろうか? グーグルがAjaxへの完全移行を決めたとしたら、この変更を回避する何かいい手段はあるのか? 当然ながら、何らかの修正策が講じられなければならない。さもなければ、世界中のウェブマスターやサイト所有者、広告業者、インターネットマーケターたちがカンカンになって怒るだろう……

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