この記事は、書籍『ひらめきが加速する 企画エクササイズ』の内容を、Web担当者Forum用に抜粋してオンライン版として公開するものです。
脳内脂肪を燃やす
発想の新体操68本!
企画のもとになるアイディアは日常の関心事から生まれてくるもの。そのアイディアと消費者ニーズが重なったときに、企画は成立します。プランナー「くぼたつ」こと久保田達也による、企画を立てるプロセスで実践する方法を「発想」「共有」「表現」「思考」「分析」の5章立てで紹介。いますぐできる脳のトレーニングを68プログラム用意しました!
『~ひらめきが加速する~企画エクササイズ』
- ISBN978-4-8443-2461-4
- 1,659円(税込)
- 久保田達也 著
企業もオリジナリティー
マーケティングは昔、企業の広告・宣伝部門の仕事だと思われていました。しかし現在は、ビジネスのあらゆるプロセス、さまざまな部門にわたって重要な位置を占めるようになっています。
マーケティング担当者は、競合他社や消費者の動向などの外的状況から、財務・営業など企業内の状況までトータルで調べ、そのデータをもとに、新しい商品やサービスの戦略へと落とし込んでいきます。つまり、ヒット商品をつくり、他社より優位にビジネスを進めるためにさまざまな情報活動を行うことが、マーケティングの仕事なのです。
競争に勝つための条件
マイケル・ポーターは、その著書『競争の戦略』の中で、企業が競争に勝つための条件として、次の3つがあると言っています。
- コスト優位(他社より安くモノを作ること)
- 差別化戦略(他社にはない特長を明確に打ち出すこと)
- 集中戦略(その特長に企業の人・モノ・金を集中投下すること)
特にこれからビジネスをつくろうとするときには、差別化戦略、つまり、どの会社にもない自社だけの特長が必要です。これは本書の第1章で述べた個人の発想と同じで、オリジナリティー、アイディア力そのものになります。ですから、社員がアイディアを生む社風になっている企業は、差別化戦略が強くなります。管理するだけの仕事はこれからどんどん自動化され、2040年に管理職はいなくなるとさえ言われています。定型業務はコンピューターに任せ、社員はアイディアを出したり、新しい戦略を立てたりすることに、集中するようになるでしょう。
ヒット商品は3原則で成り立つ
個人のアイディアと社会のニーズが重なったところにヒットのきっかけがあると本書の第1章で述べましたが、企業において社会のニーズとは、消費者が満足する内容ということになります。これを見極めるために、マーケティングは不可欠なものです。
こんな商品があったらよいと社員がアイディアを出しても、1人では商品化できません。当然、会社という組織の力が必要になります。しかし、組織の中では、個人がやりたいことと、みんなが集まってやりたいことの間には、差が生じます。個人のアイディアと組織との葛藤が起こるわけです。
そのとき、市場から望まれているものを客観的にとらえることができれば、自社で実現するのはこれだと納得のいくアイディアを商品化できるようになります。
まず、ヒット商品をつくるときには、個人が出したアイディアの中から消費者の望んでいることと一致するものを探し出します。そして、それを会社として実現するためにベストな状況をつくります。これを見出すために、マーケティングがあると覚えておくとよいでしょう。
ソーシャルもやってます!