アクセス解析 “超” 基礎講座

利点と欠点をしっかりと把握して目的に合わせたツール選びを心がけよう

[特集]アクセス解析 “超” 基礎講座

アクセス解析ツール選びのポイントとなるタイプ別の特徴
利点と欠点をしっかりと把握して
目的に合わせたツール選びを心がけよう

アクセス解析ツールにはさまざまなものがあり、どのツールが最も優れているとは一概には言えない。

それぞれに長所や短所があるため、その特徴を把握しつつ、自分のサイトの特徴やアクセス解析する目的と照らし合わせながらツールを選んでいくかが重要だ。

この記事では、アクセス解析ツールを解析データの取得方法で3種類に大別し、基本的な長所と短所を探っていくので、具体的なツール選びに入る前に、基礎的な知識として必ず頭に入れておいてほしい。

3種類のツールの特徴を知り最適な製品を選ぶ

アクセス解析ツールが解析の元となるデータを取得する方法は、大きく分けて3種類ある。

  • ログファイル型――ウェブサーバーのログファイルから情報を取得するタイプ
  • ウェブビーコン型――各ページにimgタグやJavaScriptなどを埋め込んでインターネット上の解析サーバーに情報を送るタイプ
  • パケットキャプチャ型――ウェブサーバーが送受信する信号をネットワーク上で取得するタイプ

どれが優れているというものではなく、図1の表に示すように、それぞれ一長一短がある(ツールによっては、短所を克服できるような機能を搭載しているものもある)。そのため、サーバーの状態や、どんな情報を解析してサイトの運営に役立てたいのかといった目的によって最適なツールが変わる。

ログファイル型ウェブビーコン型パケットキャプチャ型
リアルタイムの解析×※1
画像ファイルへのアクセス×
導入以前(過去)のアクセス××
エラーページへのアクセス×※2
キャッシュやブラウザの戻るボタンのアクセス××
図1 アクセス解析ツールの種類と主な特徴
「○」と「×」は「できる/できない」ではなく、「向き/不向き」を表している。
※1:ウェブサーバーの設定を変更できるのならば、1時間おきなどでも解析できる。
※2:ウェブサーバーの設定を変更できない場合は解析できない。

これらの特徴以外にも、アクセス解析をどのように行うのかによっても最適なツールは変わる。たとえば、管理者だけでなく、各部門でもアクセス解析が行えるようにしたいなら、複数ユーザーの権限管理などの細かな機能についてもチェックしておく必要がある。また、使い勝手や細かな機能もツールの選択時には注意してほしい。実際にツールを選択するときには、製品カタログやホームページ、試用版やデモ版もチェックしておきたい。

では、いくつかの項目に分けて、ログファイル型、ウェブビーコン型、パケットキャプチャ型の3つの特徴を探っていこう。

図2 ログファイル型、ウェブビーコン型、パケットキャプチャ型の仕組み(図はクリックで拡大)

ログファイル型――過去の解析も可能

ログファイル型は、ウェブサーバーが記録しているアクセスログファイルをもとに解析するので、ログファイルさえあれば過去のデータを解析できる。これは他のタイプにはない特徴だ。

ただし、ウェブサーバーがどのような形式でログファイルを保存するのかをきちんと設定しておく必要がある。共用レンタルサーバーを使っている場合は、これらの設定が行えない場合もあるので注意したい。そもそも、ログファイルに自由にアクセスできないレンタルサーバーではログファイル型は利用できない。ログファイルの保存期間にも注意し、必要であればローカルにバックアップして解析することも考える。

ウェブビーコン型――拡張性が高い

ウェブビーコン型は、JavaScriptなどのタグを解析したいページすべてに埋め込む必要がある。サイトのページ数が多ければそれだけタグを管理する手間はかかるが、ログファイルに残らないブラウザの「戻る・進む」によるページ移動などの情報を取得できるのが特徴だ。

また、高機能な製品ならば、JavaScriptを動的に生成することでどんな情報でも解析できるものもある(技術的な知識は必要になるが)。たとえばECサイトで、そのアクセスでいくら売上が上がったかや、コンテンツを公開してからの経過時間といった情報を蓄積しておいて、集計したり解析の軸として使ったりできるのだ。

プログラムによる機械アクセスは解析の対象外となるため人間によるアクセスだけを解析できるのは利点だが、検索エンジンのロボットによるクロール状況がわからないのはSEO的には欠点となる。JavaScriptをオフにしている訪問者のアクセスを解析できないことも理解しておこう。

パケットキャプチャ型――大規模サイトや携帯に強い

パケットキャプチャ型は、ハードウェアを導入してネットワーク構成の一部を変更する必要があるので、導入には多少手間がかかる。データセンターを利用している場合や自社サーバーで運用している場合など、ネットワークに手を加えられる環境が必要なため、大規模サイトなどに向いたツールであるとも言える。

サーバーとブラウザ間の通信データを直接読むため、多くの情報を解析でき、携帯向けサイトの解析にも向いているが、当然のことながら導入前のアクセスを解析することはできない。

解析データの更新頻度、解析の負荷、複数サーバー構成などにも注意

リアルタイムでアクセスを解析したい場合は、ウェブビーコン型パケットキャプチャ型を選ぶのがいいだろう。ただし、ASPサービスの場合は解析結果の更新頻度はサービスによって異なる。たとえば、Google Analyticsでは解析結果は1日1回しか更新されない。逆に、ログファイル型でもウェブサーバーの設定を変えられる環境なら、1時間ごとに解析も可能だ。

ウェブビーコン型はASPサービスとして提供される場合が多いが、ASP側でアクセス情報を受信するサーバーが重いと、訪問者側でも、アクセスしたときにページが完全に表示されるまで時間が余分にかかってしまう場合もあるので注意が必要だ。また、ASPサービスでは解析できる毎月のPV数が制限されていることもある。

ログファイル型は、ウェブサーバーに解析ツールをインストールした場合、解析のたびにウェブサーバーに負荷をかけることになる。アクセス数が多いほどログファイルのサイズも大きくなるため、解析にかかる時間が長くなり負荷が高くなる。これを避けるためには、解析専用のサーバーを用意するか、自分のPCにインストールして解析する必要がある。この場合は、ログファイルをどのタイミングと頻度で収集するのか、収集する方法を自動化できるか、といったことも考えなければならない。

また、自社のウェブサイトを複数サーバー構成で運用している場合、ログファイル型パケットキャプチャ型では注意しておきたい点がある。

ログファイル型の場合は、各サーバーのログファイルを集める方法を考える。頻繁に複数サーバーのログファイルを集めるわけにはいかないので、解析のタイミングの制限も考える必要があるだろう。また、ログファイルの書式によっては、どのドメインのどのファイルへのアクセスかがわかりづらくなってしまう場合もあるので、ウェブサーバーの設定にも注意が必要だ。

パケットキャプチャ型の場合も、複数サーバーへの通信を適切に処理できるように構成しておく必要がある。ただし、他のツールに比べ、複数サイト間のパス解析なども行えるという特徴を持っており、複数台構成に強いと言える。

導入前に初期費用と運用コストをチェック

無償で利用できるツールもあるが、ここでは企業向けの商用製品を選択した場合のコストの傾向を見てみよう。

コスト面で見ると、パケットキャプチャ型はソフトウェア以外にハードウェアを準備する必要があり、初期費用が高価になりがちだ。一方、ウェブビーコン型は多くがASPで提供されているため、初期費用は比較的安くなる。また、これら2つの種類では、アクセス数によって月額費用が変わる場合もあるので、ライセンスや価格の形態をしっかりチェックしておきたい。

ログファイル型の場合は、パッケージ購入などの初期費用はかかるが、その後の運用コストがかからない場合もある。

もちろん、ツールの導入にあたっては、コストの比較だけでなく、機能と効果を考えてそれに見合ったコストであるかどうかを判断することが重要だ。

ここではアクセス解析ツール・サービスの基本的な分類を紹介した。次の記事では、具体的なツールやサービスの特徴を一気に紹介する。

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