アクセス解析 “超” 基礎講座

目指せ給料アップ! 悩める担当者を救うアクセス解析「基本中の基本」その2 ~どうやるの?

菅原 裕(CreatorsNet)

2007年12月3日 9:00

[特集]アクセス解析 “超” 基礎講座

あなたは会社のウェブサイトの姿が見えていますか?
目指せ給料アップ!
悩める担当者を救うアクセス解析「基本中の基本」
その2 ~どうやるの?

ウェブビジネスにおいてアクセス解析はなくてはならない存在だ。というのも、現実の商売とは違い、ウェブサイトをただ眺めていても、どれだけの人がどんな興味をもってウェブサイトに来てくれたのかはわからないからだ。

ところが、まったくアクセス解析をしていないという企業は決して珍しくない。アクセス解析ではいったい何ができて、どれだけ大切なのかを基礎から理解していこう。

アクセス解析はどうやって実施するのか

では実際にはどうやってアクセス解析を実施していけばいいのだろうか。最近ではさまざまなツールやサービスがあるので、これを利用するのだ。ツールやサービスは後ほど紹介するのでこの中から選ぶ。無償で利用できるツールもあるので検討してみてほしい。

アクセス解析には主に3つの方式があり、それぞれにメリットとデメリットがある。これに関しては、のちほど「アクセス解析ツール/サービス紹介」の記事で紹介するので、そちらを見てほしい。

多くのツールはいにしえの「アクセスカウンタ」をもとに発展している。「あなたは××××人目のお客様です」などと表示されていた、あれ、である。あのアクセスカウンタを見てどのページが何回見られているかをチェックしていたことのあるWeb担当者も多いはず。最近ではすっかり見なくなったけれど、アクセスカウンタは個別のページの表示回数を数えて表示させるものだ。アクセス解析では、これ以外のさまざまな数字を取得できる。

また、キーワード広告を実施していればキーワード広告の管理画面や広告代理店が出してくるレポートがあるが、これと何が違うのだろうか。広告管理ツールでは広告のクリックの回数を把握できるが、アクセス解析ではこれに加え、サイト内の来訪者の動きをつかむことができる。

今やキーワード広告はサイトへの集客の基本的な手段だが、せっかく集客していてもそのお客さんたちが最初のページをちらっと見ただけで帰ってしまっていてはこの広告には意味がない。広告管理ツールとアクセス解析ツールの両方を使って、ムダな広告をやめることも必要だ。

笑えない話だが、ある電機メーカーのアクセスを解析したときに、「スキマ スイッチ」というキーワード広告で実に大量の訪問者が訪れていることがわかった。とらえ方は2つで、「アーティストの名前で来る来訪者は当社のスイッチのお客さんではないから、このキーワードでの広告出稿なんかやめてしまえ」という意見と、「アーティストの名前で来た来訪者だとしても当社の製品に興味をもってくれればいいではないか」という意見である。興味を持ってくれているか、これはアクセス解析を実施していれば答えはすぐに出る。興味のない人は、1ページ見ただけで帰ってしまっているはずだからだ。

ビジネスのスピードで変わるアクセス解析ツールの使い方

アクセス解析ツールやサービス選びの決め手になるのは自社のビジネスの「速さ」だ。ビジネスのためのウェブサイトには2種類ある。「お店型」と「キャンペーン型」だ。

「お店型」は一般的なビジネスウェブサイトで、特に期間を決めずに継続的に公開しているサイトのことである。「お店型」といっても、商品を売っていなくてもいい。販売はしていなくてもビジネスのためにウェブサイトを運営しているなら、ショールーム機能があったり資料請求フォームがあったり、来社(来店)してもらうための地図があったりするはずだ。このようなサイトは「お店型」という。このようなサイトはウェブサイトにおけるビジネスの速度はそれほど速くないので、アクセスログを貯めてじっくり解析する方法で十分だろう。

「キャンペーン型」は、広告をドカンと実施して、一定の期間に集中的に来訪者を集めようとするウェブサイトである。「キャンペーン」などというと、テレビコマーシャルや雑誌広告をイメージするかもしれないが、そればかりではなく、インターネット上で懸賞を実施したりブログを効果的に使ったりするなどして、短期間に大量の来訪者を集めようとする場合も立派な「キャンペーン型」だ。この場合は、短期が勝負だから「じっくり」というわけにはいかない。ほぼリアルタイムで解析結果を得られるように、ページにタグを埋め込む方法やパケットキャプチャ型を選ぼう。

「キャンペーン型」のなかでも、マス広告との連動を行う場合は、暴力的ともいえるアクセスが得られることもある。魚獲りにたとえるとこれは大規模な漁業だ。大きな船を用意し、魚群探知機なども搭載して獲物の「群れ」の所在を確かめ、撒き餌をガンガン投入して獲物をねらう。こんなときにのんびりなどはしていられない。それに比べ、「お店型」は釣りのようなものだ。じっくり構えて対策をしよう。

アクセス解析見るべき情報とは? 見る項目で変わる解析の頻度

では、アクセス解析では具体的にどんな情報が得られるのか。主に図4の表にあるようなデータを得ることができる。

サイト全体の姿の数値 ページビュー数 総ページビュー数
どのページが何回表示されたか
訪問者数 総訪問者数
ある訪問者が何月何日何曜日の何時何分にどのページを見たのか
その訪問者は初めての訪問なのかリピーターなのか
訪問者はどこから来たのか 検索エンジン経由 どの検索エンジンでどんなキーワードで検索したのか
どの検索エンジンでどのキーワード広告をクリックしたのか
他サイトに掲載されたリンク経由 どの広告(バナーやテキスト)をクリックしてきたのか
どのサイトに張られたリンクが多くの訪問者を誘導したのか
直接入力やブックマーク
サイト内の動線の数値 サイト内の閲覧経路 最初に見たページはどれか(入り口ページ)
最後に見たページはどれか(離脱ページ)
直帰率(1ページだけ見てサイトから去った人の率)
クリックマップ(サイト内のどのリンクがよくクリックされたのか)
滞在時間 その訪問者は各ページで何分ぐらい滞在していたのか
訪問者の環境 OS
ブラウザの種類やバージョン
FlashやJavaのプラグインの状況
デスクトップのサイズ、ブラウザのサイズ
所属ネットワーク(会社・団体名)
おおよその地理的な場所
高機能なツールでは…… 別システムと連携したり、特別なデータを蓄積したりして、たとえばECでは「訪問者ごとの具体的な売上額」を見られたり、「だれが作ったコンテンツが人気なのか」を確認できるようなシステムもある。
図4 アクセス解析ツールで得られる主な情報

総ページビュー数訪問者数は、「サイト全体の姿の数値」である。できれば毎日把握しておきたい情報だ。アクセスログ型のツールを選んだ場合、使用しているサーバーのログの取得方法により、週に一度しかデータを取ることができない場合もある。この場合は週に一度でもしかたがないが、毎日データを見られる環境なら数だけでも毎日把握しておこう。

週間、月間のスパンでは、これ以外にも、入り口ページ(ユーザーが最初に訪れたページ)の数値やサイト内導線の数値を見るようにする。

訪問者の環境に関する数字は、年に一度ぐらい確認すればいい。ユーザーの環境を知り、どのブラウザのどのバージョンまで対応すればいいか、Flashコンテンツなどのプラグインを要するコンテンツを作成する場合の基準を知るために必要な数字だからだ。

もしあなたのビジネスが官公庁や大企業、銀行などの金融機関のような会社に対するアピールが重要であれば、この数字は大変重要になってくる。一般消費者が使うブラウザやOSのバージョンに関しては『インターネット白書2007』などの調査を参照すれば問題ない(図5)。ところが、企業や官公庁の視聴環境は、これとは大きく異なることがあるからだ。

図5 利用しているブラウザソフト(複数回答)N=2,000 出典:『インターネット白書2007』 ©impress R&D,2007
図5 利用しているブラウザソフト(複数回答)N=2,000
 出典:『インターネット白書2007』 ©impress R&D,2007
※編集部注:掲載画像に誤りがあったため画像を差し替えました(12月7日)。

一般の、特に自宅のPCは定期的に新しいものに交換されるのであまり古いOSやブラウザの比率は高くない。だが官庁や大企業では、償却期限ギリギリまでマシンを使うので古いマシンがまだ大量に残っている。いまだにNetscape 4.xが現役の会社がいかに多いことか。

また、セキュリティに厳しい官公庁や会社ではプラグインを個人が勝手にインストールすることを禁じていることが多いので、手の込んだFlashコンテンツをお金をかけて制作しても視聴不可能であることがあるのだ。

この後の「実践編」の記事では、具体的な数字の見方や使い方を解説していく。

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