クチコミマーケ米国事例1消費者参加映画と言える「Snakes On a Plane」
クチコミマーケ米国事例1
消費者参加映画と言える「Snakes On a Plane」
8月に公開された映画「Snakes On a Plane」では、映画会社New Line Cinema(以下:NLC)が昨年この映画のタイトルを「Pacific Air Flight 121」に変更しようとしているのに対し、出演俳優のサミュエル・ジャクソンが猛反対していることがブログ上で話題になった。
Snakes On a Plane。このあまりにもシンプルで滑稽なタイトルに惹かれたオンラインユーザーたちが、このタイトル事件の後、オリジナルのTシャツをはじめ、ポスターや予告編、台本などを自ら作り出した。そして、それを写真共有サイトのFlickrや動画共有サイトのYouTube、そして自身のブログなどで公開したことで、この映画の話題がオンライン上に瞬く間に広がった。
さて、ここまではむしろ幸運なクチコミ現象といえるが、この後にNLCが行ったマーケティングが、Web 2.0時代のクチコミマーケティングとして評価を得ているのだ。
まずNLCは、ユーザーが作りネット上で話題となっていたストーリからいくつかのセリフを取り入れ(サミュエル・ジャクソン自身の「motherfucking snakes on a motherfucking plane」など)、映画の撮り直しを行った(図1)。
これにより、NLCはユーザーの興味を継続させ、さらなるクチコミを広げることに成功した。
そして次に、消費者から挿入歌を公募するキャンペーンを行った。3月16日、NLCはソーシャルネットワークサイトのTagworldに専門ページを開設し、そこでユーザーからオリジナルの映画用の曲を募集した(図2)。
これらの楽曲は、ファン投票で結果上位25位まで絞られた後、映画関係者が厳選し、数曲を実際に映画の中で使るというものだった。結果は、4月19日の投票開始までに500曲近いエントリーがあり、審査の結果、6月22日に2曲の使用が発表された。
この映画では一切大掛かりな公開プロモーションを行っていないにもかかわらず、6月22日までにGoogleで「snakes on a plane」と検索すると252万件、Technoratiでは2万6928件ものサイトが出てくるまでになっている。そして映画直前のプロモーションとしては、公式サイトで公開されている予告編やショートフィルム、音声ファイルのコードを自分のブログなどに添付するなどして、消費者に映画のプロモーションを行わせるというキャンペーンを実施している(図3)。
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