「交通広告の価値」4つの特徴とは? JR東日本企画と野村総合研究所が共同研究を実施

生活者の選ぶ「好きな広告」で「電車内の広告」は、「Web広告」を圧倒的に上回って1位に。

ジェイアール東日本企画(jeki)と、野村総合研究所(NRI)は、交通広告の特徴を探る共同プロジェクト「交通広告の価値再発見プロジェクト」にて共同研究を実施し、その成果を6月24日に発表した。

シミュレーションをもとに「交通広告の価値」を分析

本プロジェクトでは、両社のメディアに関する知見に基づき、広告活動の効果を測定するNRIのサービス「インサイトシグナル」で収集したデータを分析し、テレビやWebとは異なる交通広告の特徴として、以下の4点を導き出している。

  1. スクリーニング性:ポテンシャルの高いボリューム層(ポテンシャル・マス)へのリーチ
  2. 自主視認性:生活者によって自発的に視認される
  3. ブースト効果:情報で溢れ返る時代に、短期で強力な瞬間風速を生み出す
  4. キープ効果:つながり続けてブランドのKPIを長期に維持

「交通広告の価値」4つの特徴とは

「交通広告の価値」4つの特徴をさらに詳しく見ると、以下のような内容だという。

1.スクリーニング性

まず本調査にあたり、「テレビCM」「交通広告」「Web広告」ごとに予算別で広告プランを組みシミュレーションした結果、生活者全体(関東)へのリーチ率がもっとも高かったのはテレビCMだったが、交通広告はテレビCMに次ぐリーチ率があり、Web広告を上回っていた。

また予算3,000万円の場合、年齢・職業・個人年収・消費価値観のそれぞれの区分で見ると、「20代」「有職者」「個人年収700万以上」「先進層」において、交通広告のリーチ率はもっとも高かった。

この結果からは、交通広告は「若者」「有職者」「富裕層」「先進層」などのマーケティング価値の高い生活者にふるいがかかったボリューム層(ポテンシャル・マス)への効率的なリーチが可能と考えられる。またデジタルネイティブと言われる今の若年世代へのアプローチにおいて、交通広告はWeb広告に並ぶ有用なコミュニケーション手段と考えられる。

2.自主視認性

「好きな広告」「嫌いな広告」についてタイプ別で聞くと、生活者の選ぶ「好きな広告」(好き+どちらかといえば好きの合計)1位は「電車内の広告」65.0%、2位に「駅・街中の広告」61.3%があがっており、「テレビCM」「雑誌広告」「新聞広告」「ラジオCM」等のマス広告を上回っていた。一方「バナー広告」「動画前・動画内の広告」などのWeb広告は大きく数字を落とし、「好き」の回答は3割にとどかなかった。

この結果からは、交通広告は生活者の視界に自然に入ってくるものの、「つい見てしまう」「暇つぶしになる」メディアとして、ネガティブなイメージが低いと考えられる。スキップやブロックと言った対応が取りにくいにも関わらず、受け入れられている現状があると言えるだろう。

3.ブースト効果

1週間という短い期間での広告出稿(予算3,000万円)を想定した場合、テレビCMやWeb広告は低フリークエンシー(リーチ回数の少ない)層が大多数を占めるのに対し、交通広告は高フリークエンシー層が多く、短期でのリーチ積上げに強いと考えられる。実際に、同条件で100人あたり総フリークエンシーが最大になるのは交通広告だった。

この結果から交通広告では、短期の反復接触による好意的認知が創出可能と考えられる。

4.キープ効果

年間のメディア予算を3億で固定した場合、テレビとWebのみに出稿して運用するよりも、同予算で交通広告にも配分したほうが、年間の購入意向が高レベルで推移した。また年間で2つの大きな山とその間を埋める広告出稿プランを想定した場合、後者の役割としてWeb広告よりも交通広告のほうが購入意向が高レベルで安定したという。

この結果から、交通広告はブランドのKPI(購入意向等)を年間通して良好な状態に維持できるメディアであり、テレビとWebだけで広告を年間運用するより、交通広告も組み込んだ展開のほうが効果をより高められると考えられる。

jekiでは、交通メディアの特徴を言い表す単語として「バリューリーチメディア」というワードを開発しており、今後の交通メディアおよび交通広告に対する考察で活用していく方針だ。

調査概要

  • 調査対象】関東に在住する20~69歳男女
  • 【調査方法】NRIのサービス「インサイトシグナル」でデータを収集
  • 【調査期間】2020年7月~12月:測定データを元に推計、2021年4月:好きな広告・嫌いな広告の調査
  • 【サンプル数】各地点2,500~3,000ss(調査地点によって変動)
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