カールツァイスは、「ビジネスパーソンの上司・部下の関係性」に関する調査結果を発表した。全国の管理職500人、一般社員500人が回答している。
1on1の頻度「月1回以上」の上司は、8割超が部下との関係性良好
まず「仕事へのモチベーションを低下させる上司の言動」について聞くと、「アドバイスは多いが、こちらの意見は聞いてくれない」63.6%が最多。「フィードバックで理由や背景を聞かずに否定的な指摘をされる」61.8%、「ヘルプを求めたときに具体的な指示などなく『がんばれ』とだけ言われる」60.0%などがそれに並んで上位だった。背景を掘り下げる、部下の意向を重視するといった対応が重要なようだ。

あわせて「理想の上司」について聞くと、「話しかけやすく相談しやすい」32.6%、「コミュニケーション能力が高い」27.2%、「公正公平に判断し、ひいきがない」25.4%などが上位。“安心して話せる雰囲気”“対話の時間を重視する”といった姿勢を求めている。なお最下位は「部下のキャリア形成をサポートする」17.2%だった。

一方で「上司の気持ちを気遣って、言いたいことを我慢している」と一般社員の54.8%が回答。上司の顔色をうかがって十分に質問できない現状も浮き彫りとなっている。一方で、部下が求めているのは難しいスキルやキャリア形成の支援よりも、「話しかけやすさ」や「ていねいな説明」といった、人としての寄り添いが上司には求められていると言える。

「どのくらいの頻度で『1on1ミーティング』のような話し合いの機会を設けているか」を管理職に聞くと、「1か月以上の頻度で1on1を実施している」49.8%となり、管理職の86.3%が「部下との関係が良好」と回答している。一方で「半年に1回以下の頻度で1on1を実施している」30.0%の管理職では「部下との関係が良好」は68.0%にとどまっている。
「部下のための時間を確保できているか」についても、「半年に1回以下の頻度で1on1を実施している」管理職では、「忙しさから自分の仕事を優先してしまう」が58.6%に達している。
実際に「部下の突然の退職・休職経験の有無」では、「突然の退職・休職あり」32.4%とおよそ3人に1人の管理職が経験あり。「上司が行動すべきだったと後悔していること」は、「業務量の負担や偏りを考慮すること」32.7%、「キャリアや将来について対話の機会(1on1など)を増やすこと」30.8%、「職場の人間関係や雰囲気を改善すること」29.0%が上位だった。

逆に、「上司が理由で退職・休職を検討または実行したことがある」と回答した一般社員(44.0%)に、「当時上司にしてほしかった行動」を聞くと、「自分のキャリアや将来について対話の機会(1on1など)を増やすこと」25.0%が最多で、「自分の体調や健康面にも気を配ること」「業務量の負担や偏りを考慮してくれること」「職場の人間関係や雰囲気を改善してくれること」が各23.1%が並んだ。
管理職が「後悔したこと」では最下位だった「部下の体調管理や健康面に気を付けること」が、一般社員が「してほしかったこと」では2位にランクインしているなど、微妙に上司側との認識のズレがうかがえる。
調査概要
- 【調査対象】全国20歳~59歳
- 【調査方法】インターネット調査
- 【調査時期】2025年8月22日~25日
- 【有効回答数】1000人(管理職500人・一般社員500人)
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