24年度新入社員が上司に期待したこと「定期的なフィードバック」、望む理想は「丁寧な指導」【日本能率協会調べ】
一般社団法人日本能率協会(JMA)は、2024年度「新入社員意識調査」の結果を発表した。4月2日~4月5日に実施したもので、673人から回答を得ている。
「職場の人間関係」が仕事を続けていく上での重要ポイント
まず「自身の成長に向けて、上司・人事へ期待すること」を聞くと、「成長や力量に対する定期的なフィードバック」22.0%が最多で、「ワークライフバランスをとれる柔軟な働き方ができる環境づくり」17.4%、「キャリアや価値観・強み/弱みについての定期的な話し合い」17.3%がそれに続いた。いずれも前回調査(2022年)よりも上昇している。
新入社員のキャリア形成や将来についての設問で「若いうちからの苦労」について聞くと、「進んで苦労すべきだ」41.8%、「好んで苦労する必要はない」36.8%、「どちらともいえない」21.4%と二極化の傾向が見られた。
属性で見ると、高校卒外群は高校卒群より「進んで苦労すべきだ」」が8.1pt高かった。また女性は男性より「好んで苦労する必要はない」が19.3pt高かった。
「理想的だと思う上司・先輩」について聞くと、「仕事についてていねいな指導をする上司・先輩」25.5%が特に多く、「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない上司・先輩」10.9%、「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」10.8%がそれに続く。全体的に属性での差はなかったが、第4位の「言動が一致している上司・先輩」は男性7.4%、女性16.1%で、2倍以上のポイント差があった。
「働きたい職場」の方向性を5項目で聞くと、実力・成果主義or年功主義では「個人が評価され、年齢・経験に関係なく処遇される実力・成果主義の職場」が72.2%、チームワーク重視or個人裁量重視では「チームワークを重視する職場」が79.2%、アットホームorビジネスライクでは「仕事以外のことも相談できる職場」が77.7%、評価軸は「仕事の量」or「仕事の質」では「働いた仕事の『質』で評価される職場」が77.0%、業務内でスキルアップor業務外でスキルアップでは「苦労は多いが、確実にスキルアップできる職場」が66.0%で優勢だった。
「仕事をしていく上での不安」は、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」23.2%、「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」20.3%が上位で、「仕事での失敗やミス」10.4%がそれに続く。属性別で見ると、「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」は高校卒外群のほうが、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」「仕事での失敗やミス」は高校卒群のほうがそれぞれ約5.0pt高い。
なお「仕事での失敗やミス」については、新入社員にとって抵抗のある行動で「上司や先輩からの指示が曖昧でも、質問をしないで、とり合えず作業を進める」22.1%が1位であったことから、ミスをしたくないことと、曖昧なまま作業をすすめたくないことの関連性が見受けられるとのこと。
さらに“職場で遭遇するシチュエーション”をあげ「遭遇した場合にどの程度転職を考えるか」(そう思う+どちらかと言えばそう思う)を聞くと、「職場の人間関係が悪い時」15.7%、「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき」14.3%、「会社の将来性が見込めなくなったとき」13.9%が上位に並んだ。「職場の人間関係が悪い時」について属性別でみると、「転職を考える」は高校卒群のほうが7.2pt、女性のほうが7.6pt高かった。
調査概要
- 【調査対象】日本能率協会の新入社員向け公開教育セミナー参加者
- 【調査方法】研修実践時に記入(入力)・回収
- 【調査時期】2024年4月2日~5日
- 【有効回答数】673人(男性427人、女性243人、その他3人)(製造業262人、非製造業411人)
ソーシャルもやってます!