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受発注・請求・営業をDX推進するBtoB-ECプラットフォーム「Bカート」、クラウド販売管理システム「s-flow」とAPI連携

4ヶ月 3 週間 ago

受発注・請求・営業をDX推進するBtoB-ECプラットフォーム「Bカート」のDai(ダイ)は7月8日、コデックスが提供するクラウド販売管理システム「s-flow」と「Bカート」のAPI連携を始めた。また、拡張機能や外部企業が開発したアプリケーションを「Bカート」に追加できるようにする「Bカートアプリストア」への「s-flow」の掲載を開始した。

「s-flow」は、商品の販売・仕入・在庫と入出金、それぞれの流れを一元管理できるクラウド型の販売管理システム。基本的な管理機能に加えて、さまざまな業界に対応できる細かい在庫管理機能、会計・物流・ECなど各種外部システムとの連携に対応している。販売に関わる運用・管理を一気通貫で行うことができ、一連の業務の見える化・効率化を実現するとしている。

受発注・請求・営業をDX推進するBtoB-ECプラットフォーム「Bカート」、クラウド販売管理システム「s-flow」とAPI連携
「s-flow」の機能

「Bカート」はBtoBの受発注業務をクラウド化するカートサービス。導入実績2000社を超え、延べ75万社超の法人および事業者が取引に利用しているという。本格的なBtoB-EC、Web受発注システムが月額9800円~、即日でスモールスタートできる。

「Bカート」と「s-flow」連携の特長は次の通り。

出荷実績の連携による売り上げ・請求管理の効率化

「Bカート」で処理された出荷実績データを「s-flow」に取り込むことで、出荷伝票や請求伝票を自動生成できる。また、決済方法ごとの売上金額を簡単に確認できるようになり、自社掛け払いを利用する場合は、「s-flow」上で取引先ごとの売掛金管理もできる。

在庫数の同期による在庫管理の最適化

「s-flow」で管理している仕入情報を「Bカート」に連携することで、在庫情報が自動で更新・即時反映。在庫情報の手動更新が不要となり、在庫管理の手間を大きく削減できる。

一元管理による業務効率化

「s-flow」と「Bカート」の連携で、それぞれのサービスへの入力や二重管理が不要となり、仕入れから受注、出荷、請求、在庫管理までの業務フローを一元化できる。

宮本和弥

Meta Festival Japan 2025

4ヶ月 3 週間 ago

メタが5月に開催したマーケッター向けイベントより。消費者が新しい商品を発見するチャネルとして、ソーシャルメディアの重要性が高まっている。広告認知に必要な時間は、高齢者は4.2秒だが、若年層は1.4秒。広告認知を最大化させるには、2秒以下で4回見てもらうのが効果的。

Meta Festival Japan 2025
https://events.atmeta.com/M4BJP
「Meta Festival Japan 2025」多方面からみえたパーソナライゼーションの重要性
https://www.videor.co.jp/digestplus/article/ad-marketing250619.html

https://webtan.impress.co.jp/e/2025/07/04/49571

noreply@blogger.com (Kenji)

メルカリ、画像検索で販売価格と配送料金の相場を調べる「相場検索」機能を実装

4ヶ月 3 週間 ago

メルカリは7月14日、フリマアプリ「メルカリ」に画像検索やキーワード検索で販売価格と配送料金の相場を調べる「相場検索」機能を実装したと発表した。

「相場検索」機能は、出品しようとしている商品を画像またはキーワードで検索すると、相場価格や最も利用されている配送料金をひと目で確認し、そのまま出品できる機能。出品に関する下調べがスムーズになるという。

メルカリの調査によると、ユーザーの9割以上は出品前に下調べを実施。「価格」と「配送方法」に関する下調べが難しいと感じているユーザーが多かったという。こうした背景から、価格や配送方法の下調べの負荷を軽減することができる「相場検索」機能を実装することにしたという。

「相場検索」の使い方は次の通り。出品タブの「相場を調べる」をタップし、検索バーで画像検索またはキーワードを入力。そうすると「最もよく送られている配送料金」「商品の状態」「販売価格の相場(売り切れ・販売中)」がチェックできる。出品画面では、検索に使った商品名や状態、商品画像が入力されそのまま出品できる。

メルカリ、画像検索で販売価格と配送料金の相場を調べる「相場検索」機能を実装
画像検索やキーワード検索で配送方法や販売価格の相場を簡単に調べられる

メルカリでは「相場検索」機能の提供に合わせてキャンペーンを実施。抽選で2000人に「メルカリポイント」1000ポイントを付与する。また、WebCM「メルカリでいくらで売れるか秒サーチ」の放映を開始する。

鳥栖 剛

コジマが「メルカリShops」に出店、栃木のアウトレット店内に「メルカリインフォメーション」も設置

4ヶ月 3 週間 ago

家電量販店のコジマは7月19日、栃木・宇都宮の「コジマ×ビックカメラ駒生店」をアウトレット店「コジマ RE.OUTLET」にリニューアルオープンする。

メルカリのECモール「メルカリShop」への出店に加え、店内には「メルカリ」の発送手続きなどができるスペース「メルカリインフォメーション」も設置する。

「コジマ RE.OUTLET 駒生店」では、各地のコジマ店舗から集約したアウトレット商品を多数扱う。エアコンはアウトレット品から現行モデルまで、多数の商品をそろえる。

また、首都圏を中心に導入を進めているスマートフォンやゲーム機・ゲームソフトのリユース品を販売するリユースコーナーも設置。店頭商品の一部は「メルカリ Shops」内の「コジマ RE.OUTLET 駒生メルカリ店」に出品する。

店内にはメルカリの発送などができるスペース「メルカリインフォメーション」を設置。梱包資材の販売、出品商品を撮影するための撮影ブースや梱包作業スペースの提供、スタッフによるサポートを手がける。また、その場でヤマト運輸による「らくらくメルカリ便」の発送も受け付ける。

コジマ 栃木・宇都宮の「コジマ×ビックカメラ駒生店」をアウトレット店「コジマ RE.OUTLET」にリニューアルオープン 「メルカリインフォメーション」スペースを設置
「メルカリインフォメーション」スペースのイメージ
鳥栖 剛

総務省が発表したメディア利用実態の調査結果から考える、ECの未来とは?【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

4ヶ月 3 週間 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年6月30日~7月13日のニュース

6月末に総務省の情報通信政策研究所から調査報告書が発表されました。国民のメディアの利用実態から見える生活者の変化を垣間見ることができます。今回は総務省の調査結果を起点に、情報の届け方と受け取り方、そして価値の伝え方がどう変わりつつあるかを考えていきましょう。

ついに40代で「ネット」が「テレビ」を抜く

「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表 | 総務省
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000125.html

「(1)主なメディアの平均利用時間
・主なメディアの平均利用時間について、全年代では、平日、休日ともに、「インターネット利用」の平均利用時間が最も長く、「テレビ(リアルタイム)視聴」がこれに続く傾向が継続している。
【平日】インターネット:181.8分(+8.2分)、テレビ(リアルタイム):154.7分(-8.2分)
【休日】インターネット:183.7分(+4.0分)、テレビ(リアルタイム):182.7分(-19.3分)
・年代別にみると、休日の40代で「インターネット」の利用時間が「テレビ(リアルタイム)」を初めて超過。平日、休日の60代で「テレビ(リアルタイム)」の利用時間が大幅に減少。

なんといっても注目は、初めて40代が休日にテレビよりもインターネットを長く利用したというデータ。「いまさら?」という気もしますが、広くデータを取ると、このタイミングということなのでしょうね。

そして、この傾向は今後ひっくり返ることは99%ありません。ECにおいても、40代の消費行動の「主戦場」がネットであることを、より明確に意識する必要があるかもしれません。

(4)メディアの重要度・メディアの信頼度
・「情報源としての重要度」は、全年代では「テレビ」が81.3%と最も高い。年代別では、10代から40代では「インターネット」が最も高く、50代から70代では「テレビ」が最も高い。
・「娯楽としての重要度」は、全年代では「インターネット」が80.4%と最も高い。年代別では、10代から40代では「インターネット」が最も高く、50代から70代では「テレビ」が最も高い。
・「メディアとしての信頼度」は、全年代では「新聞」が59.9%と最も高い。年代別では、30代及び70代を除く各年代では「新聞」が最も高く、30代及び70代では「テレビ」が最も高い。

「重要度」「信頼度」「娯楽性」という指標が分かれているのが興味深いデータがありました。若い層はインターネットに娯楽と情報源の両方を求め、高齢層になるほどテレビと新聞を信頼している傾向に。ターゲットごとに訴求すべき「媒体の顔」を選ぶ必要がありますね。

他にもさまざまなデータが出ていますので、ぜひチェックしてみてください!

要チェック記事

「食べログ離れ」は誤りだった 売上は過去最高を更新、利用者数はなぜ増える? | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2506/26/news058.html

まあ実際、私もいまだに「食べログ」中心で使っていますしね。習慣化しているサービスはなかなか変えられません。

ワークマンの“冷感Tシャツ”がヒット連発 累計180万枚超えの次に来るのは? | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2506/27/news020.html

これ、マットレスに敷く「冷感パット」をTシャツにした発想ですよね。たしかに、敷くんじゃなくて、着ればいいのか!(笑)

顧客は「選ぶのが面倒」、人にスッと選んでもらうための発想 | Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/79602

たしかに、数が多いと選べない。そして自分が選んだ選択肢が「正しかったのか」「もっと正しいものがあったのでは」と不安になります。

「安全じゃない」「変な虫も一緒に届いた」などの声もあるが…批判を一蹴「SHEIN」「Temu」儲けのカラクリ | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/886344

「SHEIN(シーイン)」や「Temu(ティームー)」を見ていると、「既存の価値」や「適正価格」が何なのかわからなくなります。そこに意味があるのかもしれません。

“儲かる飲食店”は何が違う? レストラン経営の数字と現実 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2507/02/news002.html

ECにおける「売上の公式」的なものが実店舗だと意外に浸透していないことも。ECマーケティングの視点からみると面白いです。

〈インタビュー〉マーケティング会社「刀」の森岡毅CEOに「ジャングリア沖縄の開業」「イマーシブ・フォートでの試行錯誤」を聞いた | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/888703?display=b

今だからこそ読んでおきたい森岡氏のインタビュー。「ジャングリア」での巻き返しを期待しています。

今週の名言

1.2kgの「重すぎるフライパン」で大逆転…下請けばかり「ジリ貧の町工場」を黒字の優良企業に変えたアイデア | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/96807

「御社の製品は海外メーカーの類似品ではないですかと聞いてみました。そうしたら『似ているように見えるかもしれないが、これは私たちの技術を駆使した全く別の商品だ』と言われたのです。その言葉で目が覚めました。同じ鋳物のフライパンでも、自分たちの技術で全く新しいフライパンを作ればいいのだと」

(中略)

「入社したての頃は、『何も知らないから』という理由で、古参の社員から馬鹿にされることもありました。それでも知らなかったからこそ、これまでのやり方に対して『なぜ?どうして?』と純粋に疑問に思うことができたのです。従来の考え方にとらわれなかったからこそ新商品の開発に取り組むことができたし、その結果がフライパンの商品化に繋がったのだと思います」

「知らない」は弱さではなく、強さになり得ますよね。

従来の枠にとらわれない、「なぜ?」と問える無垢な目線が、既存の思考を揺さぶることがあります。そして、それは「他の誰にも見えなかった答え」にたどり着く一歩になる。

どうしても「自分が無知なだけでは?」と思ってしまうところですが、まずは「直感」を大切にしたいですよね。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

石田 麻琴

顧客LTV向上+AI活用+オムニチャネルなどの自社EC&「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」などのモール運営戦略のノウハウなどが学べる全30講演【7/16+17オンライン開催】

4ヶ月 3 週間 ago

ユニメディア、コマースピック、WUUZYは、ECビジネスの次なる一手につながる戦略やノウハウなどを学ぶ機会となる無料オンラインセミナー「ECカンファレンス2025 Summer」を7月16日(水)、17日(木)の2日間で開催する。

セミナー「ECカンファレンス2025 Summer」の詳細はこちら

セミナーでは、急速に進化するEC市場において事業者が競争力を維持・強化するための戦略を、「自社EC戦略」と「モール戦略」の2つの大きな柱で深く掘り下げる。

自社EC戦略では、CRMの深化による顧客エンゲージメント向上、オムニチャネル展開、エンタープライズ向けソリューションの活用、AI技術活用による業務効率化と売上向上策を主なテーマにしている。

モール戦略では、「楽天市場」「amazon.co.jp」「Yahoo!ショッピング」「au PAY マーケット」「Qoo10」「メルカリShops」といった主要オンラインモールそれぞれに特化した最新トレンドと攻略法を解説。各モールの特性を理解し、D2Cブランドの展開、効果的な広告運用、独自機能の活用、複数モールを横断したマルチチャネル展開の最適化など、実践的な戦略を共有する。

セミナーはオンライン開催で、参加費は無料(事前登録制)。申し込みで7日間のアーカイブ視聴が可能だ。

ECカンファレンス2025 Summer

主な講演内容

  • 「楽天市場」におけるD2Cの今後の展望
  • タマチャンショップに学ぶ、価格競争に陥らない唯一無二のブランド戦略
  • 「Shopify Plus」プランで実現するエンタープライズECの最適解
  • 花キューピッドが語る、ブランド力×季節戦略で勝つEC展開の舞台裏
  • 20万点からの商品検索体験を改善させた、「ヤマダウェブコム」のAI×商品ラベリング技術とは?
  • さらなる進化を遂げる「Yahoo!ショッピング」での戦い方
  • 「メルカリShops」の最新戦略
  • インフルエンサーマーケティングのポイントと手順
  • Amazon出品&広告活用の基本
  • EC成長率150%を実現した「リーバイス」の、店舗スタッフと顧客をつなぐロイヤリティの高め方
  • AGCが語るECから広がる顧客体験とブランド価値の高め方
  • データで解説! 成熟産業化するEC市場にあるチャンスとは?
  • 多店舗戦略のポイントと「au PAY マーケット」の最新情報
  • 「Qoo10」でレビュー倍増。「お客さまの声×AI」で商品ページを改善
  • 自社に最適なEC物流サービスの選び方と成功事例

1日目は、タマチャンショップとミウラタクヤ商店のブランド戦略対談、楽天のD2C事業の成功事例、花キューピッドの季節商材戦略、ヤマダデンキホールディングスのAI活用事例、「Yahoo!ショッピング」の戦略方針、「メルカリShops」出店者の成功事例など。

2日目は、eBay Japanによる「Qoo10」のAI×レビュー活用、「リーバイス」の顧客ロイヤリティ戦略、ポップアップストア×ECのOMO戦略など、通販・ECの成長に役立つノウハウや知見を数多く講演する。

開催概要

  • 開催日時:2025年7月16日(水)、17日(木)両日10:00~18:00予定
  • 開催内容:オンライン配信
  • 参加料金:無料(事前登録制)
  • 主催:通販通信ECMO(株式会社ユニメディア)、コマースピック(株式会社コマースピック)、ECタイムズ(株式会社WUUZY)
  • 後援:ネットショップ担当者フォーラム(株式会社インプレス)、日本ネット経済新聞(株式会社日本流通産業新聞社)、ECのミカタ(MIKATA株式会社)
  • 詳細と申し込みhttps://seminar.tsuhannews.jp/events/20250716_impress/
藤田遥

倉庫型ネットスーパー「楽天マート」、オートロック付き集合住宅での「置き配」に対応

4ヶ月 3 週間 ago

倉庫型ネットスーパー「楽天マート」を運営する楽天マートは7月14日、一部のオートロック付き集合住宅で「置き配」への対応を開始したと発表した。

不動産管理向けシステムやアプリの開発・運営を手がけるライナフが提供する「置き配」サービス「スマート置き配」と連携。「スマート置き配」を導入している約9000棟の集合住宅を対象に「置き配」へ対応する。

ライナフの「スマート置き配」は、オートロック付き集合住宅における「置き配」用のエントランス解錠サービス。スマートロック「NinjaEntrance」(ニンジャエントランス)を使用して共用エントランスの鍵をデジタル化し、認証された配達員がオートロックを解錠できる。受取側があらかじめ指定した場所へ配達できる。解錠履歴はすべて記録するため、セキュリティに配慮してユーザーへの「置き配」に対応する。

「スマート置き配」を導入している約9000棟の集合住宅に住むユーザーは、「楽天マート」での買い物で「置き配」指定をできるようになる。玄関前などを含む指定した場所で鍵付きコンテナで安全に商品を受け取ることが可能。なお、商品は常温、冷蔵、冷凍の3つの温度帯に分けて専用の資材で届ける。「置き配」利用料は注文ごとに税込110円。

倉庫型ネットスーパー「楽天マート」、オートロック付き集合住宅での「置き配」に対応
鍵付きコンテナでの置き配のイメージ
鳥栖 剛

ファミリーマートがAI活用のシステム「AIレコメンド発注」を導入、店舗の業務効率化と販売機会を最大化

4ヶ月 3 週間 ago

ファミリーマートは6月末から、全国500店舗でAIを活用した新たな発注システム「AIレコメンド発注」の運用を開始した。

「AIレコメンド発注」は、膨大なデータを分析・学習することで、各店舗におむすびや弁当、サンドイッチなどの最適な発注数を自動で推奨する発注システム。店舗の業務効率化、品ぞろえの最適化と販売機会の最大化をめざすとしている。

ファミリーマートがAI活用のシステム「AIレコメンド発注」を導入、店舗の業務効率化と販売機会を最大化
店頭での発注イメージ

店舗の発注業務は、自店舗の実績や経験に基づき発注を実施する傾向があるため、商品の欠品による販売機会ロスや廃棄ロスの発生が課題になっていた。ファミリーマートは、こうした課題を解決するため「AIレコメンド発注」を導入した。

「AIレコメンド発注」の特長

ファミリーマートの「AIレコメンド発注」の特長には、①高精度な販売予測②品ぞろえの最適③売場ボリュームの自動調整とフードロス対策④業務効率⑤柔軟な調整機能――をあげている。

高精度な販売予測

AIが過去1年間の販売実績、店舗周辺の通行量(時間帯別、性別、年代別)、気象データ(気温、湿度、降水量、日照量など)、カレンダー情報(祝日など)など多岐にわたる膨大なデータを分析・学習し、日別・便別・単品別に最適な販売予測数を算出する。発注担当者の経験では予測できない変化も捉え、高精度な推奨値を提供するという。

品ぞろえの最適化

自店舗と立地環境が近く、利益額が高い店舗を「お手本店」として販売実績を参照。自店にない売れ筋商品など、これまで発注されていなかった商品を推奨することで、店舗の品ぞろえの改善を提案する。

売場ボリュームの自動調整とフードロス対策

販売予測数に加え、販売機会ロスを防ぐために、次の納品までの在庫の繰り越し分を考慮した「売場ボリュームを保つ数」を自動で算出・加算する。適切な商品陳列量を維持し、販売機会の最大化を図る。反対に、過剰な発注で発生していた廃棄ロスを適正化し、フードロス対策にも繋げる。

業務効率化

AIが推奨値を自動で算出することで、発注業務にかかる時間を1週間あたり約6時間削減し、発注担当者の負担を軽減する。

柔軟な調整機能

AI推奨値は、1日4回更新され、店舗の状況に合わせて手動で調整できる。特に新商品や販促商品、イレギュラーなイベントなど、AIが考慮できない要素に対しては、店舗の判断による調整が可能。

鳥栖 剛

企業の人材不足、「不安や懸念を感じる」は77%。最も不足している職種は「IT部門」、対策は「採用」「定年の延長」など

4ヶ月 3 週間 ago

ココナラが全国の企業に勤務する5000人を対象に実施した「2025年 国内企業における人材不足実態調査」によると、国内企業の6割以上が現在、人材不足を感じており、約8割が将来の人手不足を不安視していることがわかった。特に「専門性が必要な分野」が懸念されており、最も不足している職種はIT系だった。

調査対象は国内在住20〜69歳の男女5000人で、調査期間は2025年6月。

国内企業の63.1%が「人材不足」を実感

現在、必要な人材は足りているかを聞いたところ、「非常に不足している」が9.0%、「不足している」が22.3%、「どちらかといえば不足している」が31.8%で合計63.1%が「不足している」と回答した。

今後、人材不足の不安や懸念を感じるかという問いに対しては、「非常に不安がある」が15.9%、「不安がある」が29.5%、「どちらかといえば不安がある」が31.9%で、合計77.3%が「今後懸念あり」と回答した。

現在、必要な人材は足りているか(左)、今後人材不足の不安や懸念を感じるか(右)
現在、必要な人材は足りているか(左)、今後人材不足の不安や懸念を感じるか(右)

「現在人材不足を感じている」または「将来の人材不足に不安を感じている」と回答した人に、どの分野で人材が不足しているかを聞いたところ、86.3%が「専門性が必要な分野」の人材が不足していると回答した。

また、今後どの分野での人材が不足しそうかを聞いたところ、こちらも「専門性が必要な分野」と回答した人が最も多く、回答者の85.5%を占めた。

現在どの分野での人材不足を感じているか(左)、将来どの分野での人材が不足しそうか(右)
現在どの分野で人材不足を感じているか(左)、将来どの分野で人材が不足しそうか(右)

最も不足している専門分野は「IT部門」

現在の人材不足による深刻度を分野ごとに聞いたところ、最も多かったのは「ITエンジニア」で58.6%、続いて「営業」が55.9%、「研究・開発」が54.9%、「システム保守・運用・管理」が54.5%、「サーバー・ネットワーク・インフラ構築」が52.6%で、デジタル分野に専門性が求められる職種における人材不足が顕著だった。

現在の人材不足による深刻度(分野別/複数回答可)
現在の人材不足による深刻度(分野別/複数回答可)

人材不足の影響は「従業員にかかる負担増」「技術・ノウハウ承継問題」など

人材不足が業務に及ぼす影響・支障について部門別に聞いたところ、事業部門では「従業員のモチベーション低下」が35.3%、そのほかの部門では「技術・ノウハウの承継ができない」が23.2%〜33.2%だった。

どの部門でも「長時間労働・残業の増加」が上位3項目に入っており、直接的に社員に負担がかかることへの支障が懸念されている。

人材不足が業務に及ぼす影響・支障(部門別/複数回答可)
人材不足が業務に及ぼす影響・支障(部門別/複数回答可)

従業員数2〜30人規模の企業に絞ると、全ての部門で「売上の減少」が上位5項目に入っている。

ココナラは、2〜30人規模の企業では「『技術・ノウハウの承継ができない』『製品やサービスの品質低下』なども大企業と比較して相対的に高かった。同規模の企業においては、事業運営や売り上げの低下に影響が出ると考える企業が多い」と考察している。

従業員数2〜30人規模の企業における、人材不足が業務に及ぼす影響・支障(部門別/複数回答可)
従業員数2〜30人規模の企業における、人材不足が業務に及ぼす影響・支障(部門別/複数回答可)

人材不足の要因、最多は「業界全体の人手不足」

業務に影響・支障が出ている人材不足の要因を聞いたところ、最多は「業界全体の人材不足」で45.9%、続いて「特定の技術・専門性のあるスキルを持った人材の不足・不在」が35.1%、「採用による補充ができていない」が34.8%で、対象とする人材が根本的に不足するなか、採用活動が十分に進んでいないことがわかった。

業務に影響・支障が出ている人材不足の要因(複数回答可)
業務に影響・支障が出ている人材不足の要因(複数回答可)

事業規模別に業務に影響・支障が出ている人材不足の要因を聞いたところ、企業規模が小さいほど「業界の人材不足」「採用による補充ができていない」といった回答の割合が高かった。また、事業規模が大きくなるほど「特定の技術・専門性のあるスキルを持った人材の不足・不在」に課題を感じる企業が多い傾向があった。

事業規模別:業務に影響・支障が出ている人材不足の要因(複数回答可)
事業規模別:業務に影響・支障が出ている人材不足の要因(複数回答可)

人材不足対策は「正社員採用・活用」関連がメイン

勤務先の人材不足に対して行なっている対策は、「中途社員の採用」が36.7%、「新卒社員の採用」が21.1%、「定年延長」が18.7%だった一方、「対策できていない」が26.1%。採用に十分な人を割けない、またはどのような形で求める人材を見つけられるかがわからない企業も多く存在することがわかった。

勤務先の人材不足に対して行なっている対策(複数回答可)
勤務先の人材不足に対して行なっている対策(複数回答可)

今後行いたい対策は「デジタル」と「外部人材の活用」

現在行っている人材不足対策と今後やりたいことの差分を抽出したところ、“現在はあまりできていないが今後取り組みたい対策”として「当該業務のデジタル化による省人化」「オンラインマッチングサービスへの外注」「フリーランス・副業への外注」「エージェント会社の活用」があがっていることがわかった。ココナラは「正社員採用・活用が十分に進んでいない中、DXによる省人化や外部人材の活用をめざす企業が増えている」と考察している。

現在行っている人材不足対策と今後やりたいことの差分(縦軸:「現在やっている対策」と「今後やりたいこと」の差分/横軸:人材不足に対し、どのような対策を行なっているか)
現在行っている人材不足対策と今後やりたいことの差分(縦軸:「現在やっている対策」と「今後やりたいこと」の差分/横軸:人材不足に対し、どのような対策を行なっているか)

調査概要

  • 調査期間:2025年6月
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象: 国内在住20歳〜69歳の男女5000人(有職者かつ、「外注の経験がある」または「外注を検討したことがある」)
  • 調査協力:クロス・マーケティング
  • 調査主体:ココナラ
大嶋 喜子

ハウス食品のAI活用施策。全234通りからユーザー好みの「バーモントカレー」「ジャワカレー」「こくまろカレー」の混ぜ合わせを提案

4ヶ月 3 週間 ago

ハウス食品はこのほど、全234通りのカレールウの組み合わせから、その時の気分や好みに合った組み合わせをAI技術で診断する「AIルウミックスメーカー」を開発、特設サイトを開設した。ユーザー1人ひとりの好みの味の発見など、カレーの新しい楽しみ方を提案する。

3種のカレールウブランドから好みのルウの組み合わせを提案

「AIルウミックスメーカー」は、ハウス食品が展開するカレールウのブランドのうち「バーモントカレー」「ジャワカレー」「こくまろカレー」の合計13品目を対象に、合計234通りの組み合わせを生成する。それぞれのカレールウの混ぜ合わせの割合は「1:1」「1:2」「2:1」の3パターン。

「AIルウミックスメーカー」診断結果のイメージ
「AIルウミックスメーカー」診断結果のイメージ

診断では、「カレーはだれが食べる?」「辛いのは好き?」「あなたにとってカレーとは?」といった7項目の設問を用意。ユーザーが回答すると、診断結果のページで、ユーザーにお薦めするカレールウと、混ぜ合わせの割合を提案する。

「AIルウミックスメーカー」の診断画面
「AIルウミックスメーカー」の診断画面

AI診断メーカー開発の背景

ハウス食品グループ本社が2024年11月、直近6か月間にルウカレーを購入・調理した6000人(全国20~79歳の男女)を対象にWeb調査した「カレーの調理実態調査」によると、約4割が「複数のカレールウを混ぜ合わせたことがある」と回答。ルウを混ぜ合わせる理由に「おいしくなる」「自分好みの味になる」「コクがつく」といったコメントが上位にあがったという。

カレールウのミックス(混ぜ合わせ)を日頃から実施している人
カレールウのミックス(混ぜ合わせ)を日頃から実施している人

調査結果では、混ぜ合わせで使うカレールウは「バーモントカレー」を筆頭に、「ジャワカレー」「こくまろカレー」を使う人の割合が多く、辛さは「中辛」をベースにミックスされることが多い。

人気の混ぜ合わせ上位3位(全国版)

1位:「バーモントカレー」甘口 ×「バーモントカレー」中辛(159件)
2位:「バーモントカレー」中辛 ×「ジャワカレー」中辛(122件)
3位:「バーモントカレー」中辛 ×「こくまろカレー」中辛(115件)

ハウス食品の調査による、カレールウの混ぜ合わせの人気ランキング
ハウス食品の調査による、カレールウの混ぜ合わせの人気ランキング

ハウス食品は、「SNS上でもルウを混ぜ合わせてカレーを食べている投稿も見られることから、多くの方が自分好みの味わいや香りを求め、ルウを混ぜ合わせてカレーを作っている」と考察。「AIルウミックスメーカー」の開発に至った。

大嶋 喜子

越境EC大手のビィ・フォアード、第二種貨物利用運送事業(国際航空)の認可を取得

4ヶ月 3 週間 ago

中古車の越境ECなどを手がけるビィ・フォアードは、6月18日付で国土交通省から「第二種貨物利用運送事業(国際航空)」の認可を取得した。

2018年に「第二種貨物利用運送事業(外航海運)」の認可を取得し、国際輸送サービス「ポチロジ」を展開してきた。ただ、これまでは日本から海外への輸送サービスはできるものの、日本国内での集荷ができず、荷主に指定倉庫まで輸送もしくは持ち込みをしてもらわなければならなかった。

また、第二種貨物利用運送事業の許可申請には、実際に貨物を運送する実運送事業者との間で業務取扱契約が締結されている必要があり、そのパートナー企業の選定も課題だったという。

今回、パートナー企業の選定とパートナーシップ契約を締結完了したことで「第二種貨物利用運送事業(国際航空)」の認可につながった。認可取得により、顧客は国内の指定倉庫までの配送手配が不要になる。

「ポチロジ」は200以上の国と地域に中古車輸出を行ってきた独自の物流網を生かし、世界各地への輸送が可能な国際輸送サービス。EMSや国際宅配便では送れない地域にも対応しているのが特長。

鳥栖 剛

谷中銀座商店街がライブコマース! リアルとオンラインを融合した特別な販売体験を創出

4ヶ月 3 週間 ago

SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップは8月3日、東京都台東区・谷中銀座商店街の「谷中ひゃっこい祭り」で商店街内の複数店舗とEC事業者がコラボするライブコマース「谷中ぎんざだよ!全員集合〜グルメもエンタメも。『谷中ひゃっこい祭り』から、ライブコマース生配信!〜」を実施する。

「谷中ひゃっこい祭り」は谷中銀座商店街で毎年夏に開かれるお祭り。商店街内の複数店舗と外部企業3社がタッグを組み、リアルとオンラインを融合した特別な販売体験を創出するという。実施にはフューチャーショップが展開するライブコマースソリューション「Live cottage」を活用する。

今回のイベントはフューチャーショップが過去に支援したライブコマース配信から企画が立ち上がったという。その配信に、谷中銀座商店街で「やなか健真堂」を営む店主が観覧者の1人として参加、イベントの盛り上がりに触れ、「この活気を商店街でも再現したい」とライブコマース企画を検討。今回のライブコマースの実施に至ったという。

地域の夏祭りを舞台に、リアルとオンラインが交差する取り組みを展開する。ライブコマースの目的は、単に商品を販売することだけではなく、写真や文章では伝えきれない谷中銀座商店街の「まちの雰囲気」「店主の人柄」などを、ライブ配信を通じて視聴者に届け、「現地に行ってみたい」「お店の人に会ってみたい」と感じてもらう「まちの入口づくり」をめざしているという。

配信内容は、谷中銀座商店街の夏祭り「谷中ひゃっこい祭り」の会場からライブコマースを実施。EC事業者3社と谷中銀座商店街の店舗とのコラボ商品を「ライブ配信限定」で販売する。その場にいる観光客などにも商品を試食してもらい、リアルな感想をライブで配信する予定。

コラボ商品は、「futureshop」利用中のEC事業者である「水郷のとりやさん」「ところてんの伊豆河童」「セレクトフード・コパン」が参加予定。コラボ商品としては、水郷のとりやさん「鶏レバーパテ」と 谷中銀座商店街の老舗酒舗「越後屋」がセレクトした日本酒を組み合わせたセットを展開する。

鶏のレバーパテと日本酒をセットに

そのほか、伊豆河童の「ところてん」と谷中銀座商店街で九州の味を伝える九州堂による「透明ゆずポン酢」のセット、コパンの「うなぎ」と谷中銀座商店街の丸初福島商店による「どじょうの唐揚げ」のセットなどを予定している。なおコラボ企画は調整中とし、内容に変更がある可能性があるとしている。

ポン酢とところてんをセットに
うなぎとどじょうの唐揚げをセットに
鳥栖 剛

Amazonの物流ロボット100万台目が日本で導入、アマゾンが進めるAIを活用した物流革新

4ヶ月 3 週間 ago

Amazonは7月1日、世界で300か所以上の物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)に配備している物流ロボット「Amazon Robotics(アマゾンロボティクス)」の導入が、100万台を突破したと明らかにした。100万台目は日本のFCに配備したという。

「Amazon Robotics」は、ロボットが商品棚を持ち上げて移動する物流ロボット。新しい生成AIモデル「DeepFleet」を導入し、FC内の業務効率化を図っている。

「DeepFleet」は、配送ネットワーク全体でロボットの動きを調整し、FC内での移動を最適化、ロボット群の移動時間を10%改善するという。これにより、多くの商品をFCに保管でき、配送の迅速化とコスト削減につながるという。

また、学習し改善するAIを基盤としているため、ロボット同士の連携を最適化する新しい方法に改善を続けているという。

「Amazon Robotics」10年間のイノベーション

Aamzonによると、重い商品を持ち上げる作業や反復作業をロボットが代替、現場で働く人たちの身体的な負担の軽減につながっている。また、Amazon Career Choice(Amazonで働く人々のためのキャリア支援プログラム)を通じて、システム運用など技術的な役割に必要なスキルを習得できるよう支援しているという。

2019年以降、70万人以上の社員が先端技術に焦点を当てた研修を通じてスキルアップ。2024年末にアメリカのルイジアナ州シュリーブポートに立ち上げた次世代のFCでは、高度なロボティクスの導入で、信頼性管理、メンテナンス、エンジニアリングの職種で必要とされる人が30%増加したとしている。
鳥栖 剛

SNSでの有益情報発信、楽しい読み物コンテンツ提供などの「フック集客」で自社の個性をじっくり育てる | 『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』ダイジェスト

4ヶ月 3 週間 ago
『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(坂本悟史/コマースデザイン 著 インプレス 刊)ダイジェスト(第8回)

ここではSNS、コンテンツマーケティング、プレスリリースを使った「フック集客」の方法を紹介します。広報的・間接的な要素が大きく、長期的に考えるべき「投資」です。すぐに売上につながりませんが、じっくりお店の個性を育ててくれます。

フック集客の本質

典型的なフック集客は、以下の通りです。

  • SNSで日々の活動や「ユーザーにとって有益な情報」を発信
  • コンテンツマーケティングでは役立つ情報や楽しい読み物を提供
  • プレスリリースでは、メディアを通じて幅広い層にアピール

フック集客は、情報発信なのですが、いずれもすぐに売上につながることは、おそらくないと思います。だから取り組み順序としては、少し先です。また、商品の特性によって最適な形が変わってくるので、じっくり検討して取り組んでください。

SNSなどで、右脳的な「雰囲気」の発信

日々商品を頑張って作ったりしているシーンをショート動画にしたり、写真にしたりして発信します。「買ってください」ではなく、ふわっと「雰囲気」を発信して、ライブ感や親近感を作ります。

例えば、パン屋さんがSNSで毎日の焼きたてパンの写真を投稿したり、ブログで美味しいパンの食べ方を紹介したりするイメージです。また、海外で商品を視察しているところや自社農場で人参を収穫するところ。アウトドア用品店のスタッフが「今日のキャンプ飯」を発信するなど、プライベートのついでもよいでしょう。何か活動した時は忘れず写真や動画を撮っておくとよいでしょう。「仕事のついでのブランディング」作業です。

雰囲気を発信すると「実在感」が生まれる

このような発信は、フォロワーにとっては、いわば一瞬の工場見学や社会見学です。一度工場見学に行くとその会社の商品はちょっと自分にとって実在感のある特別な感じがしますよね。「今日も朝早くから仕入れに行ってきました!」といった投稿は、真面目な姿勢を伝えられます。

デジタルの世界でありながら温かみを感じる、この「実在感」がポイントです。「人として認識してもらえる」ことは将来的な資産です。

主な媒体はInstagramやX(旧Twitter)ですが、Facebookで友達相手に発信することも有効です。大事なのは媒体ではなく内容なので、あちこち転用していきましょう。

また、こういったSNSアカウントは顧客とのコミュニケーションツールになります。発信の合間には、時折エゴサーチをして、商品の感想を書いているお客さんにお礼や説明をするなどして、地道な関係づくりの活動もできます。またあらためて何か紹介してくれるかもしれません。

お客さんやインフルエンサーからの紹介を促進

第三者によるお店や商品についてのSNS発信を増やすためには、有償で紹介を依頼する方法もあります。インフルエンサーに依頼したり、モニターを募集して商品をInstagramで紹介してもらう「ギフティング」と呼ばれる施策です。

ただ、商品に愛着がない紹介はどうしても不自然になる恐れがありますし、広告目的であることが不明瞭な投稿をさせるとステマ規制に抵触するリスクもあるので、十分調べてから取り組んでください。

まずはあまり下心を持たないで、「自主的に紹介してくれる人との関係を育んでいく」のが一番だと思います。

記事や動画を中心に、左脳的な「情報」の発信

ブログや動画などで情報を提供する施策もよく使われています。例えば、アウトドアの楽しみ方や猫との暮らし方など、お客さんにとって役立つ情報や、楽しめる内容を提供することです。コンテンツを作ったら、前述のSNSなどでもお知らせします。媒体間の転用を意識しましょう。

コンテンツマーケティングで検索順位を上げる

特に、Google検索を考慮しつつブログなどテキストで配信することは「コンテンツマーケティング」と呼ばれます。

ユーザーのニーズや疑問に答えることをメインに考えるため、「○○したい」や「○○の意味」などを教える内容が多めになります。「毛ガニの食べ方」を見ている人は、すでに購入した人でしょう。「ナッツの健康効果」を見ている人が、即座にナッツを購入するわけではありません。

副次効果、というよりもこちらが主なメリットなのですが、コンテンツマーケティングの大きな利点は、Googleからの評価が高まって、検索順位の向上に寄与する点です。特定テーマに関する豊富なコンテンツは、そのテーマに詳しいサイトとして検索エンジンから評価されて、「毛ガニ 取り寄せ」といった買い物直結キーワードでの検索上位になります。

サイトの評価を上げていくために良質なコンテンツを増やしましょう。

他媒体での情報発信も、ブログに転用する

YouTubeなどの動画を見るユーザーは「実際どうなのかという感覚」を把握したくて調べる人が多いと思います。やってみてどうなのか、比べてみるとどうなのか、文字とか写真だけでは分からないところを把握する用途で使われます。再生回数が低くても売れます。何十回程度の視聴回数の動画で、1つ数十万円の高額な家具が売れたというケースもあります。

このように動画やInstagramで情報配信している場合も、その内容をテキスト化してブログに乗せましょう。SEO効果がありますし、コンテンツの使い回しは効率的です。

条件として、法則6でも紹介したように、Googleで評価されるためにはサイト全体の一貫性と専門性が重要になります。いわば「月刊◯◯」といった雑誌のようなイメージで、特定テーマを持っている必要があります。

「自分は何の専門家なのか」を考えつつ、情報発信をしていきましょう。

プレスリリースで、メディア掲載を促進

プレスリリースは、自分都合ではなく「メディアの都合」を考慮し、メディアが取り上げやすい形で発信することが有効です。

PR TIMESなどのプレスリリース配信媒体を使って、手軽に配信できます。他社の事例がたくさん載っているので、参考になります。文面は、ChatGPTなどのAIツールを使うと、ある程度の下書きを出力してくれます。

まず大切なのは、メディアの動きを把握することです。実は、メディアが1年のうち報じるイベントは、ほぼ決まっているのです。お正月、成人式、バレンタイン、節分、花粉症の季節、春休み、ひな祭り、ホワイトデー、新生活、ゴールデンウィーク、子供の日、母の日……。こういったイベントに合わせて企画を考えて配信します。

あるお店では、バレンタインに合わせ、ところてんベースの商品「チョコろてん」を企画、リリース配信したところ、メディアに毎年取り上げられるようになりました。また、防災の日に合わせてプレスリリースしたあるお店では、20社ほどのメディアで紹介されました。

型破りな商品で注目を集める方法もあります。あるお店では、1枚3万円する「貴族のピザ」を企画しました。一般消費者向けではありませんでしたが、フォワグラやトリュフをふんだんに使った斬新さからテレビ番組で紹介され、「テレビで紹介された店」という実績を作ることができました。

諦めず、色んな角度からコツコツ試していくとよいでしょう。

効率化して、コツコツ取り組む

お店の運営で手一杯の状態で、フック集客を続けることは難しいでしょう。やると分かりますが、情報発信しながらモノを売るのは、ある意味「2つの仕事を並行してやる」ようなものです。情報発信しているお店は、お客さんからすると楽しそうに見えると思いますが、通常業務を賢く効率化しておくことが大前提なのです。まずは、商品の仕入れや在庫管理、受注処理など、基本的な業務をしっかりと整えた上で、気持ちに余裕が出てくれば、フック集客を始める時期です。

坂本氏坂本氏

こういった情報発信をしていても、フォロワー数の増加は計測できますが、この活動でいくら売上につながった、といった明確な費用対効果はなかなか出しづらいですよね。だから、多くの人にとっては、気持ちが続きません。もしあなたが、損得抜きでこういった情報発信を楽しめる性格なら、それはお店にとってかなり大きな差別化要素かもしれません。

この記事は『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(インプレス刊)の一部を編集し、公開しているものです。

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。

坂本悟史 /コマースデザイン 著
インプレス 刊
価格 2,400円+税

ECの仕事を「販売・業務・組織・戦略」の 4分類に整理。現代のEC販売はもちろんのこと、仕入れ・製造から受注・出荷までのEC業務、AIやリモートを活用したEC組織運営、商品開発やブランディング、会計や経営計画などのEC戦略までをカバー。経営者の学び直し、担当者の育成、組織の共通言語におすすめです。

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坂本 悟史
コマースデザイン株式会社

化粧品ブランド「フェヴリナ」などのフォーシーズHD、ビットコインなど暗号資産への投資事業をはじめとした金融サービスに参入

4ヶ月 3 週間 ago

化粧品ブランド「フェヴリナ」などを展開するフォーシーズHDは7月11日、新事業としてWeb3.0を活用したシステム・金融事業に参入すると発表した。ビットコインなど暗号資産への投資事業などを手がけるとしている。

フォーシーズHDは、Web3.0はブロックチェーン技術や分散型ネットワーク、AI、IoTなどを融合させ、より個人のデータ所有権やプライバシー保護を重視した新しいインターネットの形態として、新たなサービスや事業の創出につながると認識していると説明。その上で、フォーシーズHDグループが展開する事業でも、Web3.0技術の活用は多くの可能性があるとしている。

具体的には、Web3.0の分散型プラットフォームを活用することで、美容健康分野で、よりパーソナライズされた製品提案やサービスを提供できる説明。美容健康関連分野の各検査サービスや商品とのシナジーは高いという。

また、ブロックチェーン技術で製品の原料調達や製造過程、成分情報の透明性を担保できると説明。消費者の信頼を獲得し、ブランド価値を高めることができるとした。

再生可能エネルギー事業への活用ではAIを含めたWeb3.0の技術を活用することで、効率的な仕入れ物件の取得や運営が期待できるとした。

こうしたなか、フォーシーズHDは新規事業として次のようなことに取り組んでいくという。

再生可能エネルギー事業における負担金の予測を目的としたシステムの共同開発・運用

2024年5月に再生可能エネルギー事業に参入。再生可能エネルギー事業では、固定価格買取制度(FIT)やその他の制度に基づいて、電力会社や事業者が負担金を支払う。これらの負担金は、電力料金や制度の変更で変動するため、将来の負担額を予測するシステムの開発が求められているという。

そのような環境下で、AIを含めたWeb3.0を活用することで、土地取得に関する精緻な見積もりの設計や効率的かつ計画的な運営につなげる考え。

金融サービス事業

資産運用の可能性を高めることを企業価値向上の手段の1つであると考え、暗号資産への投資事業を手がける。事業成長に伴う資産運用の一環として仮想通貨を保有、財務健全性の向上につなげる。

投資対象はビットコインで、事業拡大に伴う資産運用の一環として財務基盤の強化をめざす。運用方針として、適切なリスク管理体制の下、専門的知見を有する外部アドバイザーと連携しながら、慎重かつ戦略的に投資を判断する。

金融サービス事業は、松野博彦副社長を中心に浦太介CFOと経営企画室の3人で運営。今後、投資運用を段階的に手がけていくタイミングで、専門チームを組成していく方針という。

◇◇◇

フォーシーズHDは6月、新株発行と新株予約権の割り当てで計約15億4000万円(差引手取概算額)の資金を調達すると発表している。調達資金の使途は、計13億2000万円を太陽光発電や系統用蓄電池の事業に関する開発資金などに充当するとしていた。なお新株予約権の割り当て先には実業家の堀江貴文氏、「青汁王子」こと三崎優太氏が名を連ねていた。

EC業界では暗号資産投資事業への参入が相次いでいる。直近ではアパレルのANAPホールディングスや、漫画のECサイトを展開するTORICOが暗号資産投資事業に進出している。

鳥栖 剛

サザビーリーグのEC支援会社「サザビーリーグアウルスケープ」の相川社長に聞く事業内容や今後の展望 | 通販新聞ダイジェスト

4ヶ月 3 週間 ago
新会社では顧客企業のCRM、EC、SNS、ブランディング支援を手がける。これまでにサザビーリーグが自社のブランドで運用してきた手法を生かす

衣食住の幅広いブランドを展開するサザビーリーグは4月1日、社内のDX推進室を分社化し、新会社サザビーリーグアウルスケープを立ち上げた。これまで自社ブランド運営で培った知見をもとに、デジタルマーケティング支援を外販していく。新会社の社長に就任したのは、DX推進室の室長を務めていた相川慎太郎氏だ。相川新社長に、サザビーリーグアウルスケープの事業内容や今後の展望について聞いた。

サザビーリーグアウルスケープ社長 相川慎太郎氏
サザビーリーグアウルスケープ社長 相川慎太郎氏

新会社でサービスを外販

自社ブランドを成長させたノウハウを外部にも展開

――DX推進室での取り組みは。

DX推進の高まりを受けて、2022年にDX推進室が設立された。40ほどの自社ブランドに対してCRMやECの構築、SNSマーケティングの支援を行ってきた。たとえば、ジュエリーブランド「agate(アガット)」では、ECと店舗のデータを統合するCRM基盤の構築を支援した。

売り上げや顧客データなどを集約した統合顧客データベースを作り、そこからDWH(データウェアハウス)を通して、MAツールと各種BIツールに連携した。CRMの統合基盤を構築したことで、本来やりたかったパーソナライズ施策が実施できるようになり、複数の指標が改善した。

たとえば、店舗とECのクロスユース率が20%増加し、会員比率が10%、LTVが30%増加した。

LTVアップなどさまざまな成果につながったジュエリーブランド「アガット」(画像はブランドのECサイトから追加)
LTVアップなどさまざまな成果につながったジュエリーブランド「アガット」(画像はブランドのECサイトから追加)

――新会社でも同様のサービスを提供、外販していく。

サザビーリーグのブランドは独自性を非常に大切にしていて、たとえばカートシステム一つとっても、ブランドごとに異なるものを使っている。ブランドの抱える課題や規模感に合わせてツールを変える手法は外部にも活用できるのではないかと考え、外販に至った

CRM、EC、SNSの3本柱に加えて、新たにブランディング支援も行う。従来はパートナー企業との連携こそあったものの、基本的には社内用のサービス設計は行っていなかった。分社化に合わせて、サービスの柱の一つに据える。

外販するサービスで顧客企業のBX向上を支援する(画像はサザビーリーグアウルスケープのサービスサイトから追加)
外販するサービスで顧客企業のBX向上を支援する(画像はサザビーリーグアウルスケープのサービスサイトから追加)

――支援業界は。

まずはこれまでサザビーリーグが展開してきたアパレルやジュエリー、生活雑貨、飲食といった領域の企業をターゲットにしていく。将来的には宿泊業や食物販など、新たな領域にも横展開していきたい。

顧客企業のブランドエクスペリエンス向上を支援

――新会社のビジョンは。

「複雑化した現代ブランドビジネスをシンプルにする」という企業理念を掲げている。一昔前は、単純に良いものを作って、良い場所に出店すれば商品は売れた。しかし現代は、SNSやCRMなど、やらなければいけないことが非常に多い。デジタル上でも顧客満足に向けた取り組みが必須になって、実際それが上手い企業が生き残っているように思う。

とくにアパレル業界はデジタルに精通した人材が少ないし、ブランドを成功に導くためのプロセスが複雑化しているので、ブランド戦略をシンプルにするお手伝いがしたい。

ゴールはずばりブランドエクスペリエンス(BX)の向上だ。DXばかり行っていてもだめで、ブランドの体験自体を良いものにしなければならない。

――サザビーリーグでの店舗運営がBXに活きるはずだ。

OMOなどはもはや前提の話だが、店舗とECの連携を考える上で、ブランドの世界観は考慮していかなければならない。たとえばメルマガ一つとっても、ブランドの独自性を損なわないような打ち出し方を考える必要がある

――D2Cブランドの運営が活きる点は。

サザビーリーグ時代は2018年にD2Cブランド「ARTIDA OUD(アルティーダウード)」を立ち上げた。「アルティーダウード」は当初EC専売のジュエリーブランドで、そもそも店舗を持たないブランドをどうやってデジタル展開すればよいのかという戸惑いがあった。

EC専売から開始したジュエリーブランド「アルティーダウード」(画像はブランドのECサイトから追加)
EC専売から開始したジュエリーブランド「アルティーダウード」(画像はブランドのECサイトから追加)

D2Cブランド隆盛の中で、生き残ったのは世界観をしっかりとデジタルで表現できていたブランドだ。どういったビジュアルや言葉を使えば、自分たちの提供価値がよりクリアに伝わるのか、常に考えていた。当時はすでにSNSが主流だったので、文脈をいかに上手くSNSに乗っけるかというところは細かく設計を行っていた。

現代では、いかにユーザーに共感してもらうかブランドのストーリーを伝えるかというところが肝要。我々の分析チームはサザビーリーグの約20ブランドのSNSアカウント分析を行っていて、エンゲージメントや保存数が多かった投稿に関しては全社内に共有している。いいね数と違って、そうした情報は外側から把握できないので、共有する価値がある。

――DX推進やSNSマーケティングにおけるトレンドは。

大前提でECが厳しくなってきているので、リアル回帰の流れは大きい。改めてオフラインの体験や店舗の役割をきちんと構築しなければならない。単に商品を売る場所というだけでなく、デジタルサイネージを設置するなど、店舗を体験の場として活用する流れが来ている

最近は店舗販売に主軸を置いたブランドが多いが、とはいえECと店舗の売り上げ落差を作らないような形で支援ができればいい。

3年間で目標50社にサービス提供

――数値目標は。

今後3年間で50社の外部ブランドを支援したい。3年間はサザビーリーグのノウハウが活用しやすい既存領域で支援を行い、そこから他業種に展開していく。

――BXを推進するSaaSプロダクトの開発も検討している。

考えている方向性としては、いわゆるBIツール。可視化したデータをブランディングに活用するソリューションを考えている。一般消費者よりも、ディレクターやMDなど、ブランディングに携わっている方が対象のツールになるだろう。

――現時点での支援状況は。

昨年からSNSやCRMの領域でアパレルメーカーを支援している。取引先の皆様に期待されるのは、サザビーリーグの多種多様なブランド運営で培った、お客さま視点の考え。カートシステムベンダーやCRMシステムベンダーの既存取引先も多くいるので、支援先の企業には複数の選択肢と実績を提示していくことができる。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

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通販新聞

購入前、参考になるレビューは「デメリットも記載されている」が54%【レビュー記事の消費者意識調査】

4ヶ月 3 週間 ago

マイスタースタジオが全国の男女500人を対象に実施した「レビュー記事に関する意識調査」によると、商品・サービスを調べるときに「レビュー記事を参考にする」と回答した割合は95.8%にのぼった。参考になるレビューの特長は「デメリットも記載されている」「具体的な記載がある」「視覚情報がある」などがあった。調査期間は2025年5月1~5日。

95.8%が商品・サービスを調べるときに「レビュー記事を参考にする」

商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にするかを聞いたところ、最も多かったのは「よくする」で66.0%、続いて「たまにする」が29.8%で、合計95.8%が「参考にする」と回答した。

マイスタースタジオは「購入前にレビュー記事を参考にする理由は、『失敗を回避したい』『ある程度商品の使用感などを予想して、安心して購入したい』という気持ちがあるため」と推測している。

商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にするか
商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にするか

参考になるレビューの特長1位は「デメリットも記載されている」

参考になるレビューの特長は、「デメリットも記載されている」が最多で54.2%、続いて「具体的な記載がある」が36.4%、「視覚情報がある」が19.4%だった。

マイスタースタジオは「消費者がレビュー記事を読む際に重視するポイントは、信頼性、具体性、視認性に分類できる。情報が具体的で写真などの視覚情報で証拠を提示することで、信頼性が高まる」と考察している。

参考になるレビューの特長(複数回答可)
参考になるレビューの特長(複数回答可)

「デメリットも記載されている」と回答した人からは、「デメリットを踏まえてでも欲しいと思えるかがわかるので、悪いレビューは助かる」「良いところばかり見ていると、実際利用した際にがっかりすることも多い」「悪い部分も知ったうえで、納得して購入したい」「購入後のギャップを最小限に抑えたい」といったコメントがあがった。

「具体的な記載がある」と回答した人からは、「具体的なレビューがいい。例えば機械なら使用感や『すぐ壊れた』などの情報、食品なら味や調理の簡単さの情報など」「読んでいると使い勝手がイメージできる」といった意見があがった。

「視覚情報がある」と回答した人からは、「商品レビューの場合は、大きさや色味がわかる画像や動画が添付されているもの。また画像や動画がなくても、『公式の写真より青みが強いです』など言葉でわかりやすく説明されていると参考になる」「文字だけでなく、画像や動画での検証や考察がなされていること。視覚情報があるだけでわかりやすい」「写真や動画があると信憑性が高まるため、まずはイメージできるものがあるか探す」といった声があがった。

参考にならないレビューは「メリットしか書いていない」

参考にならないレビューの特長について聞いたところ、最も多かったのは「メリットしか書いていない」で30.0%、続いて「情報量が少なすぎる」が23.0%、「具体的な記載がない」が16.0%だった。

参考にならないレビューの特長(複数回答可)
参考にならないレビューの特長(複数回答可)

「メリットしか書いていない」と回答した人からは、「やけに褒めてばかりの文章や、整いすぎていてキレイすぎる文章だと、『お金もらって書いた人かな?』と思ってしまう」「商品を必要以上に褒めちぎっていると、サクラではないかと疑ってしまう」といった声があがった。

「情報量が少なすぎる」と回答した人からは、「内容が薄いものは参考にならない」「『良かった』『悪かった』だけで、情報がほとんどない」「大したことのないレビューや口コミが多い場合、まったく参考にならない」といったコメントがあがった。

「具体的な記載がない」と回答した人からは、「主観的な感想のみで具体性に欠けるコメント」「体験談が書かれていなくて情報源にならないもの」といった意見があがった。

94.8%が「レビュー記事が購入・利用のきっかけになったことがある」

レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがあるかを聞いたところ、「よくある」が38.6%、「たまにある」が56.2%で、合計94.8%が「ある」と回答した。

マイスタースタジオは「消費者は商品・サービスに興味をもってレビュー記事を読む。そのためレビュー記事で良い体験談、自分に合いそうな使用感などポジティブな方法を仕入れると、購入意欲が喚起されやすくなる」と解説している。

レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがあるか
レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがあるか

調査概要

  • 調査対象:全国の男女500人(女性350人、男性150人)
  • 回答者の年代:10代 1.0%/20代 15.6%/30代 35.8%/40代 26.4%/50代以上 21.2%
  • 調査期間:2025年5月1~5日
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
大嶋 喜子

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