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メルカートがオーダーメイド注文に対応する新機能、オーダーメイド商品や詰め合わせギフトなどカスタマイズ販売を実現

5ヶ月 1 週間 ago

クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」のエートゥジェイは7月1日、「メルカート」に「BTO(Build To Order、受注生産・カスタマイズ注文)機能」を追加したと発表した。

食品やアパレル、インテリアなどを扱うEC事業者は「オリジナルギフトセットや名入れ商品」「顧客の要望に応じたオーダーメイド商品」「季節や用途ごとの詰め合わせ販売」など、顧客ごとに最適化した商品提供を実現できるようになる。

カスタマイズ注文やオーダーメイド販売は、従来のECシステムでは対応が難しく、システム開発や運用負担が大きいという課題があった。こうした状況を踏まえメルカートは、「誰でも手軽に」「多様なカスタマイズ販売を実現できる」という環境を実現するため、「BTO機能」を開発した。

「メルカート」のBTO機能は、ECサイト上でエンドユーザーが商品内容をカスタマイズして注文できる仕組みを、専門知識不要かつ簡単な操作で実装する機能。たとえば、スーツなどのアパレル商品では生地・サイズ・ボタンの種類を自由にカスタマイズが可能。ギフト商品では詰め合わせの内容やラッピング方法、インテリアでは素材や寸法など、商材に合わせてカスタマイズ設定できる。

メルカートがオーダーメイド注文に対応する新機能、オーダーメイド商品や詰め合わせギフトなどカスタマイズ販売を実現
オーダーメードなど商品内容のカスタマイズ注文を実現する

事業者側の設定は、管理画面から商品を選択して選択肢や組み合わせルールを作成するだけ。複雑なシステム開発や外部ツールは不要。また、顧客がECサイト上で選択した内容はそのまま管理画面に反映されるため、受注から生産、発送まで一連の業務を効率的に進めることができるという。

鳥栖 剛

LINEヤフー、計測タグとコンバージョンAPIを刷新

5ヶ月 1 週間 ago

LINEヤフーが、「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」で「計測タグ」と「新しいコンバージョンAPI」の提供を開始。「コンバージョン測定タグ」や「サイトリターゲティングタグ」などの現行タグ、および従来のコンバージョンAPIは引き続き利用できるが、将来は提供を終了する予定であり、今後は「計測タグ」と「新しいコンバージョンAPI」の利用が推奨される。「計測タグ」はひとつのタグ(グローバルスニペットとイベントスニペット)で計測したイベントデータを複数の目的で活用できるため、現行タグより管理を簡素化できる。

計測タグと新しいコンバージョンAPIの提供開始について
https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20250623/
計測タグについて
https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000054772
コンバージョンAPIについて
https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000055044

noreply@blogger.com (Kenji)

石井食品の「イシイのオンラインストア」、サイトスピードを改善

5ヶ月 1 週間 ago

ミートボールなど加工食品の製造販売を手がける石井食品はこのほど、自社ECサイト「イシイのオンラインストア」のサイトスピード改善を実現した。Reproが提供するサイトスピード改善ツール「Repro Booster」を導入して成果を出した。

石井食品は1945年に佃煮製造で創業した企業。無添加調理による商品作りで、「おべんとクンミートボール」などの人気商品を持つ。ECサイト「イシイのオンラインストア」は、「品質保証号」「厳選素材」「無添加調理」の3大原則で製造したミートボールやハンバーグ、栗ごはんやおせちなどの季節限定商品、地域食材を使用した旬の商品を販売している。

石井食品はECサイトの表示速度改善の必要性を認識しながらも、手が回らず対策が後回しになっていたという。そのため、掲載商品を追加するたびにサイトの情報量が増え、サイト表示速度が遅くなってしまうという状況になっていた。そのなかで、サイト表示速度の課題を解決するためのツールとして「Repro Booster」を導入した。

「Repro Booster」は、特許技術「クリック予測&先読み機能」と「画像フォーマット自動変換機能」により、タグを入れるだけで自動的にWebサイトの表示速度を高速化するサイトスピード改善ツール。初期設するだけでその日からWebサイト全体の表示速度の高速化を実現するほか、導入後の運用も不要。同期間同条件でユーザー群を分けて検証できるA/Bテスト機能があり、速度向上による効果を一目で確認できる。

「イシイのオンラインストア」のサイト表示速度はすでに改善。Webページで最初のコンテンツが表示されるまでの時間を示すパフォーマンス指標「FCP(First Contentful Paint)」と、Webページで最も大きなコンテンツ要素が表示されるまでの時間を示すパフォーマンス指標「LCP(Largest Contentful Paint))」の2つで改善が見られた。モバイルデバイスにおいてFCPは36%改善し0.5秒短縮、LCPは36%改善の0.64秒短縮した。PCではFCPが30%改善し0.44秒短縮、LCPは25%改善の0.40秒短縮となった。

石井食品の「イシイのオンラインストア」、サイトスピードを改善
Google Chromeのエミュレーション機能を用い、スロットリング16Mbpsで撮影
鳥栖 剛

ファッションECのSHOPLIST、「Qoo10」創業メンバーが社長に就任。「NUGU」とのシナジーで年間取扱高300億円をめざす方針

5ヶ月 1 週間 ago

SHOPLISTは7月1日に代表人事を発表、「Qoo10」のeBay Japanで専務執行役員などを務めたキム・ヤンス(金良珠、Kim YangSoo)氏が、代表取締役社長に就任した。あわせてサービスコンセプトとロゴデザインを全面刷新し、ブランド再構築およびグローバル戦略を強化する方針を掲げた。

2025年2月末にファッションECモール「SHOPLIST」を運営するCROOZ SHOPLISTの全株式を、親会社だったクルーズが韓国発のファッションECサイト「NUGU(ヌグ)」のMEDIQUITOUSに売却。7月からサービス名を「Shoplist」に変更、社名はSHOPLISTのままとした。

新社長はどんな人?

新社長のキム・ヤンス氏は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科を修了後、韓国のロッテ中央研究所やファミリーマート、eBay Koreaで勤務した後、eBay Japanでは専務執行役員を務めた。Gmarket、Qoo10、eBay Japanのファッションおよびビューティー領域の事業を統括。「Qoo10」の創業メンバーで役員として15年間勤務した。

「韓国のビューティーブランドを日本市場に成功裏に定着させた立役者としても知られており、今後は『Shoplist』の事業展開とグローバル化をリードしていく予定」とSHOPLISTはコメントしている。

韓国発のファッションECサイト「NUGU(ヌグ)」のMEDIQUITOUS SHOPLISTのキム・ヤンス新社長
SHOPLISTのキム・ヤンス新社長

7月からサービスコンセプトやロゴも刷新

「Shoplist」は2025年7月に、サービスコンセプトとブランドアイデンティティを刷新。ロゴをリニューアルした。

韓国発のファッションECサイト「NUGU(ヌグ)」のMEDIQUITOUS 子会社のSHOPLIST
「Shoplist」の新ロゴ

また、サービス理念として「4つの約束」を掲げた。

  • 信頼:最も安全で信頼されるサービス
  • 新鮮さ:新しく革新的な通販体験の提供
  • 利便性:最も便利で使いやすい通販サイト
  • 社会的責任:社会課題の解決への能動的な貢献

「NUGU」とシナジー創出し年間取扱高300億円へ

「Shoplist」の年間流通総額は約200億円。1万坪規模の自動化物流センター(SHOPLISTロジスティクスセンター)を自社で保有していることなどが強みだ。

今後は、従来の日本国内向けローカル志向から脱却し、K-ビューティーやK-ファッションを中心とする韓国コンテンツのカテゴリを拡充。Mediquitousが運営するファッションプラットフォーム「NUGU」とのシナジーを通じて、年間取扱高300億円以上の達成をめざすという。

鳥栖 剛

入口商品、LINE活用、サンキュークーポンなど「お買い物マラソン」攻略に必要な5つのポイント | 『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』ダイジェスト

5ヶ月 1 週間 ago
『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(竹内謙礼/清水将平 著 技術評論社 刊)ダイジェスト(第7回)

『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』の一部を抜粋して紹介する連載7回目は、「『お買い物マラソン』で新規顧客を増やす方法」についてのお話です。

「楽天市場」を攻略するポイントをまとめた過去記事は、以下をクリックしてください。

新規客を増やす「お買い物マラソン」攻略法

「楽天スーパーSALE」と「お買い物マラソン」の違いは?

「楽天スーパーSALE」と「お買い物マラソン」は、購入した店舗数に比例して、ポイントの倍率がアップしていく買いまわりイベントのことである。最大で10店舗で購入すればポイントが10倍付与されることから、お客からの注目度も高い。

さらに「楽天スーパーSALE」では、楽天がテレビCMなど宣伝をおこなうので集客力が大きく上がる。くわえて、店舗がセール価格に設定した商品を目立たせる「楽天スーパーSALEサーチ」という仕組みもあり、店舗がセール価格に設定することで、売上が伸びやすくなる特徴がある。

一方、お買い物マラソンはほぼ毎月のように開催されており、過去に多いときで月に3回開催されたこともある。買いまわりで付与されるポイントは、利用期限つきではあるものの楽天市場が負担してくれるため、販促の予算が少ないネットショップは可能な限りこのイベントに参加することをおすすめする。

お買い物マラソンは、できるだけ多くのネットショップを回って買い物をすることが目的になるため、「何を買うか決めていないけど、とりあえず何か買おう」と購入商品を決めずに楽天市場内を徘徊しているお客が多い。日用品や消耗品のほうが買われやすいため、できるだけ低価格の商品をラインナップしたほうが、新規のお客が流入しやすい

お買い物マラソンでは、ポイントが付与される条件として「1注文につき1,000円以上(税込)」というルールが定められている。それにあわせて、990円にするよりは1000円ポッキリにするなど、その規定に近い価格の商品を用意することで、買いまわり客を誘導することができるようになる。

たとえば、「送料無料1,000円ポッキリ」というような入口商品は、お買い物マラソンのお客とっては買いまわりの対象になり、「ためしに買ってみよう」と食指が動かしやすい商品になる。

送料込みで1,000円という価格帯の商品を作るとなると、多くのネットショップは赤字になると思われる。しかし、お買い物マラソンで買いまわりのお客を新規客として獲得し、LINEやクーポンでファンに育て上げていく導線ができていれば、見込み客の獲得コストとして割り切るべきところでもある。

楽天スーパーSALEとお買い物マラソンのちがい
楽天スーパーSALEとお買い物マラソンのちがい

お買い物マラソンを「安売り」で終わらせないための5つの施策

お買い物マラソンの施策では、「安売りで終わらせない」という強い意志を持つ必要がある。漠然と送料込みで1,000円の商品を販売し、「商品を気に入ってくれれば、いつかまた買ってくれるだろう」という甘い考えは捨てなくてはいけない。

お買い物マラソンに参加しているお客は、少しでも安く商品を購入し、できるだけ多くの楽天ポイントを集めようとしているヘビーユーザーも多くいる。いろいろな店舗を見て回り、毎回違う商品を買い求めたいお客なので、そうかんたんにリピート客に引き上げられるとは思わないほうがいい

お買い物マラソンで新規客の獲得を目的とした、低価格商品を販売する場合は、以下の5つのポイントはぜひ押さえてもらいたい。

  1. 第2章で解説した、お客に覚えてもらえる店舗名、商品名をつけること。可能な限りお客の記憶に爪痕を残すようなコンセプトのネットショップにする
  2. 「入口商品」のページからイベント会場へ誘導するバナーを設置し、ほかの商品ページを案内したり、まとめ買いのSKUを追加したり、組み合わせ販売でついで買いをしやすくする
  3. LINE活用はマスト。入口商品であっても、LINEで友だち登録してもらい、レビューの投稿を積極的に促し、レビュー数を増やして、次回のお買い物マラソンでも新規のお客が買いやすい商品ページを作ることに注力する
  4. 「◯◯◯◯円以上で◯%OFF」など、単価アップのクーポンを配布する。また、次回に購入してもらうためのサンキュークーポンを配布する
  5. ネットショップの案内や、商品を紹介するチラシなどを同梱して、お客に店舗名を忘れられないようにする。LINE公式アカウントの友だち登録やレビュー投稿を促すキャンペーンなどをチラシで紹介するのも一手

この5つの施策ができていない状態で、お買い物マラソンで「送料無料1,000円ポッキリ」の商品を販売しても、新規顧客の獲得コストを回収できず、赤字の垂れ流しで終わってしまう

このような基本の店舗づくりができていないネットショップは、楽天スーパーSALEやお買い物マラソンに参加する前に、「らくらくーぽん」や「LSEG」などのサービスを導入して、リピート客を増やす施策の準備をしておいたほうがいいだろう。

高価格帯の商品は、LINEやメルマガの告知で集客

高価格帯の商品を取り扱うネットショップでも、お買い物マラソンを有効的に活用することができる。事前にメルマガやLINEでお客を囲い込み、多くのポイントが付与されるお買い物マラソンでセールの告知をおこなえば、「機会があれば買おうと思っていた」という心理が働いて、購入に結びついてくれるかもしれない。

このようなプッシュ型のマーケティングを仕掛けるためにも、非リピート商品や高価格帯の商品でも、日ごろからメルマガやLINEを活用した販促はおこなっておいたほうがいいだろう。

この記事は『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(技術評論社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~

楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~

竹内謙礼 /清水将平 著
技術評論社 刊
価格 2,400円+税

「楽天市場に出店したいけど、売れるかどうか不安だ」「楽天市場にお店を出したけど、思うように売れない」「何年も楽天市場に出店しているけど、売上が少しずつ落ちている」といった悩み・課題を解消するプロの知識・ノウハウを解説。EC運営初心者、ベテラン運営者も新たな発見につながる一冊となっている。

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竹内 謙礼
清水将平

セレス、ヒト幹細胞配合のD2Cスキンケアを展開するエムコーポレーションを買収。D2C領域の新たな価値創出+持続的成長めざす

5ヶ月 1 週間 ago

D2C事業、ポイントサイトの運営などを手がけるセレスは6月27日、D2Cスキンケアブランド「ステムボーテ」のエムコーポレーションを買収すると発表した。エムコーポレーションの全株式を取得して完全子会社化する。買収価格は非開示。

エムコーポレーションはセレスの傘下となる
エムコーポレーションはセレスの傘下となる

セレスはエムコーポレーションの「ステムボーテ」を取得することがD2C事業の強化につながると判断。グループ戦略としてエムコーポレーションの子会社化を決めた。

セレスとエムコーポレーションのマーケティング資産、チャネル、ブランド開発力といった事業アセットにおける補完関係を踏まえ、商品開発・販路拡大・CRMなどの分野において具体的な協業を進め、D2C領域における新たな価値創出や事業成長をめざす。

セレスは近年、機能性インソール「ピットソール」の企画・販売、まつ毛美容液が主力の「PHOEBEE BEAUTY UP」を運営するDINETTEとの業務提携を強化。低用量ピルのオンライン診療サービス「エニピル」の運営など、D2C領域へ積極的に投資している。

セレスの2024年12月期(通期)実績。D2Cでは「ピットソール」の販売などが好調に推移したという(画像はセレスのIR資料から追加)
セレスの2024年12月期(通期)実績。D2Cでは「ピットソール」の販売などが好調に推移したという(画像はセレスのIR資料から追加)
2026年12月期を最終年度とした中期経営計画では、D2C事業は売上高80億円、営業利益16億円、営業利益率20%をめざしている(画像はセレスのIR資料から追加)
2026年12月期を最終年度とした中期経営計画では、D2C事業は売上高80億円、営業利益16億円、営業利益率20%をめざしている(画像はセレスのIR資料から追加)

エムコーポレーションは、ヒト幹細胞培養液を配合したD2Cスキンケアブランド「ステムボーテ」を2017年から展開しており、顔だけでなく全身に使えるローションを日本で初めて商品化した。

ローション「ステムボーテローション」(左)、ローションの前に使用するブースター「ステムボーテブースタージェル」(右)
ローション「ステムボーテローション」(左)、ローションの前に使用するブースター「ステムボーテブースタージェル」(右)
大嶋 喜子

Eコマースにおける生成AI活用は「テキスト化のスキル」「活用で業務をよりラクにできる発想」が求められる | 竹内謙礼の一筆啓上

5ヶ月 1 週間 ago
Eコマース業界でも注目度が高く、活用範囲が広がりつつある生成AI。EC事業者がAIを活用するために必要なこと、留意すべき点などを、マーケティングテクノロジストの柳井隆道氏にインタビューした(連載第30回)

Eコマース業界でも注目を集める「生成AI」。商品のキャッチコピー作成から戦略立案まで、その活用範囲は日々広がりを見せている。一方、その本質を理解せず、誤った解釈をしている人も少なくない。今回、東京大学在学中からエンジニアとしての経験を積み、現在マーケティングテクノロジストとして活躍している柳井隆道氏(Option合同会社 代表社員)に、データとテクノロジーの最前線から見た生成AIの現状とネットショップ運営の課題について話を伺った。前半のこの記事では、生成AIを活用してECサイトの売れる商品説明文などを作る際に必要なスキルなどについて話している。

生成AIに関して参考になる情報とは?

竹内:柳井さんは「マーケティングテクノロジスト」として活躍していて、ネットビジネスにおけるデータの計測から、整理、活用提案などを企業に対して行っています。東京大学在学中に統計学を学んだことがデータ解析に興味を持ったきっかけと伺っていますが、そこで学んだ知識も、生成AIへの興味につながっているのでしょうか。

柳井氏:興味としてはつながっていますが、知識としてはあまりそのまま使えることはありません。統計学はスモールデータを前提とした古い学問で、実験や調査結果を理論付けるためのツールです。一方、生成AIの機械学習やディープラーニングは、ビッグデータを扱うコンピューターサイエンスの流れからきていて、統計学とは系譜が異なります。

竹内:ビッグデータとスモールデータでは、根本的な考え方が違うんですね。私のようなテクノロジー分野が苦手な人間だと、その違いすらわかりません。特に生成AIに関しては専門書だと内容が難しすぎて理解できず、かといって平易なビジネス書では情報のエビデンスが怪しくて、何を参考に情報収集をすればいいのかわからないところがあります。

柳井氏:生成AIの最先端研究を行っている東京大学の松尾・岩澤研究室から発信されている情報は信頼できると思います。彼らは大学内だけでなく、外部にもカリキュラムを提供していて、書籍も多数出版しています。正しい生成AIについて学ぶのであれば、この研究室の教材が参考になると思います。

東京大学の松尾・岩澤研究室と企業との共同研究事例
東京大学の松尾・岩澤研究室と企業との共同研究事例(画像は松尾・岩澤研究室のサイトからキャプチャ)

生成AI利用時は「目的を明確にすること」が重要

竹内:2023年に「ChatGPT」が登場しましたが、柳井さんも「おおっ!」と驚いた側なのでしょうか? それとも、その前から生成AIの技術の存在はご存知だったのでしょうか?

柳井氏:生成AIの技術自体は知っていました。元々AIは機械学習の技術で、大きく「予測」と「生成」の2つに分類されます。「ChatGPT」はそのなかでも「生成」の技術ですよね。私は予測の方を専門としていたので、生成という技術も知識としては知っていましたが、「こういう形になったんだな」というのが率直な感想です。

竹内:では「ChatGPT」が登場した時、「これはビジネスで使える」と思ったんですね。

柳井氏:いや、最初は疑いがあって。そして、使っていくうちに「やっぱり疑った通りだったな」と(笑)。生成AIはビジネスツールとして活用すべき部分が大いにあるし、どんどん試して使うべきだと思っていますが、「生成AIが言っているから正しい」と盲信し過ぎることは、あまり良くない傾向だと思っています

竹内:どういうことでしょうか?

柳井氏:生成AIを使用する際に意識すべきことは、「何のために生成AIを使うのか」利用目的を明確にすることだと思っています。知識を求めるのか、作業を効率化したいのか、それともクリエイティブなコンテンツを生成してほしいのか――使い方と目的によって、導き出される回答の精度は大きく変わってきます。

特にマニアックな分野や専門的な分野、細かい言葉尻、たとえば一文字違うだけで意味がまったく異なるようなものは、不正確な回答を出してしまうケースが多いです。技術用語なども「これはまったく違うぞ」ということがよくあります。

「何が売れるのか」などプロンプトに十分なコンテキストを与える

竹内:コンサルタントの現場でも、ニッチなマーケットを調べようとしたら抽象的な回答しか出てこないケースが多いです。限られたマーケットの、さらにEコマースに絞り込んだなかで、ネットショップの売れるキャッチコピーを生成AIに考えてほしいとなると、かなり専門的な分野の回答を求めることになりそうですね。

柳井氏:もし、ネットショップの売れるキャッチコピーを生成AIに考えてほしいのであれば、まずは何が「売れる」のかということを、プロンプトにコンテキスト(文脈)として与えなくてはいけません。生成AIは、ある事象が起こるという条件のもとで、別のある事象が起こる「条件付き確率」で回答しているので、「最もありそうなもの」「無難なもの」を返すロジックになっています。

つまり、今与えられている状況や材料のなかで、最も多数派の回答を返すだけなので、その条件がぼんやりしてしまうと、どうしてもぱっとしない回答を返してしまうところがあります。

竹内:条件をもっと細かく設定して、具体的なプロンプトを入力しなければ、ネットショップで売れるキャッチコピーや商品説明文を生成AIに書かせることは難しいということなんですね。

柳井氏:生成AI運用のコツは、プロンプトに十分なコンテキストを与えることなんです。たとえば「何が売れるのか」という判断基準や、「ターゲットは誰か」「どんな状況で使うものか」「何を解決する商品なのか」「使うことでどんな風になれるのか」などの条件を適確に与える必要があります。そうすることで、生成AIはより質の高い回答を導き出すようになり、顧客の消費心をくすぐる言葉を生み出してくれるようになります。

マーケティングテクノロジストの柳井隆道氏
(画像は「アナリティクス アソシエーション」のサイトからキャプチャ)

生成AI利用で必要なことは「テキスト化のスキル」

竹内:でも、そんな精度の高いプロンプトを書き出せる人は少ない気がしますが……。

柳井氏:その通りです。だからこそ、これからの時代に求められるのは、自分の欲しい回答を生成AIに導き出させるための「テキスト化するスキル」ではないかと思っています。

竹内:文章を書くことが苦手な人にとって便利な生成AIが、実は文章を書くスキルが最も求められるツールになるんですね。これは想定外の見解です。でも、売れるキャッチコピーに限らず、売れる商品や売り方などは、常識を超えるような斬新な発想から生まれるケースが多いです。こうした突飛な発想も、プロンプト次第で生成AIに作らせることは可能なのでしょうか。

柳井氏:想像を超えるものや突き抜けた考え方を生成AIに導き出させることは難しいと思います。「80点のものは作れるけど、120点は無理」というのが今の生成AIではないでしょうか。ある程度のクリエイティブな仕事はやってくれますが、今までの枠組みをすべて外れたようなことは生成AIが苦手としているので、そういう作業は今後も人間の仕事になってくると思います。

売れる言葉は「執着心」で作る

竹内:生成AIの作る文章を「読みにくい」と感じる人もいれば、「読みやすい」と感じる人もいます。個人的には、文章力のない人ほど「生成AIの文章は読みやすい」と言っているような気がしていて、まだまだネットショップのような「人にモノを買わせる」というレベルの文章には達していないように感じています。

柳井氏:そのあたりも、「〇〇に向けた文章だから、もっと噛み砕いて書いて」とか「フォーマルに書き直して」といったプロンプトで文章の読みやすさは調整可能だと思います。今の生成AIの文章のクオリティであれば、顧客満足度の高い文章のレベルにまで達しているのではないでしょうか

竹内:なるほど。私自身、ネットショップを運営していた経験があるせいか、売れる文章に対する判断基準が他の人より厳しめなのかもしれません。クリエイティブな仕事に慣れている人は、どこかでキャッチコピーや文章のクオリティの妥協点を見つけていかなければ、生成AIを使いこなして仕事を効率化していくことが難しそうですね。

柳井氏:作業にどこまでこだわって、どこで妥協するのかの判断は大事だと思います。たとえば生成AIで良質な文章を作る場合、一度のやり取りだけでなく何度もフィードバックを繰り返して、修正を続けて完成させる必要があります。むしろ、生成AIに一発でクオリティの高い文章を書かせることの方が難易度は高いと思います。

「生成AIを使えばもっとラクに仕事ができる」という発想を持つ

竹内:読みやすい文章にするために、人間が何度も修正するのと似ていますね。

柳井氏:多くの人が良い文章か悪い文章かを判断する基準を持っていません。だからこそ、売れる言葉を導き出すために、何度も壁打ちをする必要があります。そういう意味で言えば、人間の売れるために妥協しない「執着」という気持ちが、生成AIの活用には非常に重要だと思っています。

竹内成功している経営者は、「売れるためなら何でもやってやる」という執着心が強いですからね。執着心が強い人は売れる言葉を導き出すために徹底して生成AIを使い倒すし、「このへんでいいだろう」とすぐに妥協してしまう人は、生成AIを使っても売れる言葉にまでたどり着けない可能性がありそうですね。

柳井氏:そこが生成AIを盲信し過ぎてしまう人の懸念するべきポイントだと思っています。安易に生成AIの吐き出した答えを信じてしまうと、今度は自分で物事を考えることをやめるようになって、最終的に仕事の現場から排除されてしまいます

竹内:生成AIの回答をそのまま使うような人材であれば、生成AIで仕事はこと足りてしまいますからね。

柳井氏:肝心なことは「生成AIを使えばもっとラクに仕事ができる」という発想を持つことです。優秀なエンジニアが最も怠惰であるように、自分がやっていることをいかに機械にやらせるかを考える努力は、今後はますます重要になっていくと思います。

竹内:話を伺っていると、生成AIの活用はプロンプトがカギを握っているような気がします。プロンプト構築のスキルアップ方法はあるのでしょうか?

柳井氏: 基本的なプロンプトのテクニックは各生成AIの公式サイトで公開されています。「ChatGPT」なら「ChatGPT」の資料、「Claude」なら「Claude」のプロンプトのテクニックが存在しており、共通しているところも多いので、まずはそこを押さえることが重要です。

「Claude」のプロンプトエンジニアリングの概要
「Claude」のプロンプトエンジニアリングの概要(画像は「Claude」のサイトからキャプチャ)

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筆者出版情報

楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~

楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~

竹内謙礼 /清水将平 著
技術評論社 刊
価格 2,400円+税

「楽天市場に出店したいけど、売れるかどうか不安だ」「楽天市場にお店を出したけど、思うように売れない」「何年も楽天市場に出店しているけど、売上が少しずつ落ちている」といった悩み・課題を解消するプロの知識・ノウハウを解説。EC運営初心者、ベテラン運営者も新たな発見につながる一冊となっている。

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竹内 謙礼

慎重に購入する商品は家電などの「高額なもの」が47%。情報源は「口コミ」61%、調べる場は「ECサイトの口コミ欄」「商品ごとの口コミサイト」

5ヶ月 1 週間 ago

マイスタースタジオが実施した「慎重に調べてから購入するものに関する意識調査」によると、購入前に慎重に調べる商品・サービスについて半数近くが「高額なもの」と回答した。慎重に調べたい時に使う情報源は6割以上が「口コミ」で、調べる際は「リアルよりネット」「公式より一般ユーザー」を重視する傾向があることがわかった。

調査対象は全国の男女509人。内訳は女性336人、男性173人。調査期間は2025年4月12~16日。

購入前に慎重に調べるのは「高額なもの」「健康に関わるもの」

購入前に慎重に調べる商品・サービスの特長を聞いたところ、最も多かったのは「高額なもの」で47.9%、続いて「健康に関わるもの」が11.4%、「口に入れるもの」が9.4%だった。

購入前に慎重に調べる商品・サービスの特長(複数回答可)
購入前に慎重に調べる商品・サービスの特長(複数回答可)

大型家具・家電などの「高額なもの」と答えた回答者からは、慎重に調べる理由として「失敗したくないし、簡単に替えがきくものでもないので、しっかり下調べをする」「目的に合った商品でなかった場合に、気軽に買い換えられないから」といった声があがった。

薬など「健康に関わるもの」と答えた回答者からは、「安全性を確認したい」「健康被害が出ることは絶対に避けたい」といったコメントがあがった。

食品、サプリメントなど「口に入れるもの」と答えた回答者からは、「過去に失敗した経験がある」「副作用が気になるので調べてから購入する」といった意見があがった。

「家電」「化粧品」「サプリメント」を慎重に調べてから購入

実際に慎重に調べてから購入した商品・サービスを聞いたところ、「家電」が最多で32.0%、続いて「化粧品」が18.7%、「サプリメント」が13.4%、「パソコン」が10.6%。“高額品”“健康に関わるもの”など、購入前に慎重に調べる商品・サービスで上位に入った特長にあてはまるものが上位を占めた。

実際に慎重に調べてから購入した商品・サービス(複数回答可)
実際に慎重に調べてから購入した商品・サービス(複数回答可)

情報源は「口コミ」61%

慎重に調べたいときに使う情報源は、最多が「口コミ」で61.7%だった。口コミを調べる場としては「通販サイトの口コミ欄」「商品ごとの口コミサイト」があがったという。

「口コミ」に続いて多かった情報源は、「SNS」が31.4%、「YouTube」が16.3%だった。

調査結果によると、購入時に商品・サービスについて調べる際には、消費者は「リアルよりネット」「公式より一般ユーザー」を重視する傾向があり、ネット上で調べる場合には口コミやSNSなど「リアルな声や体験談」を重視するユーザーが多くなっている。

慎重に調べたいときに使う情報源(複数回答可)
慎重に調べたいときに使う情報源(複数回答可)

信頼できる情報源の条件は「実体験に基づいている」

信頼できる情報源の条件を聞いたところ、最も多かったのは「実体験に基づいている」で29.9%、続いて「情報提供者に信頼性がある」が22.0%、「偏った意見ではない」が21.8%だった。

マイスタースタジオは、「ネット上の口コミや商品情報に対して、疑念を抱いている人が多いことがわかる。情報を振るいにかけるために、『実体験が書かれているか』や『発信者の素姓』を重視する」と考察している。

信頼できる情報源の条件(複数回答可)
信頼できる情報源の条件(複数回答可)

信頼できる条件として「実体験に基づいている」と答えた回答者からは、「実際体験した人が書いているものなのか」「実際に使用したことによる感想や体験談」といったコメントがあがった。

「情報提供者に信頼性がある」と答えた回答者からは、「公式で出している情報。また情報提供者の口コミ履歴を確認できる場合は、その内容が信頼できるか」「メーカーやサービス元の公式ホームページ」といった声があがった。

「偏った意見ではない」と答えた回答者からは、「どんな製品やサービスもいい情報ばかりではないと思うので、『もっとこうしたらさらにいい』などの課題やデメリットも合わせて、忌憚(きたん)のない意見が書いてあること」「専門店の比較記事なら、偏りが少ないこと」といった意見があがった。

6番目に多かった「口コミが多い」を信頼できる条件に選んだ回答者からは、「口コミ数が少ないのは信用していない」といった意見が見られた。マイスタースタジオは「口コミが極端に少ない場合には『人気がない』『情報が不十分』と捉えられかねない」と指摘している。

調査概要

  • 調査期間:2025年4月12日~16日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 調査対象:全国の男女509人(女性336人/男性173人)
  • 回答者の年代:10代 1.0%、20代 18.5%、30代 36.9%、40代 22.6%、50代 16.7%、60代以上 4.3%
大嶋 喜子

SHIPS、回収した衣料品のリユース品販売に参入、ECサイト「SHIPS CYCLE MARKET」を開設

5ヶ月 1 週間 ago

シップスはリユースプロジェクトの公式リユースECサイト「SHIPS CYCLE MARKET(シップス サイクル マーケット)」をスタートした。

リユースプロジェクトは全国のSHIPSスタッフが着用した衣料品、ユーザーが着用していた商品を回収し再販するというもの。回収品は1商品ずつ状態を検品し、再販できると判断できた商品をメンテナンスし、「SHIPS 認定リユース品」としてECサイトで販売する。

再販売できない回収品は提携先を通じてリサイクル(繊維製品の素材/固形燃料など)し、資源の循環を進める。

「SHIPS CYCLE MARKET」では、SHIPSで過去に取り扱ったアパレル製品を再販する。価格設定は商品状態と製造年数に応じて新品販売価格の30~40%程度とする。回収から再販までの流れは次の通り。

  • 衣料品回収:Webサイトで回収(同社の上位顧客+スタッフのみ)
  • 仕分け・査定:ブランドのガイドラインに沿った基準で検品
  • メンテナンス:提携工場でのクリーニング・リペア
  • 撮影・登録:ECサイトへの商品情報登録
  • 販売:オンラインでの全国販売
  • 配送:環境配慮型パッケージでの配送
SHIPS、回収した衣料品のリユース品販売に参入、ECサイト「SHIPS CYCLE MARKET」を開設
回収から再販までの流れ

初期の衣料品回収は「SHIPS Member's Club」のSILVER会員以上に限定して実施。5000点を超えるアイテムを収集したという。同社によると回収した商品の品質は非常に高く、厳しい検品基準で確認したところ80%以上が再販できる状態だったという。

SHIPS、回収した衣料品のリユース品販売に参入、ECサイト「SHIPS CYCLE MARKET」を開設
メンテナンスなどの様子

シップスは「ファッション業界が抱える廃棄の課題に対して、しっかり向き合い、このプロジェクトを通じてサステナブルな選択肢を提示し、行動につなげていく」としている。

鳥栖 剛

リアルとECをお客が循環する人気ラーメン店「飯田商店」。職人の情熱がつなぐリアルとデジタル【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

5ヶ月 1 週間 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年6月16日~6月29日のニュース

ECには現実を、そして想像をも超えるパワーを持っています。ラーメン界のカリスマであり予約困難の有名店「飯田商店」がECを始めた時、2分で数百セットが完売するという現象が起きました。リアルとデジタル、限られたスペース・席数と限りなく広がる商圏・無限の空間、そこから得たチャンスと怖さとは? 今回は超有名店が得た「実店舗×EC」の実体験をピックしました。

「飯田商店」が語る、リアル店舗とECの交差点

「日本一予約がとれないラーメン店」飯田商店が語る、15年間の軌跡とECへの挑戦 | PRESIDENT Online
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/105266

最初は50セットか100セットくらいの在庫だったと思うんですけど、1個2個と少しずつ売れていくのではなく、Twitter(当時)で宣伝してから2分くらいで完売してしまったんです。ある意味怖かったですね、こんなに売れるの?って。

実店舗で何百セット分もお土産を販売するのなんてかなり時間がかかるじゃないですか。それと同じくらいの金額が数分で動いてしまったので、正直めちゃくちゃ怖かったですよ。

実店舗で何百セットも売るのに時間がかかるお土産が、ネットに出した瞬間2分で完売した。

これは飯田商店にとって嬉しさと同時に「怖さ」でもあったようです。

EC事業を長く営まれている皆さんは、同じような経験があったかと思います。EC事業が短い皆さんは、いまだ経験していないことかもしれません。

ECのパワーって本当にすごいんです。

「ネットで買ったことはあるけど、やっとお店に来れました」と。こちらからお尋ねしているわけではないのですが、今でも週1組くらいには言っていただけますね。

うちの店も含め、やっぱりどこの飲食店でも席数には限りがありますけど、通販だったら無限にやれるじゃないですか。そこでいい商品を作れれば、そのぶんまた盤石な商売につながっていくのがECの利点ですよね。全国が商圏になりますから。

飯田さんが語っていたのが「EC経由で知ったお客様が、リアル店舗に訪れてくれる」という事実。ECとリアルは相反するもののように思えますが、むしろ「循環する導線」を持っているということなんですよね。

そして、席数に限りのある実店舗とは違い、ECは理論上「無限」に届けられる。

全国が市場になり得る。改めてそのことを飯田商店は教えてくれています。

要チェック記事

日本初の“EC×包丁研ぎ”が大ヒット! 能登の鍛冶職人「ふくべ鍛冶」が見据える新たな市場展開 | よむよむCOLOR ME
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/105144

伝統職人のリスキリング的アプローチ。地域に眠る力が、ECで蘇る好例かもしれませんね。

“転売ヤー”を黙らせたスイッチ2 任天堂が挑んだ、かつてない出荷&抽選戦略 | ITmedia ビジネス ONLiNE
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2506/14/news029.html

個人的には転売がめちゃくちゃ悪いこととも思ってないですが、メーカーの意志は優先したいかなと。

「検索」から「対話」へ 老舗『Rtoaster』が描く、生成AI時代の“出会うUX” | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/46059

「探す」から「出会う」への変化。AIによって時代が根本的に変わりつつあるのかもしれません。

「採算取れるの?」→まさかの回答が…ゲーム世界をリアルに再現!「ドラゴンクエストウォーク」イベントで見えた”凄まじいこだわり” | 東洋経済 ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/884228

体験価値が大切になる時代。「採算」ではなく「共感」からが次のゲームをつくっていく。

定期通販モデルに特化した精度の高いLTV予測。ecforceがAIの機械学習でLTV予測を実現 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/14246

実はLTVって「算出しずらい」。なぜならお客さまが購入を止めたかはわからないから。どんどん挑戦して欲しい!

「ふるさと納税はネット通販じゃない」総務省、吉備中央町と須坂市を対象から除外 | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2506/13/news094.html

こういうところはきっちりしないとね。地方自治体ではなく、中間業者が提案しているのだろうが……。

今週の名言

「ガンダムが人生の優先順位でいちばん上」という31歳が作り上げた「圧倒的」趣味部屋。夢と現実、葛藤の日々を越え見つけたバランス | 東洋経済 ONLiNE
https://toyokeizai.net/articles/-/886214

ガンダムという絶え間なく拡張する世界と、自分自身の生活。そのふたつを、どう共存させていくのか? タカハシさんが選んだ答えは、「混ぜる」のではなく「並べる」だった。

趣味と暮らし、それぞれの“居場所”をきちんと分けながら、どちらも手放さずに生きていく。

「混ぜる」のではなく「並べる」という考え方。趣味と暮らし、それぞれに明確なそして並列の居場所を与えることで、両方とも大切にできる。

これはビジネスにも通じる姿勢に感じます。EC事業でも、「仕事」と「想い」が混ざってしまいがち。でも分けてみることで、それぞれの価値が見えてくる。

冷静と情熱を「並べる」。そんな働き方もよいのかもしれません。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

石田 麻琴

【2025年版】SEOとは? 企業が実施するSEOの目的・内容とメリット・デメリット

5ヶ月 1 週間 ago

SEOとは、検索エンジンで上位に表示されるようWebサイトを最適化する取り組みです。近年はAI Overviews(旧SGE)などの生成AIによる検索結果表示が進化し、従来の順位よりも「AIに引用されやすい情報設計」が重要になっています。キーワードだけでなく「意味」や「構造」、そして「信頼性」がSEO成功のカギです。

Googleの生成AI 機能『AI Overviews』がデフォルト表示になり、従来の“順位”だけでなく『AI 回答に引用されるか』もSEO成果を左右します。

参考:AI Mode時代のSEOと必要な施策・戦術は何なのか?

SEOとは

SEOは「検索エンジン最適化」Search Engine Optimizationの略称です。
検索エンジンのしくみ、検索エンジンの動作を決定するコンピュータプログラムのアルゴリズムを理解し、ランキングの向上、検索エンジンの認知度の向上、自然検索の流入拡大の為に必要な技術的手法であり、マーケティングプロセスです。

「SEO対策」とは、一般的に検索エンジンへの最適化によりサイトを検索結果で上位表示させるための、様々な施策のことを指しています。

SEOの目的は、順位向上と検索結果上での見つけやすさ向上による事業への貢献

SEOを行うモチベーションは、多くの場合、サイトにユーザーを集客し商品購入などのアクションを行ってもらうことです。

なぜなら、サイトを作成しSEOが成功した場合、ある程度放置をしてもユーザーのサイト訪問が期待でき、継続的な収益が見込めるからです。 SEOを成功させてサイトの価値を高めることは、貴社ビジネスの成長に大きく貢献するでしょう。

サイトの価値の高め方 サイトの価値を高めるためには、2つの考え方があります。

検索順位を高めることで検索エンジンからアクセス数を増やす

検索結果の表示は「広告枠」と「自然検索(オーガニック検索)枠」に分かれており、SEOは「自然検索枠」における露出を高める、つまりは上位表示させるために行う施策です。

自然検索での順位が高ければ高いほど検索ユーザーのクリック率が高まるため、Googleなどの検索エンジンの検索結果でより上位に表示させることにより、自社サイトへとアクセスするユーザーを増やすことができます。

参考:SEMとは?SEO・リスティング広告との違いや使い分けて成果を出すコツ

見つけてもらう「ファインダビリティ」の向上

SEOでは、指標として利用しやすいということもあり、特定のターゲットキーワードの順位が気になるものです。 ここで、SEOの本来の目的は何か?ということを考えてみましょう。

あなたはなぜサイトを運営し、SEOによって集客したいと考えているのでしょうか?

それは、ユーザーにウェブサイトを見つけてもらい、ウェブサイトに来てもらうことです。この見つけてもらいやすさのことを「ファインダビリティ」といいます。

単なる順位上昇と何が違うの?と思うかもしれません。

SEO Japanの例

当SEOJapanを例にしてみます。当サイトではSEO関連、コンバージョン改善を中心としたコンテンツを発信しています。ターゲットとしているビッグキーワードは「SEO」や「SEO対策」です。

「SEO」や「SEO対策」といったキーワードを狙うだけなら、それらの順位上昇に寄与するキーワードのみでコンテンツを発信すればいいのですが、当サイトとしては、他にもユーザーが知りたいと考えているであろう有益な情報を発信したいと考えています。

そのため、単に自社のことだけを考えたSEO用のコンテンツだけではなく、SEO会社として発信すべき情報が何かを厳選し、ユーザーが検索するであろうキーワードを用いてコンテンツを作成しています。結果として、「SEO」や「SEO対策」以外のキーワードでも流入を獲得できており、ファインダビリティの向上につながっています。

この施策のメリットは、ビッグキーワードを狙うわけではないため、順位上昇が比較的容易なことです。また、まだ世の中にないキーワードを作成して社会に認知させていきたいという場合も、このファインダビリティの考え方は有効です。

デメリットは、ビッグキーワードの順位上昇に貢献しにくいことと、流入数の上昇が緩やかであることです。 ファインダビリティを成果指標とする場合は、最適な指標はサイトごとに異なるものの、流入キーワードの数や流入数を指標にするとよいでしょう。

SEOを行う場合、ターゲットキーワードはビッグキーワードであることが多いため、上位表示したときのインパクトや達成感はひとしおです。しかし、サイトのあり方を今一度考え、発信すべき情報や貴社の事業的に獲得すべきキーワードを見つめ直してもよいかもしれません。

少し遠回りに思えるかもしれませんが、その施策がサイトの価値を高め、ビッグキーワードを狙うための下地作りにもなります。

SEOのメリットとデメリット

SEOのメリット

SEOの主なメリットとしてあげられるのが、

  • 顧客の潜在層に幅広く露出できる
  • ストック資産化による費用対効果の高さ

の2点です。

ユーザーは購買行動の過程において、購入・申し込みを行う前に認知、検討、調査といった段階を踏みます。この潜在層のユーザーが検索エンジンを利用して調べるため、SEOによって顧客の潜在層へと幅広くアプローチできるようになるのです。

また、リスティング広告や一般的な広告は都度費用が発生し、効果を上げるためにはコストを払い続ける必要があります。 特に、リスティング広告の場合、アクセスごとに費用が発生するために費用がかさみやすい、コストコントロールの難易度が高いといった課題もあります。

これに対して、SEOにより検索上位に表示されるようになったサイトは、アクセス獲得のための直接的な費用が発生しません。

サイトおよび施したSEOはストック資産となり、高い費用対効果が期待できます(ただし、定期的にメンテナンスをしなければ、順位が下がっていくリスクがあります)。

SEOのデメリット

一方で、SEOにはデメリットあるいは苦手な分野も存在しています。

例えば、SEOはどうしても中長期的な取り組みが必要となるため、広告のように短期で成果を出すことにはあまり向いていません。

短期的に成果を上げたい場合や、トレンド性の高いキーワードに対して能動的にアプローチすることは、検索エンジンの特性上難しいといえます。

ただし、上記はどちらかといえば、メリット・デメリットというよりも性質の違いと捉えるべきであり、広告枠を購入するリスティング広告と自然検索結果からの流入は、それぞれ異なる目的を持って施策するのがよいでしょう。

成果を出すための具体的なSEO施策の種類や方法

SEO施策は闇雲に行っても効果がありません。成果を出すためには、いくつかの具体的な定石に従って施策を行う必要があります。

特にAIOでは『表形式・箇条書き・引用元リンク』が抽出対象になりやすく、コンテンツ設計段階で“要約されても誤解されない構造”を意識する必要があります。

ここでは、基本となる「内部対策」と「外部対策」について説明します。

内部対策|コンテンツSEOとテクニカルSEO

内部対策には、大きく分けてコンテンツSEOとテクニカルSEOの2つがあります。

コンテンツSEOは「検索ユーザーのニーズに対応するコンテンツを導入することでサイト価値の向上を行う」というコンテンツ面からのアプローチであり、いかにユーザーの検索意図(インテント)に沿い、わかりやすくかつ信頼性が高い情報を適切に届けられるかという施策です。

ユーザーにとっては、検索という行動自体は目的ではなく、あくまでも「何らかの課題を解決したい」「何らかの要望を満たしたい」といった目的のために検索を行っています。

コンテンツを制作する際は、検索ユーザーの目的や意図を深掘りした上で、ユーザーの検索リテラシー(以下、リテラシー:検索によって情報を収集する能力)に見合った伝え方を設計する必要があります。

一方のテクニカルSEOは、「HTML要素やサイトの内部構造を最適化することで、検索エンジンに正しく評価される状態を整える」という技術的なアプローチです。

ただし、HTML要素やサイトの内部構造の最適化には、ある程度定石化されたルールがあるものの、決まった正解というものはありません。ターゲットユーザーの属性やサイトの立ち位置などにより、柔軟に施策内容を変えることが求められます。

重複コンテンツがあったとしても、ECサイトならページを残しておきたい場合もあるため(その状況が発生することは検索エンジンも理解しているので)、canonicalを使用することになります。

その状況において、どのページにcanonicalを向けるかは状況やサイトによりますし、SEO担当者の考え方でも変わってきます。

様々なタグの役割と、ページごとの目的、サイトの状況を鑑みて、適切な施策を行うことが重要です。

参考:SEOにおいて内部対策と外部対策はどちらが重要?優先順位やメリットについて解説

外部対策|外部リンクとメンション

外部対策とはその名の通り、対象となるサイト内そのものではなく、外部との関係において評価を高める施策です。 サイト内のコンテンツがユーザーにとって有益な場合、それを見たユーザーが自分のブログやサイト内で紹介し、リンクを貼ってくれるケースがあります。

この外部サイトからのリンクは、実際に読んだ人が良いサイトだと思ったからリンクされるので、検索エンジンはこの指標を高く評価しています。

かつては、自分で複数のサイトを作成し、上位表示を実現したいサイトへリンクすることで、上位表示できた時期もありました。

しかし、現在、その手法はほとんど通じません。

現在のSEO施策の本質は、ユーザーにとって良いサイトを育てていくことです。外部評価はその過程で、結果的に増えていくものです。ユーザーにとって良いサイトを育てていった結果、サイト内部も外部も強力なサイトになり、様々なキーワードで上位表示されるようになります。

また、単にリンクを集めているだけでなく、どのような評判を獲得しているかというメンション(Mention:言及)も重要です。

サイトやブログ、SNSなどでどれだけポジティブなメンションを集めているかによっても、サイトの評価が高まります。

Google(検索エンジン)の仕組みとSEOにおける基本の考え方

日本におけるSEOは、実質的にはGoogleを意識した施策とほぼ同義になっています。

というのも、日本における検索エンジンのシェアはGoogleが約65%を、Yahoo!が約30%を占めており、さらにYahoo!の検索エンジンはGoogleのアルゴリズムを採用しているからです。

Yahoo!は独自のアレンジを若干加えてはいるものの、検索順位はGoogleのものとほぼ一致します。

そのため、SEOを適切に実施するためにも、Googleの基本的な仕組みや考え方について理解しておきましょう。

Googleの目的とビジネスモデル

いまや誰にとっても当たり前の存在となりつつあるGoogleは、1998年9月4日に当時スタンフォード大学に在籍していたラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創業されました。

そのGoogleが掲げる最大の目的は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」であり、創業以来これをミッション・ステートメントとして検索エンジンをはじめとしたインターネット関連のサービスや製品を提供しています。

Googleでの検索自体は無料で利用できるようになっており、代わりにGoogleでは、サイト運営者向けの広告配信サービスであるGoogle広告(旧Google Adwords)を提供しています。

これは、冒頭で述べたGoogleの広告枠に費用を対価として自社サイトを掲載する仕組みです。

Google広告で自社サイトの広告を出稿すると、特定のキーワードで検索したときに広告枠に自社サイトへのリンクが表示されます。そのリンクが検索結果画面上でクリックされるとGoogleに所定の金額を支払うことになります。

ここからの広告収入が全体の60%以上を占めています。

つまり、Googleを通じて検索を行うユーザーが増えれば増えるほど、Googleのビジネス自体が拡大する仕組みとなっています。

念のために付け加えておきますが、自然検索枠においては、自社サイトへのリンクがクリックされても費用が発生することはありません。

Googleが評価するサイトは「ユーザーに必要とされるサイト」

Googleは、検索キーワードを「質問」、検索ボックスを「質問箱」、サイトを「答え」と位置付けており、ユーザーに的確な答えやユーザーが探している情報を提示できるサイトをより高く評価します。

Googleにとっては、より多くのユーザーにGoogleでの検索を利用してもらう必要があり、そのためには「Googleの検索は便利、役に立つ、満足できる」とユーザーに感じてもらうことが欠かせません。

こうした理由から、Googleは検索ユーザーが納得できる検索体験を提供することを目指して、現在も検索エンジンの改良を行っています。

そして、ユーザーの検索体験の満足度を重視するGoogleでは、「ユーザーに必要とされるサイト」を高く評価するためのアルゴリズムを追及しています。実際にそのような満足度の高いサイトの多くが上位表示されています。

ユーザーに必要とされるサイトには様々な要素があります。

例えば、「検索キーワードの関連情報が網羅されている」「正確で信頼性の高い情報が掲載されている」「サイト内で目的の情報に到達しやすい」「サイトが見やすく文章も読みやすい」など、ユーザーごとにいろいろなニーズがあるでしょう。

より多くの検索ユーザーに対して最適な検索結果(答え)を返すことに注力して、Googleはサイトの評価を行っているのです。

そして将来的には、「究極のパーソナルアシスタント」となることがGoogleの目指す姿であり、ユーザーが知りたいことを先回りして提案する執事のようなプロダクトを目指しているといわれています。

サイトが上位表示される仕組み

Googleの検索エンジンがサイトの評価を決めるためのプロセスは、

  1. クローリング(Crawling)
  2. インデキシング(Indexing)
  3. ランキング(Ranking)

の3つのステップから成り立っています。

まずは、クローラーがリンクやすでに把握しているサイトリストなどをたどってWebページを巡回(クローリング)します。

次に、クローリングで取得したデータをGoogleのインデックスサーバーに蓄積(インデキシング)します。この2つのプロセスを経てから、蓄積したデータを対象に独自のアルゴリズムにより順位付け(ランキング)を行います。

ユーザーはインターネット上のサイトを直接検索するわけではなく、Googleによって集められ、評価されたデータを対象に検索を行っているのです。

そして、上位表示に直接関わってくるランキングは、検索キーワードおよび検索ユーザーの知りたい情報に最も関連性の高いページを表示できるように、様々な要素を用いて行われています。

SEOにおいては、200を超えるランキング要素(Ranking Factors)をより多く満たすページほど、検索結果で上位表示されているといわれていますが、Googleはそのランキング要素の詳細を明らかにはしていません。

ただし、アルゴリズムのアップデートにおいて、その方針自体は明らかにされています。

【関連記事】

Search Engine Landによるランキングファクターの一覧表とその読み方

決定版!Googleアルゴリズムの変遷のすべて~前編~

AI Overviews(旧SGE)の登場とSERPの変化

AI OverviewsはGeminiモデルが複数サイトを統合して要約を生成する検索機能です。2024年5月から米国でデフォルト提供が始まり2025年までに世界10億ユーザーへ拡大予定となっています。
米Ahrefs調査では、AIO表示クエリが半年で2倍に増え、クリック数は平均34%減少したとの報告もあり、また別の調査では生成枠内に引用されるページは概ね「上位12位以内」「構造化済み」「権威サイト」の傾向が強いとのレポートもあります。

SEOにおける3つの重要な要素:キーワード設定、ドメインの強さ、ユーザー体験

検索結果で上位表示されるために大切な要素として挙げられるのが次の3つです。

  1. キーワード設定
  2. ドメインの強さ
  3. ユーザー体験

どんなキーワードで上位表示したいかを決定し、どのようにサイトを育てていくかを考え(ドメインの増強)、サイト内でユーザーにストレスなく何らかの行動(購入や申し込み)を行ってもらうことが大事です。

それぞれどのようなものかを見ていきましょう。

①キーワード設定

ユーザーはキーワードを用いて検索を行うため、どのようなキーワード(検索クエリ)をどのように設定するかが重要になってきます。 キーワードをページタイトルに含めることはよくあるSEOの施策であり、タイトルにキーワードを入れるということは、検索結果上で検索したユーザーの目に留まるということにつながります。

これは検索エンジンへの最適化だけでなく、直接目にしたユーザーの印象も踏まえて設定する必要があります。

キーワードをしっかりとタイトルに含めてサイトの内容を想定しやすくする、記事内にもキーワードを入れた上でタイトルとの整合性を保つといった対策を行うようにしましょう。

②ドメインの強さ

ドメインの強さとは、その名の通りドメインすなわちサイトの持つ力を指しています。

サイト内外の評価、アクセス数、運営機関などの評価指標がありますが、これらが優れている場合、俗に「ドメインパワーが強い」と表現します。 例えば、Yahoo!のようなサイトはドメインの強さがものすごく高いわけです。

このドメインパワーが高ければ高いほど上位表示されやすい傾向があるため、競合サイトよりもドメインパワーが高い状態を目指すことがSEO施策の目標の1つとなります。

③ユーザー体験

最近になって注目が集まっているのが、ユーザー体験(UX)という指標です。 検索ユーザーの役に立つというGoogleの「ユーザーファースト」の考えに基づき、使いやすくユーザーの目的が達成しやすいサイト設計が重要です。 それは、例えば、下記のようなことが挙げられます。

  • 検索意図に沿ったコンテンツ内容になっているか?
  • 読みやすさやサイト内の使いやすさは十分か?
  • 表示速度は遅すぎないか?

ユーザー体験自体はランキングアルゴリズムに組み込まれていませんが、アルゴリズムの評価には使用されています。

また、AI Overviews時代は“クリックされずとも引用される体験”が新しいUX指標になります。段落単位で完結した解説、FAQ構造、一次データの明示、著者情報の構造化は必須と考えた方が良いでしょう。

【関連記事】

Googleゲイリー氏インタビュー

SEO + UX =成功 の法則

SEO業者の取り組みとその歴史

検索エンジンのアルゴリズムという難解かつ詳細が明らかにされないものに対しては、専門家となるSEO業者の力を借りることが重要な位置を占めてきました。同時に、SEO施策の歴史はSEO業者とGoogleとの攻防の歴史でもあります。

ここでは、両者の関係がどのように変わってきたのかを見てみましょう。

SEO業者の取り組みとGoogleの攻防

SEOには、検索エンジンのアルゴリズムの裏をついたスパム的な手法によって検索順位を上げようとする「ブラックハットSEO」と、Googleのガイドラインに沿って検索順位を上げようとする「ホワイトハットSEO」という大きく2つのアプローチ方法があります。

ブラックハットSEO

ブラックハットSEOは、検索エンジンのアルゴリズムが未成熟な時代に行われていました。

例としては、検索エンジンと検索ユーザーにそれぞれ異なる内容のWebページを閲覧させる「クローキング」や、検索エンジンに特化して関連するキーワードを詰め込んだ文章を自動生成させる「ワードサラダ」、SEOだけを目的にした被リンクを構築する「人為的なリンク構築」などが挙げられます。

しかし、これらの方法で検索順位が上がったとしても、低品質な内容であったり間違った内容だったりすれば、ユーザーは検索結果に満足せず、さらにはGoogleの検索そのものに対する期待値も下がってしまいます。

そこでGoogleは、これらの抜け道を小さくするようなアップデートを何度も重ねて、「検索ユーザーのためにならない」ブラックハットSEOを排除してきました。現在では、こうした過度なブラックハットSEOはスパム行為として、検索結果の上位には見られなくなりました。

ホワイトハットSEO

そして現在のSEOは、検索エンジンのガイドラインに沿い、検索ユーザーに対して役立つ情報を提供する「ホワイトハットSEO」が主流となっています。

例えば、サイトのメタ情報の最適化やユーザーの検索意図(インテント)に沿ったコンテンツ発信などもホワイトハットSEOに当たります。 検索体験の満足度向上という、ユーザーファーストを掲げたGoogleの方針。

いかにこの点を押さえ、ユーザーにとってより良い検索体験を提供できるかどうかが、今後のSEO施策における重要なポイントになっていくでしょう。

今までのSEOとこれからのSEO|AI時代を乗り切るためには?

AI Overviews常設化で“ゼロクリック検索”が一段と増加し、ブランド想起と上位の確保、そして引用フォーマット最適化が生死を分けます。

生成AIとLLMの急進が、検索体験そのものを“意味空間”へ引き上げています。米国で導入されている「AI Mode」ではクエリがベクトル化され、関連パッセージが再評価されて回答に合成される――もはや“ページ”単位でなく“意味”単位で競う時代です。では、これからのSEOは何を磨くべきでしょうか?

意味の設計を行う

まずは事業のターゲットと売る商材の強みなどの理解、言語化に勤め、「誰に何を伝えるか」の解像度を上げましょう。次にサイトの「意味設計」です。FAQ・要点見出し・短段落など、AIが切り出しやすい粒度でコンテンツを再構築し、Passage Re-ranking で選ばれやすい形に整えます。

ステップ やること ポイント
1. Who-What-How把握 ペルソナと検索モーメントを特定 営業現場の“生の悩み”を拾い、顧客像をブレさせない
2. 意図グルーピング 検索意図を1テーマ1グループで束ねる 同じ意図はまとめ、異なる意図はページ分け
3. 段落チューニング 一問一答・FAQ・短段落で完結 パッセージ re-ranking で抽出されやすい形=一問一答/FAQ/見出しで要点先出し
4. 構造ラベル付け H2-H3 と Schema.org で意味を宣言 “住宅ローンの組み方”なら <h2>住宅ローンの組み方</h2>FAQPage
5. トピッククラスタ化 関連記事を階層化し内部リンク サイト全体をその領域の“コーパス”にする
6. 一次情報&監修 データ・図表・専門家コメントを注入 E-E-A-Tを強化し、引用される確度を底上げ

検索意図を整理の上、トピッククラスターモデルでテーマを階層化し、内部リンクとスキーマで“このサイトはこの領域のコーパスだ”と示すことで、クローラビリティと網羅性を両立させます。

最後に「E-E-A-T の経験値」。独自データや実証実験、専門家の監修など一次情報を増やし、AIが引用したくなる確からしさを担保します。

計測指標の変更

成果計測も変わります。クリックされない“見えない貢献”を指名検索やCVRの微増、LLMへの引用調査など複数指標で捉え、施策と結び付けて説明する言語化能力が問われます。

つまり「ページを作る仕事」から「意味をデザインし、その価値を証明する仕事」への変化が訪れています。検索が“探す”行為から“答えを受け取る”体験へ転換する今こそ、SEOの本質「ユーザーの問いに誰より深く、速く、確かに応える設計力」が試されています。

自社SEO(インハウスSEO)に限界を感じたら?SEOコンサル会社の選び方

社内でSEO施策を行うインハウスSEOには、コストの節約や管理性の高さというメリットがあります。

その一方で、SEO施策は継続的に行う必要があるため、メンテナンスや管理にかかる労力が負担となります。 また、日々更新されていくアルゴリズムへの適切な最適化手法を学ぶためのハードルも高いといえるでしょう。

こうした理由でインハウスSEOに限界を感じた場合は、SEO会社への外注も検討してみることをおすすめします。

外注コストや業者選定の手間もありますが、信頼できるSEO会社をパートナーにできれば十分な効果も期待できます。

自身は本来のコア業務に集中しつつ、適切な知識やツール、リソースを備えたプロ集団であるSEO会社に協力してもらうことで、SEO施策に満足できる効果が得られるでしょう。

参考:SEOを外注する際のチェックリスト(資料ダウンロード)

SEO施策会社の選び方で最低限おさえておきたいポイント

これまでのSEO業者とGoogleとの攻防に見られるように、スパム的な手法で目先の結果だけを出そうとする業者も、残念ながらゼロではないからです。 そこで、選定にあたっては、以下のような業者は除外する必要があります。

  • 現在もなおブラックハットやスパム的な手法を用いている
  • 必要なサービスが欠けている
  • 予算をオーバーする料金を請求する

その上で、知り合いのSEOに取り組んだ方に紹介をもらったり、これまでの実績や評判などを調べたりして、信頼できるSEO業者を探していきましょう。

参考:アイオイクスのSEOコンサルティングサービス

seojapan

TIS、マーケティングソリューション「TIS MARKETING CANVAS」を刷新

5ヶ月 1 週間 ago

TISインテックグループのTISは6月26日、企業のマーケティング活動における顧客体験向上や業務最適化、パーソナライズドマーケティングなどを支援するマーケティングソリューション群の統一ブランド「TIS MARKETING CANVAS」をリニューアルし、ブランド名を「MARKETING CANVAS」へ変更したと発表した。

また、消費者の行動に基づいたマーケティングの体験設計、生成AIの活用、パートナーと連携した簡易なプロトタイプ開発などの取り組み「MARKETING CANVAS LAB」をPoCで始めると発表した。

TISインテックグループのTISは、企業のマーケティング活動における顧客体験向上や業務最適化、パーソナライズドマーケティングなどを支援するマーケティングソリューション群の統一ブランド「TIS MARKETING CANVAS」をリニューアルした
刷新前と後について

「MARKETING CANVAS」サービスリニューアルのコンセプトは次の通り。TISが描くコマースの姿を4つのテーマに整理したという。

  • テーラーメイドな顧客体験
    AIによる完全パーソナライズド体験を実現。過去の購買履歴や行動データに加え、リアルタイムでの対話データを活用し、最適な商品・サービスを提案することで、きめ細やかな購買体験を提供する。
  • 欲しい気持ちが一瞬で高まるコンテンツ
    瞬間的な購買行動を促進する仕組みを構築。従来の広告モデルではなく、消費者の行動データから、最適なタイミングで最適な情報を届けることにより、購買意欲を最大化する。
  • ソーシャルグッドな消費体験
    消費者の購買行動が社会貢献につながる仕組みを創出。購入を通じて環境保護や地域社会への貢献ができるよう、持続可能な消費モデルを実現する。
  • 境界を越えて広がるコマース体験
    さまざまな場所と方法での購買を可能にする基盤を整備。SNSや動画配信、AIチャットボットなど、多様なタッチポイントが購買の入口となる次世代型プラットフォームを構築する。

「TIS MARKETING CANVAS」は、ツールやサービスを単体で導入するケースが多く、データマーケティングにおける全体最適、一貫性のある顧客体験の提供に課題があったという。この課題を解決するため、TISはブランド名を「MARKETING CANVAS」へ変更。サービスのあり方を見直し、デジタルマーケティング関連サービスを統合した。

TISインテックグループのTISは、企業のマーケティング活動における顧客体験向上や業務最適化、パーソナライズドマーケティングなどを支援するマーケティングソリューション群の統一ブランド「TIS MARKETING CANVAS」をリニューアルした
新「MARKETING CANVAS」について

データとAIを軸としたデータドリブンのプラットフォーム構築(DWH・CDP)、オンライン・オフラインの顧客コミュニケーションチャネル(EC・MA・POS・CSなど)の整備を通じて、さまざまなチャネルで一貫した購買体験を提供できる次世代型コマース基盤の新サービスを順次追加。顧客体験価値の向上を実現するとしている。

また、約30種類のクラウドサービスに加え、企業がすでに導入している他の業務システムともシームレスに連携できる柔軟性を備えているという。

今後、AIを活用し、ECサイトの運営をスムーズにする次世代のEC基盤、顧客の購買行動を分析し、事業の成長戦略をサポートするデータ基盤サービス、消費者の行動変化に素早く対応し最適な接点を作り出すサービスなど、市場や企業のニーズに合わせて順次提供していくとしている。

宮本和弥

「LINEビジネスID」と「Yahoo! JAPANビジネスID」を統合

5ヶ月 1 週間 ago

LINEヤフーは、法人向けサービスのログインIDとして提供している「LINEビジネスID」と「Yahoo! JAPANビジネスID」を統合するために、「LINEビジネスID」を「ビジネスID」に名称変更し、新たな共通のログインIDとして提供。「Yahoo! JAPANビジネスID」でログインしていた法人向けサービスに「ビジネスID」でログインするためには、利用企業側で統合作業を行う必要がある。「Connect One構想」の一環。

LINEヤフー、法人向けサービスの共通のログインIDとして本日より「ビジネスID」の提供を開始
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/018033/

noreply@blogger.com (Kenji)

マイクロアド、「TikTok Shop」の公式認定パートナーに選定

5ヶ月 1 週間 ago

マイクロアドは6月30日、「TikTok」のEC機能「TikTok Shop」の「TikTok Shopの認定パートナー」に認定されたと発表した。

マイクロアドグループが認定を受けたパートナー種別は、「TikTok Affiliate Partner」と「Creator Agency Partner」の2つ。

「TikTok Affiliate Partner」は商品を販売したいセラーと、商品を宣伝したいクリエイターをマッチングし、双方の売上向上を支援するパートナー。セラーには最適なインフルエンサーやクリエイターを、クリエイターにはフォロワーに合った商品をマッチングさせるサポートを提供する。認定によって、特定のクリエイターに限定したクローズドでのマッチングが可能になる。

「Creator Agency Partner」はクリエイターのスカウト・育成から活動支援、案件のマッチングまでを一貫して行うパートナー。出店企業は影響力のあるクリエイターの活用のほか、広告の最適化・効果分析、販売戦略の策定支援まで受けることができる。

マイクロアドは「TikTok Shop」総合支援の専門子会社UNIVERSE PULSEが、パートナー認定に基づいたサービスを提供していくとしている。

UNIVERSE PULSEの支援内容

UNIVERSE PULSEによる「TikTok Shop」の支援内容の特徴は次の通り。

  • TikTok Shopへの出店/導入/運営支援
  • クリエイターマッチング支援
  • 販売実績に基づく販促支援
  • コンテンツ企画/制作支援
  • 広告運用/プロモーション戦略支援
  • 効果測定/分析と改善提案

UNIVERSE PULSEが持つデータ基盤「UNIVERSE」による消費行動データの分析力を軸に支援。また、マイクロアド子会社IZULCAとの連携による中国「TikTok Shop」での販売ノウハウの活用、提携するCCCMKホールディングスとの独自のクリエイターネットワークを強みに、「TikTok Shop」活用を総合的に支援するという。

鳥栖 剛

イオンネクスト、ネット専用スーパーの物流拠点に新たな自動化ロボ導入。人手作業の約30%を担い負担軽減+作業効率アップ

5ヶ月 1 週間 ago

イオンの子会社でネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」を手がけるイオンネクストはこのほど、大型物流拠点である千葉県千葉市の誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)に、AIとロボティクス技術を駆使した2つの自動化ロボットを本格的に導入すると発表した。人手による作業の約30%を自動化ロボットが担うことで、従業員の作業負担の軽減や作業効率の向上をめざす。

ピッキング・パッキング、台車積み込みを担うロボットを導入

新たな自動化ロボットは、商品をピッキングする「オングリッドロボットピック」と、配送直前の注文ボックスを台車に積み込む「オートフレームロード」。単純作業や重労働など従業員の身体的負担の大幅軽減、物流現場における生産性の向上、安定した供給体制、作業効率アップ、働きやすい現場作りをめざす。

イオンネクストによると近年、オンラインの食品購入の需要が拡大しており、物流拠点では高効率かつ柔軟なオペレーション体制の構築が急務になっている。特に、商品をピッキング、パッキングしたりする工程、体力的負荷の高い出荷準備作業は、人手に頼る部分が多いという。

誉田CFCでは、これらの作業の業務効率向上に対応するため、自動化ロボットを本格導入する。

オングリッドロボットピック

「オングリッドロボットピック」は、顧客が注文した商品をピッキング、パッキングする最先端のロボットピッキング。さまざまなサイズ・形状・重量・傷つきやすさを持つ商品を、AIがその場で認識・判断し、袋詰めする。

1日あたり約20万点の商品ピッキングが可能。グリッド(商品棚)上から商品を直接取り出すことで、従来人手で実施している場所の省スペース化と生産性の向上に貢献する。ピッキングの対象商品数は約3000品目から開始し、2025年度中(2026年2月まで)に、約1万品目の商品をピッキングする見込み。

「オングリッドロボットピック」が商品をピッキングする
「オングリッドロボットピック」が商品をピッキングする

オートフレームロード

「オートフレームロード」は、配送直前の注文ボックス(トート)を、配送用フレーム(台車)に自動で積み込むロボティクス技術。配送準備の中でも特に重労働な作業において、画像認識カメラとAIにより、トートの形状や重さ、フレームの状態をリアルタイムで把握し、人手を介さず最大20キログラムのトートを最適な位置に自動で積載する。

重労働を完全自動化し、作業者の負担を大幅に軽減。配送車への積載効率や重さのバランスにも配慮した設計にしている。

従前はAIによる配送順や重量バランスなどを考慮した積載指示をもとに、人手で積み込んでいた。

「オートフレームロード」の稼働イメージ
「オートフレームロード」の稼働イメージ

イオンネクストの既存のロボット設備

イオンネクストではこれまでにも自動ロボットを活用してきた。

「ボット」は商品を収納したトートを持ち上げ、CFC内のグリッド(商品棚)上を走行しながら指定の場所まで運搬するロボット。注文に応じて必要な商品が入ったトートを正確かつ迅速に搬送し、ピッキングやパッキング作業の効率化に対応する。

商品が入ったトートを運搬する「ボット」
商品が入ったトートを運搬する「ボット」

「オートバギング」は1分間に50袋以上の袋をトートに掛ける自動袋掛けのマシーン。顧客に配送するトートに最大3袋を設置できる。

自動袋掛けのマシーン「オートバギング」
自動袋掛けのマシーン「オートバギング」

「バキュームリフター」は作業者の負担を軽減するためのハンドクレーン型バランサー。重い物や持ちにくい物を簡単・安全に持ち上げたり移動させたりできる。

重いものを安全に移動できる「バキュームリフター」
重いものを安全に移動できる「バキュームリフター」

「無人搬送機(AGV)」は、入荷商品の台車を同時に2台搬送できる無人輸送車。あらかじめ設定されたルートを自動走行し、効率的かつ正確に目的地まで入荷商品を搬送する。

入荷商品を自動で搬送する「無人搬送機(AGV)」
入荷商品を自動で搬送する「無人搬送機(AGV)」
大嶋 喜子

日本で始まった「TikTok Shop」、トランスコスモスが認定パートナー「TikTok Shop Partner」に認定

5ヶ月 1 週間 ago

トランスコスモスは6月30日、「TikTok」のEC機能「TikTok Shop」におけるパートナー制度「TikTok Shop Partner」に認定されたと発表した。

「TikTok Shop Partner」は、「TikTok Shop」に出店する事業者のアカウント運営・店舗運営・コンテンツ制作・LIVE配信などを支援する企業を「TikTok」が公式認定する制度。トランスコスモスはこれまでのEC運営経験が評価され、今回の認定に至ったという。

トランスコスモスは「TikTok Shop」支援として、販売戦略の設計から、ストア立ち上げ・運用、クリエイター施策、コンテンツ制作、LIVE配信、広告運用、物流構築までを一気通貫で行い、マーケティング領域とECオペレーション領域の両面をサポートする。

マーケティング領域では、TikTokアカウントの運用・改善、キャンペーンの立案と実施を行う。また、IPプロダクションとの連携によるクリエイター起点のキャスティングからLIVE配信・動画制作までをワンストップで支援するという。

オペレーション領域では、商品情報の登録や修正を含むショップ運営から、注文受付・キャンセル対応を含む受注処理、カスタマーサポート、倉庫業務やリードタイム管理まで、EC運営業務を包括的に支援する。

日本で始まった「TikTok Shop」、トランスコスモスが認定パートナー「TikTok Shop Partner」に認定
マーケティング領域とECオペレーション領域の両面をサポート
鳥栖 剛

ウィゴーが公式オンラインストア「WEGO ONLINE STORE」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入

5ヶ月 1 週間 ago

ウィゴーは、公式オンラインストア「WEGO ONLINE STORE」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

商品を品番単位でまとめて表示などを実装

ウィゴーは、コーポレートスローガンに「YOUR FAN(あなたのファンになる)」を掲げ、ファッション、カルチャー、ライフスタイルと多岐にわたった商品開発や店頭イベントなどを実施。近年は映画やアニメとコラボレーションしたコンテンツ企画やイベントを行っている。

ウィゴー WEGO ONLINE STORE
WEGO ONLINE STORE(画像はサイトからキャプチャ)

Shopifyのプラットフォームから連携されるデータを利用し、「カラーをまとめる」をONにすると、商品のカラーバリエーションを1つにまとめた品番単位で表示するようにした。少ないアクションで目的の商品を見つけられるようにすることで、ユーザーの利便性向上につなげる。

ZETA ZETA SEARCH ウィゴー WEGO ONLINE STORE Shopifyとのデータ連携で、商品を品番単位でまとめて表示
Shopifyとのデータ連携で、商品を品番単位でまとめて表示

おすすめ順・新着順・人気順(1週間)・人気順(1か月)・価格の安い順・価格の高い順・レビュー件数順で並び替えをした際、検索結果ページの上位にウィゴーオリジナル製品を表示する。これにより、自社ブランドの購買促進を図る。

ZETA ZETA SEARCH ウィゴー WEGO ONLINE STORE 検索結果ページの上位表示を調整し、自社ブランド製品の購買を促進
検索結果ページの上位表示を調整し、自社ブランド製品の購買を促進

「ZETA SEARCH」とは

サイト内検索を最適化するマーケティングソリューション。高速性・処理能力とAIによる自動最適化で、サイトの利便性向上を支援する。

キーワード入力時のサジェスト機能や、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウント、全角・半角などの「表記揺れ」を吸収した検索結果表示など、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「ファミマオンライン」、受注金額が約1.5倍、サイトアクセス数が約18倍に成長。ヘッドレスコマース構造が成果に貢献

5ヶ月 1 週間 ago

ファミリーマートは、自社ECサイト「ファミマオンライン」で、3月から5月の受注金額が前年同月比約1.5倍、サイトアクセス数は前年同月比約18倍に増えたと発表した。

「ファミマオンライン」は、ファミリーマートが従来のオンラインサービスを2025年3月に統合し刷新したECサイト。伸び率は、刷新前の「ファミペイ」Web予約やギフトサービスの2024年度同月受注額および同アクセス数と比較している。

受注金額、サイトアクセス数が伸びている「ファミマオンライン」(画像は「ファミマオンライン」から追加)
受注金額、サイトアクセス数が伸びている「ファミマオンライン」(画像は「ファミマオンライン」から追加)

刷新では、フロントエンド(顧客接点)とバックエンド(業務システム)を分離、API連携できるツールの導入でヘッドレスコマースを採用。さまざまなタッチポイントとシステムを連携・統合することで、「ファミペイ」アプリ上からECサイトへ遷移しやすくし、利便性を高めた。それが伸び率の拡大に寄与したという。

店舗、EC、「ファミペイ」アプリなど顧客との接点の多様化で、フロントエンドとバックエンドシステムの連携、最適化が課題となっていた。そこでデジタルコマース基盤を刷新した。既存システムを大きく変更しないアプローチを採用し、顧客のニーズに合わせた機能の追加や、新しいタッチポイントへ迅速に対応しているという。

導入したツールは富士通が提供する「Unified Commerce(ユニファイド・コマース)」。フロントエンドとバックエンドを分離し、それぞれが独立したヘッドレスコマース構造を採用することで、機能追加などの迅速な開発、新たなタッチポイントへ対応する場合も、基幹となる業務ロジックへの影響を最小限に抑えている。

「Unified Commerce」導入により、ファミリーマートは短納期でECサイトを刷新した
「Unified Commerce」導入により、ファミリーマートは短納期でECサイトを刷新した
大嶋 喜子

違反すれば罰金の可能性も。欧州のウェブアクセシビリティ義務化始まる<Kiva野尻会長に聞く国内EC企業への影響>

5ヶ月 1 週間 ago
EU経済圏において「欧州アクセシビリティ法」が施行され、越境ECなど欧州でECを展開する国内事業者は対応が急務となっている。新法の詳細と対策するべきポイントを、ウェブアクセシビリティに深い知見を持つKivaの野尻会長に聞く

デジタル化が進む現代において、ウェブサイトのアクセシビリティ(利用しやすさ)は、単なる配慮から法的義務へとその重要性を増している。足元では欧州連合(EU)が、公的機関だけでなく民間企業をも対象とした厳格なウェブアクセシビリティ規制を導入。障害を持つ人々がデジタルサービスを等しく利用できる環境の構築を推進している。

本記事では、EUで6月28日から施行となった「欧州アクセシビリティ法 (EAA)」の詳細と、欧州でECを展開する事業者が対応するべきアクションを解説。BtoBでウェブアクセシビリティ対応サービスを提供するKivaの野尻航太会長に聞く。

Kiva 野尻航太会長
Kiva 野尻航太会長

EUにおけるウェブアクセシビリティ規制の概要

ウェブサイトのアクセシビリティとは、年齢的・身体的条件に関わらず、全ての人が平等にウェブサイトを利用できること。音声の読み上げ、ページのリンク強調といった「使いやすさ」、文字を大きくする、明るさを調整するといった「見やすさ」、アクセシビリティ努力義務のアップデートに対応するといった「規格に準拠する」――の大きく3点が、ECサイトなどウェブページの運営者に求められる。

EUでは、デジタルサービスにおけるアクセシビリティを確保するため、主に2つの重要な法規制が設けられている。2025年6月に施行されたのは次のうち後者の規制で、欧州市場で製品・サービスを提供する企業が対象となる。たとえば越境ECを展開する事業者も対象となる。

1.ウェブアクセシビリティ指令 (Web Accessibility Directive)

2016年に制定されたこの指令は、主に政府機関や自治体のウェブサイトおよびモバイルアプリのアクセシビリティ向上を目的としている。ウェブアクセシビリティの国際的なガイドライン「WCAG 2.1」の「AAレベル」を満たすことが義務付けられている。「AAレベル」は最も高いレベル。特に障害を持つユーザーがウェブコンテンツを快適に利用できるようにするための基準を定めている。

新規公開のウェブサイトは2019年9月23日、既存のウェブサイトは2020年9月23日、モバイルアプリは2021年6月23日までに適用されている。

「WCAG 2.1」のガイドライン
「WCAG 2.1」のガイドライン

2.欧州アクセシビリティ法 (European Accessibility Act, EAA)

2019年に採択され、2025年6月28日に施行された。この法律は、ウェブアクセシビリティ指令よりも広範な影響を持つ。欧州アクセシビリティ法の最大の特徴は、公的機関だけでなく民間企業も対象とすること。

ECなどのウェブサイトやアプリのUIもその範囲に含まれ、WCAG 2.1のAAレベル準拠が求められる。この法律の目的は、EU全域で製品やサービスのアクセシビリティを向上させ、障がいを持つ人々のアクセスを確保すること。罰則は各国の規定に基づく。将来的にはEU一般データ保護規則(GDPR)のように、グローバルの売上総額の数%を制裁金として課されるような厳しい罰則が設けられる可能性も指摘されている

対応できていない場合、各加盟国の監督当局によって罰金・是正命令などの行政措置が科される可能性もあります。EU域内での販売が制限される場合も考えられます。(野尻氏)

欧州アクセシビリティ法の対象カテゴリと主な要件
欧州アクセシビリティ法の対象カテゴリと主な要件

ECサイトはもちろん、駅の券売機のタッチ画面など、ありとあらゆる電子デバイスが欧州アクセシビリティ法の対象となる。法規制の対象はEU全体だが、各国で罰則が異なり、たとえばフランスでは5万ユーロの罰金、イタリアでは年間売上高の5%などの罰金規定が存在する。

EU経済圏(26か国)で製品販売や越境ECなどを展開する国内事業者は、欧州アクセシビリティ法への早急な対応が必須となる。

「欧州進出」の定義とは? ECサイトが欧州アクセシビリティ法の対象になるケース

運営するECサイトにおいて、主要なユーザーのターゲットが日本国内である場合は「日本向け」のサイトという扱いになり、「欧州アクセシビリティ法」の対象にはならない。主要なターゲットが欧州向けの場合は同法の対象となるため、対応が必要となる。

  • 国内企業が運営するECサイトにEU経済圏のユーザーがアクセスした場合は、欧州アクセシビリティ法の対象にはならない
  • 国内ECサイトがEU経済圏向けに対応した言語表示や配送対応をしている場合でも、欧州アクセシビリティ法の対象にはならない
  • IPプロバイダーによってサイト表示や代理購入できる越境EC対応サービスを利用している場合は欧州進出にあたり、欧州アクセシビリティ法の対象となる。※野尻氏は「この場合は越境ECを支援しているIPプロバイダー側でアクセシビリティ対応をしているケースが多い」と補足している。

現在のところ、欧州アクセシビリティ法の対象に該当する販路を展開しているにもかかわらず、同法に準拠する対策ができている国内EC事業者は「1ケタパーセントしかいない」と野尻氏は警鐘を鳴らしている。

肌感覚では、欧州のEC市場に進出している国内事業者は、わずか数%の会社しか欧州アクセシビリティ法に対応できていない印象です。「まだ対策できていない」「詳しく知らなかった」というEC事業者にはぜひ危機感を持っていただきたいと思っています。(野尻氏)

欧州アクセシビリティ法準拠のためにとるべき対応

法準拠のために、EU経済圏に進出しているEC事業者がとるべき具体的な対応の一例を紹介する。サイトを訪れたユーザーに対し、次のようなUI・UXの提供が求められる

知覚面

  • 画面の音声読み上げソフト対応
  • 代替テキスト(画像などの視覚情報が得られない場合に差し替えて表示する文字情報)の提供
  • コントラスト比、フォントサイズ調整機能の実装 
  • 行間調整機能の実装
  • 自動再生するアニメーションへの停止・非表示の仕組み など

操作面

  • キーボード操作のみでの全機能利用
  • ページを操作するタイミングの調整機能 
  • フォーカスの可視化、明確化
  • 音声入力への対応 など

理解しやすさ

  • わかりやすく理解しやすい文言
  • エラーメッセージの明確化、エラー修正のための提案 
  • コンテンツ構造の明示 
  • 認識しやすい操作ガイダンスの提供(ツールチップなど) など

国内EC事業者の現状

野尻氏によると、Kivaでは「日系の会社では徐々に相談が増えているものの、多くの事業者がこの法改正をまだ十分に認知していない状況」。日本の法改正、特に2024年4月に民間企業に対する「合理的配慮の提供」が義務化された障害者差別解消法と比較すると、欧州は各国で罰金の金額などが明示されているため、EU圏の企業では危機感や意識が高いと言える。

日本では2024年4月に障害者差別改正法が解消され、合理的な配慮の提供が義務化された
日本では2024年4月に障害者差別改正法が解消され、合理的な配慮の提供が義務化された

欧州アクセシビリティ法と障害者差別解消法の相違点は、法的性質、適用範囲、義務の対象、実効性の担保、対応の強制力など。欧州アクセシビリティ法のほうが対象は狭い(欧州市場に進出している事業者のみ)が、強制力は強い

欧州アクセシビリティ法と障害者差別解消法の相違点
欧州アクセシビリティ法と障害者差別解消法の相違点

欧州アクセシビリティ法は、現状、EU経済圏でのEC展開を行っている事業者だけにとどまらず、欧州を含む販路拡大を検討していく事業者にも押さえておいていただきたい。非対応であることは訴訟リスクを抱えることに直結し、企業の事業成長の足かせになってしまいます。(野尻氏)

国内で2024年4月1日に改正された障害者差別解消法

2024年4月1日より、従前は努力義務だった合理的配慮の提供(障害のある人から「社会的なバリアを取り除いてほしい」と意思が示された場合、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、バリアを取り除くために必要かつ合理的な対応をすること)が事業者にも義務化された。

これにより、合理的配慮の提供を的確に行うための環境整備として、努力義務となったウェブアクセシビリティの向上に着手するECサイトが増えている

なお、現行の罰則規定では、民間の事業者が違反すると、ただちに罰則を課されるということはない。

対応によって得られるメリット

ウェブアクセシビリティ対応には、対応すべきガイドラインが非常に多く、サイト改修には費用がかかるという課題に直面しやすい。しかし、野尻氏は対応することで次のようなメリットを得られるとして、着手を啓発している。

  • 訴訟リスクの低減:近年では2022年にウェブアクセシビリティ関連訴訟が拡大するなど、訴訟リスクは現実的かつ深刻になっている。ウェブアクセシビリティ対応はこれを軽減する
  • 企業イメージの向上:アクセシビリティへの配慮は、企業の社会的責任(CSR)を果たす上で重要なファクターの1つ。ブランドイメージを高める
  • トラフィックの向上:より多くのユーザーがウェブサイトを利用できるようになることで、結果的にサイトへのアクセス増加が期待できる
  • 顧客体験の向上:障害を持つユーザーだけでなく、高齢者などウェブの閲覧や操作に不慣れな人にとっても、ウェブサイトの利便性が向上する

増加するウェブアクセシビリティ関連訴訟

世界的にウェブアクセシビリティに関する訴訟は急増しており、2022年までにはグローバルで合計1万件以上に達している。なお、今後も増加が予測されている。EU各国でも罰金が科せられるケースが出現しており 、特に2025年6月28日の欧州アクセシビリティ法 (EAA)施行以降は、訴訟件数がさらに増加する可能性が高いと見られている。

米国だけで見ても、2023年にウェブアクセシビリティ関連訴訟が4605件に達した。企業にとって重要な法的リスクとなっている。

訴訟の対象は大手企業からEC、サービス業、教育など多岐にわたっていますが、世界のアクセシビリティ訴訟のうち84%がECサイトを対象としており、ECは特に狙われやすい傾向にあると言えます。(野尻氏)

実際に、日本の大手アパレルブランドも、ECサイトがアクセシビリティに未対応(この件では「障害を持つアメリカ人法(ADA)の違反」)であったことが理由で、米国で2017年に訴状を提出された事例がある。

グローバルでは欧州や米国を中心に関連訴訟が増加傾向となっている。野尻氏によると、2017年に米国大手スーパーマーケットTargetのウェブサイトに対する訴訟が障害を持つアメリカ人法(ADA)違反と認められたことを契機に、ウェブアクセシビリティ関連の訴訟は急激に増えているという。上述の件では、Targetは600万ドルの和解金を支払った。

アクセシビリティ関連の訴訟の一例
アクセシビリティ関連の訴訟の一例

アクセシビリティ対応が追い付いていないEC事業者はまず危機感を持ち、早急な対応が急がれる。

高野 真維

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