データ分析は、マーケッター視点で:第9回 施策効果①

今回から、データ分析のアウトプットの中でも特に重要となる「施策効果」について全3回に渡ってお話しします。1回目は「MMM(マーケティング・ミックス・モデル)」に
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(1)MMM(マーケティング・ミックス・モデル)

  施策効果といっても色々ありますが、まず単体の施策効果を図るのであれば、ネットの世界では比較的簡単ですよね。
広告バナーであれば表示数やクリック、サイト誘引であればPVであるとか、ブランディングであればサイト滞在時間等、販促であればコンバージョン(申込み数や売上等)。

 しかし、TV等のマスメディアでは、その直接的効果は図る事自体に構造的限界があり、更にマスメディアとネットを組み合わせた施策ですと、その中のどの施策が結果全体にどれ位貢献したか?は非常に分かりづらい。
これを解決する分析手法が、従来からある解析手法のMMM(マーケティング・ミックス・モデル)です。
以下の図の様な計算式になります。

 売上を目的変数とし、各施策のコストが、どの位売上に貢献したかを分析していくものです。

 解析自体は、従来からある王道なもので、昔はエクセルでガリガリやったものですが(笑)、今は便利な分析ツールも多く操作等のインターフェースは簡易でも、裏側で動いている解析は、こういったモデルが働いているのではないかと思います。

 必要なデータとしては、広告費といった手に入りやすいものから、流通にかけたコスト等なかなか入手出来ないものまであり、会社によっては様々な部署の担当者の協力が必要になると思われます。

 ただし、“入手したデータが全て活かされるは限らない”という事はご注意ください。
このMMMで、解析一発で解が出るほど、実際は簡単ではありません。

 様々なパターンを出してみて、何か解を出すにはイレギュラーな要素が考えられるデータが出てくるケースもあり、その場合はそのデータは分析対象から除きます。
いわゆるデータスクリー二ング的に、入手したデータの中から有効そうなデータを選択していくという作業が必要になり、そのデータが決まったら、本格的な解析に入るワケです。

 

次回、第10回目は「施策効果」の2回目「施策の効果測定」についてです。

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連載記事一覧
データ分析は、マーケッター視点で
 第1回 デジタル&データの潮流① - ビジネス変革:デジタル・イノベーターの台頭

 第2回 デジタル&データの潮流②
  - データの多様化:接点の実績が全てデータ化されていく

 第3回 顧客分析のポイント① - 属性からインサイトへ

   第4回 顧客分析のポイント② - データの多様化

 第5回 顧客分析のポイント③ - 商品ファンから企業ファンへ

 第6回 コミュニケーション設計① - コミュニケーションの全体設計

 第7回 コミュニケーション設計② - コミュニケーション分析

 第8回 コミュニケーション設計③ - マーケッターとサイエンティストの連携

 第9回 施策効果① - MMM(マーケティング・ミックス・モデル)

 第10回 施策効果② - 施策の効果測定

 第11回 施策効果③ - 予算最適配分のシミュレーション

 第12回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性①

 第13回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性②

 

【筆者紹介】

山崎 浩人

広告会社でマス広告、コールセンターでCRMを手がけ、携帯事業者でキャリアレップCEO、電通・CCI出資のクロスメディア事業CEOを勤めた。

その後、外資広告社で企業のブランド戦略やグローバル戦略を支援。現在も戦略系コンサルを担う。

 

・2012年 日本広告主協会Web広告研究会「Web人 of the year」受賞
・講演例:「反グローバリズム時代の企業成長とブランド理念」
 https://www.is-assoc.co.jp/seminar20160120/

 

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