CMS選択のポイントは、CMSを比較しないこと!?

現場が考える、本当に考えてほしいCMS選択のポイント
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

自社のWebサイトにCMSを導入したい。または、CMSを変更したい。Web担当者であればどのような視点でCMSを選ぶべきでしょうか。CMS業界の最新のトレンドと比較ポイントを把握することが大切でしょうか?SEOに強いCMSを選ぶことが必要でしょうか?この記事ではconcrete5というオープンソースのCMSをご紹介しながら、CMS導入の現場から、本当に考えてほしいCMS選択のポイントをお伝えします。

百花繚乱のCMS業界

世の中にはCMSはいくつあるのでしょうか。インターネット上のWebサイトをクロールしてどのCMSが使用されているのかを調査しているCMSCrawler.comに登録されているCMSは、なんと835製品!日本でしか使われておらず登録されていないCMSなどもありますので、実際にはもっとたくさんの製品が世の中にはあることになります。しかし、CMSの用途は大きく見ればひとつ、Webサイトを管理することです。

CMSのなかで最も普及しているオープンソースのブログプラットフォーム「WordPress」は、W3Techs.comの記事執筆時点の調査によると、CMSを導入しているWebサイトの約60%で採用されています。管理画面から文章を書いて「公開」ボタンをクリックするだけでページが作れ、カテゴリーでコンテンツを分類できるブログプラットフォームは、Webサイトを管理するという目的にかなった機能を備えており、さらにオープンソースのためライセンス費用もかかりません。よく使われているのもうなずけますね。

では、WordPress以外のCMSにはどんな違いがあるのでしょうか。分かりやすい差の少ない世界で製品がたくさんあると、その差別化のために、比較ポイントもまた乱立することになります。比較ポイントを見誤らないために必要なことがあります。

ベンダー都合の比較ポイントに振り回されない

CMSをその実装方法や特徴的な機能の有無によって分類する方法があります。代表的なものは「動的CMSか静的CMSか(CMSがWebページの表示までは担当せずHTMLをファイルとして出力するのか、PHPなどサーバーサイドのプログラミング言語が直接Webページを描画するのか)」あるいは「ワークフロー機能があるかどうか」などが挙げられるでしょう。特に実装方法は作り手にとって客観的にはっきりしているためベンダーにとって言いやすい比較ポイントになります。

実際には、よほど実装の困難な課題に対して新しい技術で対応した…という場合でもない限り、実装方法は単に選択の問題です。しかし、「使いやすいかどうか」という主観的な判断が入るポイントや「自社の解決したい課題に合致しているかどうか」といった個別の事例に則したポイントに比べて分かりやすいため、特定の実装方法や特定の機能の有無が過大に比較ポイントとして取り上げられがちな傾向があります。

このようなベンター都合の言いやすい比較ポイントに振り回されず、冷静に「何が自社にとって必要だったのか」を見失わないようにしたいものです。「機能があるからスゴイ」のではなく、「必要だから機能がある」のです。

まずCMSを選ぶことをやめる

ここで、CMS導入の基本に立ち返ってみましょう。なぜCMSを導入するのか。ベンダーに勧められたから?そのCMS製品が流行っているから?いいえ、CMSを導入するのは「自社のWeb運用を改善したいから」のはずです。では、CMSによってどのようにWebサイトの運用を改善できるのでしょうか。

concrete5で改善できる運用とは

ここで、筆者が所属しているコンクリートファイブジャパン株式会社が日本国内での普及活動を行っているアメリカ生まれのCMS「concrete5(コンクリートファイブ)」についてご紹介しましょう。直感的な操作性とエンタープライズ用途に適した豊富な機能を持つconcrete5は、2014年2月に『concrete5 公式活用ガイドブック』(マイナビ)が出版されるなど、注目度の高まりを見せており、国内企業への導入事例も増加しています。

concrete5の操作感を紹介した動画(2分)
https://www.youtube.com/watch?v=vtbyPIbsXI8

concrete5は標準機能でかなり細かな表示・編集の権限設定が可能で、ページごとに編集できる担当者や部署を割り当てたり、ページの中でも編集できる範囲やページ内に追加できるコンテンツを細かく制限することができます。これは、CMSの設計思想として多人数でコンテンツを作成・運用することが念頭に置かれているからです。

コンテンツに関わる人数が多くなれば、コンテンツのクオリティコントロールのため、誰かがチェックして承認するまでは実際にコンテンツの編集が公開されないという機能や、何か間違いが起こった時にすぐにもとに戻せるバージョン管理機能などが当然必要になってきます。これらの機能が標準機能としてきちんと整備されているというのがconcrete5の特徴です。

もしあなたのWebサイトをより現場に近い人員で更新できるようにしていきたいのであれば、これらの機能は役に立つでしょう。実際に、ショッピングモールの公式サイトでconcrete5を導入し、各ショップの担当者が自力で自ショップの情報を更新できるようにした事例があります。各ショップの担当者で気軽に更新できるコンテンツだけでなく、同じサイト上では季節ごとのイベントやセール情報など、作り込んだコンテンツも同時に更新していく必要があります。このようにコンテンツ作成者のリテラシーや作成すべきコンテンツに幅がある場合は、どちらのニーズにも合わせられるような柔軟なコンテンツの作成方法を許すCMSを採用することが重要です。このショッピングモールでは、concrete5の使いやすく直感的なインターフェースと権限設定機能の組み合わせで見事に解決することができました。

これは、CMSを導入することで改善できる運用の一例です。そして、concrete5だからこそできる改善でもありません。他のCMSでも実現可能な場合もあるでしょう。また、concrete5ができる運用の改善は、決して更新の容易さやクオリティコントロールだけでもありません。汎用CMSですので、権限設定以外にも様々な機能を持っています。しかし、まず運用のイメージを持つことでどのような機能が役に立つのか、絞り込んでいくことができるのです。

勉強会に参加してみる

このように、機能一覧を眺めているだけでは本当に自社の課題に合致しているかは分からないものです。そこで、実際にCMSの編集画面に触れてみることをおすすめします。ここで重要なのは、実際にだれが更新するのかの顔を思い浮かべて触ってみることです。

自力でCMSをインストールして試してみてもいいのですが、勉強会に参加してみるのも良い方法でしょう。concrete5は全国各地で勉強会が行なわれており、実際にconcrete5を利用するユーザーから開発者まで多様な人が参加しています。事例も多く紹介されていますし、自分の行ないたい運用が可能かどうかの質問もできるでしょう。勉強会の情報は公式サイトやFacebookページで告知されています。

concrete5 Japan 日本語公式サイト :: 最新情報
http://concrete5-japan.org/news/

頼りになるのは外部パートナー

最終的にCMSを導入する際は、経験豊富な制作会社と連携して取り組むことになるでしょう。ここでのポイントは、CMSを売り込んでくる制作会社ではなく、運用の提案をしてくれる制作会社を選ぶことです。運用の提案の経験が乏しいために、CMSの機能やマーケットシェアばかりアピールしてくる制作会社も存在します。

良い依頼の方法として、自社のWebが抱えている課題を伝えた上で、CMSのデモをしてもらいましょう。CMSのどんな機能がクライアントの課題を解決できるのか、まだどんなカスタマイズを行なってクライアントにフィットさせるつもりなのか、デモの内容から見えてきます。また、制作側としてもクライアントと運用のイメージを共有しておいた方が、見積もりから実装まですべてやりやすくなるものです。情報共有と意見交換を気兼ねなく行なえる関係を築いておくのが、実は一番のCMS導入のポイントかもしれません。

concrete5のプロフェッショナルを選ぶ方法

このように頼れる外部パートナーを探すには様々な方法がありますが、CMSベンダーのパートナーの中から探すと言う方法があります。CMSベンダーから直接提案されるよりも客観性が高く、なおかつそのCMSについて精通している制作会社を選ぶことができます。

concrete5も、2014年9月から日本国内の制作者を対象としたインテグレートパートナー制度がスタートしました。実際の構築事例から制作会社を逆引き検索する機能もありますので、自社の必要としているWebサイトと近い事例を持つ制作者を選ぶことができます。

concrete5 Japan 日本語公式サイト :: インテグレートパートナー一覧
http://concrete5-japan.org/partners/integrate/

まとめ:本当に考えてほしいCMS選択のポイント

  • 具体的な導入後の運用イメージを持つ
  • 運用が見えれば必要な機能が分かる
  • 頼りになるパートナーを探しデモをしてもらう

ちまたにあふれるCMSの「べき」論はたいてい主観やひいきが入っているものです(当然、この記事も…)。機能比較表に惑わされることなく、CMS導入プロジェクトを成功させましょう!

関連情報

オープンソースCMS「concrete5」が日本国内向けのパートナー制度を発表。構築実績から制作会社を検索できるサービスを同時に開始
http://www.value-press.com/pressrelease/130998

インテグレートパートナー制度を開始いたしました
http://concrete5.co.jp/ja/news/integration-partner-program/

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アップロード
手元のPCなどの機器から、ネットワークを介して、別のPCやファイルサーバー、ウェ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]