「新型コロナウイルス」関連広告への意見・苦情、4月は苦情全体の2割台に【JARO調べ】

意見の方向性では「時期的に不適切」が最多、人を集めるセールやキャンペーンがやりだまに。

日本広告審査機構(JARO)は、「新型コロナウイルス感染症」の関連広告に対して寄せられた意見・苦情を分析した結果を発表した。分析の対象期間は4~5月で、「新型コロナウイルス感染症」、その関連事項である「外出自粛」「3密」「マスク」「除菌」などのキーワードを含む意見・苦情を抽出した。

コロナ関連広告への意見、最多は「時期的に不適切」

4~5月は、緊急事態宣言の発令(4月7日、4月16日)、ステイホーム週間(4月25日)、緊急事態宣言の解除(5月25日)と、自粛が求められていた時期にあたる。マスクや消毒用アルコールの需給もひっ迫し、入手困難が続いていた。

JAROに寄せられた「コロナ関連の意見」(関連ご意見)は、[1~3月]は計118件だったが、[4~5月」は計326件と3倍近く急増。関連ご意見を含む「苦情」全体も、4月は1,032件、5月は986件と、1~3月を上回って増加しているが、苦情に占めるコロナ関連の意見の割合は、4月は21.6%と特に多かった。

 

コロナ関連の意見について内訳を見ると、1月~5月の累計でもっとも多かったのは、表現「時期的に不適切」100件で、以下、表現「不謹慎・好ましくない」67件、表示「効果」45件、表示「便乗」「価格」ともに44件などが上位だった。

 

具体的な声としては、以下のような例があがっている。

【時期的に不適切】
  • 新型コロナが流行しているなかで、死や病気、入院などを表現した広告は、時間帯、番組、量などを考えて放送すべきではないか。
  • 人を集めるセールやキャンペーンの広告は不適切。
【不謹慎・好ましくない】
  • 「重要なお知らせ」という広告は、国の注意喚起と誤認するので問題である。
  • 無神経なCMが多すぎる。せめて宣言を反映したテロップを流すなど工夫するべき。
【効果をうたうもの】
  • 美容外科のSNS広告に、新型コロナウイルス対策をうたってビタミンC点滴を提供している旨が書かれていた。
  • “気”を送ってコロナがなくなるように言っている。
  • 新型コロナウイルス除去率99%超とうたう雑品(情報誌)。
  • プラセンター注射が新型コロナウイルス感染防止に効くかのようにTwitterに表示している(美容外科)。
※これら以外に次亜塩素酸水、水素、ケイ素、ハーブ、酸性水、銀イオン、オゾンなどがあった。

「マスク」の広告、価格や欠品について苦情・意見が殺到

意見が寄せられた商品・サービスを見ると、4~5月は「行政・公共・その他啓発」「相談業務」「建築・不動産」 「医療機関」 「人事募集」「葬儀・墓地」などが1~3月に比べて増加。「マスク」「除菌関連商品」は4~5月期にさらに増え、それまで寄せられなかった原産国に関する意見が見られた。一方で、「食品」「交通レジャー」「医薬品」などは減少した。

「マスク」に関する意見は、「価格」に関するものが過半数を占め、その他「欠品・遅延・おとり」「虚偽」などが目立った。「除菌関連商品」は「対象範囲を誤認させるもの」「効果をうたうもの」が多かった。

 

調査概要

  • 【対象となった主な商品・サービス】1月~5月の合計で、マスク68件、除菌関連商品58件、行政・公共・その他啓発56件、食品46件、流通・通販33件、交通レジャー23件、相談業務14件、医薬品14件、飲食店13軒、建築・不動産12件、ギャンブル12件、医療機関11件、雑品10件、除菌・消毒サービス8件、人事募集7件、通信サービス7件、葬儀・墓地6件、空気清浄機5件。
  • 【調査期間】2020年4月~5月
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