在宅勤務制度をあえて取り入れていない企業、「意見があがっていない」「きっかけがない」だけだった【エアトリ調べ】
エアトリは、「在宅勤務制度」に関する調査結果を発表した。企業の対応状況、利用のための環境整備、導入していない場合はその理由などを聞いている。なお調査時期は2020年2月2日~2月4日で、新型コロナウイルスも話題となっていた時期だ。
在宅勤務制度をあえて取り入れていないケースは「意見があがっていない」「きっかけがない」だけ
まず「勤務先に『在宅勤務制度』があるかどうか」を聞くと、「ある」23.3%、「ない」72.9%となった。少数ながら「過去にあった(がなくなった)」0.4%、「わからない」3.4%が存在する。
そこで、「在宅勤務制度は、あえて取り入れていない」と回答した経営者・役員33人に、その理由を聞くと、「導入してほしいという意見があがっていない」「勤務をきちんと行ったかどうかの確認がしづらい」33.3%が同率1位。続いて「導入するきっかけがなかった」27.3%という声があがった。
明確な障害や戦略があって導入しないのではなく、単にニーズが認識されていない・従業員の意見が届いていないというケースが多そうだ。
逆に、在宅勤務制度を取り入れた会社の経営者/役員27人に、「在宅勤務制度を取り入れてからの、会社の状況の変化」を聞くと、「良くなった」37.0%、「どちらとも言えない」63.0%、「悪くなった」ゼロ%で全体的に肯定的。「大雨、雪など自然現象の際に事前に在宅させることで、無理な出勤がなくなった」「社員のモチベーションが高まった」「お互いに協力し合う意識が芽生えチームワークが生まれた」「仕事への責任感が増した」といった意見があがっている。
在宅勤務制度を使いたい理由、使いたくない理由はさまざま
“業務内容的に在宅勤務が可能なのに、現在、勤務先に在宅勤務制度がない/わからない人”639人に、「在宅勤務制度が導入されたら利用したいか」を聞くと、「積極的に利用したい」43.1%、「時々利用したい」46.4%で、9割近くが利用意向を見せた。
利用シーンでは「インフルエンザなどの感染症の流行期間」「オリンピックなどのイベント期間」「通勤に関する無駄を省きたいので、常時利用したい」「一人で集中して作業したい時」「生理やPMSなどでキツいとき」「上司に会いたくない時、一人でいたい時」「親の介護が必要な時」があがっている。
一方、「利用したくない」と答えた約1割人のほとんどが「公私は分けたい」「家で仕事ができない」「人とコミュニケーションを取る機会が減ってしまう」といった理由をあげていた。
在宅勤務制度があっても利用したことがない人が過半数
さらに、勤務先に「在宅勤務制度」があると回答した194人に対して実際の利用状況を聞いたところ、「常に利用している」10.8%、「時々利用している」31.4%、「利用したことがない」57.7%で、実際の利用率はまだまだといった印象だ。
あわせて、勤務先に「在宅勤務制度」がある/あったと回答した196人に対し、「今までに会社から在宅勤務の指示が出た経験があるかどうか」を聞くと「ある」は30.1%。状況としては「台風」「震災」がもっとも多く、その他には「インフルエンザの流行」「オリンピック・パラリンピックの事前準備」「BCP(事業継続計画)の訓練」があがった。すでに「新型コロナウイルス」を理由にしている企業もあった。
調査概要
- 【調査対象】会社の経営者/役員・勤務者で、20代~70代の男女
- 【調査方法】インターネットでのアンケート調査
- 【調査期間】2020年2月2日~2月4日
- 【集計サンプル数】1,322名
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