日本は「新型コロナの収束時期」米国は「景気」を懸念、日常に戻るカギは「ワクチン開発」【電通調べ】

企業・団体の今後の活動では「コロナに対するなんらかのアクション」が必須。

電通は、新型コロナウイルスに対する生活者の心理を日米比較した調査「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第2回日米比較編)」の結果を発表した。

新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待などについて、電通グループの子会社Dentsu Aegis Network US Holdings, Inc.が米国で行った調査と同等のものを、日本でも行っている。今回はその2回目。日本の調査は、第1回が4月23日~24日、第2回が5月11日~13日に行われ、主に米国の5回目調査(4月24日)と比較している

生活者の心理、日本は米国より早く「混乱」を抜け出し「順応~収束後」段階に

まず心理ステージを「1.混乱・動揺」「2.変化への対応」「3.順応・適応」「4.収束の兆し」「5.収束後の生活へ」にわけて、生活者の比率を調査。日本ではステージ1・2が減少し、ステージ3~5が23ポイント増加し42%を占めた。

生活者の心理ステージ

次に「孤独←→周囲との絆を感じる」「悲観的←→前向き」「ストレス←→心の平安」といった感情軸7つについて、自身がどの位置にいるかを表してもらった。こちらでも生活者の感情が、ネガティブ状態から正常に戻っている。日本では「悲観的→前向き」「無力感を覚える→対処できていると感じる」が大きく増加した。米国との比較では、「ストレスを感じる」が日本は大きく米国を下回っている。また「対処できていると感じる」も米国を下回る。逆に米国は「孤独」「周囲への怒りを感じる」「状況に圧倒される」が強い。実際の感情以上に、国民性の差を感じさせる。

生活者の感情

日本は「収束時期」米国は「景気」を懸念、カギになるのは「ワクチン開発」

「現在、気になっていること」を聞くと、日本のトップは前回同様「収束時期」61%。前回2位の「家族や友人の新型ウイルス感染」は63%から50%に減少し3位に。前回3位の「景気」は58%から57%とあまり変わらなかったため、2位にランクアップした。基本的にほぼすべての項目でスコアが低下しており、とくに「医療崩壊」は大きく減少し(-19ポイント)、懸念の順位が下がりつつある。

なお米国は「米国の景気」47%ともっとも高く、次いで「家族や友人の新型コロナウイルス感染」43%だった。

生活者の懸念事項

「不安や不自由なく日常生活に戻るのに必要なもの」は、日米ともに「ワクチンが開発され、利用可能になること」がトップ。日本では82%、米国では56%を占める。一方米国は「WHOや国の研究機関等が、規制・自粛を緩和しても安全であると確認すること」42%が、日本の26%よりも16ポイント高い。

不安や不自由なく日常生活に戻るのに必要なもの

企業や団体への評価・期待も好転、ただし「コロナに対するなんらかのアクション」が必須

参考項目では、「地域のお店や企業」「大手企業やメーカー」「IT企業、ソーシャルメディア企業」「雇用主」「国民・市民」「地方自治体」「メディア・報道機関」「政府」といった企業・団体等の取り組みを評価してもらっている。

「期待を大きく上回っている」はすべての団体で1桁にとどまるが、「期待に応えきれていない」は前回よりも多くの団体で減少している。特に「国民・市民」は23ポイントと大きく減少した。ステイホーム要請に従ったことなどで自己評価が上昇したと思われる。

逆に「大手企業やメーカー」「メディア・報道機関」「政府」については、「期待に応えきれていない」は変化なし、あるいは増加した模様。

コロナ禍における企業・団体等の対応に対する生活者の評価

さらに、「もし企業が以下のようなことを行ったとしたら、その企業への興味関心は高まりますか」と項目別で聞くと、「必要としている人々へ商品やサービスを寄付する」64%が最多。米国も51%で同じく最多だった。一方で「通常と変わらぬ広告・活動をする」「(新型コロナに)特に何も言及せず営業活動を自粛する」企業に対しては「興味関心が減る」という割合が、他項目より一段と高い。“広告・営業をするにせよしないにせよ、新型コロナに対するなんらかのアクションが求められている”と言えるだろう。

企業や団体の対応に対する評価

※2020年6月1日追記:記事の初出時に不正確な表現があったため、一部記述を変更しました

調査概要:日本

  • 【調査内容】新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
  • 【調査時期】第1回:2020年4月23日~24日、第2回:2020年5月11日~13日
  • 【調査対象】全国20~69歳の男女
  • 【回答者数】1,000名
  • 【調査機関】電通

調査概要:米国

  • 【調査内容】新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
  • 【調査時期】第1回:2020年3月27日~29日、第2回:2020年4月3日~4日、第3回:2020年4月9日~12日、 第4回:2020年4月17日~18日、第5回:2020年4月24日
  • 【調査対象】全米18~64歳の男女
  • 【回答者数】1,000名
  • 【調査機関】Dentsu Aegis Network US Holdings, Inc.
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