10代、20代を中心に人気のTikTok(ティックトック)。毎日様々な動画が投稿されており、そこから新しい流行やインフルエンサーが生まれています。企業でのTikTokアカウント運用や、TikTokを活用したキャンペーンも増えてきました。ここでは、TikTokの特徴と企業アカウントの作成方法、企業活用事例などについて紹介します。
TikTokとは
モバイル向けショートムービープラットフォームのTikTok。投稿された動画を見るだけでなく、アプリ上で自分の動画を編集して公開することもできます。
TikTokメディアガイドによれば、2022年2月現在で30億回以上ダウンロードされており、150の国と地域、35言語で利用されています。10代に人気のSNSというイメージが強くありますが、最近は20代以上にも利用が広がっています。
※日本では13歳未満は使用不可となっています。
参考:参考:https://tiktok-for-business.co.jp/download/
TikTokの特徴の一つとして、機械学習によるユーザーの好みにパーソナライズしたコンテンツのレコメンド機能が挙げられます。レコメンドの精度が高いことから、動画を見続けてしまうユーザーが多く、ユーザー一人あたりの1日の平均視聴時間は67分となっています。
10代だけでなく、幅広い世代に広がりつつあるTikTok
博報堂DYメディアパートナーズと博報堂の共同プロジェクトであるコンテンツビジネスラボによる「コンテンツファン消費行動調査」によれば、「日本国内のTikTokユーザーは若年層が主体で、平均年齢は34歳。この数字は2019年以降、毎年上昇している」という結果になっています。ただしこの調査は、全国の15~69歳の男女約5000人を対象にした調査であり、TikTokのユーザーを対象にした調査結果ではありません。
最近は、主婦/ママ層のTikTokユーザーが増加しています。2021年6月時点で、TikTokユーザーの3人に1人が25〜44歳、25〜44歳女性ユーザーの4人に1人が主婦・ママユーザーという調査もあります。
参考:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/8837/
「TikTok売れ」による経済効果も。情報収集プラットフォームとしてのTikTok
TikTokは、ダンスや口パク(リップシンク)動画を見て楽しむアプリから、情報収集のためのアプリに変わってきています。「日経トレンディ」2021年12月号」で発表された「2021年ヒット商品ベスト30」で第1位になり注目されたのが「TikTok売れ」という言葉です。
TikTokユーザーの間では、「#購入品紹介」というハッシュタグを使って、ユーザーが購入した商品を投稿するブームがあり、そこから様々なヒット商品が生まれています。お菓子や飲料などの身近な低価格商品から、高級車などの高額商品まで紹介されています。インフルエンサーによる書籍紹介で、書籍売上が跳ね上がるようなこともありました。
TikTokは、「料理・飲食系の動画を参考にしたことがある」と回答したTikTokユーザーは49.7%、「店頭に商品を見に行った」「商品を購入したことがある」という、リアルな行動を起こしたユーザーはいずれも4割を超えているという調査結果を公表しています。
参考:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9398/
投稿される動画コンテンツも多様化しています。TikTokによる人気コンテンツの変化の調査では、「教育」が前年に比べて約2倍人気になっています。そのほか、料理レシピ、エクササイズ、商品開封など、コンテンツが多様化しています。ユーザーが真似やアレンジを重ねて、広がっていくコンテンツである「meme(ミーム)」も引き続き盛り上がりを見せています。
参考:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/8680/
TikTokの企業アカウント作成方法
TikTokのアカウントは、一般ユーザーアカウント、企業アカウントの区別はありません。アプリをダウンロードして、登録を進めればアカウントを登録できます。一部注意点があるので、流れを紹介します。
1.TikTokアプリをダウンロード
iOSはAppStore、AndroidはGoogle Playからアプリをダウンロードします。
2.利用規約へ同意
内容を確認し問題なければ同意して次に進みます。
3.好きなカテゴリ選択
興味のあるカテゴリを選択します。この項目はスキップすることもできます。
4.アカウント新規作成に必要なものを選ぶ
次のいずれかを使って、アカウントを新規作成できます。
- 電話番号またはメールアドレス
- 各SNSアカウント(LINE、 AppleID、 Twitter、 Google、 Facebook、CacaoTalkのいずれか)
企業公式アカウントとして作成する場合は個人のSNSで登録しないように注意してください。メールアドレスで登録すると運用チームで管理しやすくなります。
5.マイページをタップしてアカウント登録
マイページで生年月日を設定できます。生年月日は未成年保護のための利用制限に利用されます。よってブランドをリリースした日や会社の創業日などに設定すると、時期によっては利用が制限されることがあります。
TikTokでは16歳以下の場合はダイレクトメッセージが利用できず、13歳未満はアカウントを作成できません。注意しましょう。
6.パスワードを設定
パスワードの必須条件は8~20文字、数字・文字・特殊文字を組み合わせて作成します。
7.ユーザー名を作成
ユーザー名には、文字、数字、アンダースコア、ピリオドのみを含めることができます。 ただし、ピリオドはユーザー名の末尾には使用できません。
TikTokの企業活用事例
ここからは、実際にTikTokを運用している企業の取り組みを紹介します。
■自社アカウントを運用:三和交通
タクシー会社の三和交通のTikTok公式アカウント(@sanwakotsu)では、取締役部長・溝口孝英さんと渉外課長代理・森嶋幸三さんの「おじさん」二人組みを中心に動画を投稿しています。二人がダンスをする様子がおもしろおかしく、「TikTok2021上半期トレンド」クリエイター部門にもノミネートされ話題になりました。メディアで取り上げられたこともあります。
同社の動画は手作り感覚で親しみやすいのがポイントです。いろいろな場所でダンスにチャレンジしたり、TikTokのmemeにのってみたり、フィルター機能を試してみたりと、日々楽しい動画を投稿しています。TikTokを始めてから、若手社員や新入社員とのコミュニケーションが円滑になる効果や、楽しそうな会社の雰囲気を伝えたことで採用が増える効果もあったそうです。
参考:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9373/
■#チャレンジ施策:ドミノ・ピザ
#チャレンジとは、たくさんのUGC(Use Generated Contents)を収集できるキャンペーンです。
ドミノ・ピザでは、「ウルトラチーズ」に新発売に伴うキャンペーンとして、SNS動画投稿キャンペーン「求ム! ドミノ 最高チーズ責任者」を2020年1月〜2月に実施しました。チーズの伸びを撮影し、ハッシュタグ「#ドミノチーズ100万」を付けて、TikTokやTwitterなどに投稿して応募できるキャンペーンで、当選者はドミノ・ピザの東京本社で1日、「最高チーズ責任者」として働き、報酬として100万円が支払われるという企画です。
TikTokでは、TikTokで人気のうじたまいさんの音源を使ってチャレンジ施策を展開しました。また、複数のインフルエンサーにも動画を作成してもらうことでキャンペーンの認知を広め、参加者を増やしました。
ハッシュタグ集約ページで、キャンペーン参加者の動画を見ることができます。
■ブランドエフェクト:コーセー
TikTokの「ブランドエフェクト」は顔認識技術を使って、顔にエフェクトをつけるソリューションです。ユーザーがブランドエフェクトを使って投稿した動画は、エフェクト集約ページに表示されます。
コーセーでは、『Visée(ヴィセ)』の新アイカラー「パノラマデザイン アイパレット」の発売に合わせて、色味や質感を擬似体験できるブランドエフェクト「Viséeパノラマアイズ」をTikTok上で展開しました。CMに起用したガールズグループ、NiziU(ニジュー)が歌う楽曲を組み合わせて、エフェクトを楽しめます。自分の顔で、カラーを試せるのがポイントです。お手本動画をTikTokで人気のあやのさんが投稿し、拡散の起点となりました。
■無料ダウンロード資料:業界別TikTok企業アカウント事例集
TikTok運用の方向性を悩んでいる方に向けて、「業界別TikTok企業アカウント事例」を無料公開しています。記事内でご紹介した事例以外にも、さまざまな分野の事例をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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TikTok運用のポイント
企業アカウントがTikTokを運用するにあたってのポイントを紹介します。
ユーザーに楽しんでもらえるコンテンツを作成しよう
まずは、ユーザーに楽しんでもらえる動画を投稿することが一番です。広告のような動画はスキップされてしまうので、最後まで通して見てもらいにくくなります。TikTokで広告を配信する場合でも考え方は同じです。
TikTokならではの楽しさを理解するために、日頃からTikTokを見てどんな動画が人気で反応がよいのか、どんなハッシュタグが盛り上がっているのを研究するとよいでしょう。TikTokは流行り廃りが早いので、企画に時間をかけすぎると時代遅れにもなりかねないので、迅速性が求められます。TikTokはユーザーごとに表示内容が異なるので、社内の他のメンバーとも情報共有しながら、どんな投稿が人気なのか、他の企業はどんな投稿をしているのかを把握するとよいでしょう。
人気インフルエンサーをアサインする
TikTokには、たくさんのインフルエンサーがいるので、彼らを起用するとそのフォロワーに届くのでより多くの人にリーチできます。インフルエンサーには、それぞれ得意なカテゴリーがあるので、伝えたい内容とあわせて選定するとよいでしょう。人気のインフルエンサーを起用することで、企業イメージアップにもつなげられることもあります。
炎上に注意する
他のSNSと同様にTikTokにも炎上には注意しなければいけません。投稿する前に内容が行き過ぎていないか、ブランドの毀損にならないか、見た人を不快にしないかチェックするようにしてください。バズることを一番に考えてしまうと、炎上するリスクが高まるために、本来の運用の目的に立ち返りながら、投稿内容を考えてください。
インフルエンサーに対価を払って商品やサービスを宣伝してもらう場合には、#PRなどをつけるようにガイドラインを整備してください。PRであることを伝えないと、「ステマ」と判断されて企業にもインフルエンサーにも悪い印象を与えます。
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まとめ:TikTokで楽しいコミュニケーションをとろう
ショートムービーで楽しくコミュニケーションがとれるTikTokは、うまく活用できればブランドのファンを増やし、売上にも貢献できます。まずは、他の企業アカウントやインフルエンサーの活用方法を学びながら、自社での活用の方向性や目的を定めましょう。
TikTokはいまや、若い世代だけでなく、30代、40代に広がっています。さらに、購買意欲や行動にもつながることがわかっていることから、企業として運用する意義が高まっています。コンテンツの内容は、「おもしろいもの」「楽しいもの」から「役立つもの」まで幅広いジャンルで好まれるようになっているので、様々な角度から企画を考えてみましょう。費用をかけられるようであれば、 #チャレンジ やブランドエフェクトでユーザーに楽しんでもらいながら、露出を増やすこともできます。
TikTokのアカウント運用や広告配信をお考えの方や他のSNS媒体と組み合わせたマーケティング施策をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。
児童雑誌・書籍をメインに4年間の編集執筆活動した後、コムニコ入社。SNS企画運用・コンテンツ制作を行う。趣味はドラムとよさこい。
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