日本国内の月間利用者数が9,400万人(2022年12月末時点)を超え、日本の人口の70%以上をカバーしているLINE。
LINE広告は、LINEプラットフォーム上に広告を配信できるサービスです。リーチできるユーザーの規模が多く、ターゲティングによる配信ができるため、様々な目的での広告活用が可能です。
今回は、LINE広告の始め方や特徴について解説します。
LINE広告とは
LINE広告は、9,400万人以上の国内ユーザーを抱えるLINEプラットフォーム上に配信できる広告サービスです。LINE公式アカウントがなくても配信できますが、LINE公式アカウントを持っていると、相乗効果が期待できます。また、LINE公式アカウントの友だちを増やすための広告メニューも用意されています。
LINE公式アカウントについては、以下の記事を参考にしてください。
https://www.comnico.jp/we-love-social/line-business
上記の記事でも紹介しましたが、9,400万人のLINEユーザーの居住地は全国の人口分布とほぼ一致しています。
参考:https://www.linebiz.com/jp/download/
LINEユーザーの男女比はほぼ半々でやや女性が多くなっています。年齢層では、若年層、シニア層問わず全年代にユーザーがいます。日本に居住する人を対象に広告を配信したい場合、LINE広告は最適な広告サービスです。
参考:https://www.linebiz.com/jp/download/
LINE広告活用に必要なもの
LINE広告を始める前に準備として以下の作業が必要です。
■LINEビジネスIDの発行
LINEビジネスIDは、LINEが提供する法人向けサービスの管理画面にログインするために必要なIDです。
以下にログインして、「アカウント作成」からアカウントを登録します。
■広告アカウントの作成
①LINE広告の管理画面「LINE Ad Manager」(広告マネージャー)にログインします。
https://admanager.line.biz/
LINE Ad Managerが表示されます。
②広告アカウントを作成し、広告主情報、商材情報を登録します。
LINE Ad Managerの「広告アカウント」タブから「新しい広告アカウントを作成」をクリックして、情報を登録します。請求先情報で企業情報を設定し、続いて広告主情報、商材情報を、画面に従って入力します。商材とURLはセットで入力します。
■LINE広告配信画像
広告配信に利用するメディア(画像、動画)を先に登録しておくことで、審査を先に進めることができます。画像の用意が出来次第、画像をアップロードしておくようにしましょう。
LINE広告では、5つのクリエイティブ種類があります。
Card
トークリストやLINE VOOM(旧タイムライン)、LINE NEWSなど、多くの配信面に対応しています。
静止画:1200 x 628px
動画:画面比率16:9
Square
トークリストやLINE VOOM(旧タイムライン)、LINE NEWSなど、多くの配信面に対応しています。
静止画:1080 x 1080px
動画:画面比率1:1
Vertical
動画専用(画面比率9:16)のフォーマットで、大きく画面表示されるLINE VOOMに対応しています。
動画:画面比率9:16
(LINE VOOM上では3:4の比率となり、上下が切れて表示されるため、画面下部に字幕などを入れる場合は注意が必要です。ユーザーが画面をタップすると、9:16の全画面表示に切り替わります。)
カルーセル
1つの広告枠にスライド式で画像を最大10点掲載できます。ユーザーの閲覧履歴に基づき興味が持たれそうな特定商品を広告表示する「LINE Dynamic Ads」と、LINE VOOMとLINE NEWSの一部、LINE BLOG、LINEポイントクラブに対応しています。
静止画:1080 x 1080px
画像+テキスト
「画像+テキスト」は、画像とテキストで構成されるシンプルなフォーマットです。トークリストで表示されます。
静止画:管理画面に登録されている画像
テキスト:20文字以内
■クレジットカード
LINE広告の支払いは、クレジットカード決済のみ。
広告アカウントへの登録は、LINE Ad Managerの左上のメニューをクリックし「請求と支払い」からクレジットカード情報を入力します。
■LINEタグの設置
LINE広告の効果測定をするには、広告からの誘導先となるWebサイトやECサイトにLINEタグを設置する必要があります。LINEタグを設置することで、どの広告がサイト流入やコンバージョンにつながったのか把握できます。
LINEタグはLINE Ad Managerのメニューから「トラッキング(LINE Tag)」をクリックしてコードを表示し、Webサイトに設置します。
※ベースコード枠の[コピー]をクリックし、表記されたコードを正確にコピーして使用してください。
LINEタグには3種類あります。
ベースコード
ユーザー行動を計測するすべてのページのヘッダー(<head>〜</head>)に設置します。
コンバージョンコード
購入や会員登録など、コンバージョンを計測するページに設置するコードです。基本的には、コンバージョンが完了したあとのサンクスページにベースコードとセットで設置します。
カスタムイベントコード
特定のページにアクセスしたユーザーのイベントベースでの効果測定やオーディエンスの作成のためのコードです。これもベースコードとセットで設置します。
LINE広告の種類・配信面
LINE広告の種類(キャンペーンの目的)、配信面について紹介します。
■LINE広告で選択できるキャンペーンの目的
ウェブサイトアクセス
ウェブサイトへの流入を増やすための広告
ウェブサイトコンバージョン
ウェブサイトでの購入、会員登録、申込みなど、コンバージョンを増やすための広告
アプリインストール
アプリのインストールを促す広告
アプリのエンゲージメント
アプリの利用、課金などを促す広告
動画の再生
動画を再生してもらうための動画広告
友だち追加
LINE公式アカウントの友だち追加を促す広告
■LINE広告の配信面
LINE広告はどこに表示されるでしょうか?LINEは広告設定で配信面を設定することはできません。LINE広告アルゴリズムによって、もっとも効果が高いとされた配信面に自動的に配信されます。
トークリスト
LINEのトーク一覧の上部に表示されます。
LINE NEWS
LINE NEWS内のトップページや記事一覧ページアカウントメディアの記事一覧ページに表示されます。
LINE VOOM(旧タイムライン)
ユーザーが投稿したり、コメントや「いいね」ができるLINE VOOMに広告が表示されます。
LINEマンガ
LINEマンガアプリ内に広告が表示されます。20代〜30代を中心に幅広い層が利用。
LINE BLOG
LINE BLOG上に広告が表示されます。女性の利用が多く、79%が20代〜40代。
LINEポイントクラブ
LINEからアクセスできるLINEポイントクラブに広告が表示されます。40代〜50代の利用が中心です。
LINEショッピング
LINEから検索・比較・購入できるLINEショッピングに広告が表示されます。利用者の中心は20代後半〜40代前半の女性。
LINE広告ネットワーク
LINEアドネットワークに提携する外部アプリ、メディアへに広告が表示されます。
LINE広告ターゲティング
LINE広告では、様々なターゲティング方法で広告配信するユーザーを絞れます。
オーディエンスセグメント配信
年齢、性別、地域、興味関心などでターゲットを指定して配信できます。配信対象となるユーザーの属性や興味を推測してターゲティングします。
オーディエンス配信
ユーザー情報を利用して、配信対象となるユーザーをセグメントできます。すでに会員登録しているユーザー、購入したユーザーの端末識別IDを利用して広告を配信します。
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信
LINE公式アカウントの友だちを元に、ブロックされていない友だち、ブロック中の友だちに広告を配信できます。
類似配信
コンバージョンオーディエンスや友だちオーディエンス、アップロードした顧客情報に類似したユーザーを対象に広告を配信します。オーディエンスサイズにあわせて類似性の高低を調整できます。類似性が高いとオーディエンスサイズが小さくなり、低いとオーディエンスサイズが大きくなります。
リエンゲージメント配信
アプリをインストールしたまま休眠状態になっているユーザーを対象に広告を配信します。ユーザーが過去にアプリ内で行った行動に応じてターゲティングできます。
LINE広告に適した目的・業種
LINE広告では、性別や年齢、地域でのターゲティングが中心となります。そのため、購買層の性別や年齢が明確な商材の場合、ターゲティングして広告配信しやすいといえるでしょう。
また、広告配信面が多く、利用層に応じてリーチさせることができます。LINE広告では配信面の設定を行うことはできませんが、広告アルゴリズムによって適した配信面に配置されると説明されています。
LINEの関連サービスの利用層を確認すると、20代〜40代の女性の利用が多くなっているため、主婦層へ向けた訴求を行う場合はLINE広告でリーチできる場面が増えそうです。
広告配信できない業種
LINE広告は、広告配信前にLINE社からの掲載内容の審査があります。広告表現に関するガイドラインを設定しており、業界や業種、取り扱い商品によっては、広告配信の掲載が却下される場合もあることを覚えておきましょう。生体販売やタバコ、整骨院、医療機器などがLINE広告で配信できない業種です。
自社のビジネスが以下のガイドラインに抵触しないかどうか、広告配信前に確認しておきましょう。
参考:https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/guideline/
■無料ダウンロード資料:業界別LINE企業アカウント事例集
投稿内容や運用方針に迷っている方に向けて、コムニコでは「業界別LINE企業アカウント事例」を無料公開しています。 美容・ファッション、不動産、レジャーなど、さまざまな分野の事例が業界別でまとまっていますので、これらを参考に、自社のLINE運用を考えてみましょう。
LINE広告出稿のポイント
ターゲットを絞りこみすぎない
LINE広告は、性別、年齢、地域、趣味・嗜好など様々な条件でターゲティングができます。しかし、最初からターゲットを絞り込み過ぎてしまうと、配信母数が少なくなってしまいます。LINE広告では、機械学習アルゴリズムによって最適な配信対象者を決定しているため、最初の母数が少なくなると、学習のための十分なデータを獲得できません。
なお、地域、購買経験、携帯キャリア/OS以外の属性データは、LINEや関連アプリの利用状況などから推定するみなし属性となっているため、年齢、性別、地域で絞り込みすぎないほうがより幅広く配信できます。
「ウェブサイトを訪問した人」などをオーディエンスソースとして利用することもできますが、母数が少ないと配信対象が限定されてしまうことがあります。
よって、特に広告配信を開始して間もない時期は、広めのターゲティングで広告のリーチを増やすことを目指しましょう。
LINE広告出稿予算は「日別予算1万円以上」が目安
LINE広告は、1日1,000円から配信できます。手頃な価格で始められるのはメリットですが、広告の配信はオークション形式で他の広告主と競り合うので、広告予算が少ないとユーザーに広告が表示されなくなる可能性があります。
そのため、LINE広告で成果を出すためには、複数の配信方法を組み合わせてテストを重ね、クリエイティブや予算を調整していくのがおすすめです。LINE社では、月30万円の予算で3か月以上、広告を運用することを推奨しています。
LINE広告の成果を出す鍵は「クリエイティブ」
LINE広告は、他のSNS広告や検索広告に比べて広告運用において調整できる項目が少ないため、成果を出すには広告クリエイティブが大切です。クリエイティブの入稿本数の目安は、一つの広告あたり月に10件以上のコンバージョンが溜まる本数が推奨されています。クリエイティブの効果検証は1週間ごとに行い、クリック率の低いクリエイティブを停止させ、徐々に配信効率のよいクリエイティブに予算を集中させていきましょう。
また、配信面によって表示サイズが異なるため、同じ内容のクリエイティブでも複数フォーマットを用意することで、視認性、デザイン性を高められ、成果につながりやすくなります。
まとめ:LINE広告のポイントをおさえて広告を配信しよう
LINE広告は、LINE公式アカウントの有無に関わらず、広告を配信できます。国内の9,400万人のユーザーにリーチできることが強みです。LINEの様々なサービスを中心に広告が配信されるため、ユーザーの日常的な利用の中で、コミュニケーションが可能です。
目的にあわせてさまざまなターゲティングができますし、LINE公式アカウントと組み合わせて使うことで、ユーザーに多角的にアプローチができます。自社サイト内にLINEタグを設置すれば、効果測定が行えるので、どういうクリエイティブが効果的なのか、ターゲットや目的にあわせて検証することもできます。
一方で、広告ターゲティング設定、クリエイティブの設定などしっかりを行い、運用しながら調整していくには、運用リソースがかかります。コムニコでは、LINE広告の運用支援を行っていますので、LINE広告にご関心のある方はお問い合わせください。LINE公式アカウント開設時のポイントや、企業事例をまとめたLINEビギナーズガイドもぜひご活用ください。
児童雑誌・書籍をメインに4年間の編集執筆活動した後、コムニコ入社。SNS企画運用・コンテンツ制作を行う。趣味はドラムとよさこい。
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