LINEとnoteを組み合わせた情報発信で「ファンの獲得」ができるって本当?!
企業のデジタル活用の重要性は高まっています。しかし現状は、デジタルツールを使った顧客とのコミュニケーションのはじめ方やつづけ方に悩む企業も少なくないようです。LINEやnoteのような広い意味でのSNSを、企業はどのように組み合わせて活用していくべきなのでしょうか。
LINE株式会社 B2Bマーケティング室 室長の佐藤瑛実さんをオンラインイベントにお招きし、モデレーターの徳力基彦さんとnote株式会社 メディアチームの廣瀬藍里さんがお話をうかがいました。
noteの許諾を得て、Web担で掲載しています。オリジナル記事はこちら →https://note.com/notemag_business/n/na95c4f100d9c
- LINE公式アカウントで情報提供と常連とのつながりを保持
- いい記事の基準 スキの数やPV数だけでは測れない
- LINEとnoteを組み合わせてユーザーとのコミュニケーションをとる
- カジュアルな発信でファンを惹きつける
LINE公式アカウントで情報提供と常連とのつながりを保持
廣瀬 LINE公式アカウントでは何ができますか?
佐藤 企業や店舗の方々がLINEの中に自社のアカウントを作ることができます。ユーザーが友だち追加をしてくれれば、そこからメッセージを配信することができます。また、ナビゲーションメニューとして利用できるリッチメニューは最大6分割してユーザーへ情報を届けることができたり、友だちにアンケートをとることもできます。LINE公式アカウントはクーポンやショップカードの役割も果たすことができ、紙の印刷代が要らないのでコスパがいいのです。
廣瀬 LINE公式アカウントを活用しているのは大企業のイメージが強いですが、中小企業が利用するケースもありますか?
佐藤 はい。最近だと、緊急事態宣言で開店できない飲食店や美容サロンさんからお問い合わせを多くいただいております。LINE公式アカウントの友だち登録しているユーザーには、酒類の提供ができないことやテイクアウトメニューを始めたことなど、届けたい情報をすぐにアナウンスすることができます。お店を維持していくためにも常連さんたちと繋がっておきたい、という要望は多く活用していただいています。
LINEのタイムラインも活用されていて30〜40代の女性ユーザーが多いです。タイムラインで上手く拡散されて、友だち登録が増加して売り上げもアップした企業もあります。LINEのタイムラインは誰が見てるの? と聞かれることがありますが、結構穴場なんですよ。
廣瀬 LINE公式アカウントは、メルマガの代替みたいなイメージがあるのですが。
佐藤 そのお問い合わせはとても多いです。メールの効果が薄れてきている世の中で、LINEだったら届くのでは? と期待していただいているように思います。LINE公式アカウントからの情報がメルマガの10〜20倍の開封率である例や、開封されたメッセージの約90%がクーポン利用に繋がっている例もあります。LINE公式アカウントの中のクーポンはスマホから表示が可能なので、レジでクーポンをお持ちですか? と聞いてくれれば簡単に提示できるのが強みだと思います。
また、中小企業などの店舗で使っていただいてる方々の多くは、店舗の雰囲気が伝わるような写真を送られることが多いです。お客さん側も味があるようにとらえていて好まれるテイストのようです。その傾向はタイムラインとメッセージのどちらにも共通しています。
いい記事の基準 スキの数やPV数だけでは測れない
広瀬 いい記事を書くためのコツはありますか?
佐藤 いい記事の基準って何なんでしょうね。スキの数とPV数を比較した場合、どっちを大事にしたらいいのかも気になります。
廣瀬 PV数が多いものがすべていい記事だとは限らないですよね。例えば、イベントなどの質疑応答の内容をコンテンツにした記事はターゲットが明確なため、いい記事になることが多いです。届けたい人に伝わる文章がいい記事で、それを実現できるのがnoteの強みなんだと思います。
佐藤 何を伝えたいのか迷っているのが見えてしまうと魅力的とは言えないかもしれないですね。
徳力 数人しか読まないかもしれないけれど、その人たちが読んで心が動かされる記事を投稿することが大事ですね。
LINEとnoteを組み合わせてユーザーとのコミュニケーションをとる
徳力 noteに記事を書いてLINEで通知するなど、2つを組み合わせる方法もよさそうですね。
佐藤 LINEでは、LINEスタンプなどを使用したテンポのいいコミュニケーションが求められる傾向にあります。LINEには要約した短めのテキストを掲載して、noteに誘導して詳細を確認してもらう方法もあると思います。使い分けがポイントですね。
廣瀬 LINE公式アカウントの友だち登録をすると、企業とユーザーとの距離が近く感じます。コミュニティの濃度が高いほど、LINEとnoteを組み合わせた情報発信との相性はいいと思います。
佐藤 メルマガは会員登録をするときにメールアドレスを入れることが多いですが、LINEの場合は必要ありません。例えば、ショップカードを使うために友だち追加するなど、サービスを気に入った人が利用することが想定されます。LINEとnoteを組み合わせることで、ユーザーに届きやすくなると思います。
徳力 LINEもユーザーとのコミュニケーションの場だと捉えることができそうですね。
カジュアルな発信でファンを惹きつける
佐藤 私、行きつけの居酒屋があって。青森にお店を出すと聞いたのでLINE公式アカウントの設定を少し手伝ったことがあるんですが、なるべく店員さんがうつる写真を掲載するようにしたことで、店員さんの名前と顔が一致してお客さんとのコミュニケーションもしやすくなったみたいです。
廣瀬 私のイチオシは海士町あまちょうのアカウントです。ここは離島で「何もない」とよく言われるらしいんですけれど、豊かな自然があるところを伝えていきたいという気持ちで運用していただいてる素敵なnoteです。
徳力 サービスや提供するものを愛してもらうためのコミュニケーションの方法のひとつとしてLINEを使うケースも増えているそうですね。
佐藤 ファンを大事にしてるようなお店は、ブランディングや売り上げアップ以外の役割としてLINE公式アカウントを活用されています。お菓子屋さんなら商品ができる過程や原材料なども発信していますし、美容院から手書きのメッセージが添えられたハガキが届くこともありますよね。このように、お店のことを好きになってもらおうという姿勢を含んでいるような感覚でLINEのメッセージを送るのがいいと思います。
noteは作り込んだ情報だけでなく、思ったことをより生っぽく発信できるところがよいところだと思うので、内容によって使い分けるとよさそうです。
廣瀬 今回、まずはnoteに記事をアップすれば、それをLINEにつなげて拡張していける可能性があることがわかりました。noteは、公式サイトよりもカジュアルな発信も許容される雰囲気があることから、媒体の特性で選ばれることもあります。人を登場させたり会社などのストーリーを情報発信するときに、noteを選んでもらえると効果的ではないでしょうか。
――SNSは組み合わせることでコンテンツの魅力が届けたい人により届くようになるように思います。LINEとnoteは誰でも利用できるサービスなので、それぞれの特徴をいかしてファンを獲得できる情報発信をしていただければと思います。少数に向けた内容がその人たちに届き、心が動かされることを目指したいものですね。本日はありがとうございました。
※敬称略
佐藤瑛実(さとう えみ)さん
LINE株式会社、B2Bマーケティング室 室長。LINE ビジネスコネクト(現 Messaging API)の立ち上げメンバーとして様々な企業とパートナーアライアンスを担当。のちに事業企画を経て、2017年9月にB2Bマーケティングチームの立ち上げを担い、2019年より現職
Twitter:@eimi_sato
text by村松美紀
本記事は、noteの転載記事です。オリジナル記事はこちら
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