デジタルマーケ部門が働くトランスコスモスの「withコロナ時代の新オフィス」【探訪記】
この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。
デジタルマーケティングに携わるスタッフに「自由な発想、各自が新たな刺激を受け、社員同士で作り上げていく活動の場」を――。こんなコンセプトでトランスコスモスが新たに開設したオフィス「渋谷ファーストタワー」では、デジタルマーケティング部門が集結。新型コロナウイルス感染症拡大を機に機運が高まった「働き方」「オフィスの在り方」。トランスコスモスの取り組みを取材した。
業務に合わせてフロアを使い分ける設計
「渋谷ファーストタワー」の6階と7階にある新オフィスで、業務は2020年11月2日からスタート。渋谷本社と飯田橋事業所にわかれていたデジタルマーケティング部門を集約し、デジマ部門の社員のみが勤務する。1日あたり平均150人ほどがオフィスを利用しているという(11月6日時点)。
コンセプトは「自由な発想、各自が新たな刺激を受け、社員同士で作り上げていく活動の場」をコンセプトに設定。「息抜きも兼ねて、出社することがワクワクできるようなオフィスにした」(デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 インターネットプロモーションサービス本部 副本部長 齋藤勝重氏)
新型コロナによって変わった「働き方」「オフィスの在り方」への価値観。そんな環境下、新オフィスのレイアウトなどで重視したのは「出社する意味」「コミュニケーション」だ。
コミュニケーションやアイデア発想を目的に「壁や仕切りは一切なし」
コミュニケーションやアイデア発想を目的としたのが7階のフロア。壁や仕切りなどを設置せず、フロア全体を見渡せる設計が特徴だ。開放感のある設計にした理由は「換気面」と「誰がいるかわかりやすく、知っている社員を見つけた際にコミュニケーションをとりやすくするため」。
作業に集中したいときやWeb会議などでの利用を想定し、囲いのあるスペースも複数設置。囲いの壁に描かれたイラストはアーティストに依頼した。
「新たな刺激を受ける」「インスピレーションを得る」ために音楽や本を設置している。さまざまなジャンルのアーティストに「朝」「夕方」など音楽を聴く時間をテーマにプレイリストの作成を依頼。プレイリストにはQRコードを付け、自宅でも聴ける仕組みになっている。
本棚にはさまざまなアーティストが「オススメ」として選んだ本を置いている。本はフロア内で読むことができ、今後は貸し出しできるようにしたいという。
フロアの一角にはセミナーを行えるスペースを設置。フロアを社内のコミュニケーションだけではなく、「情報を発信する場」としての機能を持たせているという。
机にはQRコードを貼り付け、作業前に必ず登録することが求められる。各席ごとに利用者のログを取り、万が一、コロナウイルス感染者が出てしまった場合に対応できるようにしている。
作業に集中するためのフロア設計
6階は集中して作業できる静かなフロア。フリーアドレス制を採用しており、自由に席を利用できる。
「出社する意味のある」オフィスづくり
コロナの影響でフロア設計を再考
フロアごとに雰囲気や用途が異なる新オフィス。当初は2フロアとも6階のような作業ベースの設計にする予定だったという。しかし、新型コロナウイルスの影響で4月から在宅勤務を開始。多くのスタッフは出社できない状況となった。
そのため、7階フロアの設計を一から再考。コミュニケーションやアイデア発想を目的とした7階などについて、「出社する意味をオフィスに持たせる必要がありました」と齋藤氏は言う。
定期的に行っている社内調査では、在宅勤務の環境面に対するプラス評価は増加している一方、コミュニケーション面についてはマイナス評価が増えてきているという。
Web会議などで顔を合わせたり話をすることはできます。しかし、今までちょっとした世間話などから、同じ部署、一緒に働く人の人となりを知り、コミュニケーションを取りながら業務を進めていましたが、在宅勤務によってほとんどなくなってしまいました。(齋藤氏)
そのため、新オフィスは「自由な発想、各自が新たな刺激を受け、社員同士で作り上げていく活動の場」をコンセプトに設定した。「息抜きも兼ねて、出社することがワクワクできるようなオフィスにしたかった」(齋藤氏)
オンライン会議などで同じ部署内である「縦のつながり」は把握できるが、別部署との「横のつながり」が薄くなり、他部署からの刺激を受ける機会が減ってしまっているという。そのため、7階フロアに設置している大型スクリーンはあえて囲いをなくしたオープンな状態に。7階フロアで作業をしている際、スクリーンを使用している別部署の様子がわかるようにしている。
「働き方」を自由に考えてほしい
4月から始まった在宅勤務によって、一時期は出社禁止となった。1日に複数のクライアント企業と打ち合わせを行っていたため、多くの社員から「在宅勤務はできない」という声があがったという。
試行錯誤を繰り返し、現在では多くの業務を在宅勤務でこなせる状況になっている。だが、在宅勤務開始直後、社員の3割ほどが「出社したい」と思っていたという。こうした社員の声などを受けて設計した新オフィス。「働き方」について齋藤氏は次のように語った。
「働き方改革」のきっかけは新型コロナウイルスという強制的なことだったかもしれません。しかし、これを機に「こういうときは出社して打ち合わせをしよう」「チーム間でコミュニケーションを取ってアイデアを出し合おう」など、自分たちで働き方をどんどん自由に考えてほしい。考えた結果、「新オフィスを利用しよう」となってほしいと思っています。(齋藤氏)
オリジナル記事はこちら:デジタルマーケ部門が働くトランスコスモスの「withコロナ時代の新オフィス」【探訪記】(2020/11/24)
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