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「CRO」(Conversion Rate Optimization:コンバージョン率最適化)の全体像を理解しよう【CROの基礎知識・第1回】

CROグループマネージャーの好村俊一氏が、Webサイトの改善やPDCAで悩む担当者向けに、さまざまなヒントを紹介。
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CROの全体像を理解しよう(第1回)

※所属・役職は記事公開当時のものです。

デジタルからの収益増収は、今やどの企業にとっても必須課題です。CRO(Conversion Rate Optimization、コンバージョン率最適化)は、Webサイトの売り上げ増加、マネタイズといった課題を解決するための、現在もっとも旬な手法と言えます。にもかかわらず、デジタルマーケティングの現場において、CROの認知は低いと言わざるをえません。その理由の一つは、CROのカバーする領域が非常に幅広いため手をつけ難いことにあります。

今回から始まる本連載では、CROをわかりやすくひもとくことで、Webサイトの改善や、PDCAをどう回すかでお悩みの皆さまに向けて、参考になるヒントをご紹介していきます。

CROとは何か?

CROは「Conversion Rate Optimization」の略で、一般的には「コンバージョン率最適化」の訳があてられています。一般に、WebサイトのCVR(コンバージョン率)を高めることを目的としたWeb 施策を包括してCROといいます。

CROの説明の前に、まず、CV(Conversion、コンバージョン)、CVR(Conversion Rate、コンバージョン率)の意味を確認しておきましょう。

CV(コンバージョン)

CVとは、「変換」「転換」「換算」「転化」を意味する言葉ですが、デジタルマーケティングでは「Webサイトにおける最終成果」を指します。ユーザーが商品購入・会員登録・資料請求等へ至るといった、サイトの最終成果を実行した回数をCV数といいます。

CVは、業種やWebサイトごとに異なります。何をCVに設定するかで、サイトのあり方も変わってきます。


▼業種ごとの主なCV例

業種CV
B to B サイト製品お問い合わせ、カタログ請求
ポータルサイトメルマガ請求、有料会員登録
採用サイト採用お問い合わせ、採用エントリー
ECサイト商品購入、会員登録

CVR(コンバージョン率)

CVRとは、Webサイトを訪問したユーザーのうち、CVしたユーザーの割合を示した数値です。そのWebサイトがどれだけ効率的にCVを獲得したかを表します。CVRは、「CV÷Webサイト訪問者数×100」で求めます。

CVR(%)
=CV÷Webサイト訪問者数×100

例えば、B to Bサイトで、「お問い合わせフォームからの製品問い合わせ」をCVに設定していた場合、サイト訪問者数100に対して、フォームからの問い合わせ数が3だとしたら、3÷100=0.03、すなわちそのWebサイトのCVRは3%となります。

コンバージョン率の求め方

CRO(コンバージョン率最適化)

電通デジタルでは、CROを「訪問者のCVRを最大化し、売り上げを増やすこと」と定義しています。業種・業態を問わず、デジタルマーケティングにおいて、CVRの向上は避けて通れない大きな課題のひとつです。そのためのさまざまな施策の総体がCROということになります。

売り上げ(CV数)を最大化させるには?

多くの場合、CV数は売り上げに直結しています。CV数を最大化する方法には、大きく分けて、2つの方向性が考えられます。

① Webサイトの訪問者数を増やす(=SEO、広告などの流入施策)
② CVRを改善し、既存のユーザーから多くのCVを獲得する(=CRO)

大事なのは、①と②をバランス良く進めることです。

流入数を増やす(①)ことは、売り上げ増加には必要不可欠です。しかし、CVRが低いままだと歩留まりが悪く、毎月多額の広告費をかけたとしても、費用対効果が低くなってしまう可能性があります。

既存のユーザーと同じ品質のユーザーが増えるとも限りません。流入数は増えたがCVは増えない(=CVRは低下)ということも考えられます。

費用対効果の面では、既存の顧客からCVを増やす対策(②)のほうが現実的です。ただ、②だけでは、母数が既存ユーザー数に依存するため、爆発的な売り上げ増は求めにくいのは事実です。

まずは②のCROでCVRをある程度改善する。その上で、費用対効果を推し量りながら、①を状況に応じて実施し、少しずつ売り上げを増やしていくことが重要です。CVRとCV、UU(訪問者数)の関係を表す計算式は以下のとおりです。

CVRを増加させるための方程式

CVRを増加させるための方程式

CVRを最大化する5つのポイント

CVRを最大化するために、ECサイトを例に、チェックすべき5つのポイントを下記にまとめました。それぞれ、ユーザーが離脱しがちなポイントと、それに対する主な改善策をご紹介します。

サイトの改善ポイント

サイトの改善ポイント

①TOPページ

Webサイトのトップページは、ユーザーの流入や行動基点となるため、ユーザー訪問数の母数がもっとも多いページです。トップページはWebサイトの玄関。本で言えば表紙であり、 目次であるため、情報が多くなりがちです。ユーザーは、何らかの目的をもってトップページにやってきています。そのため、TOPページから次のアクションへの導線が多すぎると、目的のページが見つけられず、ユーザーの離脱率が高くなり、CVR低下の大きな要因となります。

〈CVR改善ポイント〉

  • TOPページを訪問したユーザーの次ページ遷移から、ユーザーニーズを探る

  • ユーザーニーズを踏まえて、TOPページからの導線を単純化・明確化する

②主要導線

サイトには、コンバージョンに至るまでに多くのユーザーが遷移するルートが必ず存在します。その行動はユーザー行動から、ターゲットを発見したり、遷移導線を明瞭化したりするだけでコンバージョン率は改善する可能性があります。

〈CVR改善ポイント〉

  • 主要導線はとにかくわかりやすく情報設計する

  • キャンペーンやクーポンがある場合は、この導線上に設置し、コンバージョン意欲を高める

③商品一覧――情報収集・検討に至るまでに経由するページ

商品一覧ページは、ユーザーが情報を収集したり、購入を検討したりする際に必ず経由するページです。ユーザーが欲する情報へ容易に遷移できなかったり、情報が気づきにくいところにあったりすると、離脱率が高くなります。

〈CVR改善ポイント〉

  • サイト内検索や検索結果から、ユーザーニーズを探る

  • ユーザーニーズを踏まえて、機能改善やUIデザインを実施

④商品詳細

商品詳細ページは、CV(購入)するかどうかを検討する決め手になるページです。ユーザーの求めている情報と提供する情報とのミスマッチが起きている、あるいは、CVの後押しとなる情報が不足していると、離脱率が高くなります。

〈CVR改善ポイント〉

  • ユーザー行動データから、ユーザーニーズを探る

  • 離脱データから、UIデザイン的な課題があったかどうか探る

  • ユーザーニーズを踏まえて、提供する情報の改善やUIデザインを実施

  • 動画など、視覚的に理解促進をさせる施策を実行する

⑤エントリーフォーム(注文ページ)

エントリーフォームは、CV意向ユーザーが必ず遷移するページです。しかし、CVに至るために、名前、住所、メールアドレス、決済方法といった必要事項を記載する手間やストレスを与えるポイントでもあります。入力する項目が多すぎたり、誤入力を誘発するようなデザインになったりしていると、離脱率が高くなりがちです。

〈CVR改善ポイント〉

  • ストレスフリーなエントリーフォームの設計

マーケティング全体や商品/サービスの再考も視野に入れる

Webサイトにはポイントごとに実施すべきCRO施策が存在しています。それらをひとつずつ実行し、改善していくことで、CVR最大化と売り上げ向上を実現していきます。

効果的にCROを実施するには、複数の箇所を逐次的に改善することが必須です。そのためには、Webサイト全体を俯瞰した改善の全体設計を作ることが必要になってきます。全体設計で押さえるポイントは、下記の2点です。

① マーケティング全体からCROを設計する
② マネタイズモデルやサービスから設計を組み立てる

①に関して、デジタルの売り上げを最大化させるためには、SEOやCRO、アド広告などを縦割りで考えるのではなく、包括的に考えることが有効です。各マーケティング施策の効果を見定め、CVに至る変数を設定し、対策すべき領域を選定します。

マーケティング全体からコンバージョン率最適化を設計

また、②に関してですが、サイトタイプやマネタイズモデルから、KGIに対してアプローチすることも重要です。そのためには、まず何を達成すべきか、どこに課題があるかを整理する必要があります。

サービスモデルからKGI達成に向けたトリガーを見つける

徹底的なデータドリブンによるCRO

CROを着実に進める際にもっとも大事なのは、確かなデータに基づいて施策と検証を繰り返していくことです。

電通デジタルでは、ユーザーから取得したデータを徹底的に分析し、改善を繰り返しながらサイトを成長させていくCRO手法を用いています。

電通デジタルのCROソリューション

Google AnalyticsやAdobe Analyticsなど、ユーザーのアクセスログ(1stパーティデータ)の定量分析による徹底的なデータドリブンによって、売り上げの阻害要因や問題要因を定量分析により発見します。同時に、Optimizeやポップアップ、チャットやレコメンドなどの多角的なアプローチで、テストや改善施策のPDCAサイクルを迅速に回していきます。

この2つを掛け合わせてCROを実施することにより、全体最適からパーソナライズによる個客獲得まで、Webサイトの課題に応じて、多角的にクライアント企業の売り上げをグロースさせることができるのです。

次回は、CROの実施において重要な、課題の見つけ方について、ご紹介したいと思います。

「電通デジタル トピックス」掲載のオリジナル版はこちらCROの全体像を理解しよう(第1回)

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