「Googleやマップで調べた情報、間違っている…」緊急事態時に企業がやるべきこと

ユーザーの7割が「企業Webページ」以外で企業情報を調べる時代に、ユーザーに正しい情報を届けるにはどうする?
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2020年4月、新型コロナウイルス感染症の大流行により、日本政府から「緊急事態宣言」が発令された。それを受けての措置として、不要不急の業態・業種に対して休業や営業時間短縮などの要請が出され、多くの企業や店舗が対応を余儀なくされている。

また、発令当初は東京など7都府県が対象であった緊急事態宣言が、その翌週には対象が全国に拡大されるなど、刻一刻と状況は変化しており、予期せぬ変更や不確実性が高まる困難な状況にある。このような緊急事態時には、人々は最新で正しい情報を今まで以上に求めていると言えるだろう。店舗や企業がオンラインでユーザーに正しい情報を届けることの重要性が高まるなか、本記事では、自社の正しい情報を届けるために今、企業が取り組むべきことを解説する。

「ユーザーに正しい情報が届かない!」ことを防ぐには?

検索エンジン、マップ、SNSなどのプラットフォームを使って調べた内容が間違っていたり、抜けていたりすることでユーザーが最適な情報に手が届かないということはよくある。こうした事態は、企業にとって大きな機会損失になることはもちろん、ユーザー満足度の減少につながり、ブランドイメージ・信用の毀損ともなりうるだろう。緊急事態宣言により不要不急の外出が抑制されるなかでは、「実際に店舗まで行ってみなくても営業状況や営業時間を正確に把握できる」ことはより重要となってくる。

ユーザーに正しい情報を届けるためのポイントは以下の3つだ。

  1. 外部プラットフォームに正しい情報を提供する
  2. 複数の外部プラットフォームに対応する
  3. 検索意図(インテント)を踏まえて構造化したウェブページを構築、運用する

この後、この3つの重要性とその解決策について論じていく。

外部プラットフォームからの流入が7割を超える

「正確な情報を提供する」ことは事業者にとって大切なことだ。しかし、「自社サイトで正確な情報を伝えているからそれで十分」「自社サイトの他に、SNSに定期的に投稿しているから問題ない」と考えているWeb担当者も多いのではないか。

デジタルサービス上に自社の情報を正しく提供するための「Yext Search Experience Cloud」プラットフォームを提供するYext(イエクスト)の清水氏は、「自社の最新情報を適切に更新できている事業者は多くない」と警鐘を鳴らす。

清水真理氏
株式会社Yext(イエクスト) 清水真理氏

消費者が企業のWebサイトに行かなくても、Googleやマップ、音声検索やSNSといった第三者のチャネルで情報を入手できるようになって久しい。Yextの調査によると、高い購入意向を示すトラフィックの割合は、企業ウェブサイトへの直接流入に比べて、外部プラットフォームからの流入のほうが約2.7倍多い。つまり、全体のトラフィックの約73%が外部プラットフォームから発生しているという。

一部の外食サービスなどではこの格差がさらに広がり、外部プラットフォームからの流入が最大で約10倍に達しているケースもある。近年の検索結果は日に日にリッチになってきていることから、今後も外部からの流入量は継続・増加していくものと考えられる。

デジタルメディアでのマーケティングの重要性が増している昨今、ユーザーが検索したときに企業やブランドが正しい情報を提供できるようにしていることが「ブランド認知」にとって最も大切である。さらにグローバル展開や、訪日外国人をターゲットにしているサービスの場合、コロナウイルスの終息後には、より多くのプラットフォームに対応することが求められている。

プラットフォーム上では情報が間違っている

しかし現状はどうか。外部プラットフォームにおける自社情報の正誤に関してYextが世界全域で調査したところによると、平均で、企業名の間違いが37%、住所の間違いが43%、ウェブサイトのURL間違いが19%と、正しい情報を掲載できていない事業者も存在する。Googleやマップ、SNS上の情報は企業の公式な情報とは限らず、インターネット上の情報を自動で取得されていることが多いからだ。

実際に丸亀製麺のように、「検索しても店舗情報が表示されない」「ブランドイメージを毀損するような写真や、誤った営業時間や、閉鎖店舗など古い情報が表示される」ことはよくある。

Google検索した時の丸亀製麺の店舗情報の例(左:Yext導入前、右:Yext導入後)

もちろん、そうした外部の誤った情報を、自社で修正、更新することは可能だが、マップ、SNS、音声検索、アプリなど、プラットフォームは年々数が増加し続けており、全てを把握することが難しくなっている。さらに、それぞれ仕様が変わり続ける多数のプラットフォームに対して最適なデータを提供し続けなければならない。その上、コロナウイルスの緊急事態時には急な情報の変更も多く発生する。この対応を、マーケティング担当者が自力で行うには、大変な労力と学習が必要になる。対応が追いつかなかったり、その場限りになってしまったりしている企業も少なくない。

また、最近では悪意あるユーザーにより、知らない間に情報が書き換えられていたりするケースや、Googleやマップの改ざんによる詐欺も起こっている。

外部プラットフォーム上の自社の情報はしっかりと自社で管理し、自分たちのお客様に正しく届けることが重要だと言えるだろう。

正確な情報を提供するためのプラットフォーム

そうした状況に対応し、外部プラットフォームに正しい情報を掲載することができるのが、Yextの「Yext Search Experience Cloud」だ。

これを使えば、Google、Facebook、Appleマップなどの世界150以上のプラットフォームに、正確な自社情報を提供し、検索で正しく表示されるようにすることが可能になる。

「Yext Search Experience Cloud」は下記の5つのサービスから成り立っている。

  • 企業やブランドの公式な情報を一括管理するデータベース「Knowledge Graph」
  • 企業やブランドの公式な情報を外部プラットフォームと自動連携する「Listings」
  • 自社の店舗ページやランディングページを構築・運用する「Pages」
  • 口コミの収集・分析・返信ができる「Reviews」
  • 検索トラフィックを分析する「Analytics」
Yext Search Experience Cloudの仕組み

各プラットフォームに企業の正しい情報を配信する「Listings」

この中で、各プラットフォームに企業からの「公式で正しい情報」を配信する機能を担うのが「Listings」だ。データベース「Knowledge Graph」へ正しい情報を登録し、Listingsが各プラットフォームへその情報を提供するという流れだ。

各プラットフォームは、第三者が情報を更新・書き換えできるものがあり、常に正しい情報を維持するという管理が必要になります。Yextは「マッチ&ロック」と「デュアルシンク」という2つの特許技術により、正しい情報を“維持”することができ、「情報が知らない間に間違ったものに書き換わっていた」ということを防ぎます(清水氏)

Yextでは、Google、Facebook、Appleなど各プラットフォームごとにエンジニア担当が設置されており、それぞれの仕様変更などの対応を行っている。日々成長、更新している各サービスの仕様を把握し続けるのは大変な手間だが、Yext側が自動的に対応してくれているというわけだ。

「Listings」では150以上の外部プラットフォームに正しい企業情報を記載できる

すでに導入事例も数多くある。特に多店舗展開している企業ではその効果が顕著だ。例えば、物流業のヤマト運輸では、Listingsを利用して各プラットフォームに正しい情報を提供することで、Googleマップでの検索数が月間600万から900万倍と1.5倍に増加するとともに、店舗への経路検索が1日あたり4000件増という成果が出た。

また旅行代理店のJTBでも、同じくListingsを利用することで、「検索エンジンからの店舗ページへのクリック」と「架電・来店等のコンバージョン率」が、合わせて約1.6倍に増加したという。

検索意図を踏まえて構造化した店舗ページを構築・運用する「Pages」

こうして、Listings機能によって、正しい情報を外部プラットフォームに提供し続ける体制ができたらそれで終わりではない。企業がユーザーに正しい情報を届けるために、もう一つ取り組むべきは、「企業サイトの構造化」だ。

構造化が必要な背景として、清水氏は「検索エンジンが、単語だけではなく、『港区 デリバリー バイト』などのような“複数の単語”を組み合わせた検索による消費者の検索意図を理解するようになった」と語り、「一般的に、構造化されているウェブページと構造化されていないウェブページでは、見た目や内容が同じだったとしても検索エンジンの理解度が異なる。ウェブページを構造化し、検索エンジンに読み取りやすくすることで、消費者の検索に対して、望んだ検索結果として表示されやすくなる」と述べた。

ただし、構造化の仕様も一定ではなく、日々進化していくため、その対応は煩雑になりがちだ。さらに、企業Web担当者にとって、最適化していくべき項目は構造化以外にも多数ある。この対応に四苦八苦する担当者も少なくないだろう。その煩雑さをクリアし、検索意図を汲み取った構造化ページを生成するために有用なのが「Pages」だ。

Pagesでは、Yextの構造化言語の専任エンジニアがコンサルティングとして入り、CMS、ホスティング、構造化対策などをクラウドサービスで一気通貫で提供できることが大きなメリットとなる。

Pagesでは、検索意図(インテント)を踏まえた構造化ページを構築、運用できる

JTBでは、Pagesを利用して全店舗ページを構造化することで、店舗ページ全体のインプレッション数が40%増加し、コンバージョン率を1.6倍まで上昇させた。また、丸亀製麺でも同じくPagesの利用によって、導入後半年で店舗ページ全体インプレッション数が2倍に達したという。

さらに、JTBは約800店舗、丸亀製麺は約900店舗を抱えており、これまで更新に手間のかかっていた店舗・拠点ページの運用をYextで一気通貫に管理できていることも大きな導入効果と言えるだろう。

正しい情報を整えることがSEO効果を生む

Yextのこれまでの導入事例をもとに、清水氏は「各プラットフォームに正しい情報を提供することで、いわゆるサイテーション(引用・言及)効果により、ローカル検索結果の上位表示に有利に働き、大体1年ほどで、Google検索やマップのインプレッションが平均で約1.5倍程度まで増加する」と導入効果を分析する。

さらに、構造化することはユーザーの検索意図に対して適切な結果を返しやすくしたりするため、検索サービスの最適化という意味では非常に重要だろう。

Googleは「Googleマイビジネス」のヘルプにおいて、ローカル検索結果のランキングを改善するヒントとして「詳細で正確な情報を入力する」と記載している。Google以外の各プラットフォームも正確な情報を集めたいと考えていることに疑問の余地はない。

これは、プラットフォームとしての社会的な意味合いもあるだろうが、情報が間違っている媒体の信用度は落ち、ユーザーに使われないという単純な理由でもあるだろう。そのため、「Listings」と「Pages」のようなサービスを使って、正しい情報を各種プラットフォームに提供し続けることで、検索結果の上位表示にもつながっていくだろう。

さらには、ユーザーに対して正確な情報を届けることで、来客や購入はもちろん、ユーザーの満足と信頼を勝ち取れるというわけだ。

新型コロナウイルスのような緊急事態や災害時でも情報を一括で更新し、ユーザーに正しい情報をリアルタイムに届けることができるので、危機管理対策のインフラとしても有効だ。Yextなら、営業時間、臨時休業、店舗固有のサービス情報、お客さまに伝えたいメッセージの追加など、急な店舗情報の変更にも対応できる。

◇◇◇

150以上のプラットフォームに対応している「Yext Search Experience Cloud」の価格は、1店舗あたり月額約3,000円(税抜)から。口コミ分析、返信などの機能を含んだ場合は月額約1万円。また、「Pages」を活用した構造化ページの構築支援サービスは個別見積もりとなる。

こうした価格で多数のプラットフォームに対する情報提供が最適化できるのは、非常にコストパフォーマンスが良いサービスだと言えるだろう。

  • 検索エンジン、SNS、マップなどの外部プラットフォームに正しい情報を掲載したい
  • 外部プラットフォームからの集客を増やしたい
  • ページを構造化して検索エンジンからのインプレッション数やコンバージョン数を上げたい
  • 新型コロナウイルスのような緊急事態や災害時に営業時間やサービスの変更、臨時休業などの最新で正しい情報をタイムリーに発信したい

こういった方は、ぜひ一度「Yext Search Experience Cloud」を検討してみてはいかがだろうか。

用語集
SEO / SNS / インプレッション / クラウド / コンバージョン / コンバージョン率 / サイテーション / 検索エンジン
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