【レポート】Web担当者Forumミーティング 2019 Spring

もうダンスだけじゃない? マーケターが知っておきたい最近の「TikTok」とビジネス活用

若者のプラットフォームという印象が強い「TikTok」だが、最近は多様化が進んでいるという。今後、どうビジネス活用していくべきかについてを解説する。

デジタルネイティブに絶大な人気があると言われる動画アプリ「TikTok」だが、ビジネスにどう活用できるのかと興味津々のマーケターもいることだろう。TikTokを提供するBytedanceの鈴木 瑛 氏が、「Web担当者Forum ミーティング 2019 春」に登壇し、人気の秘密や最新トレンドを紹介しつつ、知っておきたい基本とマーケティングにどう活用できるかを解説した。

BytedanceのX Design Center 鈴木 瑛 氏

TikTokコンテンツのトレンドは「観て楽しむ」に変化

TikTokは、15秒間の動画を撮影・編集し、アプリ内で共有するSNSだ。TikTokが流行り始めた時、ダンス動画が多く共有された。このため「TikTok = ダンス」と思っている人もいるかもしれないが、「それは昔の話」だと鈴木氏は言う。

TikTokでの主なコンテンツを、「マネして拡散」するものと「観て楽しむ」もの、「インカメラ」で撮るものと「アウトカメラ」で撮るもので4つに分類したのが以下だ。

観て楽しむ(インカメラ)
  • 日常の私
  • メイクHow to
マネして拡散(インカメラ)
  • 簡単なダンスチャレンジ
観て楽しむ(アウトカメラ)
  • ペット
  • 日常の風景
  • 旅行の景色
  • 創作動画
  • 料理などのHow to
マネして拡散(アウトカメラ)
  • デュエットコント
  • 家族でダンス
  • 友達とダンス

当初は、右下の部分にある「インカメラ」で撮り「マネして拡散」するダンス動画が流行した。しかしそこから、「インカメラ」で撮るが「観て楽しむ」もの、「マネして拡散する」が「アウトカメラ」で撮るものへと、流行が広がったという。そして最先端の流行は、「観て楽しむ」「アウトカメラ」で撮った動画ということだ。

会場では「アウトカメラ」で撮った「観て楽しむ」動画の具体例がいくつか紹介された。たとえば犬の動きにツッコミを入れる漫才のようなもの、歌の歌詞に合わせて顔が大きくなるものなどだ。

ユーザーは多彩な楽しみ方をしているが、TikTokらしさを挙げるなら、「ファニーさ、楽しさ」だと鈴木氏は言う。

つまり、「このワンちゃん、カワイイ!」だけでなく、特に意味はないけど、楽しいと言うのがTikTokらしさ。

動画自体に深い意味があるわけではなく、音楽やかわいい動物がかぶさることで、なんとなく見てしまう。そういう動画が重なっていく(鈴木氏)

TikTokの特徴

TikTokの特徴を挙げると、以下のようなものがある。

  • TikTok内で共有することで、「ハート」や「コメント」がつく
  • 動画編集で、「音楽をつける」「音声を加える」「エフェクトをかける」「字幕を入れる」などが簡単にできる
  • 機械学習によってパーソナライズされた動画レコメンド

TikTokは150の国と地域をカバーし、日本における月間アクティブユーザー数は950万(2018年4Q)まで成長している。また、エンゲージメントの高さも特長で、ユーザー行動の特徴は以下のようなものだという。

  • 一日平均120~160本の動画を視聴する
  • 動画を投稿する人が66%
  • 9割の人がアクション(いいね、コメント、外部SNSへのシェア)を起こす
  • 購買にも寄与する

鈴木氏は、TikTokが成功した要因を2つ挙げた。テクノロジー面と、外部要因によるものだという。

まずテクノロジー面だが、TikTokでは機械学習アルゴリズムを活用しているという。それは、ユーザーがどのようなコンテンツに興味があり、どのような属性の人で、どのような環境で利用しているかをトータルで分析し、ユーザーごとに最も関心のあるコンテンツを最適化して提供するテクノロジーだ。

その他、以下3つの外部要因も考えられる。

  1. 通信速度の高速化
    3G、4Gと通信速度が高速化してきたが、2020年には5Gがサービスインすると言われている。通信速度が高速化することで、動画をストレスなく楽しめるようになった。
  2. 通信料金の低価格化
    動画は多くの帯域を使う(いわゆる「ギガをくう」)ため通信料金が気になるところだが、携帯料金の値下げや、キャリアの動画見放題プランにTikTokが入ったことが追い風となった。
  3. 自己表現世代の台頭
    2012年に、体育の授業でダンスが必修化された。当時高校生だった20代前半までの世代は、自己表現に躊躇を感じない世代で、これが地味に重要だと、鈴木氏は言う。

TikTokの広告商品と効果的なクリエイティブのポイント

TikTokの特長を踏まえたうえで、鈴木氏は主な広告商品と成功事例を解説していった。TikTokの広告は基本的に、画面を縦型に使う全画面動画広告だが、縦型の素材がなければ横型の動画に上下をつけて縦型にするだけでも効果を得られるという。また、ユーザーのほとんどは音声をオンにして動画を楽しむため、広告でも音声を聞いてもらえる可能性が高い。

TikTokの広告商品の中から、主な3つの広告とクリエイティブ制作におけるポイントを紹介した。

① Take Over AD

スマホ全画面で再生されるため視認性が高い広告。静止画、GIF、動画が入稿可能だが、動画を投下した場合のCTRが最も高い。タップするとランディングページに遷移する広告。

この広告の活用ポイントは、情報を詰め込みすぎないことで、言いたいことが複数ある場合は画面を切り替えると効果的だ。テキストはわかりやすく、短くし、アクション喚起を明確に呼びかけるコピーにする。さらに、好奇心をそそるクリック誘導ボタンを設置することが重要だ。

② Infeed AD

お勧め動画を上から順番に見ていくのがユーザーの楽しみ方だが、その間に挟み込まれる全画面の動画広告。音声ありで15秒。

パフォーマンスがよかったクリエイティブのポイントは、以下の通り。

アパレル系

  • 訴求したいアイテムや金額を分かりやすく訴求
  • 目を惹く動画
  • 訴求内容が曖昧なポートレート的な動画はCTR/CVRが劣る

求人系

  • 日給だけでなく、仕事内容や仕事のセールスポイントなど複数要素を盛り込む
  • オークション型では目立つことが重要

ゲーム

  • ガチャ、キャラクター、アイテム等、気持ちがアガる要素を盛り込んだ動画
  • キャラクターメインの訴求は、CTRは高いがCVRは低い
  • アテンションを越えるガチャのワクワク感がCVRには必要

③ #Tag Challenge(ハッシュタグチャレンジ)

企業・ブランドからお題を出して、ユーザーに動画投稿を促す。企画次第では、口コミの創出や商品認知だけでなく、商品特徴の理解促進や購買意向の喚起にも貢献できる広告。

使い方としては、#Tag Challengeを企画し、それを「Challenge発見ページ」に掲載。Take Over ADとInfeed ADで告知し、#Tag Challengeに参加を促すという流れだ。

  1. Challenge発見ページ
  2. Take Over AD
  3. Infeed AD
  4. Calenge Topページへ

#Tag Challengeへユーザーに積極してもらうには、以下のようなポイントが重要だ。

  • キャンペーン企画:参加する明確な理由(シーズナリティ、インセンティブ、ユーザーインサイト)を提示する。
  • チャレンジ内容:できる限りシンプルに簡単に真似できるchallengeを丁寧に公式動画で解説。
  • 対象プロダクト:シーズナリティが重要。ただし、ブランドと関係性のないものは受け入れられない。

鈴木氏は、「AISASはそろそろ勤続疲労を起こしている」と言い、TikTokの考える新しいマーケティングモデル「ALSAS」を紹介した。「アルゴリズムが情報を集め、その後ユーザーがそこに共感し、アクションを起こしてシェアする」というものだ。TikTokでは、「新しい広告でユーザーとブランドのつながりを深めることを目指している」という。

ALSAS
  • AL……Algorithm
  • S……Sympathize
  • A……Action
  • S……Share

最後に鈴木氏は、「仲間内でのコミュニケーションを理解した発信を行うことが、コミュニケーションにおいて重要になる」と述べてセッションを締めくくった。

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